medibaが挑む子どもの金融教育と家事分担の可視化について

medibaが挑む子どもの金融教育と家事分担の可視化について

今回は、株式会社medibaの中村氏、木村氏に、子どもの金融教育アプリの「まねぶー」、および家事分担の可視化ができる「ペアワーク」について、マネーキャリア編集部が独自インタビューを行いました。

子どもの金融教育アプリ:「まねぶー」とは

まねぶーアイキャッチ画像

「まねぶー」は、子どもがお金の仕組みや働くことの意味を、ゲーム感覚で学べるマネー学習アプリです。

 

アプリ内では、実在する企業や店舗をモチーフにした「おしごと体験」を通じて、報酬としてアプリ内通貨「マネブ」を獲得し、その通貨で買い物を楽しむことができます。単なる知識学習ではなく、「働く→お金を得る→使う」という経済活動を疑似体験できる点が特徴です。

 

また、ゴミ拾いなどのSDGs要素も取り入れられており、社会とのつながりを意識しながら学べる設計になっています。

 

親子で会話しながら利用できる点も特徴で、幼少期から自然に金融リテラシーへ触れられるサービスとして展開されています。

 

リンク:https://www.maneboo.jp/

家事分担の可視化ができる「ペアワーク」とは

ペアワークのアプリアイキャッチ画像

「ペアワーク」は、共働き夫婦の家事分担を可視化し、「名もなき家事」の負担や不公平感をデータで共有できる家事管理アプリです。

 

掃除や洗濯だけでなく、「ゴミ袋を替える」「献立を考える」といった細かな家事まで記録でき、夫婦間でタスクを共有・通知できます。

 

さらに、家事を「時給換算」する独自機能により、家事労働の価値を見える化している点も特徴です。

 

単なるToDo管理ではなく、家事への貢献を互いに認識し、感謝やコミュニケーションにつなげることを目的としており、共働き世帯のすれ違いやモヤモヤを減らす仕組みとして設計されています。 

 

リンク:https://pairwork.app/

「まねぶー」について

中村様画像

まねぶー誕生の背景

質問

Q1.「まねぶー」はどのような課題意識から生まれたサービスなのでしょうか?

(中村様)

「まねぶー」のリリースは2021年なのですが、そのちょうど1、2年前に「老後2,000万円問題」が盛んに取り上げられていました。日本の金融教育の遅れが指摘されるなか、幼少期からお金に関して触れていくことの重要性を感じていました。

 

のちほどご紹介させていただく「ペアワーク」とも共通する部分として、サービス企画の背景には共働き世帯の増加もあります。

 

「まねぶー」は、このような社会的課題の解決を目的として、お子さんが親御さんとコミュニケーションをとりながら、安心・安全にお金のことを学べるようにしたいという理念のもと始めたサービスです。

 

「まねぶー」と「ペアワーク」は、medibaの中では子育て中のみなさんやお子さんの課題を解決することに特化したサービスとして展開しています。

まねぶーアイキャッチ2

一般的な知育・学習アプリとの違い

質問

Q2.「まねぶー」の、一般的な知育・学習アプリとは違う差別化のポイントを教えてください。

公式サイトのキャプチャからはゲーム的要素が強い印象を受けるかもしれませんが、ただお金を増やすことが目的ではありません。ゲームを通じて、お子さんに自分の行動と「社会とのつながり」を感じてほしいと思っています。

 

例えば、ゲーム内の街を放置していると徐々に汚れていってしまいますが、エコ活動のようなかたちでそのゴミを拾っていくと街がきれいになります。自分の行動が社会を変えるという「リアル感」を持たせているんです。

 

また、「まねぶー」ではお金が経済活動のツールとして使われるような仕組みを導入していたり、上記のようなエコ活動をすることによって再生したものがアイテムになったりします。このような、SDGsを意識した仕様も他には見られない特徴です。

まねぶーのアイキャッチ

お金の知識を行動につなげる設計

質問

Q3.「まねぶー」では、お金の知識を行動に移すために、どのような設計や工夫をされていますか?

基本的にはリアルな社会の活動と一緒で、お仕事をして、対価としてお金をいただく。そのお金で物を買うというのが基本の設計になっています。リアルなお金ではなく、「マネブ」という仮想のアプリ内通貨を使い、仮想空間の中で経済活動を体験できる作りになっています。

 

対象ユーザーは未就学児/3~8歳なので、遊びながら自然と働いてお金をもらう、お金を使って何かを買うという体験ができるような仕組みとなっています。

まねぶーのアプリ内画像

「まねぶー」が生む子どもの変化

質問

Q4.ユーザーが「まねぶー」を使うことで、考え方や意思決定の基準にどのような変化が生まれていますか?

未就学児/3~8歳が自分のお金を使うシーンはなかなか少ないと思うのですが、年齢・学年が上がっていくにつれて、お金との向き合い方や気づきにつながっていくと良いと思っています。

 

親子で会話しながら利用できるという特徴もあるので、働いている父親や母親が、「なぜ働いているのか」といったところも感じ取れるようになるのではと思っています。

「ペアワーク」について

ペアワーク開発の背景

質問

Q5.ペアワークは、どのような社会的・生活上の課題を背景に生まれたのでしょうか?

(木村様)

一つ目は、「共働きによるワンオペ育児」という、自身の生活上の課題です。

 

弊社内で「どんなサービスを立ち上げるか」を常々考えていたところでして、その中でも、「共働き世帯が増えている」というマーケットの傾向から、何かビジネスを生み出せないか、と考えていました。

 

そんなとき、自分自身が共働きで、まだ子どもが小さかった頃に、ちょうど夫も役割のある仕事に就くようになり、私だけ家事育児の負荷が高まりワンオペ状態が続いていました。

 

もっと仕事をしたくても早く切り上げなければならず、時間とお金と労働というバランスを考えたときに、この状態は不公平ではないかと感じたのです。

 

そこで、このモヤモヤ感を経済的に解決できる手段があればと思い、家事を時給に換算できるサービスを考えました。

 

二つ目は、当時日本でもフォーカスされていた「ジェンダーギャップ」という社会課題への問題意識です。その中でも経済的なギャップの大きさが、当時の自分の状況とマッチしている部分が多く、これをなんとか解決したいという思いから「無償の家事労働に金額をつけていく」といった発想で、このサービスが生まれました

 

同じ共働き世帯であっても、家事・育児の負担バランスが大きく異なるケースが多いというのは、やはり多くの家庭でもモヤモヤが発生しがちな部分です。しかし、それを直接ぶつけると夫婦としてうまく機能しなくなってしまうこともあると思いますし、それが嫌な方も多いと思います。このアプリを通じて「スマートにお金で解決していくという方法もある」と思っていただき、モヤモヤを解消する手助けをしたい、という想いがこのサービスにつながっています。

ペアワーク画像

共働き世帯で起きていた「すれ違い」とは

質問

Q6.開発前、共働き世帯ではどのような「すれ違いの構造」が起きていたと分析されていますか?

アプリを使い始めるユーザーのほとんどに当てはまるのですが、女性の方の家事分担における負荷が高く、男性と女性とで「名もなき家事」をしている量がかなり違うという現状がありました。そこから、やはり夫婦間で家事分担に関する認識のすれ違いがあるのでは、という課題が見えてきました。

 

そのため、この「名もなき家事」にどうアプローチをするかが、すれ違いを解決するポイントだと思っています。

 

家事の内訳としても、求める家事の粒度に違いがあったり、細かい指示を出す方が面倒だったりする家事もあり、ここでもすれ違いが起きがちです。

 

そのような場合も、ペアワークでは家事のリストはかなり細かく設定できるようになっているので、細かく指示を出さなくてもやるべきことや手順が「見える化」されます。

 

また、家事が完了すると相手にも通知されるので、コミュニケーション上のすれ違いを防ぐこともできます。お互いに「言わなくてもやってくれている」、「やったことに気づいてくれている」という感謝を生むきっかけになるような仕組みになっています。

ペアワークの利用イメージ

家事を可視化・共有する仕組み

質問

Q7.「ペアワーク」では、家事をどのように可視化・共有する仕組みになっているのでしょうか?

アプリ内にて、家事のリストを共通で作ることができるようになっています。例えば「今日の家事」のリストに、共通で何をしなければならないかを示す項目を自由に作ることができるので、細かな家事であっても共有・把握できるようになっています。

 

そして、家事が完了したら完了ボタンをチェックしていくのですが、前述の通り、チェックをすると相手に通知やメッセージが送信されるような仕組みになっています。

 

例えば「ゴミ袋をセットする」「洗濯物の柔軟剤を入れる」「台拭きを洗う」といった細かい内容までセットできます。こうして実際にリスト化してみると、不自由なく生活できるのは「名もなき家事」があってこそだと、お互いに再認識できると思います。

 

ちなみにこのリストは、既存の項目をセットすることもできますし、オリジナルでカスタマイズした項目をセットし、共通のリストに表示させるようにもできるので、それぞれの家庭に合わせて使える仕組みとなっています。

 

また、リストの項目については随時チューニングを行っており、ペット関連や介護関連の項目なども追加しております。

ペアワークのアプリイメージ

「名もなき家事」への向き合い方

質問

Q8.特に「名もなき家事」を扱ううえで、どのような定義づけを行っていますか?

名もなき家事について、自分自身が当事者として気になる部分や、ユーザーがどんな部分でそう感じているかを参考にリスト化しています。自分だけが担当している家事についても、相手に共有できるものを中心にリストに入れています。

 

また、社内でもユーザーアンケートのような調査を定期的にしているのですが、その中で、「(自分はやっていないから)この観点はなかった」という家事が見つかることもあります。人に言われて「そういえばこれも家事だ!」と気づくこともあるので、このような声を参考にしつつリストに入れています。

 

首都圏と地方、国内と海外など居住地によって必要な家事も違うため、競合アプリや海外のアプリも参考にしています。

継続利用を支える行動設計

質問

Q9.ユーザーが継続的に使えるようにするために、アプリ内におけるどのような行動設計を重視していますか?

継続的に使っていただくための行動設計には特に注力していまして、「日々の家事の記録」だけではない使い方をいくつか用意しています。とくに、毎日の家事を管理しやすくする導線作りにはこだわっています

 

大きなポイントとしては、アプリ内の家事に「時給」をセットすること。これにより、家事の参画率が上がってきたというデータも得られています。

 

ほかにも、リリース当初は毎日の家事をした後でないと登録ができない仕様だったのですが、やり忘れ・登録し忘れがあっても「昨日の家事」を振り返りやすいよう、「昨日のやり残し」というタブを追加するなどの機能改善を続けています。

 

また、LINEで共有した家事などは流れてしまうので、長めのタスクをメモできるような機能もついています。

ペアワークが生んだ夫婦関係の変化

質問

Q10.「ペアワーク」を使うことで、夫婦間のコミュニケーションや関係性にはどのような変化が生まれていますか?(実際にご利用いただいているユーザーの声など)

家事の分担についての変化でいうと、最初はやはり女性の負担が多めになっているのですが、徐々に男性の方の参画率も上がってくるという行動変容がデータとしても見られています。

 

ユーザーからは、「やっているつもりでも、作業時間をカウントして時給にしてみることで不公平に気付けた」というお声もいただいています。また、「お互い家事に関して細かいことを言うのは結構ストレスがかかるので、そういったやりとりをしなくても良くなることで不快な気持ちが減った」という声もあります。

 

あとは、家事をやった分だけ通知が届くという仕組みにより、間接的に「どれだけの家事をこなしたか」のアピールができるので、夫婦のルール作りをお手伝いできているのかなと思っています。

ペアワークアプリ外観イメージ

株式会社mediba 中村氏 木村氏のプロフィール

中村 啓次郎

<経歴>
大学卒業後、受託開発のデザイナー、ディレクター、PM、営業やアライアンスなど、オールラウンダーとして、 eラーニング企業の事業責任者や、ARアプリ開発のアートディレクションなどを経て 、ゲーム情報サービス「ゲームギフト」を立ち上げと事業推進やグロースに携わり執行役員に就任 。M&Aに伴い株式会社medibaへ転籍後 、事業企画や商品企画・開発に携わる 。

 

木村 美紗

<経歴>大学卒業後、シーエー・モバイル(サイバーエージェントG)、KDDI、ベンチャーなどで約20年にわたりスマホ領域の新規事業開発を牽引。自身の課題を起点に家事管理アプリ『ペアワーク』を立ち上げ、家事の時給シミュレーション機能で特許を取得。現在は同事業を含め、新規ビジネス開発を責任者として牽引。

 

相談満足度・相談実績について、最新数値はこちらのページをご確認ください。
medibaが挑む子どもの金融教育と家事分担の可視化について | マネーキャリア