ユーザーに支持され続ける「くふう Zaim」の原点とは?サービスが生まれた背景や思想に迫るのサムネイル画像

今回は、株式会社くふうカンパニーのZaim / サービス推進本部長 河邊美穂子 氏に、日々の支出や収入を手軽に記録・管理できる家計簿アプリ「くふう Zaim」について、マネーキャリア編集部が独自インタビューを行いました。

この記事の目次

株式会社くふうカンパニーが展開する「くふう Zaim」とは?


くふうZaimの画像


「くふう Zaim」は、日々の支出や収入を手軽に記録・管理できる家計簿アプリです。


レシートを撮影して読み取る機能や、銀行口座・クレジットカード・証券口座などの金融サービスと連携する機能を備えており、取引データを自動で取り込むことで家計簿入力の手間を大幅に減らせるのが特徴です。 これにより、ユーザーは日々の収支を簡単に把握でき、グラフなどでお金の流れを可視化することができます。


さらに、パートナーと家計情報を共有できる「ペア家計簿」機能なども提供されており、夫婦や家族での家計管理にも活用できます。


現在では1,200万ダウンロードを超える人気サービスとなっており、家計管理を習慣化しやすい設計によって、多くのユーザーが無理なくお金の管理を続けられるようサポートするアプリです。


リンク:https://zaim.net/


株式会社くふうカンパニー Zaim / サービス推進 本部長 河邊氏にインタビュー!


河邊様インタビュー画像

Q1.「くふう Zaim」はどのような課題意識から生まれたサービスなのでしょうか。立ち上げ当初の想いや背景をお聞かせいただけますか。

サービスの生みの親であり、現在はくふうカンパニーホールディングスのCSOである閑歳は、元々、個人のエンジニアとしていくつかサービスをリリースしていたのですが、それらは「面白いけれどなくても困らない」ものであったそうです。


そのため、次第に、「もっと人々の生活の根幹に関わる、誰かの役に立っていると確信できるものを作りたい」という思いが強くなったと聞いています。


そこで彼女は「お金、匿名コミュニケーション、Q&A」という3つの候補の中から老若男女問わず一生関わり続ける普遍的なテーマとして、そして、自分自身が日常的に使っていてユーザー側の気持ちがわかることを理由に「家計簿」というテーマをセレクト。また、会社としてのプロジェクトではなく、あくまで個人の週末開発としてスタートさせたのもポイントです。


自分自身はもちろん、ベンチマークにしていた一般企業に勤める彼女の姉にとって「本当に使いやすいもの」を徹底的に追求していきたいという現場主義的なこだわりこそ、「くふう Zaim」というサービスの出発点。


こうした生活者の視点に立って、生活者が心から必要とするものを形にするという姿勢は、現在にも脈々と受け継がれています。


Q2.複数のサービスを展開するくふうカンパニーにおいて、「くふう Zaim」はどのような役割を担っているとお考えでしょうか。

くふうカンパニーは、「くふう Zaim」以外に、


  • チラシ・買い物情報サービス「くふう トクバイ」
  • 旅行・お出かけメディア「くふう トリップ」


など、「毎日の暮らし」に関わる領域のサービスを展開しています。買い物やお出かけは、生活者の地域に根ざした行動につながるサービスです。


一方、「くふう Zaim」は生活者の行動をお金の面から記録する側面もありますので、各サービスを横断的につなげるような存在になれるのではないかと思っています。


Q3.家計簿アプリ市場が成熟する中で、「くふう Zaim」ならではの強みや大切にしている価値観を教えてください。

最も大切にしているのは「ユーザーファーストの徹底」です。


「くふう Zaim」は、単なるお金の管理ツールではなくユーザーの生活に馴染む、体温のある存在でありたいと思っています。


たとえば、「くふう Zaim」ではスマホでレシートを撮影することで自動で読み取り家計簿に反映するという機能があります。多くのユーザーに支持いただいている機能ですが、とても使いやすいとユーザー様から声をいただくことが多いです。


採用している技術の水準は、同様のサービスを提供している他社様との大きな差はないという認識ですが、レシートの読み取り項目が充実していたり、登録までのタップ数が少なくて済んだりといった、細やかな点でユーザーにとって「どうすれば便利か」を追求することで生まれたUIが、今日の支持に繋がっているのではないかと考えております。

  

Q4. ユーザーの方々は、どのようなきっかけや課題感から利用を始めるケースが多いのでしょうか。

  1. 季節の節目における前向きな決意
  2. 生活環境の変化に伴う必要性


という2つをきっかけに利用してくださる方が多いです。


まず、①の季節の節目における前向きな決意。ここで最もニーズが拡大するのは「今年こそお金を貯めたい・整えたい」という「年始」です。


新しい年の始まりを機に、自分自身の生活をアップデートしようとするようなポジティブなエネルギーが大きなきっかけになっており、例年、この時期は年間でも最も「くふう Zaim」の新規登録も多い時期になっています。


また春の「新年度」というタイミングも見逃せません。これは進級進学や新社会人、異動など、自分や家族の生活環境などが変わる中で、「今のお金のやりくりで大丈夫かな」という不安や「家計を再設計しないと」という必要性を感じて使い始められる方が多いものと受け止めています。


②の「生活環境の変化」についてですが、さまざまなインタビューなど通じて人それぞれのいろんなタイミングで「生活環境」は変化し、その時に「お金の流れ」を見直したいというニーズが高まることがわかっています。


自分や子供の習い事を検討したり、転職したりなどで働き方が変わって収支のペースが変化したり、あるいは病気やケガなどで通院が必要になったり…。


「お金を何とかしなくちゃ」と思う機会は、季節の節目や特別な日だけでなく、実は日常のあちこちに潜んでいます。お金を考えることは、私たちの暮らしそのもの。だからこそ 「くふう Zaim」は、単なる管理ツールを超えて、ユーザーの毎日に温かく寄り添う存在でありたいと考えています。


Q5. 継続利用につながっている要素はどこにあると分析されていますか。機能面・体験面の両面から伺えますと幸いです。

機能面としては銀行口座やカードとの連携や、レシート撮影による読み取りによって「徹底して簡単に記録ができる点」があげられます。


「くふう Zaim」の金融サービス連携は、有料プラン、無料プランを問わず、連携数に上限がありません。どちらのプランにおいても、連携しておけば、ほったらかしで家計簿が勝手に記録されるので、一度体験すると手放せないはず!と自負しています。


日々家計簿を開く必要がなく、給料が入ったタイミングやカード引落しのタイミング、あるいはご自身が気になったタイミングでチェックするだけで済む、という点がすごく楽で続けられる要素になっています。


また、レシート撮影機能についても、スマホで撮影するだけで品目や金額、お店の情報が瞬時に反映されます。「書く」「打つ」といった手間が消えるこの体験は、忙しい日々の中で、うれしい驚きと心地よさがあります。


体験面としては、記録が続くことによってお金の流れが見える化されることで、「今月は先月よりどれだけ抑えられたか」「ここのお金は節約できるな」といった、気づきが得られるという点が挙げられます。


記録という作業から解放されると同時に「発見」が得られるという、一石二鳥な体験が継続利用につながっている鍵であると感じています。

 

Q6. 外部サービスとの連携において、大切にされている方針や工夫があれば教えてください。

金融機関をはじめとする外部サービスとの連携についても、根底にあるのはユーザーファーストの姿勢です。


ユーザーの家計をより良くすることを目的に、金融機関の皆様と共に価値ある環境を整えていくためのパートナーシップを大事にしています。ユーザーにとって最も大切なことの1つが、 「自分の資産が安全かつ正確に可視化されていく」という点。


そのために私たちは金融機関様との公式のAPI連携をはじめとした、セキュリティと安定性の強化に取り組んでいます。


Q7. データ活用やテクノロジーの進化に伴い、家計管理の在り方はどのように変化していくとお考えでしょうか。

従来の紙の家計簿からデジタルでの管理ができるようになり、さらに金融サービスとの自動連携により手入力の手間も減らせる、という世界が実現できましたが、これはゴールではなくスタートであると考えています。


記録を基に、「今月は少し使いすぎかな」「もっと工夫できるかも」のような気づきをユーザーが得られるように、よりサービスの体験を強化していきたいと思っています。さらに、生成AIなどのテクノロジーの進化によって、よりパーソナルなサービスの提供が実現できる世界になってきています。


もちろん情報セキュリティの観点も非常に大切にしながら、テクノロジーをしっかりと活かし、個々の価値観に合わせたお金の使い方を提案するなど、パートナーのような存在になっていくことを目指しています。


また、お金を節約する・貯めるだけではなくて「増やす」ための活動等にユーザーの意識や行動が広がるようなサポートもしていきたいと考えています。


Q8. ユーザーからの声の中で、特に印象に残っているものや、サービス改善につながった事例があればお聞かせください。

「くふう Zaimはユーザーのリクエストが反映されやすい」という声を多くいただいていたというところにも繋がるのですが、ユーザーからの声は、社内のコミュニケーションツールであるSlackにも日々流れる仕組みがありまして、スタッフはそれに常に目を通しています。


そして、月に1回、ユーザーからのリクエストへの対応について検討する会議を社内に設けています。そこでは、「連携できる金融サービスの名称を検索しやすい表示にしてほしい」といった、日々寄せられる細かなリクエストについても対応を検討しています。


そのため、ユーザーと一緒に開発していると言っても過言ではないと思っています。


もう少し大きな改善でいうと、「レシートの読み取り精度の改善」がこの春にリリース予定です。 従来の技術では、しわがあるレシートが読み取れないといった、どうしても環境に応じて限界がある課題があり、ユーザーからも多くの改善リクエストをいただいていました。


昨今のAI化によって、読み取り精度を大きく改善できることが分かり、リリースに向けて開発を進めています。


提供を通じてユーザーからフィードバックをいただきながらさらなる改善を進めていく中で、より多くのユーザーに価値ある体験として届けていくことを目指していきたいと思っています。


Q9. 「くふう Zaim」を通じて実現したい社会像や、解決したいと考えている課題について教えてください。

私たちが実現したいのは、生活者がお金に対する漠然とした不安から解放されて、自分自身の価値観に基づいて納得してお金を上手に使えるような、そんな社会です。


今日では物価高や賃金上昇率が低いなど、多くの人が将来への不安を感じていると思いますが、そんな中で、「節約しなければならない」「貯金がないとダメだ」といった気持ちに縛られて、自分らしいお金の使い方が後回しになっている方も多いかもしれません。


そこで、「くふう Zaim」を通じて、まずは今の状態を見える化する、正しく把握することができるようになってもらいたいです。


その上で、テクノロジーも活用しながら、個々のユーザーが理想の暮らしに近づくための提案を先回りしてできる存在になっていきたいと思っています。単に支出を抑えるということではなくて、「納得感のある支出を増やしていく意思決定をサポートしていきたい」と考えています。


Q10. 今後のサービス展望や、新たに挑戦していきたい取り組みがございましたら可能な範囲でお聞かせください。

「くふう Zaim」には、「毎日のお金も、一生のお金も、あなたらしく改善。」というテーマがあります。


「あなたらしく改善」の第一歩は、お金の動きを見える化することであり、お金の流れを見直すことが、人生において大切なことであると考えています。そのため、レシートの読み取りや、金融サービスとの連携など、お金の記録を徹底的に簡単・シンプル化し、継続できるものにすることに注力してきました。


今後はさらに多くの生活者に使っていただけるサービスを目指し、体験を磨いていきます。また、蓄積された記録、すなわち「行動のログ」に対して、テクノロジーを活用して、ユーザーが直面しているお金の課題や選択における意思決定までサポートしていきたいと考えています。


「くふう Zaim」をお金の管理ツールではなく、ユーザーの背中をそっと支えていくような「伴走者」としてさらに進化させていくことが、私自身にも課せられた使命だと考えています。


「くふう Zaim」は15年という歴史のあるサービスです。これまで築き上げてきた信頼を大切にしながら、ユーザーに訪れる暮らしの変化を一番近くで応援できる存在でありたい。そんな想いで、私たちはこれからも挑戦を続けていきます。


Zaim / サービス推進本部長 河邊美穂子 氏のプロフィール

野村證券㈱に入社しエクイティリサーチ業務に従事後、2013年にクックパッド㈱に入社、広報業務を担う。


Retty㈱を経て2019年に㈱くふうカンパニー(現 ㈱くふうカンパニーホールディングス)に入社。


コーポレート部門の広報IR責任者として、くふうカンパニーグループ全体の広報支援、ならびに開示プロセスや株主・機関投資家に向けた情報提供などIR全般に従事。2025年10月より、グループの「毎日の暮らし事業」領域を担う㈱くふうカンパニーにおいて、Zaim / サービス推進本部長に就任。