育児休業給付金の手取り10割は本当?給付金の仕組みと条件をFPがわかりやすく解説

育児休業給付金の手取り10割は本当?給付金の仕組みと条件をFPがわかりやすく解説

「育児休業給付金の手取り10割って、誰でも何日でももらえるの?」

 

「夫も育休を取らないと、10割にならないって本当?」

 

と気になっていませんか。

  • 原則として、夫婦それぞれが出生後の決められた期間に14日以上の育休を取れば、最大28日間は給付の合計が休業前の賃金の80%になり、手取りはほぼ10割になります。

本記事では、手取り10割相当になる条件と申請の進め方、月収別の給付額、28日が終わった後の給付までFPの視点で解説します。

井村FP
井村FP

育休で収入が減ることを心配して、夫が育休を取るかどうかを決めかねているケースもあるかもしれません。

 

給付と社会保険料の免除を夫婦単位で見れば、夫が育休を取っても世帯の手取りが大きく減るとは限りません。

 

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内容をまとめると

  • 夫婦それぞれが出生後の決められた期間に14日以上の育休を取れば、最大28日間は給付が賃金の80%になり、手取りはほぼ10割。
  • 妻が専業主婦や産後休業中なら夫だけの育休でも対象で、28日を過ぎた後は給付率が67%、50%と下がるのが基本。
  • 育休の取り方による世帯の給付の差や育休中の家計を整理するなら、マネーキャリアの無料FP相談を活用するのがおすすめ。
監修者「井村 那奈」

監修者井村 那奈ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。

この記事の目次

育児休業給付金の手取り10割は本当?

出生後休業支援給付金の要件を満たせば、最大28日間は休業前の手取りとほぼ同じ額の給付を受け取れます。

 

給付率67%の育児休業給付金に出生後休業支援給付金の13%が上乗せされる仕組みで、押さえておきたいのは次の3点です。

  • 手取りがほぼ10割になる理由
  • 上乗せを受けられる期間
  • 月収ごとの給付額

3点が分かれば、育休中に受け取れる金額を、休業前の手取りと比べながら見積もれます。

給付は額面の8割で手取りにするとほぼ10割

上乗せ期間の給付は、給付率67%の育児休業給付金と13%の出生後休業支援給付金を合わせて、休業前の賃金(額面)の80%です。

 

給付金は非課税で所得税がかからず、育休中は申出によって健康保険料と厚生年金保険料も免除されます。

 

会社から給与が支払われなければ雇用保険料もかからないため、基本的に、育休中は休業前に給与から差し引かれていた保険料と所得税の負担がなくなります。

 

例えば、40歳未満の会社員で月収30万円の場合、差し引かれていた社会保険料と所得税は月5万円前後で、額面のおよそ17%にあたる金額です。

 

額面の80%と聞いて生活費が2割減ると考える必要はなく、休業前の手取りを基準に育休中の家計を組み立てられます。

手取り10割相当になるのは2025年4月からの最大28日間

出生後休業支援給付金は2025年4月に新設された給付金で、育児休業給付金などに13%が上乗せされ、1人につき最大28日分支給されます。

 

上乗せの対象には、通常の育児休業給付金だけでなく、夫が出生後8週間以内に取る産後パパ育休(出生時育児休業)の出生時育児休業給付金も含まれます。

 

夫婦それぞれが要件を満たせば、夫は産後パパ育休や育休、妻は産後休業に続く育休で、それぞれ最大28日分を受け取れます。

 

支給日数は夫婦それぞれで数えるため、2人合わせると最大56日分になる計算です。

 

1人につき28日を超えた分は13%の上乗せがなく、育児休業給付金の給付率は67%となるため、半年や1年の育休では大半の期間が80%を下回ります。

 

参照:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」

月収30万円なら28日間の給付は22万4000円

育休前6ヶ月の月収が30万円なら、賃金の総額を180で割った賃金日額は1万円となり、28日間の給付は67%分と13%分を合わせて22万4,000円です。

 

内訳は給付率67%の給付金が18万7,600円、出生後休業支援給付金が3万6,400円で、賃金日額に28日と80%を掛けることで月収にあわせて給付金額を求められます。

 

月収ごとの28日間の給付額と、休業前の手取り(社会保険料と所得税を差し引いた額)の28日分を並べたのが次の表です。

 

▼[月収別の28日間の給付額と休業前の手取り]

(左右にスクロールできます)

月収 28日間の給付額 休業前の手取り(28日分)
20万円 14万9,318円 約15万6,000円
30万円 22万4,000円 約23万3,000円
40万円 29万8,659円 約30万7,000円
50万円 37万495円 約38万1,000円

給付額は休業前の手取りの95〜97%にあたり、28日間の差は7,000〜1万1,000円程度にとどまります。

 

上乗せ期間の家計は、休業前の手取りより1万円前後少ない収入を前提に組めば、大きな見直しをせずに済むでしょう。

表の補足

※月収は育休前6ヶ月とも同額で、賞与はないものとして計算しています。

 

※休業前の手取りは、40歳未満を前提に、協会けんぽ(東京都)の健康保険料と子ども・子育て支援金、厚生年金保険料、雇用保険料(2026年度)、所得税(2026年分・扶養なし)を差し引いた月額の28日分です。月収40万円は標準報酬月額41万円で計算しています。

 

※住民税は休業前も育休中も支払いが続くため、比較から除いています。

 

※月収50万円は、2026年8月1日から2027年7月31日までの支給上限額を適用した金額です。

 

※育休中の社会保険料が免除され、会社から給与が支払われない場合の試算です。40〜64歳の方は介護保険料の分だけ休業前の手取りが少なくなるため、給付額との差は表より縮まります。

井村FP
井村FP

手取り10割が続くのは28日間だけのため、上乗せが終わった後も含めて、育休中に毎月いくら入るのかが分かりにくいと感じるかもしれません。

 

月収と育休の日程が分かれば、80%の期間とその後の67%・50%の期間に入る給付額は、あらかじめ月ごとに見積もれます。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、夫婦それぞれの月収と育休の日程をもとに、育休中に毎月入る給付額と生活費の過不足を試算できます。

 

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育児休業給付金が手取り10割相当になる条件

育児休業給付金で手取り10割相当になるには、原則として、夫婦がそれぞれ子どもの出生直後の決められた期間に14日以上の育休を取る必要があります。

 

ただし、配偶者の働き方や公務員かどうかによって扱いが変わるため、次の4つの条件を確認しておきましょう。

  • 夫婦それぞれ14日以上の育休
  • 育休を取る期間
  • 夫だけの育休で対象になる例外
  • 公務員の育児休業支援手当金

自分たち夫婦がどれに当てはまるかが分かれば、上乗せを受けるために誰が何日の育休を取ればよいかが決まります。

夫婦それぞれが14日以上の育休を取る

出生後休業支援給付金は、原則として、本人と配偶者がそれぞれ決められた期間内に通算14日以上の育休を取った場合に支給されます。

 

14日の育休は連続して取る必要はなく、夫が産後パパ育休を7日ずつ2回に分けて取った場合も、合わせて14日として数えられます。

 

また、上乗せは育児休業給付金に加えて支給されるため、本人が雇用保険に加入していて、育児休業給付金を受け取れることが前提です。

 

育児休業給付金を受け取るには、育休を始める前の2年間に、給与の支払い対象となった日が11日以上(または働いた時間が80時間以上)の月が、12ヶ月以上なければなりません。

 

なお、配偶者がこの条件を満たさず給付金を受け取れない場合は、配偶者の育休がなくても、本人だけの育休で上乗せの対象になる例外があります。

夫は出生後8週間以内で妻は16週間以内に育休を取る

14日以上の育休を取る期間は、夫が子どもの出生後8週間以内、産後休業を取った妻が出生後16週間以内と決められています。

 

期間の起点は出生日と出産予定日のうち早い日となるため、子どもが予定日より遅く生まれた場合も、夫が予定日から取った育休は14日に含められます。

 

また、妻の16週間のうち最初の8週間は産後休業にあたるため、妻が育休として上乗せを受けられるのは、産後休業が明けてからの8週間です。

 

産後休業中に健康保険から支給される出産手当金は、標準報酬日額の3分の2にあたる給付で、13%の上乗せの対象には含まれません。

 

妻が産後休業に続けて育休に入る場合は、育休の最初の28日分がそのまま期間内に収まるため、妻の側は特別な日程の調整をしなくても期間の条件を満たせます。

妻が専業主婦や産後休業中なら夫だけの育休でも対象

妻が専業主婦や産後休業中の場合のように、配偶者が育休を取れない一定の事情があれば、夫だけが14日以上の育休を取った場合も上乗せの対象になります。

 

判定は子どもの出生日の翌日の時点で行われ、配偶者の育休が不要になるのは次の7つのケースです。

  • 配偶者がいない(ひとり親など)
  • 配偶者と子に法律上の親子関係がない
  • 配偶者から暴力を受けて別居している
  • 配偶者が無業者(専業主婦・専業主夫など)
  • 配偶者が自営業者やフリーランス
  • 配偶者が産後休業中
  • そのほかの理由で配偶者が給付対象の育休を取れない(雇用保険の加入期間が足りないなど)

実子の場合は、基本的に妻が出生日の翌日の時点で産後休業中・無業者・自営業者などのいずれかにあたるため、夫は妻の働き方にかかわらず自分の育休だけで上乗せを受けられます。

 

一方、妻が上乗せを受けるには、夫が自営業者や無業者などの例外にあたらない限り、出生後8週間以内に夫が14日以上の育休を取ることが条件です。

 

例えば妻の月収が30万円なら、夫がこの条件を満たすかどうかで、妻が28日間に受け取る給付額は3万6,400円変わります。

公務員は共済組合の育児休業支援手当金で同じく10割相当

雇用保険の対象外となる公務員は、上乗せ分を共済組合の育児休業支援手当金として受け取れます。

 

育児休業支援手当金は2025年4月に新設された給付で、対象となる育休期間が28日に達するまで、支給対象日について標準報酬日額の13%が支給されます。

 

育休中は共済組合の掛金も免除されるため、67%と合わせた80%の給付は、会社員と同じく手取り10割に近い水準になります。

 

支給の条件は、原則として両親ともに子どもの出生直後の一定期間に14日以上の育休を取ることです。

 

夫婦の一方が会社員でも、会社員側の給付では公務員の配偶者の育休を14日の条件に数えるため、要件を満たせば、制度が違っても夫婦それぞれが上乗せを受けられます。

 

参照:内閣官房内閣人事局「「ともそだてを描く職員、管理職のための育児休業取得促進ハンドブック ともそだてパスポート(2024年3月版)」に掲載する育児休業等関連の制度改正について」

井村FP
井村FP

夫の育休の日数や時期によって妻の上乗せの有無まで変わるため、夫婦のどちらが何日休めば条件を満たせるのかは判断しにくいところです。

 

判定に使うのは出産予定日と夫婦それぞれの働き方なので、上乗せを受けられるかどうかは、出産前のうちに整理できます。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、夫婦それぞれの働き方を踏まえて、上乗せの条件を満たす育休の取り方と、それによって変わる世帯の給付額を一緒に整理できます。

 

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育児休業給付金で手取り10割相当になるための進め方

手取り10割相当の給付を受けるには、原則として夫婦それぞれの育休が出生後の決められた期間に入る必要があるため、育休の日程と手続きは出産前に決めておくのが基本です。

 

出産前の準備から最初の給付金を受け取るまでの流れは、大きく次の3つの段階に分かれます。

  • 夫婦の育休の日程を決める
  • 会社に育休を申し出る
  • 最初の振込までの生活費を用意する

特に、最初の給付金は育休を始めてすぐには振り込まれないため、日程を決める段階からお金の準備も並行して進めておくと、育休中の家計に余裕を持てるでしょう。

出産予定日から夫婦の育休の日程を決める

日程は出産予定日を起点に決め、夫は出生後8週間以内に14日以上、妻は産後休業が明けた直後から育休を取る計画にすれば、夫婦ともに上乗せの期間に収まります。

 

特に、夫が出生直後に28日の育休を取れば、本人の上乗せを最大日数まで受けられるうえに、妻の上乗せに必要な夫の14日以上という条件も同時に満たせます。

 

例えば、夫が出生直後から28日の育休を取り、妻が産後休業に続けて育休に入る場合の日程は次の通りです。

 

▼[夫婦の育休の日程例]

(左右にスクロールできます)

時期 夫 妻 上乗せ
1〜28日目 育休 産後休業 夫
29〜57日目 仕事 産後休業 ー
58〜85日目 仕事 育休 妻
86日目以降 仕事 育休 ー

この日程では、出生直後の28日間は夫婦がともに仕事を休むため、基本的にその間の世帯の収入は夫の給付金と妻の出産手当金になります。

 

一方、夫が28日まとめて休めない場合も、産後パパ育休は2回に分けて取れるため、出生直後と出生後1ヶ月ごろに分けて合計14日以上を確保すれば、妻の上乗せの条件は満たせます。

表の補足

※出生日を1日目として数えた日程の例です。

 

※上乗せの欄は、給付が休業前の賃金の80%になる人を示しています(上乗せがない期間の妻の給付率は67%です)。

 

※妻が産後休業の後に育休を取らずに職場へ復帰する場合など、出生後16週間以内に14日以上の育休を取らないときは、妻の上乗せは受けられません。

会社に育休を申し出て配偶者の情報も伝える

育休は本人が会社に申し出て取得し、給付金の申請は、原則として会社が本人に代わってハローワークで行います。

 

申出の期限は、産後パパ育休が休業を始める日の2週間前まで、通常の育休が1ヶ月前までと決められています。

 

また、上乗せ分の出生後休業支援給付金は、育児休業給付金と同じ申請書でまとめて申請できるため、基本的に本人が別の手続きをする必要はありません。

 

ただし、申請書には配偶者の雇用保険被保険者番号か、配偶者の育休が不要な理由を書く欄があるため、育休を申し出る際に配偶者の情報も会社へ伝えておきましょう。

 

なお、2026年8月の手続きの見直しにより、妻が申請する場合も、配偶者を確認する書類として母子健康手帳の写しを出せるようになり、夫婦どちらが申請する場合も同じ書類で配偶者を確認できるようになりました。

 

参照:厚生労働省「令和8年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直します」

最初の振込までの生活費を用意しておく

育児休業給付金は、育休中の期間をまとめて申請し、支給が決まってから振り込まれる後払いの仕組みのため、最初の振込までの生活費は手元に用意しておく必要があります。

 

具体的には、申請は原則として2ヶ月に1回で、会社が2ヶ月分をまとめてハローワークに申請し、支給が決まると約1週間で本人の口座に振り込まれます。

 

ただし、会社が申請する時期や審査にかかる日数によって振込の時期は変わるため、育休を始めてから最初の給付金が入るまでには、一定の間が空くと考えておくのが現実的です。

 

特に、産後パパ育休の給付金は原則として出生日等から8週間経過後に申請するため、出生直後の生活費は、給付金が入る前に支払うことになります。

 

そのため、目安として毎月の生活費の2〜3ヶ月分を育休前に取り分けておけば、振込を待つ間も貯蓄を大きく崩さずに済むでしょう。

井村FP
井村FP

最初の給付金がいつ入るのか分からないまま、ベビー用品などの出費が重なると、手元の貯蓄で足りるのかを見極めにくくなります。

 

給付金が入るまでの期間は、育休の日程と申請の周期から逆算でき、その間に必要な生活費も出産前に見積もれます。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、出産前後の出費と給付金の入金時期を並べたうえで、育休前に取り分けておく生活費の目安を一緒に整理できます。

 

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育児休業給付金で手取り10割に届かないケース

育児休業給付金で手取り10割相当になるには、給付が休業前の賃金の80%になり、社会保険料も免除される必要があるため、条件が一つ欠けると10割を下回ります。

 

育休の取り方や収入の状況によって手取りが10割に届かなくなる主なケースは、次の4つです。

  • 月収が上限額を超える
  • 会社から給与が出る
  • 社会保険料が免除されない
  • 住民税の支払いが続く

日程の組み方で影響を小さくできるケースもあるため、自分に当てはまるかどうかを先に押さえておくと、育休中の手取りを見誤らずに済みます。

月収約50万円を超えると上限額で10割に届かない

育児休業給付金の給付額には上限があり、育休前6ヶ月の賃金から計算した賃金月額が49万6,200円を超えると、給付は上限額で頭打ちになります。

 

2026年8月1日から2027年7月31日までの上限額は、67%の給付が30日分で33万2,454円、13%の上乗せが28日分で6万205円です。

 

そのため、月収がおよそ50万円を超える場合は、上乗せ期間でも給付が額面の80%に届かず、手取りも10割を下回ります。

 

月収ごとに、上限がない場合の28日間の給付額と、実際に受け取れる給付額を比べたのが次の表です。

 

▼[月収50万円以上の28日間の給付額]

(左右にスクロールできます)

月収 上限がない場合 実際の給付額
50万円 37万3,318円 37万495円
60万円 44万8,000円 37万495円
70万円 52万2,659円 37万495円

実際の給付額は月収にかかわらず37万495円で止まり、月収が10万円上がるごとに、上限がない場合との差は約7万5,000円ずつ広がります。

表の補足

※月収は育休前6ヶ月とも同額で、賞与はないものとして計算しています。

 

※実際の給付額は、2026年8月1日から2027年7月31日までの上限額で計算しています。上限額は毎年8月1日に改定されます。

 

参照:厚生労働省「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」

会社から給与が出ると給付が減る

育休中に会社から給与が支払われると、その金額に応じて67%分の給付が減り、給与が休業前の賃金の80%以上になると支給されません。

 

給与が休業前の賃金の13%以下なら給付額は変わらず、それを超えると、給与と67%分の給付を合わせて80%になるように調整されます。

 

一方、出生後休業支援給付金の13%分は給与があっても減りませんが、67%分の給付が支給されない場合は受け取れません。

 

例えば、月収30万円(賃金日額1万円)の人が28日の育休を取り、休業期間分の給与が12万円支払われた場合、67%分の給付は10万4,000円になります。

 

この場合、給与12万円と67%分の給付10万4,000円、出生後休業支援給付金3万6,400円を合わせて、受け取る金額は26万400円です。

月末をまたがない14日未満の育休は社会保険料が免除されない

育休中の健康保険料と厚生年金保険料は、月末の時点で育休中か、同じ月の中で14日以上の育休を取った場合に、その月の分が免除されます。

 

そのため、月末をまたがずに月の途中で14日未満の育休を取ると、その月は保険料が免除されず、給付が80%でも手取りは10割に届きません。

 

例えば、40歳未満で協会けんぽ(東京都)に加入し、月収30万円の人の場合、免除されない月は健康保険料と厚生年金保険料で約4万2,000円を負担することになります。

 

なお、賞与の保険料まで免除の対象になるのは、賞与が支払われた月の末日を含めて、連続して1ヶ月を超える育休を取った場合です。

 

一方、育休の最終日を月末に合わせれば、日数が14日未満でもその月の保険料は免除されるため、産後パパ育休を短く取る場合は月末を含む日程にすると負担を抑えられます。

住民税は育休中も支払いが続く

住民税は前年1年間の所得をもとに計算されるため、育休で今年の収入が減っても、すぐに住民税が下がるわけではありません。

 

会社員の住民税は、通常毎月の給与から差し引かれており、給与が支払われない育休中の納め方は勤務先の取り扱いによって異なります。

 

例えば扶養家族がおらず、前年も月収30万円で賞与がなかった場合、住民税は月1万2,000〜1万3,000円ほどで、上乗せ期間もこの分は給付金や貯蓄から支払うことになります。

 

一方、給付金は非課税のため所得に含まれず、育休で給与が減った年の所得をもとに計算される翌年度の住民税は、その分低くなるのが一般的です。

 

そのため、育休中の家計は今年の住民税を払いながら回すことになりますが、翌年度に負担が軽くなる分も含めて2年単位で見ておくと、実際の手取りに近い見通しを立てられます。

井村FP
井村FP

月収の上限や育休の日程、住民税の支払いなど、手取りを左右する要素が重なると、上乗せ期間でも10割に届かない月が出てきます。

 

ただし、育休の最終日を月末に合わせるといった日程の工夫で目減りを避けられることもあります。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、上限額や住民税の支払いも含めた育休中の収支を確認し、収入が減る期間に備えた家計の組み立てを相談できます。

 

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育児休業給付金の手取りは28日後どうなる?

上乗せが終わった29日目以降は育児休業給付金だけが支給され、給付率は育休の日数に応じて下がります。

 

上乗せが終わった後に受け取る給付を、時期と取り方で分けて確認しましょう。

  • 180日目まで(給付率67%)
  • 181日目から(給付率50%)
  • 復帰後の時短勤務
  • 夫婦の取り方による差

時期ごとの金額が分かれば、育休全体で受け取れる給付の見通しを立てやすくなるでしょう。

180日目までは給付率67%で手取りは約8割

上乗せが終わった後も、育休の開始日から180日目までは、育児休業給付金が休業前の賃金の67%で支給されます。

 

育休中は社会保険料の免除が続くため、67%の給付は手取りに直すとおよそ8割の水準です。

 

例えば月収30万円なら、30日あたりの給付は20万1,000円で、休業前の手取りより5万円ほど少なくなります。

 

なお、180日は夫の産後パパ育休の日数も含めて数えるため、出生直後に28日休んだ夫は、その後の育休で67%を受け取れる日数が152日になります。

 

妻が産後休業に続けて育休を取る場合は、67%の期間が子どもの生後8ヶ月近くまで続く計算です。

181日目からは給付率50%で手取りは約6割

育休の開始日から181日目以降は、育児休業給付金の給付率が50%に下がり、手取りに直すとおよそ6割の水準になります。

 

月収30万円の場合、30日あたりの給付は15万円で、180日目までと比べて5万1,000円少なくなります。

 

また、50%の給付にも上限があり、2026年8月1日以降は30日分で24万8,100円が上限です。

 

妻が子どもの1歳まで育休を取る場合、50%になる期間は4ヶ月ほどあるため、育休全体の給付はこの時期の減少分も含めて見込む必要があります。

 

なお、保育所に入れないなどの理由で育休を延長した場合も、181日目以降の給付率は50%のままです。

職場復帰後の時短勤務は賃金の10%が給付される

育休から復帰した後に時短勤務をする場合は、育児時短就業給付金として、時短勤務中に支払われた賃金の10%が支給されます。

 

この給付金は2025年4月に新設されたもので、2歳未満の子どもを育てるために所定労働時間を短くした雇用保険の加入者が対象です。

 

例えば、時短前の月収が30万円で時短後の賃金が24万円に下がった場合、給付は2万4,000円で、合計の収入は26万4,000円になります。

 

ただし、時短後の賃金が時短前の90%を超えると給付率が下がり、時短前の賃金以上になると支給されません。

 

賃金が2割下がる時短勤務なら、給付を含めた収入は時短前の88%になり、減収は1割強に抑えられます。

 

参照:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」

育休中の収入の合計は夫婦の育休の取り方で変わる

育休期間全体で受け取る給付の合計は、夫が出生直後に育休を取るかどうかと、夫婦で育休を交代するかどうかで変わります。

 

夫婦ともに月収30万円の場合で、子どもが1歳になるまでの給付の合計を3つの取り方で比べたのが次の表です。

 

▼[夫婦の育休の取り方別の給付の合計]

(左右にスクロールできます)

育休の取り方 給付の合計 妻だけの場合との差
妻だけが1歳まで 184万1,000円 ー
夫28日と妻1歳まで 210万1,400円 26万400円
夫28日と夫婦で交代 231万7,300円 47万6,300円

夫が出生直後に28日休むと、夫自身の給付に加えて妻にも13%の上乗せが付くため、世帯の給付は26万円ほど増える計算です。

 

さらに、妻の育休を半年で切り上げて夫が交代すれば、夫婦とも50%に下がる前に育休を終えられるため、給付は妻だけの場合より47万円ほど多くなります。

 

ただし、休む人が入れ替わると給与を受け取る人も入れ替わるため、夫婦の月収に差がある場合は、給与を含めた世帯収入で比べることになります。

表の補足

※夫婦とも休業前6ヶ月の月収が30万円(賃金日額1万円)で、育休中に給与がない場合の試算です。

 

※出生日を1日目とし、夫の育休は1〜28日目、妻の育休は58日目から子どもが1歳になる日の前々日(364日目)までとしています。

 

※夫婦で交代する場合は、妻が237日目まで育休を取り、夫が238日目から364日目まで2回目の育休を取るものとしています。

 

※給付は日割りで計算し、上乗せは要件を満たすものとしています。夫婦の月収が異なる場合や、月収が上限額を超える場合は結果が変わります。

井村FP
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上乗せの28日が終わった後は給付率が67%、50%と段階的に下がるため、育休全体でどれだけ収入が減るのかは、時期ごとに計算しないと分かりにくいものです。

 

同じ1年の育休でも、夫婦の取り方によって受け取れる給付には数十万円の差が出ることがあります。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、育休の取り方ごとの給付と世帯の収支をキャッシュフロー表で可視化し、夫婦に合った取り方を一緒に検討できます。

 

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育休中と復帰後の家計はFPに無料相談

育休中の給付は時期によって給付率が変わるため、夫婦の取り方や住民税の支払いまで含めて家計を見通すには、整理する項目が多くなります。

 

FPに相談することで、育休中と復帰後の収支を時系列で整理し、給付金が入るまでの生活費や、育休明けに見直したい教育費・保険の優先順位を確認できます。

 

なお、給付金の申請は勤務先を通してハローワークで行う手続きのため、FP相談で扱うのは、申請そのものではなく受け取った給付をもとにした家計の整理です。

 

育休を取る前に家計の見通しを立てておけば、夫婦でどちらが何日休むかも、収入面の根拠を持って決められるでしょう。

井村FP
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出産を控えた時期は準備することが多く、育休中の家計まで落ち着いて考える時間を取りにくい方もいるでしょう。

 

育休前に家計の数字を一度プロと一緒に整理しておくことで、育休中に判断に迷う場面を減らせます。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、今の収入と支出をもとに育休中の家計の現状を確認し、削れる支出と残すべき支出を一緒に仕分けできます。

 

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育児休業給付金の手取り10割のまとめ

原則として、夫婦それぞれが出生後の決められた期間に14日以上の育休を取れば、最大28日間は給付の合計が休業前の賃金の80%になり、手取りはほぼ10割になります。

 

ただし、上限額や社会保険料の免除の条件によっては10割に届かず、上乗せが終わった後は給付率が67%、50%と下がるため、育休全体の給付は夫婦の育休の取り方で変わります。

 

出産予定日が分かった段階で夫婦の育休の日程を決め、会社への申出と生活費の準備を進めておきましょう。

井村FP
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育休が終わった後も、時短勤務や保育料、教育費などで家計の収支は何度も変わるため、先々まで見通すのは容易ではありません。

 

子どもの成長に合わせて収支がどう変わるかを把握しておくと、育休明け以降のお金の準備も計画的に進められます。

 

マネーキャリアの無料FP相談では、育休明けの働き方や教育費の準備も含めて、子どもが大きくなるまでのお金の見通しを一緒に立てられます。

 

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免責事項

本記事の内容は、執筆時点(2026年10月)の法令・制度および公表されている資料に基づいて作成しています。

 

給付の要件や上限額は改正や毎年の改定によって変わる場合があるため、実際の手続きの際は勤務先やハローワーク、加入している共済組合で最新の情報をご確認ください。

 

また、記事内の試算は一定の前提に基づく概算であり、実際の支給額を保証するものではありません。

 

税金に関する個別の判断は、税理士などの専門家にご相談ください。

相談満足度・相談実績について、最新数値はこちらのページをご確認ください。

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