
内容をまとめると
- 3人家族の食費は年収や年代、地域によって異なり、特に40~50代の子育て世代で食費が高くなる傾向がある
- 食費の目安はエンゲル係数を活用して設定すると無理なく管理できる
- 食費以外にも住宅ローンや保険、通信費の見直しなどの固定費の削減が生活費節約のポイント
- マネーキャリアなら、家計に関する幅広い内容の相談が可能。全国どこからでもオンラインや対面で専門家に相談できるため、忙しい方も気軽に利用できる

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 3人家族の年収別・年代別の食費の平均値
- 年収別の食費の平均値
- 年代別の食費の平均値
- 地域によって1万円以上の違いがある
- 3人家族の食費の割合はエンゲル係数から考える
- エンゲル係数とは
- 3人家族の食費の理想の目安
- 3人家族の食費を節約するポイント5つ
- 1か月の食費の予算を設定する
- 買い物にいく回数を減らす
- 冷蔵庫やパントリーの在庫を定期的にチェックする
- 作り置きや冷凍保存をして無駄を省く
- 外食を減らす
- 食費以外の生活費の削減も大切
- 住宅ローンの借り換え
- 通信費の見直し
- 保険料の見直し
- 電気代のプランの見直し
- 家計の見直しはFP相談窓口を利用しよう
- 3人家族の食費の中央値に関するよくある質問
- 3人家族で食費10万円は多いですか?
- 赤ちゃんを含む3人家族の食費の平均はいくらですか?
- 3人家族の食費の平均や中央値・節約ポイントまとめ
3人家族の年収別・年代別の食費の平均値
3人家族の食費は年収や年代によって変動します。
分類 | 食費の中央値(月額) | 備考 |
---|---|---|
年収別 | 7万円~9万円 | 収入が高いほど食費も増加 |
年代別 | 8万円~9万円 | 40~50代が食費ピーク |
地域別 | 8万円~9万円 | 都市部が高く、地方は低め |
年収別と年代別の平均食費の傾向、さらに地域差について具体的に見ていきましょう。
年収別の食費の平均値
年収が上がるにつれて、3人家族の食費も増える傾向があります。
総務省家計調査による年収別の食費平均と2025年の食品物価上昇率8%を加味した年収別の食費の平均値は以下のとおりです。
年収 | 食費平均(月額) | 物価上昇を加味した食費平均(月額) |
---|---|---|
~175万円 | 35,828円 | 38,695円 |
175~239万円 | 43,939円 | 47,471円 |
239~301万円 | 55,013円 | 59,414円 |
301~361万円 | 62,094円 | 67,051円 |
361~430万円 | 62,285円 | 67,267円 |
430~512万円 | 68,210円 | 73,666円 |
512~614万円 | 71,918円 | 77,671円 |
614~753万円 | 80,467円 | 86,904円 |
753~957万円 | 87,151円 | 94,125円 |
957万円~ | 103,872円 | 112,182円 |
出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年 年間収入五分位・十分位階級別|総務省統計局
年収が高くなるほど食費の平均額も上がり、特に年収957万円以上の世帯は10万円を超えています。
家計のバランスを考えつつ、自分たちの収入に合った食費設定が大切です。
2025年の日本の食品物価上昇率は8%に達し、先進国のなかでも特に高い水準です。
欧米諸国が1~2%程度の上昇にとどまるなか、日本では米の価格高騰や継続的な食品値上げが影響し、食料品の価格が大きく上昇しました。
米や野菜、調味料、加工食品など、普段の食卓に欠かせない商品の値段が上がっているため、家計への負担が増加しています。
例えば冷凍餃子は、1パック400円前後から432円程度へと値上がりし、調味料のしょうゆも500mlで約250円から270円に値上がりしました。
食品の価格が上昇しているため、これまでと同じ生活を続けていても食費が自然と増えている状況です。
年代別の食費の平均値
世帯主の年代によっても食費の平均は大きく異なります。
子どもの成長やライフスタイルの変化が影響するため、40~50代が食費のピークです。
2024年の調査による年代別食費平均と2025年の食品物価上昇率8%を加味した年代別の食費の平均値は以下のとおりです。
世帯主の年齢 | 食費平均(月額) | 物価上昇を加味した食費平均(月額) |
---|---|---|
~34歳 | 67,540円 | 72,943円 |
35~39歳 | 80,716円 | 87,173円 |
40~44歳 | 86,361円 | 93,270円 |
45~49歳 | 88,924円 | 96,038円 |
50~54歳 | 88,699円 | 95,795円 |
55~59歳 | 85,738円 | 92,597円 |
60~64歳 | 84,716円 | 91,493円 |
65~69歳 | 85,902円 | 92,774円 |
出典:家計調査 2023年(令和5年)平均 第3-2表 世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出|総務省統計局
40~50代は子育て世代で食費が増えやすく、70代以降は減少傾向にあります。
地域によって1万円以上の違いがある
3人家族の食費は居住地域によっても差があり、都市部ほど高く、地方では抑えられる傾向があります。
2024年の地域別食費平均と2025年の食品物価上昇率8%を加味した地域別の食費の平均値は以下のとおりです。
地域 | 食費平均(月額) | 物価上昇を加味した食費平均(月額) |
---|---|---|
北海道 | 58,804円 | 63,508円 |
東北 | 63,437円 | 68,511円 |
関東 | 70,324円 | 75,949円 |
北陸 | 68,223円 | 73,680円 |
東海 | 69,007円 | 74,527円 |
近畿 | 69,017円 | 74,538円 |
中国 | 62,486円 | 67,484円 |
四国 | 59,980円 | 64,778円 |
九州 | 60,789円 | 65,652円 |
沖縄 | 58,668円 | 63,361円 |
全国平均 | 64,074円 | 69,199円 |
出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年 都市階級・地方・都道府県庁所在市別|総務省
都市部の関東地方は特に食費が高く、地方との差は約1万円以上です。
地域ごとの物価や外食利用の違いが影響しているため、住んでいる地域の平均と比較して食費を参考にする必要があります。
3人家族の食費の割合はエンゲル係数から考える
家計の支出バランスを考える際に欠かせない指標のひとつがエンゲル係数です。
エンゲル係数は食費が全体の支出に占める割合を表しており、3人家族の食費管理においても大きな目安になります。
ここでは、エンゲル係数の基本的な考え方と、3人家族に合った食費の理想的な割合を解説します。
エンゲル係数とは
エンゲル係数は、家計の消費支出に占める食費の割合を示す指標です。
計算式は以下のとおりです。
- 食費÷消費支出×100
数値が高いほど、生活費の中で食費の占める割合が大きいことを意味し、一般的に所得が低いほどエンゲル係数は高くなる傾向があります。
世帯年収 | 1ヶ月の平均食費 | 1ヶ月の消費支出 | エンゲル係数 |
---|---|---|---|
~239万円 | 39,883円 | 138,112円 | 28.9% |
239~361万円 | 58,553円 | 198,950円 | 29.4% |
361~512万円 | 65,248円 | 236,639円 | 27.6% |
512~753万円 | 76,193円 | 278,877円 | 27.3% |
753万円以上 | 95,511円 | 384,031円 | 24.9% |
出典:総務省統計局「2023年家計調査(家計収支編)年間収入五分位・十分位階級別
これは「エンゲルの法則」と呼ばれ、生活が豊かになると食費の割合が下がるという意味です。
例えば、総務省の2023年家計調査によると、3人家族の平均エンゲル係数は約27.4%で、これは家計支出の約3割が食費に使われていることを示します。
近年の物価上昇によりエンゲル係数は上昇傾向にありますが、家計のバランスを見直す際の参考値として活用できます。
3人家族の食費の理想の目安
3人家族の食費を適切に設定するには、エンゲル係数を使って計算しましょう。
例えば1か月の家計支出が30万円の場合、3人家族の平均エンゲル係数27.4%を用いると食費の目安は約8万2,200円です。
節約を目指すなら、エンゲル係数を20~25%に抑えるのが理想的で、食費は6万円から7万5,000円程度です。
月収毎のエンゲル係数25%と30%の場合の食費目安は以下のとおりです。
月収 | エンゲル係数25% | エンゲル係数30% |
---|---|---|
15万円 | 37,500円 | 45,000円 |
20万円 | 50,000円 | 60,000円 |
25万円 | 62,500円 | 75,000円 |
30万円 | 75,000円 | 90,000円 |
35万円 | 87,500円 | 105,000円 |
40万円 | 100,000円 | 120,000円 |
45万円 | 112,500円 | 135,000円 |
50万円 | 125,000円 | 150,000円 |
55万円 | 137,500円 | 165,000円 |
60万円 | 150,000円 | 180,000円 |
この表を参考に、月収に対して食費がどのくらいの割合であるかを把握し、無理のない食費設定を心がけましょう。
近年の物価上昇を考えると、節約を目指す場合は25%前後を目安にするのがおすすめです。
3人家族の食費を節約するポイント5つ
3人家族の食費を効率的に節約するには、無理なく続けられる工夫が大切です。
ここでは、毎月の食費を抑えるための以下の5つのポイントを紹介します。
- 1か月の食費の予算を設定する
- 買い物にいく回数を減らす
- 冷蔵庫やパントリーの在庫を定期的にチェックする
- 作り置きや冷凍保存をして無駄を省く
- 外食を減らす
1か月の食費の予算を設定する
食費を節約するには、まず1か月の予算をはっきり決めましょう。
予算がないと、つい買いすぎてしまいがちですが、目標を決めることで無駄遣いを防げます。
例えば、家計簿やスマホアプリを使って現在の食費を把握し、平均や理想のエンゲル係数を参考に現実的な予算を設定しましょう。
予算が決まると、スーパーで買い物をするときに「今日はこれだけにしよう」と意識でき、つい余計なものを買うのを防げます。
特売日や割引情報を活用して計画的に買い物をする習慣をつけると、無理なく食費をコントロールできます。
買い物にいく回数を減らす
冷蔵庫やパントリーの在庫を定期的にチェックする
冷蔵庫やパントリーの在庫をこまめに確認することも重要です。
冷蔵庫の奥に買った野菜や調味料をしまい込んでしまい、気づかないうちに賞味期限が切れて捨ててしまうと、食費の無駄が増えてしまいます。
定期的に冷蔵庫やパントリーの在庫をチェックし、消費期限が近いものから優先的に使うように献立を考えると、食材を無駄なく使い切れます。
冷蔵庫の整理を週に一度行い、余った食材でスープや炒め物を作るのも1つの方法です。
また、在庫を把握しておけば、スーパーで同じものを重複して買うことを防げるため、余計な出費を抑えられます。
在庫をしっかり把握しておくと、無駄な買い物を減らし、家計の節約につなげられます。
作り置きや冷凍保存をして無駄を省く
外食を減らす
- ランチはお弁当を持参する
- 外食は月に1~2回に抑える
- スーパーの惣菜や冷凍食品を活用して家での食事を増やす
食費以外の生活費の削減も大切
食費の節約だけでなく、生活費全体の見直しも家計の安定には欠かせません。
食費以外の生活費のなかでも、特に効果が高い固定費の節約ポイントを4つ紹介します。
- 住宅ローンの借り換え
- 通信費の見直し
- 保険料の見直し
- 電気代のプランの見直し
住宅ローンの借り換え
住宅ローンの借り換えは、現在のローンより低金利のものに切り替えると、毎月の返済額を減らし、総返済額も抑えられる可能性があります。
例えば、借入額3,000万円で返済期間35年の場合、現在の金利が1.5%のローンを0.9%の低金利に切り替えると、毎月の返済額を9,000円近く減らせます。
金利 | 月々の返済額 | 年間返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|
1.5% | 91,855円 | 1,102,264円 | 38,579,239円 |
0.9% | 83,295円 | 999,537円 | 34,983,809円 |
節約額 | 8,560円 | 102,727円 | 3,595,430円 |
年間約10万円、総返済額では350万円程度の節約です。
ただし、借り換えには手数料や諸費用がかかるため、総合的な判断が重要です。
借り換えによって返済負担が軽くなれば、長期的な家計の安定につながります。
通信費の見直し
通信費は毎月の固定費の中でも節約しやすい項目です。
スマホやインターネットのプランを利用状況に合わせて見直すと、無駄な支出を減らせます。
具体的には、格安SIMへの乗り換えや不要なオプションの解約です。
通信会社によってはキャンペーンや割引もあるため、定期的に料金プランを比較検討しましょう。
保険料の見直し
保険料は家計の固定費を大きく左右するため、定期的な見直しが欠かせません。
生命保険や医療保険、損害保険など、加入している保険の内容や保障額をチェックし、過剰な保障や重複がないか確認しましょう。
必要に応じて保障内容を調整すると、無駄な保険料を削減できます。
保険の見直しは、将来のリスクに備えつつ、家計の負担を軽くできる可能性があります。
電気代のプランの見直し
家計の見直しはFP相談窓口を利用しよう
家計の見直しは専門的な知識が必要なときもあり、自分だけで行うと見落としや偏りが生じやすく、効果的な改善策を見つけるのが難しい場合があります。
FPに相談すると、収入や支出、貯蓄状況を客観的に分析し、無駄な支出の削減や効率的な資金計画の立て方を具体的に教えてもらえます。
具体的には、固定費の見直しや保険の見直し、住宅ローンの借り換えなど、専門的な知識を活かした提案が受けられるため、家計の安定につながります。
さらに、ライフプランに合わせた長期的な資金計画も作成でき、将来の不安を軽減できるのも大きなメリットです。
FP相談窓口は、店舗に来店する相談窓口もあれば、自宅やカフェ、オンラインなど好きな場所で気軽に受けられる窓口もあります。
何度でも無料で相談できる窓口を選べば、家計の変化に応じて柔軟にアドバイスを受けられます。
3人家族の食費の中央値に関するよくある質問
3人家族の食費の中央値について、よく寄せられる疑問は以下のとおりです。
- 3人家族で食費10万円は多いですか?
- 赤ちゃんを含む3人家族の食費の平均はいくらですか?
家族構成や生活スタイルによって食費は変わるため、目安を理解して自分たちの家計に役立てましょう。
3人家族で食費10万円は多いですか?
3人家族で月の食費が10万円というのは、中央値や平均と比べるとやや高めの水準です。
食費は外食の頻度や食材のこだわり、住んでいる地域によって大きく変動します。
例えば、外食が多い家庭やオーガニック食材を積極的に使う場合は10万円を超えることも珍しくありません。
一方で、自炊中心で節約を意識している家庭は、中央値の約8万円前後に収まることが多いです。
10万円は決して異常な額ではありませんが、家計全体のバランスを考え、無理のない範囲で食費の予算設定が大切です。
赤ちゃんを含む3人家族の食費の平均はいくらですか?
赤ちゃんがいる3人家族の食費は、赤ちゃんの成長段階や授乳方法によって変わります。
離乳食が始まると徐々に食費が増えますが、母乳育児の場合は食費が抑えられる傾向があります。
総務省の家計調査によると、赤ちゃんを含む3人家族の食費の平均は約7万5千円から8万円程度で、通常の3人家族の中央値よりやや低めです。
赤ちゃんの成長に合わせて食費は増えるため、家計の見直しや予算設定は柔軟に行いましょう。
参照:家計調査の概要|総務省