監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 幼稚園から大学までの子供の平均教育費を紹介
- 幼稚園の教育費
- 小学校の教育費
- 中学校の教育費
- 高等学校(全日制)
- 大学
- 大学入学までにいくら貯蓄しとくべき?
- 子供1人にかかる学費をシミュレーション
- 全て国公立・私立の場合
- 高校・大学から私立の場合
- 大学のみ私立の場合
- 子供2人の教育費はいくら貯めるべき?
- 教育費の負担を軽減してくれる助成金や給付金を紹介
- 幼稚園で利用可能な制度
- 小学校で利用可能な制度
- 中学校で利用可能な制度
- 高等学校(全日制)で利用可能な制度
- 子供の大学費用がない場合に利用可能な制度
- 大学卒業までの子どもの学費を貯めるためにできること3選!
- 定期預金や積立定期預金を始める
- 学資保険に加入する
- NISAやiDeCoで投資を始める
- 子どもの学費やライフプランの相談ならマネーキャリアにお任せください
幼稚園から大学までの子供の平均教育費を紹介
子どもの教育について、以下の項目で解説します。
- 幼稚園の教育費
- 小学校の教育費
- 中学校の教育費
- 高等学校(全日制)の教育費
- 大学の教育費
- 大学入学までにいくら貯蓄しておくべきか
子どもの教育費は各段階で異なるため、計画的な貯蓄が大切です。
また、教育費の無償化が進む中で一部の私立学校の学費は上昇傾向にあり、将来を見据えた教育ローンや学資保険の活用も検討する必要があります。
さらに、「ひとり1,000万円」と言われる学費の根拠や、効果的な準備方法についても解説していきます。
幼稚園の教育費
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
学校教育費 | 61,156 | 134,835 |
学校給食費 | 13,415 | 29,917 |
学校課外活動費 | 90,555 | 144,157 |
学習費総額 | 165,126 | 308,909 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
私立幼稚園の学費は、国公立幼稚園の約1.9倍に達し、特に学校教育費と学校外活動費で大きな差があります。
国公立と私立では、教育内容や施設の違いによって費用が異なり、家庭ごとの教育方針や生活状況に応じた選択が必要です。
また、私立幼稚園の在園者割合は約87%に達しており、私立幼稚園に通わせる家庭も多い状況です。
自治体による助成金制度もありますので、各家庭で活用できる制度をしっかり確認し、教育費の負担を軽減することが重要です。
小学校の教育費
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
学校教育費 | 65,974 | 961,013 |
学校給食費 | 39,010 | 45,139 |
学校課外活動費 | 247,582 | 660,797 |
学習費総額 | 352,566 | 1,666,949 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
国公立小学校の年間学費は約35万円に対し、私立小学校は約166万円と約4.7倍の費用がかかります。
特に、私立は学校教育費や学校外活動費が高い傾向にあります。
文部科学省の調査では、私立小学校に通う子どもは全体の1.3%と少数で、多くの家庭が国公立を選んでいます。
ただし、国公立でも習い事や塾などの学校外活動費が家計の負担になることがあります。
中学校の教育費
以下は、文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」による、中学校の年間学費の内訳です。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
学校給食費 | 132,349 | 1,061,350 |
学校給食費 | 37,670 | 7,227 |
学校課外活動費 | 368,780 | 367,776 |
学習費総額 | 538,799 | 1,436,353 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
国公立中学校の年間学費は約54万円ですが、私立中学校では約143万円となり、約2.7倍の差があります。
文部科学省の調査によると、私立中学校に通う子どもの割合は7.6%で、大半の子どもは国公立中学校へ進学しています。
私立の方が授業料が高額な一方、学校外活動費に関しては、国公立でも高校受験に向けた塾や家庭教師の費用がかさむため、費用の差は小さくなっています。
学校外活動費が大きな負担になる可能性が高いので、進学に向けた塾費用などを含めた全体の教育費を計画的に準備することが重要です。
高等学校(全日制)
以下は、文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」による、高等学校(全日制)の年間学費の内訳です。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
学校給食費 | 309,261 | 750,362 |
学校給食費 | ー | ー |
学校課外活動費 | 203,710 | 304,082 |
学習費総額 | 512,971 | 1,054,444 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
私立と国公立の費用差はかなり大きく、特に学校教育費(授業料など)で大きな違いが見られます。
文部科学省の調査によると、私立高校への進学率は33.6%と比較的高く、私立を選ぶ家庭も多くなっています。
また、私立高校に進学する場合、学費に加えて受験や進学準備にかかる費用も発生するため、家計への負担はさらに大きくなることが予想されます。
進学前に学費やその他の費用を十分に検討し、計画的に準備を進めることが重要です。
大学
以下は、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」と「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額」による、大学の初年度学費の内訳です。
年間授業料 | 施設設備費 | 入学料 | 総額 | |
---|---|---|---|---|
国立大学 | 535,800 | - | 282,000 | 2,425,200 |
公立大学 | 536,363 | - | 391,305 | 2,536,757 |
私立文科系大学 | 815,069 | 148,272 | 225,651 | 4,079,015 |
私立理科系大学 | 1,136,074 | 179,159 | 251,029 | 5,511,961 |
私立医歯系学部 | 2,882,894 | 931,367 | 1,076,278 | 23,961,844 |
(参照:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省/令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額|文部科学省)
この費用差は、特に私立大学進学時に考慮すべき重要なポイントです。
さらに、文部科学省のデータによると、国公立大学の在学生は全体の21.9%、私立大学は78.1%を占めており、多くの家庭で私立大学進学が選択されています。
大学進学に向けては、しっかりとした資金準備が不可欠です。
大学入学までにいくら貯蓄しとくべき?
以下は、大学の進学先ごとの学費になります。
進学する大学 | 必要な費用 |
---|---|
国公立 | 約240万 |
私立文系 | 約400万 |
私立理系 | 約550万 |
私立医歯系 | 約2,400万 |
子どもの大学入学までに、少なくとも上記の金額は貯蓄しておく必要があります。
特に私立や医歯系学部を希望する場合、学費の負担が大きくなるため、計画的に貯蓄や学資保険を活用し、奨学金も視野に入れることが資金準備を進めるポイントです。
家計に合わせて無理のない方法で、少しずつ教育費を蓄えることが、お子様の未来に備える安心の基盤となります。
子供1人にかかる学費をシミュレーション
- 全て国公立・私立の場合
- 高校・大学から私立の場合
- 大学のみ私立の場合
全て国公立・私立の場合
全て国公立・私立の場合の学費は、下記の表の通りです。
全て国公立の場合 | 全て私立の場合 | |
---|---|---|
幼稚園 | 495,378 | 926,727 |
小学校 | 2,115,396 | 10,001,694 |
中学校 | 1,616,397 | 4,309,059 |
高等学校(全日制) | 1,538,913 | 3,163,332 |
大学 | 2,480,979 | 4,690,467 |
計 | 8,247,063 | 23,091,279 |
引用:文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』/『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
全て国公立の学校に通う場合、約824万円の学費がかかり、全て私立の学校に通う場合は約2,309万円と、国公立の約3倍の費用が必要になります。
しかし、実際には幼稚園から大学までをすべて国公立や私立で通い続けるケースは少なく、進学段階ごとに異なる選択をする家庭がほとんどです。
例えば、小中学校は国公立、高校から私立というルートを取る家庭も多いため、より現実的な進学ルートに基づいて資金計画を立てることが重要です。
高校・大学から私立の場合
高校から私立に進学する場合、総額で約1,200万程度の学費が必要となります。
高校/大学が私立 | |
---|---|
幼稚園 | 495,378 |
小学校 | 2,115,396 |
中学校 | 1,616,397 |
高等学校 | 3,163,332 |
大学 | 4,690,467 |
計 | 12,080,970 |
引用:文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』/『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
この進学ルートでは、幼稚園から中学校までの国公立の学費が比較的低く抑えられますが、高校から私立に進学することで、学費が大きく増加します。
特に、私立大学の学費が大きな割合を占めるため、計画的な資金準備が不可欠です。
国公立と私立の組み合わせによる進学パターンを考慮した上で、貯蓄や学資保険、奨学金などの選択肢を検討することが重要です。
大学のみ私立の場合
高校まで公立、大学のみ私立に通う場合の学費は、約1,045万円になります。
大学のみ私立 | |
---|---|
幼稚園 | 495,378 |
小学校 | 2,115,396 |
中学校 | 1,616,397 |
高等学校 | 1,538,913 |
大学 | 4,690,467 |
計 | 1,045,651 |
文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』/『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
私立大学のみを選択するケースは、費用を抑えながらも高等教育を私立で受けたい家庭に多い選択肢です。
高校までの公立進学で費用を抑えた分、大学進学のための資金を計画的に準備することが重要です。
教育費は長期にわたるため、早めに貯蓄や奨学金の活用を検討し、進学に備えましょう。
子供2人の教育費はいくら貯めるべき?
子供2人の教育費を準備するには、公立のみの場合でも約1,200万円、私立を含む場合は約2,000万円以上を目安に考える必要があります。
例えば、幼稚園から高校まで全て公立であれば、2人分で約1,200万円かかります。
私立を選ぶとさらに費用が増え、進学ルートによっては合計で2,000万円を超えることもあります。
特に、私立大学進学を想定すると、1人あたり約400万~600万円が必要となり、2人分で800万~1,200万円の学費が見込まれます。
また、学校外活動費や塾代などの付随費用も加味し、計画的に貯蓄を進めることが重要です。
進学ルートを具体的にシミュレーションすることで、各段階でどれだけの資金が必要かを把握しやすくなります。
教育費の負担を軽減してくれる助成金や給付金を紹介
各教育段階で利用可能な支援制度や資金調達方法は下記です。
- 幼稚園で利用可能な制度
- 小学校で利用可能な制度
- 中学校で利用可能な制度
- 高等学校(全日制)で利用可能な制度
- 大学で利用可能な制度
幼稚園で利用可能な制度
幼稚園で利用可能な制度は、「幼児教育・保育の無償化」です。
この制度により、3歳から5歳までのすべての子どもが対象となり、幼稚園や保育所、認定こども園の利用料が月額上限2.57万円まで無償となります。
また、0歳から2歳までの子どもがいる住民税非課税世帯にも利用料が無料になる支援が提供されています。
以前存在していた「私立幼稚園等就園奨励補助制度」は2019年9月に廃止され、同年10月からこの無償化政策が導入されました。
お子さんの入園前に、地方自治体の窓口や公式ウェブサイトで最新の支援制度を確認し、適切な支援を受ける準備をしておきましょう。
小学校で利用可能な制度
小学校に通うお子様がいるご家庭で、経済的な理由で教育費の負担が難しい場合、「就学援助制度」を活用することができます。
この制度では、学用品や通学用品の購入費用、さらには遠足や修学旅行の費用なども支援対象となることがあります。
就学援助の支援内容は、お住まいの市町村によって異なるため、詳細は市町村の窓口や公式ホームページで確認することをおすすめします。
必要な支援を受けるためにも、早めに地元の役所に相談し、適切な手続きを進めましょう。
中学校で利用可能な制度
中学生を持つご家庭で経済的な困難がある場合、「就学援助制度」を利用できる可能性があります。
この制度では、学用品費や通学用品費に加え、修学旅行費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費などの学校生活に関わる費用が支援対象となります。
支援を受けるための条件は自治体によって異なるため、詳細な情報はお住まいの市町村役場の窓口や公式ホームページで確認することが重要です。
就学援助制度を活用することで、教育にかかる経済的負担を軽減し、お子様の学習環境を整える助けとなるでしょう。
高等学校(全日制)で利用可能な制度
高校生を持つ保護者向けには、「高等学校等就学支援金制度」という公的な助成制度があります。
この制度は、国公立・私立を問わず、全ての高等学校に通う生徒が対象で、経済的負担を軽減し、より多くの生徒が高等教育を受けられることを目的としています。
支援の対象は、年収約910万円以下の家庭が基本となり、支給額は条件により異なります。
基本的な支給額は月額9,900円ですが、公立高校生や通信制私立高校生の場合、この金額が1.5倍から2.5倍に増額されることがあります。
また、私立高校に通う生徒の場合、年収約590万円以下の家庭では、月額33,000円に増額されることもあります。
支給額は、保護者の働き方や家庭状況(兄弟姉妹の有無など)によっても変動するため、事前に確認することが重要です。
子供の大学費用がない場合に利用可能な制度
大学進学に伴う学費の負担が大きい場合、奨学金や教育ローンなどの支援制度を活用することができます。
まず、奨学金は大きく分けて返済が不要な「給付型」と、返済が必要な「貸与型」の2種類あります。
日本学生機構による奨学金は代表的で、学業成績や家庭の経済状況に応じて選択できます。
また、大学や地方自治体、民間団体が提供する奨学金もあり、各団体の条件に合った奨学金を選ぶことが可能です。
次に、国の教育ローンは、学費や生活費をサポートするための制度で、低金利での借入が可能です。
日本政策金融公庫が提供するこのローンは、世帯年収や扶養人数によって借入限度額が異なり、最大で350万円まで利用できます。
大学卒業までの子どもの学費を貯めるためにできること3選!
- 定期預金や積立定期預金を始める
- 学資保険に加入する
- NISAやiDeCoで投資を始める
定期預金や積立定期預金を始める
定期預金は、使う予定のない資金を一定期間預けることで、計画的に貯蓄を進める方法です。
現在の低金利状況では利息がほとんど期待できないため、大きな増額効果は見込めませんが、資金を固定して使わない仕組みを作るという点では効果的です。
また、期間の満了までは引き出せないため、貯蓄を確実に進めることができます。
積立定期預金は、毎月決まった金額を普通預金から自動的に振り替える仕組みで、無理なく計画的に貯蓄を積み立てることができます(※)。
金額は状況に応じて調整可能で、給与の振込日に合わせて自動で積立を行うことにより、給与天引きのようにコツコツと貯金を進めることができます。
定期預金や積立定期預金は、リスクが少なく安全に貯蓄を進めたい方に適した方法なので、少しずつでも子どもの学費を確保するための基盤作りとして有効です。
※参照:積立定期預金|全国銀行協会
学資保険に加入する
学資保険は、満期保険金や解約返戻金を受け取れる保険で、学資目的として利用することができます。
必要な時に途中解約や満期を迎えた際の保険金を学費に充てられるため、計画的な貯蓄手段として有効です。
契約内容によっては、支払った保険料よりも受け取る保険金が多くなる可能性があります。
特に、被保険者が両親の場合、万が一の際にまとまった保険金が受け取れるのが大きなメリットです。
終身保険や学資保険、外貨建て保険などが代表的な選択肢です。
NISAやiDeCoで投資を始める
学費を貯めるためには、新NISAとiDeCoを効果的に活用する方法があります。
以下の表で2つの制度を比較し、それぞれの特徴を把握しましょう。
新NISA | iDeCo | |
---|---|---|
目的 | 学費や長期資産形成 | 老後資金の準備 |
年間投資枠 | 最大360万円 (つみたて投資枠と成長投資枠を併用) | 個人の所得や勤務形態により異なる (年間14.4万~81.6万円) |
非課税保有期間 | 無期限 | 60歳以降 |
税制優遇 | 運用益が非課税 | 掛金全額が所得控除、運用益非課税 受け取り時も控除あり |
資金引き出し | いつでも可能 | 60歳まで引き出し不可 |
(参照:新NISA|金融庁/iDeCo公式サイト|国民年金基金連合会)
新NISAは、長期的な資産形成を目指し、学費や将来の資金を非課税で運用するのに適しています。
非課税枠が無期限であるため、資金を効率的に運用しながら、いつでも引き出しが可能です。
iDeCoは、税制上の大きなメリットがありますが、60歳まで資金を引き出せないため、老後資金のための貯蓄手段として利用されます。
教育資金の準備には、新NISAがより適した選択肢と言えるでしょう。
子どもの学費やライフプランの相談ならマネーキャリアにお任せください
子どもの学費は、進路や兄弟姉妹の人数によって大きく変わります。
特に、私立や国公立の選択、学外活動などの費用も考慮すると、各家庭で必要な資金は異なります。
自分に合った学費準備をするには、計画的に情報を集めることが重要です。
もし学費の準備に不安があるなら、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも一つの手です。
マネーキャリアでは、豊富な知識を持つFPが、無料で最適な学費準備のアドバイスを提供しています。
学費やお金に関する悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。