内容をまとめると
- 自社の業種や事業の規模によりリスクの有無や大小は異なる
- 法人向け損害保険は、事業を包括的に補償する総合保険か個別のリスクに特化した損害保険かで選ぶ
- 法人向け損害保険は、資産保全を目的とする損害保険と賠償リスクに対する損害保険がある
- 法人向け損害保険は、個人事業主も加入できる
- 保険料は加入する保険や業種などによって異なるため相場を示しずらい
- 法人向け損害保険や事業のリスク対策に関する相談は、「マネーキャリア」がおすすめ
法人には、火災や提供した商品等による賠償責任のリスク、従業員を抱えている場合、労働災害のリスクなどがあります。このような法人を取り巻くリスクに対して、損害保険の加入がおすすめです。こちらの記事は、法人向け損害保険の種類や選び方などについて解説しています。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 法人の事業活動を取り巻くリスク
- 事例1:店舗が火災になった事例
- 事例2:提供した飲食物により食中毒となった事例
- 事例3:建設工事中に起こった労災事故
- 法人向け損害保険の種類
- 資産保全を目的とする損害保険
- ①法人向け火災保険
- ②動産総合保険
- ③工事保険
- 賠償リスクに対する損害保険
- ①PL保険(生産物賠償責任保険)
- ②サイバー保険
- ③個人情報漏洩保険
- ④法人向け自動車保険
- ⑤D&O保険(役員賠償責任保険)
- ⑥施設賠償責任保険
- ⑦請負業賠償責任保険
- ⑧受託者賠償責任保険
- ⑨リコール保険
- 事業リスクを包括的に補償する損害保険
- ①事業活動総合保険
- ②店舗総合保険
- ③建設業総合保険
- ④企業財産包括保険
- ⑤企業総合賠償責任保険
- 事業継続に関する損害保険
- 法人向け損害保険の選び方
- ①事業を取り巻くリスクを知る
- ②事業規模に応じて保険の種類を選ぶ
- 法人向け損害保険の加入方法
- 法人保険の活用事例集
- 法人向け損害保険についてよくある質問
- ①個人事業主でも加入することができる?
- ②保険料や保険金の経理処理は?
- ③法人向け損害保険の保険料の相場は?
- まとめ:法人向け損害保険の種類や選び方について
法人の事業活動を取り巻くリスク
事業を取り巻くリスク
事業活動を行うことで上記のようなリスクがあると考えられます。上記はリスクマップと言います。リスクが発生する頻度と、経営に与える影響の2軸で構成されています。
また事象を「社会的・経済的リスク」、「自然災害事故リスク」、「経営リスク」の3つに分類しています。このようにマップ化すると事業を行うリスクは様々です。
業種や事業の規模により表示されているリスクの有無や大小は異なりますが、「火災や爆発のリスク」、「風災・水災・落雷のリスク」などについては対策しておかなければ事業を継続することが難しくなります。
そのためまずは自社を取り巻くリスクを知る必要があります。自社のリスクを知った上で適切な対策を取るようにしましょう。
そこで具体的に事業活動を行うにあたり、どのような事故があるのかを紹介します。
- 店舗が火災になった事例
- 提供した飲食物により食中毒となった事例
- 建設工事中に起こった労災事故
事例1:店舗が火災になった事例
まず最初に紹介する事例は、ラーメン店から出火し、大規模な火災になった事例です。平成28年12月22日に新潟県糸魚川市にあるラーメン店で、大型コンロの火を消し忘れたことにより出火しました。
ラーメン店からの出火後、周辺住宅にも火が回り、合計147棟が焼損しました。幸い死亡者はいませんでしたが、17人が負傷しました。
ここまで大規模の火災となった要因は以下です。
- 区画内の住宅の9割が木造建築であること
- 事故当日に強風注意報が発令されていた
事例2:提供した飲食物により食中毒となった事例
続いても飲食店で起こった事例です。ここでは2つ事例を紹介します。
まずは、料亭で提供した飲食物により、食中毒が発生した事例です。料亭で提供したイシガキダイの刺身に、食中毒の原因となる毒素が含まれていました。
それにより、摂取したお客様が食中毒を起こしました。食中毒になった被害者の中には、事業をしている方も行ったため、休業した際の損失も損害賠償として請求されました。
請求額は742万円でしたが、料亭側の製造物責任が認められ300万円の損害賠償金を支払うことになりました。
参考:実際にあった訴訟・判例
2つ目は駅弁から食中毒が発生した事例です。
青森県八戸市の駅弁メーカーが提供した弁当を摂取した方が、全国各地で食中毒の症状を訴えました。しかし最初に行った保健所の調査で、食中毒の原因となる菌が発見さなかったため、別の原因があるとされていました。
その後2023年9月23日に再び、こちらの駅弁メーカーで提供していた弁当により下痢や嘔吐などの症状を訴えました。その結果食中毒と断定し、営業禁止処分をなりました。
保健所の調査によると、2023年9月25日までで、26都道府県で合わせて394人もの人が、食中毒となっており、回収した弁当からは食中毒の原因となる菌も検出されました。
参考:弁当から食中毒が発生
事例3:建設工事中に起こった労災事故
最後は、建設工事中に起こった労災事故を紹介します。2023年9月19日にJR東京駅の八重洲口付近のビルの建設工事で起こった労災事故です。
地上51階建ての複合商業施設の建設工事中に、クレーンで吊り上げていた鉄骨が落下し、作業員5人が巻き込まれました。この事故により、2名が死亡しました。
落下した鉄骨は長さ30メートルで、重さおよそ15トンの鉄骨でした。この鉄骨の上に作業員が5人乗っていた際に、何らかの原因で鉄骨が落下し、地上7階部分から3階部分の高さから落下しました。
参考:建設現場で鉄骨落下
法人向け損害保険の種類
事業を取り巻くリスクがわかったところで、それらのリスクを対策できる法人向けの損害保険について解説します。
まず法人向け損害保険の種類は大きく分けて2種類があります。
- 事業を包括的に補償する総合保険
- 個別のリスクに特化した損害保険
- 事業活動総合保険
- 店舗総合保険
- 企業財産包括保険
- 企業総合賠償責任保険 など
- 資産保全を目的とする損害保険
- 賠償リスクに対する損害保険
- 事業継続に関する損害保険
資産保全を目的とする損害保険
まずは資産保全を目的とする損害保険について解説します。
資産保全を目的とする損害保険とは、企業が所有・管理・使用している建物や設備、什器などが火災や水災、盗難被害にあった際の修繕・修理費用などを補償してくれる損害保険です。
具体的には以下の損害保険が資産保全を目的としている保険です。
- 法人向け火災保険
- 動産総合保険
- 工事保険
①法人向け火災保険
まずは法人向け火災保険です。法人と個人の火災保険の違いは、契約する際の名義です。法人として火災保険を契約する場合は、記入する項目をすべて法人で契約する必要があります。また法人として加入した場合、個人契約にはない特約も用意されています。
法人向け火災保険では以下が補償対象となります。
- 建物
- 設備
- 什器
- 商品・製品 など
上記で紹介した補償対象が以下の事故より発生した損害を補償してくれます。
- 火災
- 破裂・爆発
- 落雷
- 風災・雹災・雪災
- 水漏れ
- 騒じょう・労働争議等
- 外部からの衝突
- 盗難
- 水災
- 電気的・機械的事故
- その他偶然な破損事故 など
②動産総合保険
続いては動産総合保険です。動産総合保険とは、企業が保有・管理・運送中にある動産に対して発生した損害を補償する損害保険です。
以下が保険対象となります。
- オフィス内の設備(コピー機、椅子、机など)
- 商品・製品
- 現金・小切手・有価証券
- カメラ
- プロジェクター など
- 火災
- 破損
- 破裂・爆発
- 外部からの衝突
- 盗難
- 落雷
- 水濡れ
- 運送中の事故 など
- 動産総合保険は各動産ごとに個別契約が可能
- 動産総合保険の方が保険金の上限が高い
③工事保険
資産保全を目的とする法人向け損害保険の最後は、工事保険です。工事保険とは、企業が請け負っている記事期間中に、資材などに対して発生した損害を補償する保険です。
工事保険は以下の3種類があります。
- 建設工事保険
- 土木工事保険
- 組立保険
- 住宅・ビルなどの建設工事をしている目的物
- 仮工事の目的物
- 工事用仮設物(工事のために仮設される電気配線、配管など)
- 工事用材料
- 工事用仮設材
- 道路・トンネル・橋・鉄道
- 河川・海岸・ダム
- 地下街・地下駐車場
- 土地造成
- 産業機械や電気機器の組立工事
- 配管・ケーブルなどの組立工事
- 工場やプラントの設備・内装に関する工事
賠償リスクに対する損害保険
ここからは賠償リスクに対する損害保険の解説をします。賠償リスクに対する損害保険とは、第三者や第三者の物を傷つけた場合に、法律上の損害賠償責任により発生する費用や賠償金などを補償する損害保険です。
具体的には以下の損害保険があります。
- PL保険(生産賠償物責任保険)
- サイバー保険
- 個人情報漏洩保険
- 法人向け自動車保険
- D&O保険(役員賠償責任保険)
- 施設賠償責任保険
- 請負業賠償責任保険
- 受託者賠償責任保険
- リコール保険
①PL保険(生産物賠償責任保険)
まずはPL保険(生産物賠償責任保険)について解説します。PL保険とは、企業が製造・販売した製品や作業の結果により、第三者や第三者の物に被害が起こり、法律上の損害賠償責任を負う際の費用等を補償する損害保険です。
製造物や作業の結果による賠償責任を補償する損害保険ですが、PL法(製造物責任法)により以下は含まれません。
- 不動産
- サービス
- 加工がされていないもの
- プログラムなどの無体物 など
- 飲食業
- 小売業
- 製造業
- 工事業 など
②サイバー保険
続いてはサイバー保険です。サイバー保険とは、サイバーリスクに起因して発生した損害を補償する損害保険です。
サイバー保険では以下の費用に対して保険金が支払われます。
- 損害賠償金
- 争訟費用
- 原因調査費用
- 見舞費用
- 信頼回復費用
- データ復旧費用
- 営業継続費用 など
③個人情報漏洩保険
続いては個人情報漏洩保険について解説します。個人情報漏洩保険とは、個人情報の漏洩により発生した損害費用等を補償してくれる損害保険です。
個人情報漏洩保険の基本補償は以下です。
- 損害賠償金の補償
- 対応費用
- 見舞金・見舞い品の購入費用
- 再発防止費用
補償範囲 | |
---|---|
個人情報漏洩保険 | 個人情報の漏洩が発生から 解決までの費用 |
サイバー保険 | サイバー攻撃の発生から 解決までの費用 |
④法人向け自動車保険
続いては法人向け自動車保険です。
自動車保険も法人契約することが可能です。自動車保険を法人として契約することで以下のメリットがあります。
- フリート契約による保険料の割引制度を利用できる
- 社員の誰が運転していても保険が適応される
- 法人向け自動車保険にしかない特約を付帯できる
- 法人税を軽減することができる
- 個人向け自動車保険から等級継承が可能
- 運送業
- 不動産業
- サービス業(介護など)
⑤D&O保険(役員賠償責任保険)
続いてはD&O保険(役員賠償責任保険)について解説します。D&O保険とは、会社役員に対して法律上の賠償責任が発生した際に必要となる費用を補償してくれる損害保険です。
つまりD&O保険とは会社役員に以下のようなことがあった際に補償される保険のことです。
- 従業員が長時間労働させられたため、従業員が会社を訴訟した
- 納期遅延により取引先から担当していた役員を訴えられた
- 不適切な経営判断により業績が悪化したため株主から担当役員を訴えられた
- 損害賠償金
- 争訟費用
- 会社訴訟補償
- 初期・訴訟対応費用補償
- 会社補償
- 会社有価証券賠償責任補償 など
⑥施設賠償責任保険
- 飲食店の厨房にあるガス管が爆発した
- キッチンカーで立て掛けていた看板が倒れ並んでいたお客様が怪我をした
- 自転車で配達中に歩行者と衝突した
- 法律上の損害賠償金
- 争訟費用
- 損害防止軽減費用
- 緊急措置費用
- 協力費用
⑦請負業賠償責任保険
請負業者賠償責任保険とは、工事や作業中に対人・対物に対して法律上の損害が発生した場合に、必要となる賠償金などを補償する損害保険です。
請負業者賠償責任保険では、以下のような費用に対して保険金が支払われます。
- 損害賠償金
- 争訟費用
- 損害防止軽減費用
- 緊急措置費用
- 協力費用
- 工事業
- 下請け業者 など
⑧受託者賠償責任保険
続いては受託者賠償責任保険です。受託者賠償責任保険とは、第三者から預かっているモノに対して損害が発生した場合の費用を補償するための保険です。
具体的には以下の事故に対して保険金が支払われます。
- 飲食店で一時預かっていたコートが汚れてしまった
- 運送業で預かっていた荷物が倉庫で火災となり消失した
- 美容室で一時預かりしていたお客様のバッグが盗難された
- 飲食業
- サロン業
- 運送業 など
⑨リコール保険
最後はリコール保険の解説です。リコール保険とは、事故を起こした製品や、起こる可能性がある製品を回収する際に必要となる費用を補償する保険です。
先ほど紹介したPL保険で補償できない範囲を補償してくれるため、PL保険とセットで加入される方が多い保険です。
こちらの保険では、以下のような費用に対して保険金が支払われます。
- 損害が発生した分のリコール費用
- 損害が発生する前のリコール費用
- 製造業
- 加工業
- 小売業 など
事業リスクを包括的に補償する損害保険
ここからは、事業を取り巻くリスクを包括的に補償する損害保険の解説をします。
事業には大きく分けて以下の2つのリスクがあると説明しました。
- 財物損害のリスク
- 賠償責任のリスク
- 上記2つのリスクをまとめて補償する総合保険
- 賠償リスクを包括的に補償する総合保険
- 財物リスクを包括的に補償する総合保険
- 事業活動総合保険
- 店舗総合保険
- 建設業総合保険
- 企業財産包括保険
- 企業総合賠償責任保険
①事業活動総合保険
まずは事業活動総合保険について解説します。事業活動総合保険では以下のリスクに対して補償されます。
- 建物などの損害
- 第三者や第三者のモノを傷つけた場合の賠償責任
- 休業損失
- 火災、落雷、破裂、爆発
- 風災、ひょう災、雪災
- 水濡れ
- 騒じょう、労働争議等による損害
- 車両、航空機等の衝突による損害
- 建物外部からの物体の衝突等による損害
- 水災による損害
- 盗難 電気的、機械的事故による損害
- その他偶然な破損事故等による損害
- 地震・津波・噴火による損害(オプション)
- 損害賠償金
- 治療費
- 弁護士費用
- 訴訟費用 など
- 飲食業
- 小売業
- 工事業
- 製造業 など
②店舗総合保険
続いて店舗総合保険について解説します。店舗総合保険とは、いわば火災保険やPL保険、施設賠償責任保険など、店舗運営をするにあたって必要な複数の保険が1つになった保険です。
1つの保険で様々なリスクに備えることもできるので、別々で入るより保険料も割安になるという特徴があります。
店舗総合保険は、以下の内容の損害保険金をお支払いします。
- 火災
- 落雷
- 破裂・爆発
- 風災・雹災(ひょうさい)・雪災
- 自動車の飛び込みなどの落下・飛来・衝突等
- 給排水設備の事故等による水漏れ
- 騒擾(そうじょう)・労働争議に伴う暴力行為・破壊行為
- 盗難
- 持ち出し家財
- 水害
火災保険で補償されている自然災害に加えて、補償対象の範囲が広いです。
ただし、地震や津波が原因で火災・破裂・爆発など発生した場合は、保険金のお支払い対象外で、別途地震保険への加入が必要です。
また、店舗総合保険には、損害保険金の他に費用保険金もお支払いします。
費用 | 補償される内容 |
---|---|
休業損害 | 交通事故等による病気・ ケガが原因である休業時の損害 |
損害賠償責任費用 | 損害賠償の費用 |
臨時費用 | 上記1~7つ目の事故における費用 |
残存物取り片付け費用 | 事故による片付けや清掃費 |
失火見舞費用 | 火災や爆発などで他人の所有物を滅失、 損傷、汚損させたときの費用 |
地震火災費用 | 地震が原因の火災による損害費用 |
修理付帯費用 | 上記1~3つ目の事故の 復旧にあたり支出した費用 |
損害防止費用 | 消火活動費 |
緊急処置費用 | 建物や設備のサビ、 腐食防止等の応急処置費 |
「地震火災費用」は、建物が半焼以上、設備・什器等を収容する建物が半焼以上などの場合、保険金の5%ほどが支払われます。
店舗総合保険への加入をおすすめする業種は以下です。
- 飲食業
- 理美容・サロン業
- 小売業
③建設業総合保険
続いて、建設業総合保険について解説します。建設業総合保険では、他人の身体の障害や財物の損壊について損害賠償責任を負うことで被る損害を補償します。
建設業総合保険では、以下の補償があります。
- 工事・作業に関する賠償責任の補償
- 施設・設備等に関する賠償責任の補償
- 工事・作業の結果や生産物に関する賠償責任の補償 など
損害賠償金 | 損害賠償請求権者に対して 負担する法律上の損害賠償責任の額 |
損害防止費用 | 損害発生や拡大防止のために必要な費用 |
権利保全行使費用 | 権利の保全または行使に必要な 手続きをするために要した費用 |
緊急措置費用 | 緊急措置のために要した費用など |
協力費用 | 損害賠償請求の解決にあたり 保険会社に協力するために要した費用 |
訴訟費用 | 損害賠償に関する訴訟費用、弁護士報酬、 仲裁、和解もしくは調整に要した費用等 |
④企業財産包括保険
続いて、企業財産包括保険について解説します。企業財産包括保険は、企業が保有する全ての物件を1つの保険で補償することができる保険です。
限度内であれば自動的に保有物件の全てが補償対象となるため、新規契約を締結する必要もなく、手間や補償もれも防ぐことができます。
主な補償内容は以下の通りです。
具体的な補償内容 | |
---|---|
財物損害補償 | 企業が保有・管理している財物を 対象とした損害費用を補償 (建物、設備や什器、商品、屋外の設備や装置など) |
利益損失補償 | 利益や阻害された場合の喪失利益、 収益減少防止に対する費用を補償 |
営業継続費用補償 | 営業を継続するために支出した費用のうち、 損害によって超過した部分を補償 |
また、以下のような不測かつ突発的な事故によって起きた損害によって保険金が支払われます。
- 火災や落雷、破裂や爆発
- 風災や雪災
- 水災
- 給排水設備事故の水濡れ等
- 盗難
- 外来の事故に直接起因しない電気的事故や機械的事故 など
保険金=損害額×(保険金額/保険価格)-免責金額
保険金の種類 | 支払われる費用について |
---|---|
残存物取づけ費用保険金 | 損害を受けた保険対象の 残存物の取片づけに必要な費用 |
修理付帯費用保険金 | 復旧時に必要となった 損害原因調査費用等の費用 |
損害拡大防止費用保険金 | 火災や落雷、爆発や破裂により、 損害の拡大防止に必要となった費用のうち、 消火薬剤などの再取得費用 |
請求権の保全・ 行使手続費用保険金 | 他人に損害賠償を請求できるときに、 その権利の保全や行使に必要な手続きの費用 |
失火見舞費用保険金 | 発生させた火災や爆発、 破裂で第三者に損害を生じたときの見舞金費用 |
地震火災費用保険金 | 地震や噴火による津波で火災が起きた場合、 一定の損害に対する補償 |
- 製造業
- 工事業
- 建設業
- 輸送業 など
⑤企業総合賠償責任保険
続いて、企業総合賠償責任保険(CGL)について解説します。企業総合賠償責任保険は、PL保険、施設賠償責任保険、請負業者賠償責任保険など、企業を取り巻く賠償責任を1つにまとめて補償する保険です。
企業総合賠償責任保険の主な補償内容は以下の通りです。
- 業務遂行に関わるリスク
- 請負業務に関わるリスク
- 生産物や完成物を引き渡した後のリスク
- 人格権侵害・宣伝障害のリスク
- 製造業
- 建設業
- 小売業
- 運輸業 など
事業継続に関する損害保険
自社を取り巻くリスクは、対取引先でも起こりうります。万が一、取引先が倒産してしまい
売掛金を回収できなくなると、自社の経営に大きなダメージが発生する可能性があるためです。
連鎖反応による貸倒れが起きないことが目的で、万が一の損失を補填する保険には、「取引信用保険」があります。
取引信用保険では、3つの内容をもとに保険金額を決めます。
保険金額 | |
---|---|
対象となる取引先 | ・全ての取引先 ・保険会社の基準以上の取引先 |
支払限度額 | ・売上債券残高を上限 ・取引先の信用区分に応じた一定の金額 ・信用区分に関係なく包括した一定の金額 |
縮小支払割合 | ・縮小率に応じて取引先ごとに保険金を設定 ・縮小率に応じて包括して保険金を設定 |
取引先が以下のような場合に保険金が支払われます。
- 破産や会社更生法、民事再生などの手続きを開始したとき
- 特別清算の開始を申し立てしたとき
- 手形交換所や取引金融機関から取引停止処分を受けたとき
- 財産の強制換価手続きが開始されたとき
- 仮差押えの命令もしくは通知があったとき
- 取引先の相続人全てが財産放棄や限定承認したとき など
取引信用保険は、損失を補填し、倒産のリスクを回避するための保険ですが、加入することで自社の与信取引の信頼度も上がるため、安心して事業拡大できます。
取引信用保険への加入おすすめの業種は、以下の通りです。
- サービス業
- 不動産業
- 出版業
- 小売業 など
法人向け損害保険の選び方
法人向け損害保険は、多種多様でどの保険が自社にあっているかわからないという方もいるかと思います。そこで、まずは法人向けの損害保険の選び方を解説します。
法人向けの損害保険を選び方は2つです。
- 事業を取り巻くリスクを知る
- 事業規模に応じて保険の種類を選ぶ
①事業を取り巻くリスクを知る
法人保険を選ぶ際に、まずは自社の事業を取り巻くリスクを知ることが重要です。
しかし、自社のリスクを全て把握するのは難しいかと思うので、専門家に相談することをおすすめします。
中でも「マネーキャリア」は、経験豊富な専門家に何度でも無料相談ができます。
企業の経営者や個人事業主の方々から累計8万件以上の相談実績があり、利用者満足度98.6%を誇る国内最大級の相談サービスです。
新たに保険に加入したい方や、見直しを検討中の方はぜひお気軽にマネーキャリアをご利用ください。
②事業規模に応じて保険の種類を選ぶ
会社の経営者は、自社に合ったリスク対策を行う必要があるため、事業規模に応じて保険の種類を選ぶことが重要です。
事業規模については、以下のように分けられます。
- 中堅〜大企業
- 中小企業〜個人事業主
法人向け損害保険の加入方法
法人向けの損害保険の種類や概要を理解した方の中には、自社でも法人保険が必要と考えている方もいるかと思います。
本記事にて紹介した法人保険に加入するには、保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に問い合わせることで加入できます。
とはいえ、自社を取り巻くリスクが何なのか、適切な保険なのかを加入前に確認したい方も多いかと思います。
そのような方々におすすめなのは、「マネーキャリア」です。
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法人保険の活用事例集
法人向け損害保険についてよくある質問
ここでは、経営者や個人事業主の方から寄せられる法人向け損害保険についての質問を3つご紹介します。
- 個人事業主でも加入することができる?
- 保険料や保険金の経理処理は?
- 法人向け損害保険の保険料の相場は?
①個人事業主でも加入することができる?
個人事業主でも法人向けの損害保険に加入できる?という質問いついて、結論からお伝えすると「可能」です。
保険の選び方として、事業を包括的に補償するのか、個別に手厚く補償するのかを考えるときも法人経営者と同じ選び方でも構いません。
ただし、個人事業主の方の中には、法人と比べて資金力が少し劣る場合もありますので、自身の抱えるリスクにおいて、無理のない範囲で対策することをおすすめします。
個人事業主の方におすすめの保険については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はそちらの記事をご覧ください。
②保険料や保険金の経理処理は?
法人が損害保険の「保険料を支払ったとき」や「保険金を受け取ったとき」の経理処理はどのように行えばよいのでしょうか。
損害保険料の経理処理と仕訳
保険料を支払ったとき、事業用途であるものは全て経費として処理します。
ただし、個人の自宅兼事務所など、事業用途でない場所の保険料は経費として処理できないので注意が必要です。
仕分けについては、以下のように分けられます。
- 契約期間が1年以内の場合
- 契約期間が1年以上の場合
- 貯蓄性がある損害保険の場合
- 保険金受取人が役員・従業員・遺族の場合
- 保険金受取人が法人お場合
③法人向け損害保険の保険料の相場は?
法人向け損害保険の保険料の相場は?という質問についてですが、加入する保険や事業内容、業種などによって異なります。
そのため、ここではある保険会社の事業活動総合保険の例をお伝えします。
一般物件(テナント)の年間保険料例
建物の構造 | 1級 |
---|---|
所在地 | 東京 |
延床面積 | 100㎡ |
保険の対象 | 建物内設備・ 什器等 1,000万円 |
建設年月 | 平成28年8月 |
休業損害補償条項 | 約定復旧期間30日、5口 |
オプション | 借家人賠償責任・ 修理費用補償特約、 支払限度額1億円 |
事務所 | 小売店 | 飲食店 | |
---|---|---|---|
建物内設備・什器等 | 12,530円 | 15,580円 | 36,480円 |
借家人賠償責任・修理費用補償特約 | 9,290円 | 9,290円 | 9,290円 |
休業損害補償条項 | 8,930円 | 8,520円 | 12,780円 |
合計の年間保険料 | 30,750円 | 33,390円 | 58,550円 |
まとめ:法人向け損害保険の種類や選び方について
法人向け損害保険の種類はさまざまで、自社の事業を取り巻くリスクによって選び方は変わるため、自社だけでリスクを全て把握し対策することは大変困難です。
そこでおすすめなのは、「マネーキャリア」です。
マネーキャリアでは、経験豊富な専門家に事業のリスク対策や法人保険について何度でも無料で相談できます。
企業の経営者や個人事業主の方々から累計8万件以上の相談実績があり、実際に利用した98.6%の方々に満足いただいています。
新たに保険に加入したい方はもちろん、加入中の保険の見直しを検討している方も、自社を取り巻くリスクが何なのか、適切な保険なのかを確認できるよい機会となります。
ぜひ、お気軽にマネーキャリアをご利用ください。