【必見】企業財産包括保険とは?どこまで補償されるかも解説のサムネイル画像

自社オフィスはもちろん、自社工場や店舗など会社で保有している物件にて、いつどのような事故が発生しても事業運営がストップしないようなリスク対策をしておくべきです。


そこで活用できるのが「企業財産包括保険」ですが、なかには企業財産包括保険の基本的な仕組みがわからない方も多いのではないでしょうか。


本記事では、企業財産包括保険の概要はもちろん、補償内容や保険料の相場に関しても解説します。


・企業財産包括保険の概要や補償内容について詳しく知っておきたい

・リスク対策を徹底したいが、企業財産包括保険が自社に最適なのかわからないので、総合的に判断したい


方は本記事を参考にすると、企業財産包括保険の仕組みや補償内容が詳しくわかるうえ、万が一へのリスク準備もできるようになります。


内容をまとめると

  • 企業財産包括保険は、1つの保険で自社が保有する複数の財物を補償する
  • 財物だけでなく、利益減少や営業の継続費用の間接損害も補償される
  • 複数の建物を保有しているなら火災保険よりもコストダウンが見込める
  • 保険会社によっては複数の損害保険に加入することで割引が適用される場合がある
  • 法人保険や事業のリスク対策に関する相談なら「マネーキャリア」がおすすめ

企業財産包括保険とは、企業が保有する全ての物件を一つの保険で包括的に補償することができる損害保険です。保険対象とする物件が、火災や自然災害、水災などの被害にあった際に必要となる費用や賠償金をこちらの企業財産包括保険で補償してくれます。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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企業が保有する財産を取り巻くリスクとは

企業を取り巻くリスク

企業を取り巻くリスクにはさまざまなものがあり、そのリスクマネジメントには、リスクの種類を可視化するために、上記のようなリスクマップが必要です。


なかでも、企業が保有する財産に関するリスクには、以下のようなものがあげられます。

  • 風水害や落雷などの自然災害、火災などによる建物の損傷
  • ミスや過失などによって損害を与えた場合の賠償責任
  • 企業が保有している資産の損失
  • 自社が休業を余儀なくされた場合の損害
上記のような、自社の運営に関わるダメージを負う前に、「損害保険」への加入が不可欠です。

しかし、複数の企業財産に対して別々の損害保険へ加入した場合には、起こりうる可能性も考慮しておく必要があります。
  • 各損害保険による補償の範囲が不明確となる可能性
  • 事故が起きたとき、補償内容に漏れが出る可能性
  • 補償が重複して保険料に無駄が出る可能性
また、トラブルが起きたあとに「どれほどの期間で自社の運営が復旧できるか」に対しても、備えておかなければなりません。

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企業財産包括保険の概要とは


企業財産包括保険とは、保険会社によて多少異なるものの、複数の物件をもつ企業が「ひとつの契約で保有物件すべての企業財産を対象に損害に備える」ことができる保険です。


たとえば、以下のような会社の所有物に対しての補償が一般的です。

  • オフィスや事務所
  • 工場や倉庫
  • 店舗
  • 社宅や福利厚生の施設
保有物件であれば、上記すべてが補償の対象となります。建物だけでなく、設備や什器備品、商品や製品などの財物、店舗で休業せざるを得ないトラブルがあったときには利益損失まで補償してもらえるのです。

限度内であれば、新規の不動産契約をした場合や、新しい物件に関係する設備などが増えた場合も補償対象となります。一つひとつ管理せずとも、自動的に追加されることから、新規契約を締結する必要がない点でも大きなメリットです。

企業における損害保険の管理リスクで重要なのは、補償漏れや補償の重複による無駄が出てしまうことです。しかし、企業財産包括保険なら、無駄が発生するリスクを抑えられます。

自社の保有する建物などに対する補償は、法人向けの火災保険と似ている部分がある一方、企業財産包括保険とは補償の範囲が大きく異なるのです。

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企業財産包括保険と火災保険との違い

「法人向けの火災保険」は指定する財物に対する補償ですが、「企業財産包括保険」は、保有するすべての財物が補償範囲となります。


いずれの損害保険も、保有する建物や什器品など、財物の損害に備えたり、休業補償などに備えたりできる「火災保険」です。とくに、「企業財産包括保険」では保有するすべての建物など財物の損害に備えられるのです。


「火災保険」と「企業財産包括保険」の補償範囲の特徴をまとめた表が以下です。

補償範囲の違い火災保険企業財産包括保険
補償対象契約した建物に対する補償保有するすべての建物に対する補償
建物への補償・火災や水災、風災や雪災
・落雷や爆発
・外部からの衝突
・水漏れや破損
・盗難
・騒擾
・水災や火災、風災や雪災
・落雷や爆発
・外部からの衝突
・水漏れや破損
・盗難
・騒擾
・電気的事故や機械的事故
休業補償粗利益を補償
※特約が必要な場合あり
・利益の減少を補償
・営業を継続するための費用を補償


小規模な事業で、補償を必要とする財物が少なければ、「法人向けの火災保険」に加入した方が、それぞれ必要なリスクに対して備えやすくなります。


しかし、事業を拡大していくにつれて複数の火災保険を管理することが難しくなった場合や、コストダウンをはかりたい場合には、「企業財産包括保険」を検討すると、財産規模でリスクに備えやすいといえます。

火災保険についてのサムネイル画像

法人向けの火災保険とは?個人との違いや補償内容等を徹底解説!

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企業財産包括保険の補償内容とは?


規模の大きな企業にとって、大きなコストダウンが見込める「企業財産包括保険」には、3つの基本補償があります。

  1. 財物損害補償
  2. 利益損失補償
  3. 営業継続費用補償

それぞれの補償内容は以下の表のとおりです。

基本補償具体的な補償内容
財物損害補償企業が保有・管理している財物を
対象とした損害費用を補償
・建物
・設備や什器
・商品や製品
・屋外の設備や装置
利益損失補償休業や阻害された場合の喪失利益や
収益減少防止に対する費用を補償
営業継続費用補償損害があり営業を継続するために支出した費用のうち、
通常を超過する部分を補償

「財物損害補償」では、企業が保有するオフィスや事務所をはじめ、倉庫や工場、社宅や保養所などまで補償対象となり、火事や落雷、爆発などのリスクから備えられます。

「利益損失補償」や「営業継続費用補償」では、休業時だけでなく、電気やガス・水道や通信状態などで営業が中断された場合や阻害された場合も補償されます。さらに、間接的損害(休業期間に発生する見込みであった利益の減少」)までもが補償されることが特徴です。

自社で保有するすべての財物に対して、不測かつ突発的なトラブルにより損害が出た場合に備えられる「企業財産包括保険」は、1つの損害保険契約で幅広く補償されています。

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企業財産包括保険に付帯できる特約


基本補償だけでも、幅広い補償に備えられる「企業財産包括保険」には、さらに補償範囲を拡大するための特約をセットにできます。

特約補償内容
借家人賠償責任補償特約不測かつ突発的な事故によって借用戸室に損害が生じた場合に
建物の所有者に対する損害賠償責任を補償
修理費用補償特約不測かつ突発的な事故により、借用戸室に損害が生じた場合に
建物賃貸借契約に基づいて修理、または緊急的に修理した場合の修理費用を補償
家賃補償特約火災や落雷、破裂や爆発、風災や雹災害、雪災により
賃貸用建物が損害を受けた場合に生じた家賃温室を補償
業務用通貨等盗難補償特約建物内で保管中、または通常経路で輸送中に、
業務用通貨や預貯金証書などが盗難にあった場合に補償
安定化処置費用補償特約火災や水害で損害が出た一定の建物や設備などに対して、損害の拡大防止を講じるため
災害復旧専門会社による安定化処置を行った場合の費用を補償
食中毒・特定感染症利益補償特約宿泊施設や飲食店、食品販売・製造の施設で、食中毒が発生し、
施設が休業・休止した場合の利益喪失を補填
地震・噴火危険補償特約
(財物損害用)
地震や噴火による火災や破損、爆発や破裂、津波や洪水、埋没や水害など
財物に損害が出た場合に補償

「企業財産包括保険」を販売する損害保険会社によって、付帯できる特約の種類は異なります。


事業内容によってリスクが異なるため、自社にとって必要な特約を販売している損害保険会社をえらんで、加入を検討することが大切です。

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企業財産包括保険で支払われる保険金


「企業財産包括保険」の保険金は、次のような計算によって支払われます。

保険金=損害額×(保険金額/保険価格)ー免責金額

このように計算される補償は基本補償であり、不測かつ突発的な事故によって起こる以下のようなものが対象です。

  • 火災や落雷、破裂や爆発
  • 風災や雹債、雪災
  • 水災
  • 外来の事故に直接起因しない電気的事故や機械的事故

その他、損害により発生した被害額に応じて支払われる保険金もあり、以下のような種類があります。

保険金の種類保険金が支払われる損害費用
残存物取片づけ費用保険金損害を受けた対象の残存物の取片づけに必要な費用
修理付帯費用保険金復旧時に必要となった損害原因調査費用などの費用
損害拡大防止費用保険金火災や落雷、爆発や破裂により、損害の拡大防止に必要となった費用のうち、消火薬剤などの再取得費用
請求権の保全・行使手続費用保険金他人に損害賠償を請求できるとき、その権利の保全または行使に必要な手続きの費用
失火見舞費用保険金発生させた火災や爆発、破裂で第三者に損害を生じたときの見舞金費用
地震火災費用保険金地震や噴火による津波で火災が起きた場合、一定の損害に対する補償


たとえば、「地震火災費用保険金」では、1回の事故において、ひとつの敷地内における保険金は物件の種類によって相違するなど、それぞれ支払われる保険金に限度が設けられている場合があります。


「企業財産包括保険」への加入を検討するときには、支払われる保険金の種類だけでなく、どのような場合に、どれくらい支払われるのかの点も、必ず確認しなければなりません。

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企業財産包括保険で保険金が支払われないケース

企業が保有するすべての財物に対して補償される「企業財産包括保険」では、保険金が支払われないケースの例を紹介します。

  • 契約者である企業または従業員の、故意または重大な過失・法令違反
  • 戦争や暴動、サイバー攻撃によって損害が出た場合
  • 地震または噴火、津波による損害
  • 経年劣化やサビ、変色や腐食などによる損害
  • 欠陥が原因で生じた損害
  • 温度管理をおこなう設備の破壊や変調、機能停止により温度変化で生じた損害
  • 機能の喪失・低下を伴わない傷やゆがみなどの損傷や損害
  • 火事などの事故でおこった紛失や盗難
  • 万引きによる損害
上記の例では、すべての事故に共通した保険金が支払われないケースですが、「電気的・機械的な事故」や「利益損失・営業継続費用」などにも、損害保険会社によっては細かく設定されている場合があります。

もしも事故が起きたとき、高額な保険料を支払ってリスクに備えていたとしても、保険金が支払われなければ意味がありません。事故となった原因を探ると、実は経年劣化が原因で保険金が支払われなかったケースもあるのです。

「企業財産包括保険」の補償される・されない場合だけでなく、常日頃から自社の財物に対する管理をおこなうことも大切です。

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企業財産包括保険の保険料


事業の種類にかかわらず加入できる「企業財産包括保険」は、事業内容や商品・製品などによって保険料は異なるため、一般的な保険料はありません。


保険料を決定する際には、7つのポイントが大きく影響します。

  1. 対象となる法人の範囲:企業のみ、またはグループ会社を含む
  2. リスク区分:財物・利益・営業継続費用リスク、水災、電気・機械的事故に対する補償の有無
  3. 保険の対象と範囲:全財物を対象、または建物や設備を指定
  4. 協定保険価格や保険金額:再調達価格または時価額の基準
  5. 支払限度額や免責金額
  6. 特約の有無
  7. 保険期間や保険料の払い込み方法
免責金額を低く設定すれば、事故が起きたときには自社で負担する金額は少なくなる一方、保険料は高額です。また、特約を付帯して補償範囲を拡げる必要性の高い事業も存在します。

たとえば、貴金属や美術品を取り扱っている場合、基本補償の対象外となるため、貴金属盗難補償などを付帯しなければなりません。

飲食店や宿泊施設を伴う事業であれば、「食中毒や特定感染症利益補償特約」が必要だと考えられます。

このように、事業内容は保険料差に影響するので、自社の事業において「企業財産包括保険」の保険料が知りたい場合は、複数社から見積もりを取り寄せ、補償内容や保険料の違いに関する比較検討が必須です。

しかし、比較検討するには専門知識が必要になり困難となるので、法人保険のプロと無料で何度でも相談ができる「マネーキャリア」を使う会社も増えているのです。

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適用できる割引制度

「企業財産包括保険」のみに対する割引制度はありませんが、加入する方法によっては保険料に割引が適用されるケースがあります。

割引の制度概要
損害保険会社A・条項セット割引(2種類加入で3%、3種類加入で5%割引)
・始期日時点に該当する契約に加入していた場合(3%割引)
商工会議所向け商工三団体を通じて加入した場合は団体割引(最大33%)

割引制度を利用するには、「企業財産包括保険」だけでなく、ほかの損害保険もセットで加入することがポイントです。


たとえば、セットで契約できる法人向けの損害保険には、次のような種類があります。

  • 工事に関する補償
  • 賠償責任補償
  • 業務災害保険
  • 自動車保険
「企業財産包括保険」だけでなく、他の事業リスクに備えた補償を考えているなら、複数の保険会社の商品を比較できるマネーキャリアに相談するのが鉄則です。

マネーキャリアでは、法人保険のプロに無料で相談することができるので、リスクマネジメントに関する相談だけでなく、自社にとって最適な保険商品をアドバイスしてもらうことが可能です。

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自社にリスク対策が知識ゼロでも簡単に進められる方法とは


以下では、自社のリスク対策が無料で簡単にわかる方法を紹介します。


「企業財産包括保険」に加入する場合、保険商品を取り扱う損害保険会社や代理店で手続きを進めます。しかし、事前に自社のリスク対策を専門知識を使って洗い出し、複数の保険会社の商品に関して最適かを比べなければなりません。


もし、加入後に企業財産包括保険が最適ではなく、見直しの際には、手間と支払った余計な保険料がかかってしまうのです。さらに、将来的に発生するリスクに対して「今後号すべきか」も策定しなければなりません。


そこで、時間がない経営陣のなかでもとくに、スピーディに法人保険のプロへ「無料で何度でも」相談ができ、自社の悩みを解消できるマネーキャリアの活用一択です。


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法人保険の活用事例集

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営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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抑えるべき6つのリスクや、実際の企業で保険がどのように使われているのかもわかりやすくまとめているので、「どのようなリスク対策が必要か」「自社に最適な保険がわからない」担当者の方は必見です。

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企業財産包括保険の概要や補償内容・保険料のまとめ


ここまで、企業財産包括保険の概要から保険料の相場観など、網羅的に解説しました。


「企業財産包括保険」は、企業の財物を一つの契約で包括して補償してくれるため、複数の建物や設備などを保有する法人にはおすすめの損害保険です。


また、直接障害だけでなく間接障害の内容も補償対象になるので、包括的にリスク対策をするにはおすすめといえます。すでに補償範囲が広い同保険は、特約によって該当範囲をさらに広げられます。


一方、企業が保有している財産の、財物・設備・人材などを守るためには、企業のリスクマネジメントが重要であり、考えうる事故や災害など万が一に備えて経営を存続させていかなければなりません。

そのためには、法人向けの損害保険への加入は不可欠であり、自社にとって適切な補償を選ぶことが重要となります。すでに法人向けの損害保険に加入している場合でも、保険の見直しは必須業務となるのです。

したがって、今日ではマネーキャリアを使って、法人保険のプロへ無料相談をする経営者の方も多く、自社に最適なリスク準備の方法はもちろん、最適な保険に関するアドバイスを受ける会社が急増しているのです。

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