- 積立保険への加入を検討している人
- 積立保険のデメリットを知らない人
- 自分に合った資産形成をしたい人
内容をまとめると
- 積立保険は貯蓄と保障の2つの機能を備えた保険
- 積立保険のメリットは資産形成もできること
- 積立保険のデメリットは元本割れの可能性があること
- 掛け捨て保険と積立保険は一概にどちらがいいとはいえない
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積立保険は「保険料が無駄にならずに安心!」と思っていませんか?実は掛け捨て保険と比較して、いくつかのデメリットもあるので不要な人もいます。この記事では積立型保険と掛け捨て保険の仕組みを紹介し、それぞれ加入をおすすめする人の特徴を解説します。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- そもそも積立保険ってどんな保険?
- 保険料が無駄にならない積立保険の仕組み
- 貯蓄ができる積立保険の種類
- 積立保険と掛け捨て保険の違いは?
- 掛け捨て保険は意味がない?その仕組みを徹底解説
- 積立保険と掛け捨て保険の比較まとめ
- 積立保険のメリット5選を解説!掛け捨て保険との差別化ポイント
- 積立保険のメリット①掛け捨てではないので、保険料が無駄にならない!
- 積立保険のメリット②支払う保険料より、受け取る保険金が多くなる場合も
- 積立保険のメリット③貯蓄とセットで保障もかけられる
- 積立保険のメリット④積み立てた保険料からお金を借りられる
- 積立保険のメリット⑤自分の将来設計に合わせた資産形成ができる!
- 積立保険のデメリット4選を解説!人によってはもったいない?
- 積立保険のデメリット①支払う保険料が割高
- 積立保険のデメリット②資産運用の手段としては非効率
- 積立保険のデメリット③早期解約をすると元本割れに
- 積立保険のデメリット④インフレ時には利率が下がる
- 積立保険と掛け捨て保険、結局どっちを選ぶべき?
- 積立保険がおすすめな人
- 掛け捨て保険がおすすめな人
- 積立保険に加入する前にまずやるべきこと
- 積立保険と貯蓄型保険の違いは?
- 積立保険で返戻率を上げるには?
- 積立保険に加入せず、貯蓄と保障のバランスを取るには?
- まとめ:積立型保険のデメリットを踏まえてから契約を!
そもそも積立保険ってどんな保険?
積立保険とは、支払った保険料を積み立てることのできる、貯蓄性がある保険のことをいいます。
契約時に定めた満期日に満期受取金として一括で受け取りができたり、途中解約して保険料の一部を解約返戻金として受け取ったり、満期日以降に年金形式で受け取りができたり、さまざまなタイプのものがあります。
貯蓄性のある積立保険は、つみたてNISAやiDeCoなどと同様、活用の仕方次第で資産形成に役立ちます。
保険料が無駄にならない積立保険の仕組み
「保険」と聞くと、支払った保険料に見合った保障が受けられるのか疑問で加入をしていないという方もいらっしゃいます。
そんな方には積立保険がおすすめです。
「貯蓄性がある」ということは、支払った保険料が満期保険金として受け取れたり、解約返戻金として受け取れたりするため、保険料が無駄になりません。
それどころか、商品によっては金利や為替の影響により、積み立てた金額より大きな金額で受け取ることができるものもあります。
また、契約期間満了までの間に万が一のことがあった場合に、死亡保険金を受け取ることができる商品もあります。
万が一に備えなくてはと思っているものの、何もなかった場合に支払った保険料がもったいないと思う方は積立保険を検討すると良いでしょう。
貯蓄ができる積立保険の種類
ここからは積立保険を以下の5つに分類して、それぞれについて解説していきます。
- 終身保険
- 養老保険
- 学資保険
- 外貨建て保険
- 個人年金保険
積立保険と掛け捨て保険の違いは?
積立保険と掛け捨て保険の違いの1つ目は、貯蓄機能があるかないかということが挙げられます。
積立保険は保険期間の途中で解約した場合に解約返戻金が、満期の際には満期保険金を受け取ることができるため、貯蓄としての機能もあるのです。
一方、掛け捨て保険は解約返戻金や満期保険金が全くない、あるいは少額であることがほとんどです。
積立保険と掛け捨て保険の違いの2点目は、保険料が挙げられます。
積立保険は、解約返戻金や満期保険金が支払われる分、掛け捨て保険と比べると保険料は割高になります。
掛け捨て保険は意味がない?その仕組みを徹底解説
掛け捨て保険は支払った保険料が返ってこない、またはあっても少額であるということは加入する意味がないのでしょうか。
掛け捨て保険にもメリットとデメリットがあります。仕組みを理解して、うまく活用できると家計の見直しにもつながります。
掛け捨て保険の仕組み
積立保険と掛け捨て保険の比較まとめ
積立保険 | 掛け捨て保険 | |
---|---|---|
代表的な保険 | 終身保険、養老保険 学資保険、外貨建て保険 個人年金保険 | 医療保険、がん保険、 収入保障保険、定期保険、 就業不能保険 |
保障内容 | ◆死亡保障、高度障害保障 終身保険、養老保険では 月々の保険料を高くすれば 大きな保障をつけられる。 学資保険、個人年金保険では 一般的に大きな死亡保障はない | ◆死亡保障、高度障害保障 収入保障保険や定期保険では 月々の保険料を大きくすれば 大きな保障をつけることが可能。 ◆医療保障 基本契約部分に加え 特約を付加することで 保障を充実させることが可能。 |
保険料 | 掛け捨て保険と比べると高い | 積立保険と比べると安い |
解約返戻金の有無 | あり | なし、または少額 |
積立保険のメリット5選を解説!掛け捨て保険との差別化ポイント
ここまで積立保険と掛け捨て保険を比較してきましたが、ここからは積立保険の以下5つのメリットについて解説していきます。
- 掛け捨てではない
- 受け取れる保険料に期待が持てる
- 貯蓄と保障の両立
- 契約者貸付制度
- 計画的な資産形成
積立保険のメリット①掛け捨てではないので、保険料が無駄にならない!
積立保険は、掛け捨てではないため、手元に何らかの形でお金が戻ってきます。
保険料を払い込んだにもかかわらず、保険期間中に支払事由に該当することがなければ、払い込んだ保険料が返ってこない掛け捨て保険に抵抗があると思っている方にはメリットといえます。
例えば、終身保険であれば、保険期間中に万が一のことがあれば「死亡保険金」として受け取れたり、途中で解約した場合でも「解約返戻金」として受け取れたりします。
タイミングによっては解約返戻金は払い込んだ保険料を上回ります。
他にも、養老保険であれば、万一の場合だけでなく、保険期間の満期で生存していた場合には「満期保険金」を受け取ることができます。
積立保険のメリット②支払う保険料より、受け取る保険金が多くなる場合も
積立保険は、受け取ることのできる保険金や解約返戻金が払い込んだ保険料を上回ることがあります。つまり、積立保険は資産運用の側面も持ちうるのです。
理由は、契約者が支払った保険料を元手に保険会社が運用しているためです。
ただし、運用も短期間であれば成果を上げることは難しく、積立保険を短期で解約した場合には払い込んだ保険料を下回る解約返戻金となることは理解しておきましょう。
長期にわたり積立を継続することで、払い込んだ保険料よりも受け取れる保険金や解約返戻金が多くなる可能性は高まります。
積立保険は長期的に積み立てられるお金で行うことがポイントです。
積立保険のメリット③貯蓄とセットで保障もかけられる
掛け捨て保険が保障メインで、貯蓄性はない一方で、積立保険では貯蓄と保障を両立することができます。
例えば、終身保険の場合、死亡した際に、死亡保険金が受け取れるという保障があるのと同時に、積み立てた保険料を将来的に解約返戻金として受け取ることができます。
また、個人年金保険の場合も、主目的は老後のための自分年金の積み立てですが、途中で死亡した場合には積み立てた保険料を死亡保険金として受け取ることが可能です。
積立保険であれば、将来に向けて貯蓄をしながら、万が一の場合にも備えることができすのです。
積立保険のメリット④積み立てた保険料からお金を借りられる
積立保険に加入を検討している人のなかには「途中で保険料が支払えなくなったらどうしたらいいの」と考えている方もいます。
保険料が支払えなくなった場合には「契約者貸付制度」が利用できます。契約者貸付制度とは、解約返戻金のある生命保険に加入している契約者のみが利用できる借入制度です。
そのため、解約返戻金のない掛け捨て保険では利用できない、積立保険ならではの制度です。
急に資金が必要になった場合は、一般的に解約返戻金の7~8割程度を上限に、保険会社からの融資が受けられます。もちろん利息は発生しますが、保険を解約する必要はありません。
積立保険のメリット⑤自分の将来設計に合わせた資産形成ができる!
積立保険は、将来のライフプランに合わせた資産形成が可能です。
なぜなら、契約時点で保険料が決まっており、10年後、20年後に貯蓄できている金額をおおよそ予測できるからです。
例えば、個人年金保険では、30歳の方が60歳までに500万円を貯めたいと思った場合は、
500万円÷360ヶ月(30年間)=1.388…(円)
となり、月々およそ14,000円を積み立てればいいことがわかります。
月々の保険料は毎月の口座振替やクレジットカード支払いとすることができるため、なかなか自分で貯蓄ができないという方にもおすすめです。
このように、将来必要なお金から逆算して積み立てを始めることで、ライフイベントに計画的に備えることができます。
積立保険のデメリット4選を解説!人によってはもったいない?
積立保険のメリットについて解説しましたが、ここからはデメリットについて解説していきます。
保険の加入を検討する際には、メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで加入することが大切です。
積立保険の4つのデメリットは以下です。
- 保険料が比較的高い
- 資産運用目的だけだと非効率的
- 元本割れの可能性
- インフレ時には低金利
積立保険のデメリット①支払う保険料が割高
積立保険のデメリットとして、掛け捨て保険と比較すると、保険料が割高であることが挙げられます。
掛け捨て保険は保障のみですが、積立保険では貯蓄と保障の両方の機能を備えているためです。
例えば、掛け捨て保険の代表といえる定期保険では、割安な保険料で、万一の保障を準備することができますが、積立の終身保険では万一の保障と並行して将来受け取ることのできるお金を積み立てています。
積立保険では、保障の面だけでなく、将来返ってくるお金を積み立てていることをしっかりと理解しておくことが大切です。
積立保険のデメリット②資産運用の手段としては非効率
世の中にはたくさんの資産運用商品があります。
積立保険も例外ではなく、積み立てた保険料を上回る解約返戻金を受け取ることができる可能性があるため、資産運用商品の1つと考えられています。
しかし、積立保険は保障の側面を持つため、資産運用に特化した投資信託や株式での資産形成よりも資産運用の効率としては悪いといえます。
資産運用に特化した商品であれば、積み立てた金額のすべてを運用に回すことができますが、積立保険では保障と運用の両者に資金を分散するため、効率は下がってしまうということを知っておきましょう。
積立保険のデメリット③早期解約をすると元本割れに
積立保険の多くは、契約したから早い段階で解約すると元本割れすることがほとんどです。払い込んだ保険料より少ない額の解約返戻金しか受け取れないということです。
積立保険の仕組みとして、契約者から払い込まれた保険料を運用に回しています。早期で解約してしまうと、運用期間が短いためにほとんど成果を上げられず、手数料等を考慮すると元本を下回ってしまいます。
そのため、積立保険に加入する際は長期目線で考えておくことが大切です。
すぐに必要になるかもしれない資金での積立保険の申込は控えましょう。
積立保険のデメリット④インフレ時には利率が下がる
多くの積立保険で、契約時に金利が決まっています。市場動向に合わせた金利を適用する保険もありますが、金利が固定されているタイプの積立保険の場合は注意が必要です。
例えば、保険加入時の金利が1%だったとして、物価がそれ以上に上昇した場合(インフレ)には、物価の上昇に金利が負けてしまう可能性があるのです。実質的に積立保険の金利が下がったと考えることができます。
積立保険の金利が固定されていると、将来受け取れる金額がある程度予測できることはメリットですが、固定された金利以上に物価上昇が起きてしまうと、デメリットとなってしまいます。
積立保険と掛け捨て保険、結局どっちを選ぶべき?
積立保険にはメリットもデメリットもあることを紹介しましたが、結局積立保険と掛け捨て保険はどちらがより良い保険といえるのでしょうか。
一概にどちらが良いということはできないことを理解しましょう。
なぜなら、あなたのライフステージや資産状況、家族構成などにより、適した保険は変わってくるからです。
それぞれの特徴を理解したうえで、あなたにぴったりの保険選びをすることが大切です。
積立保険がおすすめな人
積立保険がおすすめな人の特徴を4つ紹介します。
貯蓄と保障をまとめて準備したい人
掛け捨て保険がおすすめな人
掛け捨て保険がおすすめな人の特徴を3つ紹介します。
保険料を抑えて大きな保障を得たい人
貯蓄目的ではなく、万が一の事態に備えたい人
ライフステージに合わせて保険の見直しをしたい人
積立保険に加入する前にまずやるべきこと
積立保険に加入する前にまずやるべきことは、保険に加入する目的をはっきりさせることです。
目的がはっきりしないと、加入すべき保険を選ぶことが難しく、あなたに合った保険選びに失敗してしまいます。
例えば、以下のように具体的になぜ保険加入を検討したのかを考えてみましょう。
- 新しい家族が増えたので万が一の事態に備えたい
- なかなか貯金ができていないので将来に向けて積み立てたい
- 貯金もしたいけれど万が一にも備えておきたい
積立保険と貯蓄型保険の違いは?
「貯蓄型保険」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
実は貯蓄型保険と積立保険は言葉の違いはあれど、同じ内容の保険のことをいっています。
積立保険にも、月々の保険料を積み立てていき、将来そのお金を受け取ることができる貯蓄機能を備えていると解説してきました。
貯蓄型保険も、その名の通り将来に向けた貯蓄を主目的とした保険です。保険料の一部は将来への積立に充当され、一部は死亡や高度障害などに備える保障機能に充てられます。
積立保険で返戻率を上げるには?
積立保険の返戻率を上げるには以下3つの方法が考えられます。
- 保障機能を拡充しすぎない
- 保険料の払込を早く終わらせる
- 保険期間を長期にする
積立保険に加入せず、貯蓄と保障のバランスを取るには?
積立保険以外で、積立保険の貯蓄と保障の2つの機能を実現する方法として、「掛け捨て保険」と「預金を含めた資産運用」を掛け合わせる方法があります。
掛け捨て保険で保険料を抑えながら最小限の保障を準備し、銀行預金や投資商品で資産形成をしていくのも良い方法であるといえます。
積立保険1つでバランスを取るべきなのか、掛け捨て保険と資産運用商品を活用した方法が良いのかは、個人の特性や資産状況、家族構成などにも左右されます。
一度、保険のプロに相談してみるのも良いでしょう。
まとめ:積立型保険のデメリットを踏まえてから契約を!
ここまで、積立保険の概要や種類、比較されることの多い掛け捨て保険についても解説してきました。
まとめると、積立保険のメリットは以下5つです。
- 掛け捨てではない
- 受け取れる保険料に期待が持てる
- 貯蓄と保障の両立
- 契約者貸付制度
- 計画的な資産形成
一方で、積立保険には以下4つのデメリットがありました。
- 保険料が比較的高い
- 資産運用目的だけだと非効率的
- 元本割れの可能性
- インフレ時には低金利
- 自分に合う保険が分からない
- 積立保険がいいのか、掛け捨て保険×投資商品をがいいのか迷う
- すでに加入している掛け捨て保険があるけれど積立保険のほうが私にはあっているのかも