「持病があっても告知なしで入れる保険はある?」
「告知なしで入れる保険のデメリットを知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、「無選択型保険」なら、持病があっても告知なしで加入することが可能です。
ただし、「無選択型保険」には加入しやすいメリット以外に、保険料の高さや保障内容の制限などのデメリットもあります。
そのため、無選択型保険の特徴を把握すると共に他の保険の選択肢もあることを知ることが大切です。
この記事では告知なしで入れる生命保険「無選択型保険」のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
無選択型保険以外で持病があっても入れる保険についても紹介するのでぜひ参考にしてください。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 告知なしで入れる医療保険・生命保険の「無選択型保険」とは?
- どんな病気でも告知なし・審査なしで入れるの?
- 年齢制限がない?何歳まで入れるの?
- 無選択型保険の5つのデメリットを解説
- ①保険料が割高である
- ②保障内容が制限される
- ③保障されない「免責期間」がある
- ④商品の種類が限られる
- ⑤更新すると保険料が上がる
- 「無選択型終身保険」の4つの留意点
- ①契約して数年間の死亡保障は十分でないかも
- ②家族構成によっては死亡保障の限度額が足りないかも
- ③元本割れのリスク大?解約したらどうなる?
- ④保険料が保障額より高くなるケースもあるって本当?
- 「一時払い」の無選択型終身保険とは?
- 「無選択型保険」と「引受基準緩和型」の違い
- 無選択型保険と引受基準緩和型で告知が必要なのは?
- 無選択型保険と引受基準緩和型で保険料が安いのは?
- 持病がある人におすすめなのは無選択型保険それとも貯蓄?
- 無選択型保険で災害による死亡に備えるのはあり?
- 無選択型保険に見直しは必要?タイミングは?
- 保険のプロと一緒にあなたに合った保険を考えませんか?
- まとめ:審査なし・告知なしで入れる医療保険・生命保険はある?
告知なしで入れる医療保険・生命保険の「無選択型保険」とは?
無選択型保険とは、健康状態の「告知」や医師の診査がなくても加入できる生命保険のことです。
無選択型保険は、医療保障が受けられる「無選択型医療保険」、死亡保障が生涯受けられる「無選択型終身保険」の2つにわかれます。
ここでは、無選択型保険について以下のような疑問の回答を解説します。
- どのような病気でも告知なし・審査なしで入れるの?
- 年齢制限がない?何歳まで入れるの?
どんな病気でも告知なし・審査なしで入れるの?
どのような持病があっても、無選択型保険なら原則として告知や審査なしで加入できます。
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- がん
- 糖尿病の合併症
- 肝硬変
- 認知症
- 難病
年齢制限がない?何歳まで入れるの?
無選択型保険にも年齢制限がありますが、保険によっては90歳近くまで加入することが可能です。
通常の生命保険では70~80歳が加入できる年齢の上限であることが多く、無選択型保険のほうが年齢制限が緩い傾向にあります。
そのため、無選択型保険なら高齢者でも加入できる可能性があります。
これまでの保険で年齢が理由で加入できなかった人は、告知なしで入れる保険「無選択型保険」の加入を検討してみると良いでしょう。
無選択型保険の5つのデメリットを解説
告知なしで入れる保険「無選択型保険」は、これまでお伝えしてきたように、持病などで加入を断られてきた人でも加入ができる魅力的な保険です。
このような保険ですが、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、告知なしで入れる「無選択型保険」のデメリットとして以下の5つを解説します。
- 保険料が割高である
- 保障内容が制限される
- 保障されない「免責期間」がある
- 商品の種類が限られる
- 更新すると保険料が上がる
誰でも入れる保険であるために、さまざまな制限がある保険となっているため、ぜひ一読して加入するかどうかを検討してみてください。
①保険料が割高である
告知なしで入れる保険「無選択型保険」の1つめのデメリットは、保険料が割高であることです。
この保険は、通常の保険と比べると、保険料が割高に設定されています。
一般の保険では、健康状態を告知したり医師の審査を受けたりする必要がある一方で、この保険の場合は不要です。
誰でも入れる保険であることで、健康状態に問題がある人の加入が増えるため、保険会社側としては保険金払いのリスクを抱えることになります。
このようなリスクを回避するため、保険料が高めに設定されています。
健康状態に不安がある人は、健康な人よりも医療費がかかる場合が多いです。
高い医療費に加えて通常の保険よりも高い保険料を支払うとなると、家計を圧迫してしまう可能性があります。
②保障内容が制限される
2つめのデメリットは、保障内容が制限されることです。
たとえば、無選択型医療保険であれば、加入前の持病や既往歴などの病気による手術や入院は保障の対象外となってしまいます。
ほかにも、加入から一定期間は保障が受けられない期間が存在するものもあります。
また、無選択型終身保険の場合、加入から数年以内に死亡してしまった場合は、保険金が満額は支払われないといった制限があります。
このように、保険会社のリスク軽減のために保障内容が制限される可能性がある点に注意が必要です。
保険料が割高な上に限定的な保障しか受けられないということを理解した上で、加入するかどうかを検討してください。
③保障されない「免責期間」がある
3つめのデメリットは、保障されない「免責期間」があることです。
無選択型医療保険では、加入から90日などの一定期間は、病気による入院や手術をしても給付金の支払い対象から外れます。
また、無選択型終身保険では加入から2年などの一定期間は、病気によって死亡してしまった場合でも、振り込んだ保険料分しか保険金が支払われません。
このように、加入してからすぐにかかってしまった病気に対しては大きく保障されないことに注意が必要です。
保障対象外となる期間は、商品によって異なるため、できる限り早く保障を受けたいという人は、保障対象外となる期間が短い保険を選ぶようにしましょう。
④商品の種類が限られる
4つめのデメリットは、通常の生命保険と比べて選べる商品が少ないことです。
また、保険会社によっては、無選択型保険を取り扱っていないという場合もあるため注意が必要です。
そこでおすすめなのは、告知項目が少なく持病があっても入りやすいが「無選択型保険」よりも保険料を抑えられる「引受基準緩和型」です。
通常の生命保険に加入できなかった場合も「引受基準緩和型」なら加入できるケースも多いため、検討してみましょう。
ただし、「引受基準緩和型」の加入可否も保険会社によって異なるため、複数の保険会社の加入基準を確認することが必要です。
⑤更新すると保険料が上がる
5つめのデメリットは、更新すると保険料が上がることです。
無選択型終身保険と異なり、無選択型医療保険で加入できるのは「定期型」のみであり、一定期間の契約が終了した場合には更新をおこなう必要があります。
無選択型保険はもともと通常の生命保険よりも保険料が割高ですが、更新によってさらに保険料が上がってしまう点に注意が必要です。
また、更新には年齢上限が設けられており、一定年齢に達すると更新できずに保障を継続できないこともデメリットになります。
「無選択型終身保険」の4つの留意点
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」という保険があり、先ほどお伝えした「無選択型医療保険」とは違い保証期間は終身となる保険です。
ほかにも、「死亡時に決まった金額の死亡保険金がもらえる」「解約した場合は解約返戻金がもらえる」といったような特徴があります。
ただ、一見すると、健康告知が不要なだけで貯蓄がわりに使用できる、保険料が割高な保険となり、通常の終身保険との違いがありません。
しかしながら、この保険には一般の保険と違う特徴があります。
ここでは、以下4つの特徴を解説していきます。
- 契約して数年間の死亡保障は十分でないかも
- 家族構成によっては死亡保障の限度額が足りないかも
- 元本割れのリスク大?解約したらどうなる?
- 保険料が保障額より高くなるケースもあるって本当?
それぞれみていきましょう。
①契約して数年間の死亡保障は十分でないかも
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」では、契約が開始してから数年間は死亡保障が十分ではありません。
この保険に加入してから、すぐに死亡してしまった場合、支払った分の保障金しか出ません。
このような場合は、十分な保障が受けられない可能性が高いです。
加入してからすぐの死亡であっても十分な保障を受けたいという人は、病気であっても1年目から死亡補償金がもらえる、一般の保険を検討することをおすすめします。
②家族構成によっては死亡保障の限度額が足りないかも
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」では、死亡保障の限度額が足りなくなる可能性があります。
一般的に、終身保険の死亡保証には限度額があります。また、この保険で設定できる上限額は、一般の保険と比べると低めとなってしまう場合がほとんどです。
通常の生命保険であれば、死亡保障を幅広い金額の中から設定できるため、生活設計や家族構成などに合わせて死亡保障額の設定が可能です。
しかしながら、無選択型の終身保険では、死亡保障の上限が数百万程度です。
通常の生命保険よりも少ない額であるために、家族構成によっては十分な死亡保障金とならない可能性があります。
死亡してしまった際に、少しでも多くのお金を残したいと考える人は、一般の終身保険への加入も検討してみましょう。
③元本割れのリスク大?解約したらどうなる?
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」は、積立型の保険であるため、解約した際には解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金が受け取れるため、急にまとまったお金が必要となった場合に利用でき、貯蓄の代わりとして活用する人も多いです。
ただし、この保険の解約返戻金は、実際に受け取れる額が払込額よりも少なかったり、早期解約するとまったくもらえなかったりする可能性があります。
このような条件は、通常の終身保険と同様ですが、無選択型の終身保険の場合さらに注意が必要です。
この保険は、保険料が割高で解約返戻金も低めに設定されているため、早期解約による解約返戻金は元本割れのリスクがより高まります。
このため、貯蓄がわりに使いたいと思っていても、金額が少なくなる可能性があるため、一般の保険に加入できないかを今一度確認してから加入することをおすすめします。
④保険料が保障額より高くなるケースもあるって本当?
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」は、保険料が保障額を上回る可能性がある点に注意が必要です。
この保険は、一般の終身保険と比べて、死亡保険金に対する保険金がかなり低めに設定されています。
一般の終身保険では、保障が終身であっても払込む期間が決まっているものが多く、払込金額が死亡保障額を超えることはありません。
ここで注意すべきなのが、この保険の場合は払込期間も終身となる場合があることです。
払込期間が終身となるということは、保障を得たいと考えるならば、ずっと保険料を払い続ける必要があるということです。
早期に加入すればするほど支払い期間が長くなり、損をしてしまうことになるため、このような人は一般の終身保険をおすすめします。
「一時払い」の無選択型終身保険とは?
告知なしで入れる保険「無選択型終身保険」には、支払い方式として、一時払いがあります。
この支払い方式は、保険料の支払いが契約時の一回のみというものです。
一般的な保険料の支払いは、一生涯にわたって払い続け、一定期間を経過すると徐々に支払い金額が上がっていきます。
一方、一時払の場合は契約時に必要額を最初に一括で支払うため、保険料を安く抑えることが可能です。
ただし、一括で支払うには高額なまとまったお金が必要となるため、退職金などを利用して加入する人が多いです。
保険金の受取人が相続人である場合、保険金のうち一定額が非課税となるため、相続税対策としても活用される場合があります。
「無選択型保険」と「引受基準緩和型」の違い
告知なしで入れる保険「無選択型保険」のほかに「引受基準緩和型」の保険があります。
この保険は、無選択型保険と同じく通常の生命保険よりも告知しやすいのが特徴です。
このような特徴の似ている2つの保険ですが、違いがいくつかあります。
ここでは、その違いを以下2つの項目で解説します。
- 無選択型保険と引受基準緩和型で告知が必要なのは?
- 無選択型保険と引受基準緩和型で保険料が安いのは?
それぞれみていきましょう。
無選択型保険と引受基準緩和型で告知が必要なのは?
引受基準緩和型の保険では、自身の健康に関しての告知が必要です。
ただ、告知の基準はやさしく、持病のある人でも加入が可能な保険となっています。
たとえば、「告知事項は3つだけ」「告知事項がすべて”いいえ”なら申し込みができる」などです。
通常は持病や病歴などを、受けた治療名や投薬の内容まで事細かに記載しなければなりません。
このように、告知の内容はシンプルであるため、持病がある人でも加入しやすい点は似ています。
無選択型保険と引受基準緩和型で保険料が安いのは?
無選択型保険と引受基準緩和型の保険料はどちらが安いのでしょうか。
無選択型保険は告知なしで誰でも加入できる分、保険料が高めになっています。
引受基準緩和型の保険は、告知を受けることである程度加入者を限定してために、保険料は安くなっています。
ただし、どちらの保険も通常と比べると保険料は高めです。
他の通常の保険に加入できるならそちらに加入し、これらの保険は最終手段として加入を考えるのがおすすめです。
持病がある人におすすめなのは無選択型保険それとも貯蓄?
ここでは、持病がある方にとっておすすめなのは無選択型保険なのか、貯蓄なのかを解説します。
解説するポイントは以下の2点です。
- 無選択型保険で災害による死亡に備えるのはあり?
- 無選択型保険に見直しは必要?タイミングは?
無選択型保険は持病がある人でも加入できるので、万が一のための貯蓄ではなく、保険で備える人がいます。
一方で無選択型保険は、保険料が高かったり満足いく保障が受けられないことがあるなど、デメリットも多いです。
無選択型保険のデメリットが気になる方のなかには、「貯蓄のほうがいいのでは?」と迷う方もいるでしょう。
無選択型保険がご自身にとって必要かわからない方は、保険の専門家であるFPに相談をおすすめします。
無選択型保険で災害による死亡に備えるのはあり?
無選択型保険を災害死亡してしまうことの備えにするのは良い選択肢です。
無選択型生命保険の死亡保険金は低いとお伝えしましたが、災害死亡時の保険金は別です。
災害死亡リスクは持病の有無に関わらず基本的に同じであるため、災害死亡保険金は手厚く保障されます。
自身がこれから貯蓄するよりも多くのお金が手に入る可能性が高いでしょう。このため、災害時のリスクに備える目的で、この保険に加入するのは合理的な選択肢です。
無選択型保険に見直しは必要?タイミングは?
無選択型保険は、加入し続けると損をしてしまう可能性があります。
これは、貯蓄を続けていくと、一定期間を経過したあとは、貯蓄が保険金を上回るようになるからです。
無選択型保険は、保険料が割高で、支払われる保障金もタイミングによっては、支払額を下回る可能性があります。
このような場合を考えてこの保険ではなく、貯蓄をするという選択肢も良いでしょう。
では、無選択型保険をあるタイミングで別の保険に切り替えるのはどうでしょうか。
無選択型保険は、保険料が割高であるためにある程度の期間を健康に過ごせたら解約し、そのときに適した保険に入る治すというやり方もあります。
以前のタイミングでは、病気などを理由に告知の内容で審査が通らなくても、ある程度の期間を健康に過ごせれば再度告知すれば審査が通る可能性もあります。
無選択型保険を一時的に利用して、最適なタイミングでほかの保険に入り直す、という方法もあるため覚えておくと良いでしょう。
保険のプロと一緒にあなたに合った保険を考えませんか?
告知なしで入れる保険「無選択型保険」は、告知が不要で持病があっても入れるというメリットから、誰でも加入できる保険です。
一方で、保険料が割高であったり保障内容が制限されるなどデメリットもあります。
このようにデメリットが大きい保険だと、加入できるならば一般の保険へ加入したほうが良いと考える人もいるでしょう。
しかしながら、一般の保険では健康状態に不安があると、加入するのが難しいです。
では、どのように考えて保険を選ぶと良いのでしょうか。
おすすめなのが、保険のプロへの相談です。
保険のプロであれば、健康状態や不安に思うことなどを相談した上で、自身に最適な保険を提案してもらえます。
まとめ:審査なし・告知なしで入れる医療保険・生命保険はある?
今回は、審査なし・告知なしで入れる保険「無選択型保険」をみてきました。
記事内で解説した内容は以下のとおりです。
- 無選択型保険は告知の必要がなく持病があっても加入できる
- 保険料が割高で保障内容が制限されてしまうのがデメリット
- 災害死亡時の保険金は通常の生命保険と変わらないメリットもある
無選択型保険は告知の必要がなく、持病があっても加入できるため、誰でも気軽に加入できるのがメリットです。
一方で、保険料が割高で、保障内容も制限されてしまっているのがデメリットです。
場合によっては、一般の保険の方が保障内容が充実しているため、無選択型保険の加入は最終手段と考えると良いでしょう。
災害死亡時の保険金は持病の有無に関係がないため、この備えを目的に加入するのであれば、無選択型保険はおすすめです。