映画製作に必要な保険とは?機材や賠償責任の補償はできる?のサムネイル画像

内容をまとめると

  • 映画業界には機材や人、第三者など広い範囲でのリスクが存在する
  • 大事故や、死亡事故に繋がる事故や危険に備える必要がある 
  • 動産総合保険や業務過誤賠償責任保険などは自社の信頼に直結する保険である 
  • 加入すべき保険の中には保険会社ごとに引き受けの基準が存在する
  •  保険会社へ問い合わせを行う前にマネーキャリアに相談することでリスクの洗い出しができる

映画制作におけるリスクは、機材の損傷やキャストやスタッフの怪我、第三者を巻き込む事故になるリスクなどがあります。このようなリスクに対して、映画製作業の方々は、動産総合保険、施設賠償責任保険、業務過誤賠償責任保険などの損害保険に加入することをおすすめします。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

映画製作を取り巻くリスク

事業を取り巻くリスク

事業を取り巻くリスク

今回の記事ではまず、映画製作業界において起こり得る経営リスクについて解説します。

上記はリスクマップといい、横軸の発生頻度と縦軸のリスクの影響度によって、自社にとって、何が重要課題化を可視化することができます。

上記を踏まえた上で、下記3点にについて解説します。
  1. 機材の損傷リスク
  2. スタッフ・キャストなどの労働災害リスク
  3. 著作権の侵害リスク

①機材などが損傷するリスク

映画製作など動画や写真制作業務では、多くの撮影機材を使用します。


その中にはカメラやビデオ機器だけでなく、例えば

  • 撮影用ライト
  • 小道具
  • 衣装
  • 看板
  • 反射板 など
数え切れないほどの機材を使用することから、破損リスクはつきものです。特に、カメラやビデオ機器は1台の値段が、100万円単位に及ぶことが当たり前であり、高額なものとなると数千万円となります。

しかも、これらが一度、破損してしまうと一瞬で仕事のスケジュールが崩れてしまい、仕事ができなくなってしまいます。

そういった点でも機材の破損リスクは経営リスクに直結しているといえます。

②キャストなどの労働災害

撮影におけるリスクには人の怪我に関するリスクも伴います。


映画撮影を行う場合、撮る人間だけでは仕事は成立しません。当然ながら、キャストとなる役者や、その周りのフォローをするスタッフが多く存在します。


人が多くなると管理が行き届かなくなり、怪我のリスクが大きくなります。


撮影中に誤って、キャストが怪我を負うことや、スタッフが機材を運んでいる際に転倒してしまうことや、現場へ向かう途中に事故に合う可能性もあります。


上記の理由から、キャストたちへの万が一の労働災害への加入は制作会社として安心して一緒に、仕事ができる企業として、周りに示す意味でも大きな役割を果たします。

③著作権侵害などのリスク

映画業界では故意に著作権侵害を行うケースなど、悪質なパターンもありますが、自社がそれを知らずに個人が勝手に行ってしまっているケースもあります。


また、意図せず、著作権侵害を行ってしまっており、完成後にそれが発覚するというケースも想定されます。


著作権は映画制作の現場では自分が行ってしまうことは勿論、自社の作品が巻き込まれるケースも考えられます。


つまり、加害者にも被害者にもなる可能性を秘めたリスクといえます。


とくに、コンテンツを販売する企業において、著作権侵害は損害賠償の問題だけでなく、モラルの問題として、自社の信用を一瞬で失うリスクを抱えています。


ただ、著作権侵害のリスクは理解していても、実際、そのようなときどのように対応すべきかは、大手ですら、頭を抱える問題です。


中小企業においては代表者自らが対策を1人で講じるには、かなりの難易度を要します。

そんなときは「マネーキャリア」のサービスを利用すると良いでしょう。


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映画撮影時に実際にあった事例


ここからは映画撮影時に実際に起こった事例を解説します。

  1. 撮影セットが燃えてしまった事例
  2. 撮影中の死亡事故
  3. 第三者に以外が及んでしまった事故

事例1:撮影のセットが燃え上がった事例

黒澤明の1985年の「乱」での事例をまず紹介します。


映画撮影において、迫力あるシーンを撮影するために火を使うことは、よくありますが、このケースでは撮影を行っていた外側の人間と、役者側との環境の違いから、セットに火が付いていることへの認識違いから起こった事故です。


幸いにも怪我人は出ることはありませんでしたが、この事故ではセット内と外で構造が違っていた事から、中の役者に火がついている緊張感が伝わっていなかったことにより起こりました。

本来、外の撮影者と中の役者の間での認識の一致が行われていれば起きなかった事故ですが、一歩間違えれば死者が出ている事故でした。


その他にも同じ黒澤明作品において、火の廻りが激しすぎたことにより、セットが焼け落ち、役者が火傷をする事故が発生しています。


参考:映画撮影時のヒヤリハット事例集

事例2:映画撮影中の死亡事故

セットの破損だけではなく、撮影中にキャストの死亡事故が起きている事例もあります。


取り上げるのは海外映画の『Rust(原題)』という作品の撮影中の事故です。


この事故は小道具として、銃を使う予定でしたが、主演役者が小道具の銃の引き金を引いたところ、本来であれば空砲のはずの銃には実弾が装填された状態となっており、その銃弾が監督と撮影監督を直撃します。


監督は幸いにも一命をとりとめますが、撮影監督は亡くなってしまいます。


同様の事故は過去にも起きており、1993年の映画『クロウ/飛翔伝説』の撮影中に主演俳優の発砲した銃に実弾が装填されており、弾があたった役者は死亡しています。


この事故は、本来は空砲を使う予定だったがスタッフの怠慢によって起きた事故として、挙げられています。


参考:映画撮影中に起きた死亡事故や大事故

事例3:第三者が巻き込まれる事故

上記2点はいずれも役者や撮影者側に起きた事故でしたが、今回の事例では、全く関係の無い第三者が巻き込まれた事例です。


映画のロケでは室内や撮影セットの中だけでなく市街地など、一般人が行き来する室外ロケも行われることが一般的です。


その際に、機材の配置ミスによって、機材に通行人が接触してしまい怪我をする事故が起きてしまいます。


また、スタッフの誘導ミスにより、キャストや撮影者と通行人が接触事故を起こすこともあります。


公道を利用する以上、安全配慮をどれだけ行っても事故のリスクは完全に防ぐことは困難です。


参考:撮影中における第三者との接触事故例

映画製作に必要な損害保険


ここでは映画製作に必要な損害保険について解説します。


今回紹介するのはいずれも重要度の高い保険となっています。

  1. 動産総合保険
  2. 業務過誤賠償責任保険
  3. 施設賠償責任保険
  4. 傷害保険

①動産総合保険

動産総合保険は主に撮影機材など物に対して掛ける保険です。

補償内容としては

  • 火災
  • 盗難
  • 運送中の事故
  • 使用中に誤って破損 など
機材や道具などの備品が火災や盗難などに対応します。

最初の解説でも述べたように、撮影機材などは高額なものが多数存在します。それらの機材に万が一があった場合に、再購入となると莫大な金額がかかります。

事業継続を考えたときに一部を紛失や破損、修理費用が少額であれば問題はありませんが、火災や盗難によって、全てを失ったときには大きな損害となることから、加入必須といえます。

また、動産総合保険は保管中だけでなく、使用中や移動中での補償にも対応していますので、移動の多い、映画業界においては不可欠です。

動産総合保険は、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はそちらの記事をご覧ください。
動産総合保険についてのサムネイル画像

動産総合保険とは?補償内容や保険料の相場等をわかりやすく解説!

②業務過誤賠償責任保険

業務過誤賠償責任保険は映画製作業界などコンテンツ販売を行う企業向けの保険です。


こちらの保険がカバーする補償例として

  • インターネット配信したコンテンツが他社の著作権侵害をしていて損害賠償を請求された
  • 映画に使用したBGMが盗作疑惑が浮上し、損害賠償請求に発展した
  • 制作内容に対して、特定個人の尊厳を誹謗中傷しているとして訴えられた
など、コンテンツを販売する会社として、起こり得る著作物に関するリスクに対しての損害賠償に対して、保険金を支払う保険です。

映画製作では意図せず、他人や他社の著作権侵害などを行ってしまっているケースが考えられます。

そんなとき、損害賠償金に対する保険金だけでなく、訴訟時の弁護士費用なども負担対象となります。

信頼できる映画製作会社として対応を行うためにも必須の保険と言えます。

③施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは主に

  • 業務遂行中に第三者へ怪我をさせてしまた
  • 第三者の物を破損してしまった など
第三者に対しての賠償に対する保険です。


室外ロケにおいて、自社側のミスによって、歩行者などに怪我を負わせてしまったり、物を破損してしまう場合が考えられます。


また、室内や撮影所内においても、外部の人間が出入りが多い場において、床の拭き忘れなどによって転倒事故で怪我を負わせてしまうなど、他人に対しての怪我や物品への補償は映画製作の業界において、必須といえます。


施設賠償責任保険について、詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

施設賠償責任保険についてのサムネイル画像

施設賠償責任保険とは?支払い事例や保険料の相場などを徹底解説!

④傷害保険

映画撮影において、撮影スタッフであれば高所からの撮影や、スタント業務を行う役者のように、転落や、転倒による怪我のリスクがあります。


特に危険が伴うスタント業務などは大怪我や死亡リスクも考えられることから、通常の労災などではまかないきれないといえます。


勿論、その他のスタッフにおいても現場へ向かう途中の事故や、道具のセット中の事故など、機材を多く使う、映画製作会社ならではの怪我のリスクはつきものです。


授業員が万が一怪我をした場合にも、休業期間の補償を手厚くすることで、本人や家族が安心して仕事に専念できる環境を作ることができます。



ただし、スタント業務など、危険な業務の場合には傷害保険の引受に一定の基準や、断られるケースも存在します。

ただ、その基準について経営者が知ることや、加入できないのであれば他に方法が無いのかを調べることは非常に手間も知識も必要となります。


そんなとき「マネーキャリア」を利用することでその時間や悩みの解決に繋がります。

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加入が可能かどうかの判断だけでなく、入るべき保険や潜んでいるリスクについて専門的知識を持ったプロに任せることができますので安心して利用してください。

映画製作業が保険に加入する方法


ここでは映画製作業が保険に加入する方法について解説します。


保険に加入するには保険会社に問い合わせを行うことで可能です。


しかし、保険会社によっては取り扱いや引き受け基準が厳しいなど加入を拒否されるケースも存在します。


そのため、保険会社に問い合わせを行う前におすすめなのが「マネーキャリア」に相談を行うことです。


マネーキャリア」では法人向け保険や事業リスクの専門家が無料で相談に乗ってくれます。

また、保険加入が可能かどうかや保険料の大まかな概算なども調べてくれるので、加入前の参考にもなります。

自社のリスク対策を相談する

法人保険の活用事例集

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営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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まとめ:映画業界に必要な保険とは?


ここまで映画業界でのリスクや保険について解説しましたが、如何だったでしょうか。


今回の記事の内容としては

  • 映画業界には機材や人、第三者など広い範囲でのリスクが存在する
  • 大事故や、死亡事故に繋がる事故や危険に備える必要がある
  • 動産総合保険や業務過誤賠償責任保険などは自社の信頼に直結する保険である
  • 加入すべき保険の中には保険会社ごとに引き受けの基準が存在する
  • 保険会社へ問い合わせを行う前にマネーキャリアに相談することでリスクの洗い出しができる
これらが挙げられます。

特に、上記解説でも取り上げたように、一つの事故の損害額が高額になるケースが多い業界といえることからも、自社の備品、スタッフへの補償、取引先との信頼を継続するための保険は加入必須といえます。

ただ、これらすべてを、会社経営を行いながら、経営者が加入を判断することは非常に危険です。
補償のモレやダブりなどが起きないようにするためにも、加入前に「マネーキャリア」のサービスを利用することをおすすめします。

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経営に専念し、事業拡大を行うためにも、経営課題の相談として一度、利用してみてはいかがでしょうか。
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