法人向け自動車保険とは?個人との違いや法人名義のメリット等を解説のサムネイル画像

法人向け自動車保険は、企業が所有する車両を守るために不可欠な存在ですが、その選び方や適切な補償内容の判断に悩む経営者も少なくありません。


そのため、コスト削減と十分な保護のバランスを取るのに苦心している経営者の方も多いのではないでしょうか。


そこで今回は、法人向け自動車保険の補償内容や選び方のポイント、注意点も踏まえて詳しく解説します。


・自社の車両管理コストを見直し、適切な保険プランを探している方

・事業拡大に伴い、より包括的な自動車保険の必要性を感じている方


は本記事を参考にすると、自社に最適な法人向け自動車保険を選択でき、リスク管理とコスト効率の両立を実現するための具体的な方法もわかります。


内容をまとめると

  • 法人向け自動車保険は、個人向けと同様に対人・対物賠償保険・人身傷害・車両補償が基本であり、「契約の名義と補償範囲、保険料の損金算入の可否」に違いがある。
  • 法人名義で自動車保険に加入すれば、事業のニーズに合わせた幅広い補償が付帯できる。
  • 複数の車両を保有する法人ならフリート契約で保険料が安くなる可能性があるが、1つの事故が全車両に影響するデメリットがあるので注意が必要である。
  • 法人向け自動車に加入するなら、業種に合わせて必要な特約を検討しなければならないず、過不足のない保険商品を活用すべき。
  • しかし、事業リスク対策を経営陣が独断で判断するのは危険なので、「マネーキャリア」のように、法人保険のプロへ相談できるサービスを使う会社が急増している。
この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

法人向け自動車保険とは?


法人名義で契約した自動車保険は、従業員が運転し事故が起きたときに備える保険です。


自動車保険における、個人向けと法人向けの大きな違いは4つあるので、個人事業を法人化したときの参考にしましょう。

  1. 契約方法
  2. 保険料
  3. 補償の幅
  4. 付加できる特約

法人向け自動車保険は、従業員を事故から守ったり、事故による損害から事業を守ったりする目的で加入しなければなりません。


法人契約の場合は代理店を通して加入することが一般的ですが、ソニー損保やセコム損保、チューリッヒなど少数の保険会社で、インターネットで加入できる法人向け自動車保険も販売されつつあります。


個人契約と法人契約の4つの違いについて、詳しく解説していきます。

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自動車保険の法人契約と個人契約との違い4選

自動者保険は、契約者が個人か法人かなど名義の違いだけでなく、補償や保険料など大きく異なるポイントが4つあります。


以下が、自動者保険の個人契約と法人契約の比較となります。

4つの違い個人契約法人契約
契約方法・代理店や保険会社で加入
・インターネットで加入
・代理店や保険会社で加入が一般的
・インターネットで加入
保険料・免許証のゴールド割引
・本人や配偶者など運転者の限定割引
・年齢条件による割引
・新車割引
・フリート契約による割引
・年齢条件による割引
・新車割引
補償の幅・被保険者として設定した個人
・配偶者や子供、兄弟など
・従業員すべてが対象
付加できる特約・個人賠償責任保険
・臨時費用特約
・他車運転特約
・代車費用特約
・弁護士費用特約など
・搭乗者傷害事業主費用
・リースカーの車両費用
・企業・団体見舞費用特約
・法人他社運転特約
・対人賠償使用人災害特約
・受託貨物賠償責任特約
・代車費用特約など

近年はインターネットで加入できる「通販型法人向け自動車保険」も販売されてきており、手軽に自動車保険へ加入できるようになってきました。


しかし、自動者保険を法人契約する場合、保険料だけでなく、法人契約の特徴である複数の補償内容を検討する必要があるため、代理店や保険会社で契約することが一般的です。


ゴールド割引や運転者の限定などによって、保険料の負担を減らせる個人契約とは違い、法人契約には上記割引はありません。さらに、台数を保有している法人ならフリート契約を利用した割引を利用することになります。


また、人数に関わらずすべての従業員が運転した場合のリスクに備えられることも、法人契約である自動車保険の特徴です。


個人契約では、万が一事故がおきたときに備えた搭乗者や対人・対物、車両に対する補償が主となりますが、法人名義で自動者保険を契約する場合は、幅広い補償内容を考慮し、事業リスクに備えておくべきだと言えます。

法人向け自動車保険の補償内容は主に4種類


自動者保険において、どのような補償が必要かは、個人も法人も実は大きな違いはありません。


個人契約でもよく見られる補償内容は、法人向け自動車保険でも同様に、以下4つを考慮してリスクに備えることになります。

補償補償内容
対人賠償保険事故によって人に怪我をさせたり死亡させたりした時に、
相手の人や遺族に対する賠償補償
(治療費や休業損害、逸失利益や精神的苦痛に対する賠償など)
対物賠償保険事故によって自動車や建物など財物に対して
損害を与えたときに必要となる賠償補償
(修理代や代車費用、休業に伴う損害など)
人身傷害保険運転者や同乗中の人に対する補償や賠償補償
(治療費や逸失利益、精神的苦痛に対する賠償など)
車両保険保険の対象となる自動車の損傷に対する補償
(修理代や代車費用、車両火災や盗難など)


これらの4つの補償は、強制加入である自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)では不足してしまう補償を補うために必要です。


以前は、搭乗者傷害保険がセットされた法人向けの自動車保険も多く、5つの補償をセットした自動車保険がありました。


過失を問わず、事故によって怪我や死亡した搭乗者に補償される搭乗者傷害保険は、過失をもとに計算される人身傷害保険だけで補償が十分であることから、近年では搭乗者損害保険を除いた4つの補償が主な自動車保険となっているのです。

自動車保険に付帯できる特約


自動車保険には「付帯できる特約」があり、個人向けでも法人向けでも付帯することが可能です。


特約の種類は保険会社によって様々ですが、東京海上日動火災保険の自動車保険に付帯できる特約を例にして紹介します。

特約の種類補償内容
対物超過修理費特約事故の相手の車両が
時価額を超えたときの補償
弁護士費用特約事故による被害を受けたときに
弁護士に依頼する費用を補償
ロードアシスト事故や故障によって、自動車が自走できなくなったときの
レッカーなどを手配・補償
レンタカー等
諸費用アシスト
事故や故障によって自動車が使用できなくなった
場合の費用を補償
車両全損時
諸費用補償特約
事故により自動車が全損してしまった場合の補償
車両全損時復旧費特約自動車が事故によって修理費用が高額となってしまった場合の補償
地震・噴火・
津波危険車両
全損時一時金特約
地震や噴火、津波によって自動車が全損した場合の補償
車内携行品補償特約車内に置いていた日用品が
事故や盗難などによって損害が出た場合の補償
また、これらに加えて自転車の乗車時や、日常生活で他人へ賠償責任が生じた際の補償として、「個人賠償責任補償特約」を付加している人も多く、東京海上日動火災保険でも販売されている特約があります。

保険会社によって販売されている特約の名前や補償が異なるので、正しく確認しておきましょう。

法人向け自動車保険にしか付帯できない特約

個人向けの自動車保険よりも、豊富な特約がある法人向け自動車保険ですが、事業におけるリスクを考えて付帯する特約を検討することが大切です。  


法人契約となる自動車保険に付帯できる特約は、以下のような補償もあります。

法人契約に
付帯できる特約
補償内容
企業・団体見舞費用特約事故によって死亡や負傷させた相手への見舞金などを補償
リースカーの
車両費用特約
事故や盗難によるリース中の自動車への補償
搭乗者傷害
事業主費用特約
事故を起こした自動車に搭乗していた従業員が
死亡や負傷したときの賠償補償
対人賠償使用人災害特約対人賠償の補償対象外である業務中の従業員を
死傷させた場合の補償
対物賠償
非所有管理財物特約
対物賠償の補償対象外である他人から借りて
管理中である財物に損害を及ぼした際の補償
法人他車運転特約取引先の自動車を運転した従業員が事故を起こした場合に補償
運送業者
受託貨物賠償特約 
運送業者が輸送する貨物の損害や
積み荷や積み下ろし作業に対する対人・対物補償
事業用積載動産特約対物補償や車両保険では補償されない自動車の
備品などの損害を補償

たとえば、運送業を営む法人なら、輸送する貨物に損害を与えてしまった場合に備えて自動車保険に加入し、特約で「運送業者受託貨物賠償」を付帯することでリスクに備えられます。


しかし、なかにはこの特約を知らず、さらに「運送業者貨物賠償責任保険」へ加入し、貨物への補償が重複している場合も少なくありません。


そのため、法人向け自動車保険は、事業内容のニーズに合わせてマネーキャリアのような、法人保険のプロへ「無料で何度でも」相談できるサービスの活用が必須です。

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法人向け自動車保険のフリート契約とは?


社用車など保有する台数が多い法人は、フリート契約で自動車保険を締結した方が、保険料を抑えられるのです。


1台しか持たない個人向け自動車保険などでは、日常的に運転する人を記名被保険者を対象として、自動車保険に加入しますが、保有台数が9台以下の自動車保険はノンフリート契約となります。


もちろん法人契約も1台からノンフリート契約で加入することができますが、10台以上保有する自動車があれば、フリート契約として締結すると保険料が割引される可能性が高くなるのです。


では、フリート契約とノンフリート契約について、それぞれの特徴の一覧が以下のとおりです。

特徴の違いフリート契約ノンフリート契約
保険料の割増・
割引の適用
契約者単位契約自動車1台単位
保険料の割増・
割引率の決定
・総契約台数に対する保険料
・支払った保険金の総額
・全年のフリート割引率
・契約期間
・ノンフリート等級別の料率
・事故の件数
保険証券契約者である法人に対して1つ自動車ごとに1つ
年齢条件の設定なしあり
割引率最大70~80%最大63%


ノンフリート契約では、年齢の設定条件があり、最大63%まで保険料の割引が適用されます。


また、自動車1台につき1つの自動車保険であるため、1件の事故に対して割引率が下がるのは事故が起きた車両に対する保険料だけです。


割引率が最大80%と高いフリート契約は、複数台をまとめて1つの自動車保険で備えるため、車両ではなく保険金額の総額が保険料の割引率に影響する特徴があり、年齢設定による割引もありません。


保険会社によって異なる条件を満たしていれば、ノンフリート契約で複数台を補償の対象にでき、『ミニフリート契約』と呼ばれています。


ミニフリート契約における割引率は、等級などにおける割引率に加算され、台数によって異なり、2台なら3%、3~5台なら4%、6~9台なら6%程度が一般的です。

自動車保険を法人名義で加入するメリット


社用車などを10台以上保有しているなら、フリート契約が可能のため、事故がなければ大きな割引率が期待できる法人向け自動車保険です。しかし、メリットは安い保険料だけではありません。


法人名義で自動車保険に加入する大きなメリットは5つあります。

  1. フリート契約で加入すると、保険料が割安になる
  2. 支払った保険料は損金算入できる
  3. 法人向け自動車保険にしかない特約が付帯できる
  4. 契約者は法人であるため、運転手ごとに自動車保険へ加入する必要がない
事業によっては、事故による保険金総額が原因で、保険料が高くなってしまう可能性がありますが、大きな事故が起きなければ、個人契約をしているよりも保険料が安くなるケースも考えられます。

自動車保険の契約で、名義を個人にするか法人にするか悩んだときは、2つのパターンの見積もりを取ることが大切です。

法人名義は手続きが面倒というイメージを持つ人は多いですが、法人向け自動車保険だからこそのメリットを知れば、比較することの大切さに気付くことができるでしょう。

ここでは、法人名義で自動車保険に加入するメリットについて、詳しく解説していきます。

①フリート契約の場合保険料が割安になる

保有台数によって異なりますが、フリート契約で自動車保険に加入した場合は、保険料の割引率が最大70~80%となります。


ノンフリート契約の最大割引率である20等級の63%と比べると、割引率の高さは保有台数が多いほど、保険料を大きく削減できるメリットがあるのです。


フリート契約における保険料は、以下のように計算されています。

フリート契約の保険料基本保険料×(割増・割引率+多数割引)

ここで使われる割増・割引率や多数割引とはどんな内容を指すのかも覚えておきましょう。

  • 割増・割引率:過去の割増・割引や、契約期間中に支払った保険金額で決まる
  • 多数割引:一律5%で、10台以上保有してフリート契約にすると適用される
このようにしてフリート契約は、保険料を軽減できる仕組みを持っています。

個人事業主でも10台以上保有していれば、フリート契約を締結することは可能ですので、事業内容と照らし合わせて、メリットやデメリットも踏まえて検討してみましょう。

②保険料を損金算入できる

法人名義で自動車保険を契約すると、フリートとノンフリートの契約形態にかかわらず、支払った保険料は全額損金算入できます。


ただし、損金扱いにするためには、次の2つの条件を満たしていることが必要です。

  • 法人名義で自動車保険の契約を締結する
  • 事業で使用する目的で、自動車保険に加入している
法人名義で加入していても、対象となる車両が役員が日常的に私用で使っているなどの場合は、保険料を損金扱いすることはできません。

事業所得から差し引くことができる損金算入できる金額は、その金額が大きければ大きいほど、事業所得に対する法人税が少なくなるので、法人として大きな節税対策と言えます。

では、法人向け自動車保険は、保険料の軽減に対する努力をしなくても良いかというと、そうではありません。

必要経費としてみなされる保険料ですが、無駄に高くなると利益を削る必要以上の経費となってしまい、事業利益をもとに新たな事業を計画したりすることが難しくなったり、赤字経営となってしまう恐れもあります。

赤字経営になると資産は減少し、事業を行ううえで企業価値が下がって取引先が減ってしまうなど、事業経営としては本末転倒です。

保険料の損金算入が可能な法人向けの自動車であっても、個人向けの自動車保険と同様に、保険料を節減することを心掛けなければなりません

事業に対して最適な補償と、無駄のない保険料を設定することが、事業を継続するうえで重要だと言えるのです。

③法人向け自動車保険にしかない特約を付帯できる

個人向けと法人向けでは、自動車保険に付帯できる特約が異なり、法人向けのほうがより事業のリスクに対する備えが可能な特約が販売されています。


法人名義の場合にのみ付帯できる特約には、以下のようなものがあり、個人名義の自動車保険に付帯することはできません。

  • 企業・団体見舞費用特約
  • カーリースの車両費用特約
  • 搭乗者傷害事業主費用特約
  • 対人賠償使用人災害特約
  • 対物賠償非所有管理財物特約
  • 法人他車運転特約
  • 運送業者受託貨物賠償特約
  • 事業用積載動産特約
たとえば、社用車で事業所内を走行中、同僚と接触し怪我を負わせた場合、同一の契約者における事故として、対人賠償保険の対象とはなりません

こんなとき、法人向け自動車保険で『対人賠償使用人災害特約』を付帯していれば、負傷した従業員に対する補償を自動車保険からの保険金で補うことができるようになるのです。

また、自社の商品を社用車に積んでおくことが多い場合は、事故があっても対物保険の対象とならないことから、『事業用積載動産特約』の付帯によって補償されるなど、事業内容にあった特約を選べることも、法人名義で自動車保険に加入するメリットとなります。

④契約者が法人のため運転手ごとに保険加入する必要がない

個人名義で加入する自動車保険は、補償の対象となる記名被保険者ごとに加入する必要がありますが、法人名義なら、運転する従業員ごとに加入する必要はありません。


契約者である法人に雇用されている従業員なら、法人として運転するため、運転者ごとに補償の対象を切り替える必要がないのです。


ここで気をつけておきたいのは、自動車保険の契約形態が『フリート契約』か『ノンフリート契約』かの違いとなります。

  • フリート契約:年齢条件の設定がないので、従業員はすべて補償の対象
  • ノンフリート契約:年齢設定によって、補償の対象外となる従業員がいる可能性
年齢条件を設定できる『ノンフリート契約』で加入していた場合、高卒で入社した従業員が年齢条件から外れてしまうケースが考えられます。

高卒や大卒などの新入社員を受け入れている法人で、ノンフリート契約を選択する場合、1番若い年齢に合わせた年齢で設定するようにしましょう。

フリート契約なら、年齢を気にすることはないため、従業員の入れ替わりがあった場合でも、わざわざ自動車保険の契約内容を切り替える必要はないので、安心して従業員は自動車を使用できます。

法人向け自動車保険の注意点


メリットの多い法人向け自動車保険ですが、検討する際には2つの注意点に関して、正しく確認しておかなければなりません。

  1. 事故を起こした場合は、すべての自動車に対する等級が下がる
  2. 割引を適用しなければ保険料は割高になる
法人向けの自動車保険には、社内の自動車における事故率や、保険の加入方法などが大きく影響するため、特にこの2つのポイントは重要になるのです。

もしも社内の事故が多い場合、法人契約であることが原因で保険料が高くなり、法人向け自動車保険の保険料相場を大きく上回ってしまうこともあるのです。

結果的に、膨大な経費によって事業に大きな影響を与えたり、自動車保険の契約を継続することが難しくなったりする場合もあるので注意しましょう。

①事故を起こすと全ての自動車の等級が下がる

フリート契約で加入した法人向け自動車保険では、1台が起こした事故によって、全ての自動車に対する等級が下がり、保険料が割高になってしまう可能性があります。


1つの契約書で全車両を補償の対象とできるフリート契約は、自動車保険の保険料を計算するときに大きく関係するポイントは2つです。

  • 法人に対して契約するため、全車両が対象となる
  • 法人の事故件数と支払った保険金が全体に影響する

法人名義で複数の車両を対象にフリート契約を締結すると、安い保険料で加入できるメリットがある反面、全ての自動車を対象としているので、どの自動車が事故を起こしても割引率に関係する等級が下がってしまいます


複数台を社用車として使用している法人で、社員のなかに運転が不得手な人がいる場合、事故を起こして修理や賠償に自動車保険を使うと、他の社員が事故を起こさなくても全ての社用車に対する保険料が高くなるのです。


フリート契約とノンフリート契約のメリットやデメリットを十分理解したうえで、自動車保険に加入することが大切です。

比較メリットデメリット
フリート契約・契約が1つなので、管理しやすい
・保険料の割引率が高い
・1回の事故が全体に影響する
・全車両の保険料が増加するリスク
ノンフリート契約・1台ずつ年齢制限を設けて保険料の割引ができる
・1台が事故を起こしても、他の車両の保険料には影響しない
・1台ずつ契約が必要で管理の煩わしさがある
・保険料の割引率が少ない

もしも1台の車両が、死亡事故など大きな保険金が発生するような事故を起こした場合は、全車両に対する保険料が割増されてしまうリスクがあります。

また企業全体で事故が多い場合、等級が下がり続け、保険料が高くなったり、状況によっては保険会社に保険契約を断られてしまう可能性があるので、注意しておきましょう。

②割引を適応しなければ保険料が割高になる

法人契約でフリート契約を締結すると、様々な種類の保険料割引によって、個人やノンフリートで締結するよりも安い保険料となります。


通常、個人やノンフリートで自動車保険に加入するよりも、法人でフリート契約を締結する方が保険料は、以下の理由により高く設定されているのです。

  • 不特定多数の従業員の事故に対するリスクに備えられる
  • 個人で契約するより法人の方が補償内容が充実している

個人で加入するよりも、事故が起きやすいというリスクのある法人契約は、フリート契約をすることによって4つの割引率が適用されるため、最大70~80%という大きな割引が期待できるのです。


法人のフリート契約割引される要素
総契約台数台数が多いほど保険料は割引される
損害率支払った保険料よりも
使った保険金額が少なければ割引される
前年度の
フリート割増引率
前年度の割増引料率に対する
成績が良ければ次年度は割引される
成績計算期間契約日を挟んで前後6ヶ月に
事故がなければ更新後は割引される


割引される要素から外れてしまった場合、割引率が下がり保険料が高くなってしまいます。

  • 保有台数が減り、総契約台数が少なくなった
  • 事故で支払った保険金額が支払った保険料を大きく上回った
  • 前年度に比べて、今年度は事故が多かった
  • 契約更新日の5ヶ月前に車両保険を多く使った

保険料よりも支払った保険金額が多くなると保険料が高くなってしまいますが、万が一、高額な賠償が必要となったとき、賠償金によって事業が傾いてしまう可能性があるため、自動車を保有するなら自動車保険に加入すべきです。

とはいえ、保険料が高額になってしまうと事業の維持や発展に影響を及ぼしてしまうため、事故を起こさずに保険料の割引を上げていくことが大切です。

もしも法人のフリート契約で割引率が低くなってしまった場合は、個人向け自動車保険の見積もりとの比較検討がおすすめします。

法人向け自動車保険の保険料の相場について


社用車1台に対する自動車保険に支払う保険料相場は、年間35,000円~40,000円程度と言われています。


事業で使用する目的がある法人向け自動車保険と、個人向けの自動車保険を比較すると、リスクが高くなっていることがわかります。

比較法人向け個人向け
運転する人物不特定多数の従業員主に記名被保険者
走行距離多い法人向けより少ない
補償の範囲事業関して補償が幅広い日常的な補償


同じ車種で個人向け保険に加入すると、約27,000円~35,000円程度となり、やはり法人向け自動車保険の方が、高い保険料となってしまうのです。


法人向け自動車で大きな割引を受けるためには、ドライブレコーダーの設置や等級、社内の事故率など様々な角度から検討する必要があるため、相場通りの保険料で自動車保険に加入できるとは限りません。


自社で保有する自動車保険を、法人契約で締結した場合の保険料で悩んだときは、マネーキャリアで保険の専門家に相談するのが鉄則です。


同種の企業であっても、社内の状況から大きく異なる法人向け自動車保険は、他企業と比較するよりも、自社が個人向けと法人向けのどちらに加入した方がお得なのかを、比較しなければならないのです。

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業種ごとの法人向け自動車保険の選び方


実際に、業種ごとにおける法人向けの自動車保険は、どのように選べば良いのか2つの例で紹介します。

  1. キッチンカー
  2. 貨物運送業
業種によるリスクは、自動車保険の保険料にも影響します。

特にキッチンカーや貨物車両(トラックなど)は、車両価格も高くなり、調理による火災や走行距離が多いなど、高いリスクが考えられます。

法人としてリスクに備えるためには、法人向け自動車保険に加入するだけでなく、適切な特約を付加しておくことも必要です。キッチンカーと貨物運送業で、法人向け自動車保険の選び方や特約について、詳しく解説していきます。

①キッチンカー

キッチンカーは、事故による損失を防ぐため、2つの補償範囲を確保しておく必要があります。

  • 積載している調理器具などの什器や備品
  • 販売するための商品
これらに対し、事故で損害を受けた場合に備えるためには『事業用積載動産特約』を付帯しておかなければなりません。

車内に積載する什器や備品は、価格が高いこともあり、損失へのリスクを考えるなら特約を付加することを検討すべきです。

ただし、『事業用積載動産特約』でキッチンカーに備えられている設備や商品は補償されます。しかし、パソコンやカーナビなど、補償されないものがあるので必ず確認しましょう。

②貨物運送業

貨物運送業の場合、顧客から預かった品物を届けることから、自社の車両を守るだけでなく、預かった品物を守ることも大切です。


事故によって品物に損失を与えてしまうと、顧客に対する賠償責任が発生してしまいます。賠償へのリスクに備えるためには、『運送業者受託貨物賠償特約』を付帯しておきましょう。


下請けで配達業務を引き受けるような場合は、想定しているよりも高い料金の賠償を荷主から求められてしまうこともあるのです。


正規の場所に積載しているものを補償する『運送業者受託貨物賠償特約』は、営業ナンバーをつけた貨物自動車なら、特約として付帯することができます。


配送を行う事業をするなら、品物への安全が信用に繋がるとも言えるため、特約の付帯は必須だと考えておくべきでしょう。

法人向け自動車保険に関する悩みを解消する方法とは


ここでは、法人向け自動車保険に関する悩みを解消する方法を解説します。


法人向け自動車保険は、事故や盗難などの直接的なリスクから企業を守るだけでなく、事業継続性や社会的信用の維持にも大きく関わるため、経営者は自社の事業規模や業態に応じた適切な保険を選択する必要があります。


しかし、自動車保険だけでなく、企業を取り巻く多様なリスクに対応するためには、総合的な視点から最適なリスク対策を行うことが不可欠です。


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法人保険の活用事例集

法人保険の活用事例集のイメージ


営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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法人向け自動車保険についてよくある質問


法人向けの自動車保険を検討する際に、よくある法人保険の専門家に向けた2つの質問を紹介します。

  1. 個人から法人への切り替え方法について
  2. 法人名義の自動車は、1day自動車保険に加入できるのか?

①個人から法人への切り替え方法について

個人名義の自動車保険を、法人名義に切り替えすることは可能です。


ただし、個人から法人へ切り替える場合は、以下の条件を満たしておかなければなりません。

  • 新しい法人を設立した
  • 個人事業で行っていた事業内容と同じ事業である
  • 法人の設立時点で自動車保険に加入していた

また、特に多いのは、個人名義のときに保有していた等級を法人でも適用できるのかという質問です。

結論として、個人から法人への等級引継ぎは、『等級承継』によって可能となります。該当するのは、個人事業で営んでいた事業で、新しい法人を設立した場合などです。

等級承継することができれば、法人へ切り替えたあとも、自動車保険の安い料金を維持できる可能性があります。

現在、個人事業主で自動車保険に加入しており、将来、事業を法人化する予定があるなら、高い割引率となるよう事故を起こさないように心掛けておきましょう。

②法人名義の車で1day自動車保険に加入できるか?

免許証を取得した子供や友人が、自分の車を運転するときには、1day自動車保険を利用して指定した日のみ補償を確保することができます。


あまり使用しない社用車に、1day自動車保険へ法人名義で加入できるかという質問の回答は、結論として法人名義では加入できません


ただし、加入できないのは原則であり、以下の一定の条件を満たしていれば、法人でも1day自動車保険に例外として加入できます。

  • 車検証上の使用者が個人名である場合
  • リース車両を個人で契約し車検証上の使用者が個人名の場合

一般的な法人名義の車両は、所有者も使用者の両方が法人名義となっていることが多いですが、なかには使用者が個人名である場合もあります。


これら2つのどちらかに該当すれば、法人名義でも、1day自動車に加入することができるので、まずは車検証の『使用者欄』に個人名の記載があるかを確認してみましょう。

法人向け自動車保険の補償内容や保険料相場・選び方まとめ


これまで、法人向け自動車保険の補償内容や保険料相場・選び方などを解説しました。


法人向け自動車保険は、個人名義よりも保険料が安くなるだけでなく、事業のリスクに合わせて補償の範囲を広くすることが可能です。


基本的な補償に関して、法人向けなら業務上で起こりうるリスクも備えられるうえ、保有台数によってはフリート契約を利用で来ます。しかし、法人契約のフリート契約は1つの事故が全体の保険料に影響するので注意が必要です。


自動車保険は個人名義では付帯できない特約も、法人名義なら可能です。一方、どのような特約が必要なのかを検討し過不足なく保険に加入しなければ、無駄な保険料の支払いや補償の重複が発生してしまうのです。

そこで、事故により賠償問題が発生してしまったとき、法人として責任を果たし信用を無くさないためにも、専門家に適切な補償を備えた自動車保険を提案してもらうことをおすすめします。

とくに、法人保険のプロに無料で何度でも相談できる「マネーキャリア」を使うと、自社に最適な保険プランを効率的に見つけられます。

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