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海外PL保険(プロダクト・ライアビリティ保険)は、企業が製造・販売した製品が海外で事故や損害を引き起こした際に、賠償責任をカバーする保険です。これにより、企業は予期せぬ損害賠償請求から守られ、安心して海外市場に進出することができます。


しかし、海外PL保険の具体的な内容や適用範囲、選び方について詳しく理解している企業は少なく、実際にどのようなリスクに対処できるのか不安を感じることもあるのではないでしょうか。


そこで今回は、海外PL保険の基本的な仕組みや選び方、そして具体的な補償内容や加入方法も詳しく解説します。


・海外市場に進出している、または進出を検討している企業の経営者やリスク管理担当者

・製品の輸出を行っているが、海外での賠償リスクに対する対策が不十分と感じている方


方が本記事を参考にすると、海外PL保険の基本知識を身につけ、海外市場でのリスク管理を強化し、自社の安全を確保するための最適な保険選びができるようになります。


内容をまとめると

  • 海外で輸出した商品によって負う損害賠償責任への補償には「海外PL保険」
  • 海外の訴訟は、日本に比べて損害賠償金や訴訟費用が高額になる傾向がある
  • 損害賠償金・緊急措置費用・訴訟費用・解決協力費用などが補償されている
  • 現地の法律などを踏まえて、最適な弁護士を選び適切な事故対応が可能
  • 法人の個々のリスク対策の相談は「マネーキャリア」がおすすめ
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PL保険とは?適用補償や対策費用等をわかりやすく解説!

「谷川 昌平」

谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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製造業を取り巻くリスクとその事例

製造業を取り巻くリスク製造業を取り巻くリスク

製造業を経営する上で、様々なリスクに対応できる保険に加入することは必須です。


この記事では、輸出製品を製造する、製造業の経営を取り巻くリスクはどういったものがあるのか、会社を守るために加入すべき法人向け損害保険についてご紹介します。


まず、上記の図をご覧ください。この図はリスクマップと言い、製造業の経営で起こりうるリスクを「経営に影響を与える大きさ」と「リスクの発生頻度」の2軸で表したものです。


製造業で起こりうるリスクは、主に以下の3点です。

  • 出荷後トラブルのリスク
  • 従業員の労働災害に対するリスク
  • 火災・爆発に対するリスク
これらの3つのリスクも、事業が置かれている環境や規模、状況などによって変わります。

そのため、ご自身の経営されている会社には、どういったリスクが想定され、どの程度の影響があるのかを知りたい方は、専門家に聞くことをおすすめします。

事業の相談をできるサービスでおすすめなのは、利用者満足度98.6%の「マネーキャリア」です。

マネーキャリアでは、保険や事業のリスク対策に詳しい専門家に、何度でも無料相談できます。

興味のある方は、お気軽に相談申込みをしましょう。

また、近年は、国内で製造・販売をしていても外国人旅行客が持ち帰り、海外で事故が発生する事例も増えてきています。

海外で起きた訴訟は、日本国内に比べて損害賠償金や訴訟費用が高額になる傾向があり、企業は万が一に備えて対策をとっておく必要があります。

ここからは、訴訟や損害賠償責任を負った2つの例をご紹介します。

事例1:転売品による火災で損害賠償

1つ目は、日本国内で製造・販売したマッサージチェアが転売され、購入者の家が火災に遭ったため損害賠償請求をされた事例です。


この事例では、台湾のとある住宅で発生した火災の原因が、転売されたマッサージチェアにあるとされました。


マッサージチェアから少し離れた柱の下部が燃えていたため、柱付近に置いていた他の電化製品が火災の原因である可能性もありました。


当時、事故後に現場で発見された電線がマッサージチェアの電源コードかどうかは判断できなかったようです。


しかし現地の消防局は、マッサージチェアの電源コードがショートしたためと出火したとし、裁判所も火災原因について、現地の消防局の判定を採用したのです。


被害者は日本のマッサージチェアのメーカーや製品を台湾に転売した販売会社などに対し、焼損した住宅と家財の損害として、1億円の損害賠償請求を求めました。


しかし、メーカー側の弁護士は、消防局の判定には十分な根拠がない点、また被害者も正しい使用方法を守っていなかった点を反論しました。


最終的にメーカー側に約760万円と遅延損害金(年5%)の支払いで和解となりました。


和解額は、合計860万円でしたが、台湾の弁護士費用は約5,200万円(火災鑑定人や翻訳費用含む)で、セカンドオピニオンとして日本の弁護士と火災鑑定人の費用として約380万円、合計で約6,440万円となりました。


海外での賠償は、日本国内に比べて損害賠償金や訴訟費用が高額になりやすいです。


また、現地の国や地域によって適用される法律や裁判制度に対応しなければなりません。


海外PL保険に加入していれば、上記のような損害賠償金や訴訟費用などもカバーできますし、現地の法律などを踏まえて、最適な弁護士を選び、迅速かつ適切な事故対応が可能

となります。


参考:転売品による火災で損害賠償

事例2:輸出製品の事故で製造品メーカーが訴訟された事例

2つ目は、バッテリー充電器メーカーの輸出製品に対して訴訟された事例です。


国内のバッテリー充電器メーカーであるA社は、海外の小売業者B社に対して充電器を輸出していました。


小売業者B社は、A社充電器と他業者から調達したラジコン玩具とリチウム電池をセットにして販売していました。


ある日、このセットを購入した人の家で火災が発生しました。

消費者は、自身の火災保険で保険金の給付を受けたものの、火災保険で補償されない約85万ドル(約1億2,000万円 ※1ドル142円で換算)の損害につき、玩具販売をしたB社及びメーカーA社に訴訟を提示しました。


火災調査官は、火災の原因は充電器ではなくリチウム電池であると判定し、A社の加入している保険会社としても事故原因は充電器ではなく、玩具にあると主張しました。


その結果、A社の責任負担は回避されました。


損害賠償金はなかったものの、裁判をしたことによる訴訟費用は8万ドル(1,136万円 ※1ドル142円で換算)かかりました。


参考:輸出製品の事故で製造品メーカーが訴訟された事例

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海外PL保険とは?


近年では、ネット通販やネットショップの拡大により、中小企業や個人事業主でも簡単に海外の企業や消費者と取引ができるようになりました。


一方、知らず知らずのうちに国内で販売していた製品を外国人旅行客が持ち帰ったり、海外で転売をされたりして、国外で事故が発生するケースが増えてきています。 


このようなリスクには、海外PL保険への加入が有効です。


国内で製造・販売した製品に起因して、海外で発生した対人・対物の事故について損害賠償請求をされた場合は、海外PL保険で補償されます。


国内で起きたPL事故については、海外PL保険では保険では補償出来ません。PL保険について詳しい内容を知りたい方は以下の記事からご覧ください。


海外PL保険について、個別に相談してみたいという方は、「マネーキャリア」がおすすめです。


保険や事業のリスク対策に詳しい専門家が、企業経営者の些細な相談事や疑問を解決してくれます。


気になる方は、お気軽にご利用ください。

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PL保険とは?適用補償や対策費用等をわかりやすく解説!

海外PL保険の保険対象となる製品や商品

海外PL保険では、海外に輸出されるあらゆる製品を保険対象としています。


例えば、原材料・部品といった産業用のものから、電化製品、家庭用品、食品といった一般消費者向けのものまでと幅広いです。


また、日本国内で製造・販売したものが、海外へ持ち出されたり転売されることで発生したPL事故もこの保険の対象です。

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海外PL保険の補償内容は?


海外PL保険では、企業が製造・販売した輸出品(対象生産物)が原因で発生する海外での事故について損害賠償請求をされた場合に補償されます。


補償期間は1年で、保険適用地域は、日本を除く全世界が基本ですが、一部適用地域を選択する保険会社もあります。


海外PL保険で支払われる保険金の種類はどのようなものがあるのでしょうか。

  • 損害賠償金
  • 緊急措置費用
  • 訴訟費用
  • 解決協力費用 など
損害賠償金は、企業が輸出した製品によって生じた他人への「身体障害」や「物的損害」について、損害賠償責任を負担し被った損害に対して保険金が支払われます。

損害賠償金は、高額になる恐れがありますが、支払った賠償金額を保険金として受け取れます。

ただし、罰金や違約金、懲罰的賠償金等は除きます。

また、保険会社の中には、生産物の回収費用も基本補償に入っている保険もあります。

緊急措置費用は、身体障害事故が発生した場合の応急手当の費用として支払われます。

例えば、車と自転車で起きた事故での応急措置や護送などに必要であった費用が対象です。被害を最小限に留めた結果、賠償責任を求められなかった場合でも、保険金を受け取ることができます。

訴訟費用は、弁護士報酬や調査費用などといった訴訟・示談費用です。結果として、法律上の損害賠償責任がなかった場合でも支払対象です。

解決協力費用は、企業が保険会社に訴訟の調査の協力をした場合、協力に必要となった活動費や収入損失を補填します。

そのほか海外で訴訟になった場合、現地の国や地域によって適用される法律や裁判制度に対応しなければなりません。

海外PL保険に加入することで、損害保険会社は世界中のネットワークを使い、事故内容や製品種類、訴訟提起の国や州の法律などを踏まえて、最適な弁護士を選び適切な事故対応が可能になります。

保険金が支払われないケース

以下の場合は、保険金の支払い対象外です。

  • 契約により加重させた責任
  • 戦争・暴動等
  • 生産物またはその一部から生じた生産物自体の損壊
  • 生産物の不具合・納入遅延による使用不能損害
  • 生産物のリコール(※)
  • 罰金、違約金、または懲罰的賠償金
  • 地震・噴火またはその結果生じる津波
  • サイバー攻撃(※) など
※保険会社によりオプションで一部補償する場合もあります。

損害保険会社に条件が異なる場合があります。一度、ご契約前に損害保険会社に確認しましょう。

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海外PL保険の保険料について


海外PL保険の保険料は、加入する補償や、生産物、売上高、支払限度額の他に、保険対象となる生産物の種類や輸出先などによって異なります。


また、損害保険会社によっては、状況に応じて保険料の割引が適用されたり、保険料を全額損金として処理可能なものもあります。


(※今後法改正により変更になる可能性があります。経理処理の実務は税理士にご確認ください。)


同じ業種の企業でも上記のような条件により保険料は変わるため、実際に加入するときの保険料については保険代理店もしくは引受保険会社で確認しましょう。

マネーキャリア」では、法人のリスク対策や保険について詳しい専門家に相談が何度でも無料です。

企業の事業内容等をヒアリングした上で、保険料の試算をしてくれます。オンラインでも相談可能なので、保険料がいくらか気になる方は、サービス利用者満足度98.6%の「マネーキャリア」に気軽に相談してみましょう。

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海外PL保険に加入する方法とは


企業が製品を海外に輸出する際には、予期せぬトラブルや損害賠償リスクがつきものです。


例えば、製品の欠陥による事故や損害が発生した場合、巨額の賠償金を支払わなければならないことがあります。こうしたリスクを軽減するためにも、保険の見直しは欠かせません。 しかし、保険の選び方には注意が必要です。


単に保険料が安いだけでなく、適用範囲やサービス内容も考慮しなければなりません。例えば、現地でのサポート体制や迅速なクレーム処理が提供される保険を選ぶことが重要です。


そこで、マネーキャリア海外PL保険を取り扱っている保険代理店・保険会社)に問い合わせましょう。


マネーキャリアのお問い合わせフォームは簡単3STEPで相談申し込み完了です。

  1. 開業の有無・相談きっかけを選択
  2. 会社名・事業種類・所属部署/役職・会社の郵便番号・売上高・従業員数を選択
  3. 担当者の方のお名前・連絡先(電話番号・メールアドレス)
その後、担当者から企業側にご連絡をして面談を行います。(オンラインも対応)

面談の際に、PL保険の条件や具体的な補償内容やプランの説明を受けます。

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海外PL保険についてのまとめ


本記事では、海外PL保険とはどんな保険なのか、事例を挙げながら海外PL保険の必要性をお伝えしました。


近年は、企業が商品を輸出するだけでなく、外国人観光客やネット通販、ネットショップなどの利用者拡大を機に世界中で日本の製品を使っている人が多数います。


これは、企業として成長する可能性も十分ありますが、それに伴ったリスクも計り知れないはずです。


そのためにも、日本の製造業の方が会社を守るためには、まずは自分の会社にはどういったことが当てはまり、自社製品にどんなリスクがあるのかを把握しておくことが大事になってきます。


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