出産費用は全体像が見えにくく、貯め方に迷う方は少なくありません。
助成金制度などがあることは知っていても、金額や申請方法、受け取れるタイミングがよくわからず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、出産までに必要な貯金額の目安や、無理のない貯め方3ステップ、さらに出産前後でかかる費用・もらえるお金まで、幅広く解説します。
- 出産費用の効率よい貯め方が知りたい
- 安心して出産に臨める環境を整えたい
こうした悩みを抱える方は、この記事を読むことで、出産費用の貯め方が明確になり、不安を減らしながら出産準備を進めることができます。
結論として、出産費用の貯め方においては、"かかるお金"と”もらえるお金”の把握、そして無理のない貯金方法の実践がカギとなります。
もし、自分たちだけで進めることに不安がある場合は、家計管理のプロ（FP）に無料で何度でもオンライン相談できる、
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この記事の監修者
谷川 昌平
フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績：＜テレビ出演＞テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ！」
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出産までに必要な貯金額の目安
出産までに必要な貯金額の目安を、2つのパターンで解説します。
紹介する目安は以下のとおりです。
- 最低限準備すべきは50万円
- 余裕を持ちたい場合は100万円
実際に必要な額は、出産スタイルや家庭の事情によって異なりますが、一般的にはこの範囲内で準備できると安心です。
また、後述する“かかるお金”と“入ってくるお金”の両方を把握したうえで、目標金額を決めることも大切です。
目安の違いを知ることで、各家庭の状況に合った現実的な準備がしやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
「50万円〜100万円の内訳ってどうなってるの？」
「うちの家計で、本当に100万円も貯められるのか不安」
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最低限準備すべきは50万円
最低限50万円を準備しておくことで、妊娠・出産にかかる費用や、産後の収入減にそなえることができます。
妊婦健診や検査は、自治体の助成があっても自己負担が発生することが多く、特に里帰り出産では一時的に費用を全額立て替える場面も想定されます。
また、産後に支給される出産育児一時金ではまかないきれない費用（入退院に伴う交通費や個室代など）や、退院後すぐに必要となるベビー用品代も見込んでおくと安心です。
さらに、出産前後は働けず収入が減ることも多いため、生活費の一部も備えておくと心強いでしょう。
以下に、最低限50万円の根拠となる費用内訳をまとめました。
| 費用項目 |
金額の目安 |
備考 |
| 妊婦健診・検査の自己負担 |
70,000円 |
助成を超える分や
里帰り出産時の立て替えなど |
出産時の自己負担
|
100,000円 |
出産育児一時金で
カバーしきれない分
（個室代・交通費など） |
| ベビー用品購入費 |
50,000円 |
オムツ・肌着・哺乳瓶など
退院後すぐに必要なアイテム |
| 入院時の日用品・付き添い雑費 |
30,000円 |
パジャマ・洗面具・面会交通費など |
おむつ・ミルクなど
継続的に必要な日用品 | 30,000円 | 月10,000円として
3ヵ月分を想定 |
| 収入減少にそなえた生活費の一部 |
220,000円 |
産休・育休中の手取り減を
カバーする生活費（1ヵ月分を想定） |
| 合計 |
約50万円 |
|
費用の内容や金額は家庭によって異なるので、自分たちの暮らしや出産スタイルに合った備え方考えることが大切です。
余裕を持ちたい場合は100万円
余裕を持ちたい場合は100万円を準備しておくことで、妊娠・出産にかかるさまざまな出費に備えやすくなります。
帝王切開や合併症などで入院費が高額になるケースもあり、出産育児一時金だけではまかなえないことも少なくありません。
また、赤ちゃんの通院のためにタクシー代がかかったり、ベビー用品の買い足しや外出用グッズ・母乳相談・骨盤ケアといった思わぬ出費が発生することもあります。
こうした支出にゆとりを持って対応するためにも、"余裕を持ちたい方は100万円"をひとつの目安として、計画的に準備を進めておくと安心です。
以下に、100万円を準備する場合の想定内訳をまとめました。
| 費用項目 |
金額の目安 |
備考 |
| 妊婦健診・検査の自己負担 |
70,000円 |
助成を超える分や
里帰り出産時の立て替えなど |
| 出産時の自己負担 |
100,000円 |
出産育児一時金で
カバーしきれない分
（個室代・交通費など） |
| ベビー用品購入費 |
50,000円 |
オムツ・肌着・哺乳瓶など
退院後すぐに必要なアイテム |
| 入院時の日用品・付き添い雑費 |
30,000円 |
パジャマ・洗面具・面会交通費など |
おむつ・ミルクなど
継続的に必要な日用品 |
30,000円 |
月10,000円として
3ヵ月分を想定 |
医療費の追加負担
（帝王切開・合併症など） |
200,000円 |
医療保険適用で
カバーできるケースもある |
無痛分娩など
任意の出産オプション費用 |
200,000円 |
希望者のみ・施設によって金額が異なる |
| 産後ケア・体調管理費 |
50,000円 |
整体・鍼灸・骨盤ケアなど
回復サポート |
| 収入減にそなえた生活費の追加 |
2700,000円 |
産休・育休中の手取り減を
カバーする生活費
（1ヵ月分+αを想定） |
| 合計 |
約100万円 |
|
すべての家庭に同じ準備が必要なわけではないので、暮らしや価値観に合わせて、柔軟に計画していきましょう。
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出産費用を貯める方法3ステップ
出産費用を貯める方法3ステップを解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- 1.目標額を夫婦共同で決める
- 2.給与から先取り貯金する
- 3.医療保険で予期せぬ出費に備える
3つのステップを意識することで、無理なく安心できる出産費用の準備が始められるので、ぜひ参考にしてください。
1.目標額を夫婦共同で決める
目標額を夫婦で一緒に決めることで、出産費用を無理なくコツコツと貯め続けやすくなります。
おたがいの収入や支出を共有しながら目標を立てることで、「いくらなら現実的に貯められそうか」「どこを見直せばよいか」といった見通しが立てやすくなるからです。
例えば、世帯全体で見て、食費やサブスクなどに見直せる部分があるとわかれば、毎月の余剰金を少しずつ貯金に回す工夫ができるでしょう。
さらに、育休中の収入減についてもあらかじめ話し合っておくことで、貯金のペースや支出の優先順位にゆとりを持たせやすくなります。
また、後述する"出産前後でかかるお金"と"もらえるお金"の両方をあらかじめ整理しておくと、本当に必要な目標金額をムダなく設定しやすくなります。
あわせて参考にしてみてください。
2.給与から先取り貯金する
給与から先取り貯金することで、出産費用を無理なくコツコツと貯めやすくなります。
あとから残ったお金で貯めようとすると、月によって残高が変わりやすく、安定した貯金がむずかしくなるためです。
先取り貯金の一例としては、給与が入ったらすぐに毎月の目標額を別口座に移し、ないものとして生活費をやりくりする方法があります。
この仕組みをつくっておくことで、出費の誘惑に左右されにくくなり、自然とお金が残る状態をつくれます。
金額の目安は家庭によって異なりますが、まずは無理のない金額から始めてみるとよいでしょう。
3.医療保険で予期せぬ出費に備える
先取り貯金とあわせて、
民間の医療保険で予期せぬ出費に備えておくと、出産に向けた貯金を安心して続けやすくなります。
妊娠中のトラブルや異常分娩によって、医療費が高額になるケースもあるためです。
例えば、妊娠高血圧症候群や帝王切開などは、保障の対象となっている保険も多く、給付金を受け取れる場合があります。
すでに保険に入っている方は、妊娠・出産に関する保障が含まれているか、早めに確認しておくと安心です。
医療保険を味方につけておけば、予期せぬ出費にも慌てずにすみ、日々の貯金も続けやすくなります。
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出産前後でかかる主なお金
出産前後でかかる主なお金を、時期ごとに3つに分けて解説します。
紹介する費用は、以下のとおりです。
- 妊娠期間中：妊婦健診費
- 出産時：分娩・入院費
- 出産後：ベビー用品・産後ケア費
出費の時期と内訳をあらかじめ知っておくことで、いつまでにいくら必要かを逆算しやすくなります。
すべてのご家庭に同じ費用がかかるわけではありませんが、備えの参考にしてみてください。
妊娠期間中：妊婦健診費
妊娠中の健康管理に欠かせない妊婦健診費をあらかじめ把握しておくことで、出産前後の支出を現実的に見積もりやすくなります。
妊婦健診の初診は1万円前後、2回目以降も検査内容によっては1万円を超えることがあります。
一般的には14回程度の受診が必要とされ、合計で10万円以上かかるケースも珍しくありません。
ただし、妊婦健診には自治体の助成制度があり、多くの場合、自己負担を大きく減らすことができます。
助成を適用したあとの自己負担の目安は、4万〜7万円程度が一般的です。
助成の回数や内容は自治体によって異なるため、事前にホームページや窓口で確認しておくと安心です。
後述の"出産前後でもらえる主なお金"も、あわせて参考にしてみてください。
出産時：分娩・入院費
出産時にかかる費用として大きいのが、分娩・入院費です。
この金額をあらかじめ見積もっておくことで、必要な貯金額の目安が立てやすくなります。
厚生労働省の令和5年度の調査によると、正常分娩にかかる全施設の平均費用は約51万円（※1）とされています。
正常分娩は健康保険の適用外であるため、出産費用は全額自己負担となるのが基本です。
ただし、健康保険からは"出産育児一時金"（原則50万円）（※2）が支給されます。
後述の"出産前後でもらえる主なお金"も、あわせて参考にしてみてください。
※1参照：出産費用の状況等について｜厚生労働省
※2参照：出産育児一時金の支給額・支払方法について｜厚生労働省
とはいえ、地域や施設、分娩方法（自然分娩・無痛分娩・帝王切開など）によっては、追加費用がかかり、自己負担が発生するケースもあります。
かけがえのない家族を迎える準備だからこそ、金額の目安を知り、自分たちのできる範囲で備えておくことが大切です。
出産後：ベビー用品・産後ケア費
ベビー用品や産後ケアにかかる費用をあらかじめ見積もっておくことで、出産後の出費に慌てず対応しやすくなります。
赤ちゃんを迎えた直後は不慣れなことが多く、家計の管理に手が回らなくなることもあるため、事前に見通しを立てておくことが大切です。
例えば、おむつやミルクなどの継続費用には、月に1万〜2万円ほどかかるケースが一般的です。
また、産後1ヵ月を過ぎてお出かけが増えると、チャイルドシート・抱っこ紐・ベビーカーなどの購入費もかさみ、合計で5万〜15万円ほどになる場合もあります。
さらに、母乳相談や骨盤ケアなどに数ヵ月定期的に通うと、トータルで5万円前後かかることもあります。
こうした費用をあらかじめ把握しておくことで、無理のない育児スタートが切れるはずです。
「出産後の費用は、必要最低限に抑えたい」
「出産後のお金の流れが読めなくて不安」
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相談実績100,000件以上の確かな実力があるので、ぜひお気軽にご相談ください。
出産前後でもらえる主なお金
出産前後でもらえる主なお金を、5つ解説します。
紹介する制度は以下のとおりです。
- 妊婦健診の助成
- 出産育児一時金の支給
- 高額療養費の支給
- 医療費控除
- 自治体や勤め先からの出産祝い金
もらえるお金を上手に活用することで、家計の負担を抑えながら、安心して出産に備えやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
妊婦健診の助成
妊婦健診は、
すべての自治体で公費による助成制度が用意されており、費用の大部分をカバーできます。
母子健康手帳の交付時に一緒に渡される、健診費用の助成券などを利用することで、多くの検査費用を軽減できます。
ただし、助成の内容や回数は自治体によって異なるため、事前にホームページや窓口で確認しておくことが大切です。
なお、里帰り出産を予定している場合は、助成券がそのまま使えないこともあります。
一時的に健診費用を立て替え、あとから申請する形になるケースもあるため、事前に必要な書類や手続きについて、住んでいる自治体に確認しておくと安心です。
出産育児一時金の支給
出産育児一時金の制度を理解しておくことで、出産費用の見通しを立てやすくなります。
この制度では、出産後に子ども1人につき50万円が支給されます。
原則として、健康保険組合から医療機関へ直接支払われる仕組みになっており(※)、出産費用の自己負担を大きく軽減できます。
また、出産費用が50万円を下回った場合は、差額を申請して受け取ることも可能です。
対象となるのは、健康保険に加入しており妊娠4ヵ月以上で出産した方です。
高額療養費の支給
高額療養費制度を確認しておくことで、出産費用が高額になった場合の備えがしやすくなります。
高額療養費制度とは。1ヶ月の医療費が一定額を超えたときに、その超過分が払い戻される仕組みです。
異常分娩や合併症による入院・手術なども、健康保険が適用される場合は対象になります。
また、"限度額適用認定証"を事前に提出しておけば、窓口での支払いを抑えることができ、あとからの払い戻しを待たずに済むのも安心です。
注意点は、対象となるのは保険が適用される治療費に限られ、差額ベッド代や食事代などは含まれないことです。
高額療養費制度は、同じ月に家族が他の病院を受診した医療費なども合算できるため、世帯全体での負担軽減にも役立ちます。
医療費控除
医療費控除を活用することで、出産前後にかかる費用の一部が、あとから戻ってくる可能性があります。
医療費控除とは、1月1日〜12月31日の1年間の医療費が一定額（基本は10万円）を超えた場合に、確定申告を通じて所得控除が受けられるしくみです。
妊婦健診などで通院した際の交通費なども対象となり、家族全員の医療費を合算することもできます。
ただし、保険金などで補填された金額は差し引く必要があります。また、ベビー服や育児グッズの購入費は控除の対象外です。
適切に申告することで、数万円単位の還付を受けられることもあり、出産後の家計を支える心強い制度です。
自治体や勤め先からの出産祝い金
自治体や勤務先からの出産祝い金を事前に確認しておくことで、思わぬ支援を見逃さずにすみます。
自治体からは数万円の祝い金が支給されることもあり、出産前後の費用負担を軽くする助けになります。
自治体によって金額や対象条件が異なるため、住んでいる地域のホームページや窓口で確認してみましょう。
また会社員の方は、福利厚生の一環として祝い金が出るケースもあるため、就業規則や社内制度もあわせて確認しておくと安心です。
こうしたお金も把握しておくことが、家計にゆとりを持たせる第一歩につながります。
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出産費用の貯め方に関するよくある質問
出産費用の貯め方に関する、よくある質問を2つ解説します。
紹介する質問は以下のとおりです。
- 出産費用の自己負担額の平均はいくらですか？
- 出産費用が50万円足りない場合はどうすればいいですか？
よくある疑問を整理しておくことで、自分にはどんな備えが必要かが見えやすくなり、現実的でムリのない対策をとりやすくなりるので、ぜひ参考にしてみてください。
出産費用の自己負担額の平均はいくらですか？
厚生労働省の令和5年度の調査によると、正常分娩にかかる全施設の平均費用は約51万円（※）とされています。
一方で、出産育児一時金として子ども1人につき原則50万円が支給されるため、出産費用が平均額程度であれば、自己負担は比較的少なく済む場合が多いです。
ただし、分娩費用は施設の種類や出産方法（無痛分娩・帝王切開など）によって大きく変動します。
また、妊婦健診は原則として健康保険の適用外であり、公費による助成を利用しても4万〜7万円程度の自己負担が生じるケースが一般的です。
このように、出産にかかる自己負担額は事情によって異なるため、平均値だけでなく自分たちの状況に合わせて準備金を見積もっておくことが大切です。
安心して出産を迎えるためにも、早めに貯金計画を立てておきましょう。
出産費用が50万円足りない場合はどうすればいいですか？
出産費用が50万円足りない場合は、公的制度や一時的な資金調達の選択肢を、できるだけ早めに検討しておくことが大切です。
市区町村によっては、出産費用の貸付制度を設けているところもあるため、まずはお住まいの自治体に確認してみましょう。
また、親族や信頼できる人に事前に相談しておくことや、クレジットカード払いに対応した医療機関を選ぶことも、一時的に資金を確保する手段として有効です。
ただし、いずれの方法も、後日の返済や支払いに備えて、無理のない範囲で利用することが大切です。
出産費用の不安は計画的な準備で解消できる【まとめ】
出産費用の不安は、計画的な準備で、ぐっと軽くすることができます。
まずは、必要な貯金額の目安と、支出のタイミングを把握することが大切です。
そのうえで、妊婦健診の助成や出産育児一時金などの“もらえるお金”を上手に活用し、先取り貯金や医療保険の準備をしいておけば、いざというときも慌てずにすみます。
とはいえ、限られた時間と体調の変化が大きいなかで、制度を調べたり、家計と向き合ったりするのは、決して簡単なことではありません。
出産費用の貯め方に不安がある方は、一人で抱え込まずに専門家（FP）への相談をおすすめします。
「自分の場合、出産費用にどれくらい備えれば安心？」
「助成制度や給付金、ちゃんと使いこなせるか不安……」
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