IgA腎症でも生命保険に入れる？保険加入の可否や公的保障制度についても解説

結論、IgA腎症に罹患していても、生命保険に加入できる可能性はあります。

生命保険に申し込む際、自身の病歴などについて生命保険会社に伝える「告知義務」があり、IgA腎症も告知が必要です。

告知の内容によって、以下のいずれかの保険に加入できる場合があります。

• 部位不担保の生命保険
• 引受基準緩和型保険

ここからは、上記2つの保険の特徴を解説します。

IgA腎症でも加入できる可能性のある1つめの保険は「部位不担保の生命保険」です。

IgA腎症は現症でも既往症でも引受が難しい病気ですが、一部のがん保険なら加入できる可能性があります。

部位不担保とは、保険会社が指定した身体の部位が保障の対象外になることを指します。

部位不担保の生命保険は指定された部位以外は通常の生命保険と同様に保障されます。

腎臓が部位不担保になったとしても、ほかの身体の部位について手厚い保障を受けたい場合は部位不担保の生命保険を検討しましょう。

2つめは、引受基準緩和型保険です。

IgA腎症に罹患しているなど何らかの理由で通常の生命保険に加入できない場合、部位不担保をつけずに引受基準緩和型保険を選択したほうが良いケースがあります。

引受基準緩和型保険は告知内容が通常の生命保険よりも少なく、以下の告知内容に該当しなければ加入できます。

• 現在入院をしているか、または最近3ヵ月以内に医師から入院や手術をすすめられたことがあるか
• 過去1～2年以内に入院または手術を受けたことがあるか
• 過去5年以内にがんまたは上皮内新生物・肝硬変・認知症・統合失調症・アルコール依存症などで医師の診断・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがあるか

IgA腎症は慢性的な病気のため完治が難しく、通常の生命保険には加入できない可能性があります。

定期的な検査や治療の費用をカバーするには、引受基準緩和型保険への加入を検討してみましょう。

引受基準緩和型保険は部位不担保と違って、保険会社が指定する部位が対象外になることなく保障されます。

ただし、加入条件が緩い分だけ保険料が割高の傾向にあり、引受基準緩和型保険の種類によっては保障内容や金額が限定されていることがあるので注意が必要です。

2つめの注意点は、複数の生命保険を比較検討することです。

ひとくちに「生命保険」といっても、死亡保険や医療保険などさまざまな種類があり、保険会社や商品によって加入条件・保障内容・保険料などがまったく異なります。

同じ「IgA腎症」の方でも必要な保障や入れる保険の種類が異なるため、それぞれの治療状況に合う保険に加入する必要があります。

1つの保険だけ見て選んでしまうと、その生命保険が本当に最適な保障なのかわからないため、最適な保険に加入するために複数の保険を比較して選ぶことが重要です。

3つめの注意点は、保険の専門家（FP）に相談することです。

IgA腎症が原因で生命保険に加入できない場合、保険の専門家（FP）に相談することも検討しましょう。

保険の専門家（FP）はあらゆる保険の加入条件やプラン内容を熟知しており、相談者の方のIgA腎症の治療状況に応じて適切な保険を案内してくれます。

また、専門家ならIgA腎症の方が抱えやすい疑問や不安についても丁寧に解説してくれます。

IgA腎症でも入れる生命保険（医療保険）を探している方は、まずは相談してみましょう。

IgA腎症とは、腎臓の糸球体に 免疫グロブリンの「IgA」という蛋白が沈着する慢性腎臓病の一種で、難病指定されることもあります。

診断する際は腎臓の組織を一部採取して顕微鏡で調べる「腎生検」が必要です。

末期腎不全へと進行することもあり、その場合は透析や腎臓移植などの腎代替療法と呼ばれる治療をすることになります。

主な治療には食事療法があり、IgA腎症の程度に関係なく減塩が重要になります。

また、腎機能が低下している場合はたんぱく質制限をすることもあります。

ここからは、IgA腎症で利用できる公的保障制度を解説します。

具体的に利用できる公的保障制度は以下のとおりです。

• 難病医療費助成制度
• 障害年金
• 高額療養費制度

IgA腎症の方が民間の生命保険の保障を受けられない場合でも、上記の公的制度の保障を受けることは可能です。

IgA腎症の方が利用できる1つめの公的保障制度は、難病医療費助成制度です。

IgA腎症は「指定難病」に該当し、重症度基準を満たした場合には難病医療費助成制度の対象になります。

医療費助成の認定を受けたあとは、指定難病の診療に支払う医療費の自己負担額に上限が設けられます。

上限額は患者の世帯収入などによって異なりますが。0円～30,000円／月の間で決められます。

ただし、入院時の食事代や差額ベッド代などは本制度の対象外です。

3つめは、高額療養費制度です。

高額療養費とは、病気やケガなどで高額な医療費がかかった場合に、一定額以下に自己負担を抑えてくれる制度を指します。

一般的に、医療費の自己負担は1～3割ですが、長期の入院や高額な手術をすると自己負担が一定の上限額を超えることがあります。

月初から月末までにかかった医療費がその一定の自己負担限度額を超えた場合、高額療養費制度によって超えた金額分が払い戻されます。

ひと月ごとの上限額は年齢や年収によって異なります。 例えば69歳以下の方の年収が約370万円～約770万円の場合、上限額の計算式は「80,100円＋（医療費－267,000円）×1％」です。

ここでは、IgA腎症の生命保険に関するよくある質問と回答を解説します。

今回集まった質問は以下のとおりです。

• Q1：既往歴があると生命保険の加入は難しいですか？
• Q2：IgA腎症でもがん保険は入れますか？
• Q3：既往がある場合は告知義務にどう対応すべきですか？

IgA腎症の既往歴がある場合、無条件で通常の生命保険に加入できる可能性は低いでしょう。

ただ、保険会社や生命保険によっては、以下のような条件付きで加入できる可能性もあります。

• 部位不担保の生命保険
• 免責期間ありの生命保険
• 引受基準緩和型保険

IgA腎症に罹患している場合、現症でも既往症でも引受が難しいケースが一般的です。

ただ、保険会社や保険商品によっては、条件を満たせばがん保険に加入できる可能性はあります。

例えば「治療終了から3年以上が経過している」などの条件を満たす場合、一部のがん保険で加入できる場合もあります。

自身の症状で加入できるがん保険があるか気になる方は、保険の専門家（FP）への相談がおすすめです。

すでにIgA腎症に罹患した経験がある場合、既往症として保険会社に告知する義務があります。

IgA腎症に限らず、現在まだ病気に罹患していたり、過去に病気になったりした経験がある場合、対象外の疾病やケガを除いて告知が必要です。

告知の内容をわざと軽くしたり、告知しなかったりすると告知義務違反に該当し、保険契約の強制解約などのペナルティを受けることになるため注意が必要です。

治療状況に応じた正しい告知の方法がわからない方は、保険の専門家（FP）に相談しましょう。

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