未来リスクと保険料の行方から考えるESG・AI時代の保険選択についてのサムネイル画像

今回は、青山学院大学 国際マネジメント研究科にご在籍で、コーポレート・ガバナンスやアクチュアリーサイエンスなどを研究されている伊藤 晴祥教授にマネーキャリア編集部が独自インタビューを行いました。

この記事の目次

伊藤 晴祥教授のプロフィール

所属

青山学院大学 国際マネジメント研究科 国際マネジメント専攻

青山学院大学 国際マネジメント研究科 国際マネジメントサイエンス専攻(併任)


学位・学歴

青山学院高中部高等部 卒業 青山学院大学 国際政治経済学部 国際経営学科 卒業

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 修士 修了 修士 (政策・メディア)

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士 (政策・メディア)

ハワイ大学シャイドラー経営大学院 金融工学専攻 修士 修了 金融工学修士

ハワイ大学シャイドラー経営大学院 国際経営学専攻 博士 修了 国際経営学博士 (経営学)


職歴

2023/04/01 ~ 青山学院大学 大学院国際マネジメント研究科 国際マネジメントサイエンス専攻(併任) 教授

2023/04/01 ~ 青山学院大学 大学院国際マネジメント研究科 国際マネジメント専攻 教授 2019/04/01 ~2023/03/31 青山学院大学 大学院国際マネジメント研究科 国際マネジメント専攻 准教授

2015/08 ~ イトックス株式会社 代表取締役

2013/09/01 ~2019/03/31 国際大学大学院国際経営学研究科 准教授

2013/04/01 ~2015/08/31 国際大学大学院国際経営学研究科 講師  



受賞

2023/11 青山学院大学 青山学院学術賞 (パンデミックリスクマネジメントの体系化とパンデミックリスクファイナンスの価値評価に関する研究)

2022/06 生命保険文化センター 研究助成の成果論文表彰制度 優秀論文賞 (リスクファイナンスを利用したパンデミックリスクマネジメントに関する一考察)

2018/10 日本保険学会 第8回日本保険学会賞(論文の部) (リスクマネジメントが企業価値へ与える影響の一考察―完備性および非完備性下での検証― (保険学雑誌, 639, 1-35, 2017))

2010 皇太子明仁親王奨学金

2003/07 青山学院大学 学業奨励賞


論文(一部抜粋)

サステナビリティリンクボンドの価値評価―リターンおよびインパクトとリアルオプション― オペレーションズ・リサーチ 70 (4),225-234頁 (単著) 2025/04

生命保険会社の価値を最大化するコーポレートガバナンスについての一考察 ―株主第一主義、ステークホルダー理論、エージェンシー理論、 スチュワードシップ理論による検証― 生命保険論集 (226),103-136頁 (単著) 2024/03

人工降雪, 人工造雪, 天候デリバティブを利用した積雪リスクマネジメント: 新潟県に所在する一スキー場の事例を用いた検証 保険学雑誌 (663),1-45頁 (単著) 2023/12

サステナブルインシュランスの実現可能性に関する研究 : Baloise Assurances Luxembourgが販売した100% Sustainable Life Insuranceを事例として 生命保険論集 (222),235-348頁 (単著) 2023/03

保険会社が取り組むべきパンデミックリスクファイナンスに関する一考察: パンデミックボンドと相互支援プログラムを事例として 保険学雑誌 (639),29-70頁 (単著) 2022/12

リスクマネジメントが企業価値へ与える影響の一考察 ー完備性及び非完備性下での検証ー 保険学雑誌 639 1-35 (単著) 2017/12

Managing Weather Risks: The Case of J. League Soccer Teams in Japan, Journal of Risk and Insurance, 83(4) 877-912 (共著) 2016/12 


他多数


引用:researchmap

【伊藤教授からの紹介】サステナビリティ・マネジメント講座について

青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(通称ABS)が提供する 「サステナビリティ・マネジメント講座」 は、企業の持続的成長を支える サステナビリティ経営の実践力を体系的に学ぶ履修証明プログラムです。


目的は、サステナビリティの本質やタクソノミー、ガイドライン、規制・規格までを理解し、企業戦略や事業計画にサステナビリティを統合できるエキスパートやサステナビリティオフィサーを育成することにあります。


具体的には、ケースメソッドや実務事例を用いた講義・ディスカッションを通じて、理論的思考と実践スキルを高めるカリキュラムが組まれており、最終発表では受講者が自らの課題に対する解決策を提示し、アウトプット能力も磨きます。


また、サステナビリティ経営に関する基礎知識を身につけたい人向けに、Pre-MBA科目も用意し、ファイナンスや統計分析、環境政策などの基礎力を強化する構成になっています。修了者には、学長名の履修証明書が交付され、企業のサステナビリティ戦略立案や新規事業開発、情報開示などの実務に直結する知識・スキルを得られるよう設計されています。


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企業財務と保険会社のガバナンスについて


伊藤教授のインタビュー画像1

保険会社ならではのガバナンスの重要性とは何か

質問
一般の会社でも「経営の透明性」や「ガバナンス」が重要だと言われますが、私たちの保険料を預かる保険会社ならではのガバナンスの重要性は、どこにあるとお考えですか? 

ガバナンスといった場合、

  • 取締役会等が経営者を監督するコーポレートガバナンス
  • 経営者が従業員などを監督するガバナンス

の2つに整理されますが、今回は後者ということですので、後者について回答します。


私達の保険料を預かる、つまり、保険会社の顧客にとっての保険会社の重要な役割は、保険金を約束通り支払えるかという点にあります。


保険金支払事由があっても支払わないという、法令遵守や従業員の倫理観の問題もありますし、保険会社が保険料の運用の失敗などにより保険金を支払う十分なお金がなく支払えないという点では、投資やそのリスクマネジメントについてもガバナンスの対象となります。


そして、保険契約においても、無理なリスクを負っていないか、保険会社が負っているリスクに対して適切なリスクマネジメント、再保険の購入などのリスク移転を実施しているか等もポイントとなってきますので、ガバナンスは重要です。


保険会社ならではと言えば、上記のようなリスクが保険会社にはありますので、保険会社のガバナンスには、高度な、専門性の高いリスクマネジメントに関する知識やスキルが求められます。


その上で、経営者が自己の利益のために従業員に保険金の支払いを出し渋るような可能性が無いとも言えませんので、経営者が適切な経営をしているかどうかを監督するコーポレートガバナンスも重要となってくると思います。


保険会社には事業会社にはない相互会社という形態があり、保険契約者が「社員」、すなわち事業会社における株主のような立場で経営者を監督するのですが、総代会といって、保険契約者の代表がその役割を担っていますが、その実効性も課題になっています。


一概に株式会社の方が、コーポレートガバナンスが優れていると断定できるわけではなく、株式会社の場合には、経営者、保険契約者、そして株主と3者の利害関係を調整する必要があるので、保険会社の場合にはより高度なガバナンスやコーポレートガバナンスが求められます。 

30〜40代が「信頼できる保険会社」を見極めるポイント

質問
30〜40代の生活者が保険会社を選ぶとき、「この会社は信頼できる」と判断するうえで、実は見ておくべきポイントがあれば教えてください。 

これは、あくまでも個人的な考えになりますが、最後は人だと思います。


そのため、できればその保険代理店や保険会社に勤める方と直接かかわりを持っていただき、その人となりをみて信頼できそうだと思えば、その会社も信頼できると思いますし、そうではないと思えば、そうではない可能性があると思いますので、普通の社会生活と変わらないと考えます。


その上で、最近では人と会話せずに保険に加入できる「ネット保険」なども数多く出てきていますので、公の情報開示から判断せざるを得ない場合も多いと思います。


そのような中で、こちらも私見になりますが、綺麗事だけではなく、会社にとって都合の悪いことも開示しているかどうか、どの保険会社も多かれ少なかれ過去に不祥事はありますので、そのことと真摯に向き合っているかどうかなどを見て頂くのが良いと思います


また、上記の質問とも関連しますが、権力は腐敗しますので一時は良くても、継続的に良い会社と言えるかどうかについて、腐敗したときにその構造を一新できるかどうかは、コーポレートガバナンスに依存すると思いますので、その構造も見ておくと良いでしょう。


したがって、このコーポレートガバナンス構造が経営者の自己保身のためになっているのか、保険契約者のためになっているのか、という点で見て頂ければと思います。

ESG・サステナビリティと保険の未来


伊藤教授のインタビュー画像2

ESGは保険にどう影響しているのか

質問
最近よく聞く「ESG(環境、社会、企業統治の3つの観点から企業の持続可能性を評価し、それらを重視した投資や経営を行う概念)」や「サステナビリティ」は、生活者から見ると少し抽象的な印象があるなか、保険という身近な存在に、どのような形で影響しているのでしょうか? 

主に、3つの形で影響があると思います。


まず1つ目に、保険会社は公共的な存在であり、その顧客は日本の場合は保険浸透率が極めて高いので、ほとんどの日本国民が顧客であると言っても良いでしょう。


そうすると保険会社は、公益的な活動、例えばスポーツ振興などに皆様の保険料を使っていますが、「保険会社が行っている社会貢献活動」が「皆様の考える社会貢献活動と一致しているか」は見て頂く必要があると思います。


そのような意味では、皆様が共感を覚えるような社会貢献活動をしているのであれば、保険会社が、これらの社会貢献活動をESGやサステナビリティとして世の中に貢献しているという見方もあると思います。


一方で、極端に言えば、そのような活動にお金を使うくらいであれば、保険料を安くしてほしいという保険契約者の方もいらっしゃると思います。そのため、保険会社の社会貢献活動が皆様の価値観に従ったものになっているかという観点から、保険会社を選別していくことは大切であると考えています。


次には、保険会社は保険料を、保険金を支払うまでの間投資を行っていますが、その投資に、ESGやサステナビリティを考慮することをほとんどの保険会社が謳っています。「考慮する」とあえてあいまいにしましたが、考慮する方法は様々にあります。


投資成果が良いほど保険料は安くできますので、これらの投資から収益が高くなれば経済的なメリットが保険契約者にはありますが、経済的なリターンを軽視して、サステナビリティや社会性を重視する場合には、保険料が高くなる可能性もあります。


そして3つ目に、サステナビリティも広く言えばSDGsの3番、「すべての人に健康と福祉を」というものがありますので、健康増進型の保険のように、歩けば保険料が安くなるもの、古くは、喫煙習慣がある場合には、保険料が高くなるあるいは保険に加入できないという形で、保険商品そのものにも影響がある場合もあります。


最近は、歩く習慣がある人に保険料を段階的に安くし、逆に運動してない人には保険料を今後高くしていくような保険もあります。このように、保険が我々の行動を変えていくような影響もあるのではと考えております。


上記3つが主な影響ですが、さらに、気候変動対策として、

  • GHG(温室効果ガス)の排出量削減等の緩和策
  • 気候変動が起きても激甚災害のリスクを抑えようとする適合策

があります。後者はスーパー堤防、貯水池を設けるようなものがありますが、このようなファイナンスのためにレジリエンスボンド(気候変動に伴う自然災害への適応や、都市のインフラ強化を目的とした事業に資金を限定して発行される債券)を東京都が発行しています。今後、このような債券に保険会社が投資をすると、国全体や地方自治体の災害の影響が減少し、私達の生活への影響が減少するかもしれません。


そして、これにより、保険金支払額が減少すれば、保険料の減少というメリットもあるかもしれません。 

ESG経営は保険料や保障内容を変えるのか

質問
保険会社がESGを意識することで、将来的に「保険料が変わる」「保障内容が変わる」といった、私たちの暮らしに実感できる変化は起こりうるのでしょうか? 

上記の質問で、少し述べましたがその可能性は大きくあります。保険料については、増える可能性も低くなる可能性もあります


保障内容についても、健康増進型保険のように保険料支払いの事由は同じでも、保険料が健康状態に応じて増加したり減少したりします。たとえば、保険契約者の健康習慣や歩行頻度などが保険料に影響します。


また、免責事項も変わる部分があると考えています。最近ではいろいろな人が保険に入れるような「インクルーシブインシュアランス」といった、低所得層やこれまで保険サービスを受けられなかった人々を含め、誰もが手頃な価格で基本的な補償を受けられるようにする保険の仕組みも出てきたりしています。


保険会社が包摂的な社会を意識してきており、既往症があった場合には保険に入れなかったケースでも最近では入れるようになってきています。できる限り安い保険料で入れるような保険が開発されていくという方向性もあると思います。


このようなインクルーシブインシュランスの考え方が拡大することを期待しています。  

災害・気候・感染症リスクと保険の役割

パンデミックと自然災害が変えた保険の役割

質問
自然災害やコロナのようなパンデミックを経験したことで、保険の役割にどのような変化がありましたでしょうか? 

基本的には、困ったときに保険金を支払うという「保険の役割」は変わらないと思います。


ただ、保険会社の役割については少し変わってきている部分もあると考えています。自然災害やコロナのように保険会社からすると莫大な保険金を支払わなければならない事由の場合には、保険会社がリスクを負って保険を引き受けることが難しくなってきており、そもそもそのような損害が発生しないようにするという方向(リスクコントロール)になっていると思います。


例えば、保障から予防へということを謳っている健康増進型保険や、火災保険や地震保険でも、耐震などの対策をしている場合には保険料を下げる、また、ハザードマップなどの情報提供を行う等があります。


このように保険自体の仕組みで、人々の行動変容を促すということも今後、保険の役割になってくると考えています。 

子育て・共働き世帯が備えるべき「新しいリスク」

質問
子育て世帯や共働き世帯にとって、これからの時代に特に意識すべき「新しいリスク」と保険の付き合い方を教えてください。 

保険との付き合い方でいうと、自然災害が激甚化すると保険ではリスクをカバーしきれないケースも出てきます。


そうなると

  • 災害リスクが低い地域に住む等のリスクマネジメントの実行
  • 保険による補償が不十分である場合に備えて貯蓄や投資を適切に行う

というように保険だけに頼るのではなく、個人個人が全体的にリスクマネジメントを考える必要があります。


また、子育て世代、とは少し離れてしまうのですが、例えば企業の場合には「サイバーリスク」への対応も検討しておかないと、訴訟になってしまう可能性があるので、上記のガバナンスとも一緒ですが、「保険会社がきちんと対策をしているかどうか」ということが大事になってくるのではと思っています。


あとはサイバー攻撃などを受けたときに補償する保険や、経営者が責任を問われた時に保障するD&O保険などの保険があるのですが、ただ保険に入っていれば経営者や取締役は安泰かというと、そうではないという時代にはなってきていると思います。


保険だけに頼るのではなく、総合的なリスクマネジメントを考えることが重要です。 

保険会社の資産運用と金融商品の価値評価


伊藤教授のインタビュー画像3

保険会社の資産運用の仕組みと生活者が知るべき基礎知識

質問
私たちが払っている保険料は、積立型保険や相互扶助の観点を踏まえ、保険会社の資産運用を通じて増やされたり守られたりしているなか、生活者として、最低限知っておくべき仕組みは何でしょうか? 

アクチュアリーサイエンスなどの専門家にならないまでも、理想としては、保険料がどのように計算されているかを知り、その保険料が割安か割高かを判断できるようになって頂きたいと思います。


単純には、支払保険金の期待値にある程度の上乗せをしているのが保険料です。保険金額の期待値を計算するためには確率の知識が必要ですが、そのあたりを押さえて頂きたいと思います。


例えば医療保険であれば、

  • 怪我あるいは病気になった場合保険金支払い額がいくらになるのか
  • 怪我あるいは病気になる確率が何%なのか
  • 保険金額の期待値からすれば、保険料金はこのくらいになるべきなのに、実際にはこのくらい上乗せされて提供されている

といったときに、それが割高なのか割安なのかという自分の判断基準を持っていただくことが大切であると思います。


当然、保険会社はビジネスなので、ある程度の上乗せはありますが、その上乗せ分が皆さんにとって許容されるものなのかどうかを判断できるようになって頂きたいと思います。


資産運用の部分は、予定利率という形で保険料に反映されます。資産運用に強い会社は、予定利率が高く、保険料が安くなる可能性がありますので、この点も押さえると良いと思います。逆に、予定利率が低いと保険料が高くなります。


最後は、リスクを理解して購入する分には全く問題ないのですが、外貨建ての保険や年金保険の場合、為替リスクは、金利リスクや株価変動と比較しても非常に大きいので、保険だけではなく投機の要素もあることもご理解いただければと思います。

金利変動時代における保険商品の価値の見極め方

質問
近年は金利変動や市場不安もあり、保険商品も「本当に価値があるのか」見極めが難しいと感じます。伊藤教授は昨今での金融商品・保険商品の価値をどう評価すべきだとお考えですか? 

結論から申し上げると、個人のリスク回避性などによって、保険の「価値」は変わってきますので一概には言えませんが、日本は諸外国と比較して保険浸透率は高いので、価値があると考えている人が多いのではと思います。


その上で、私が計算した限りでは、日本の保険は付加保険料率が諸外国よりも高いこともありますので、先ほどの答えと重なりますが、その保険料が「納得のいくものであるか」の判断をして頂くことになると思います。


なお、金利変動や市場不安があってもそのリスクをヘッジするような、スワップや先物などの金融商品はありますので、そのような金融商品と併せて購入することで、リスクを抑える方法もあることも知って頂ければと思います。 

InsurTech(AI × 保険)と保険ビジネスの変革


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AIは保険をどのように変えるのか

質問
近年は金利変動や市場不安もあり、保険商品も「本当に価値があるのか」見極めが難しいと感じます。伊藤教授はAI時代における金融商品・保険商品の価値をどう評価すべきだとお考えですか? 

そもそも保険は約款自体の文言も多くそれが難解であると思うのですが、難しさは残ると思います。AIは要点を教えてくれますが、誤る可能性もありますので、ご自身で約款を見て頂く必要はあると思います。


AIやデータ活用が進めば保険商品や保険会社自体も進歩して、時代にあった商品なども増えてくるとは思いますが、AIやデータはあくまでも「利用」するものですので、ご自身で考え、判断する力を身に着けることが今後はさらに求められると思います。 

AI活用に伴う課題とその対策

質問
AIやデータが判断する保険に対して、どのような課題と対策が考えられますか? 

AIやデータの判断には誤りがある可能性がある点が課題です。


生成AIの注意書きにもそのように誤りがある可能性があることをdisclaimer(免責事項)として書かれています。たとえば、ざっくりとした仮説などを確かめるという文脈であればAIを活用して内容をまとめる、といった使い方は問題ないと思うのですが、最終的な判断をする際には、ご自身で一次情報にあたり、調べる必要があります。


保険商品を10個ほど比較したい場合にざっくりまとめて違いを比較する、というような使い方であれば、活用できると思います。ただし、最終的な判断の前に約款を自身で精査する必要はあると考えます。


そのため、あくまでAIは補助ツールとして使い、最初からAIに答えを求めるという使い方はよくないと思います。 したがって、自身で判断する論理的思考能力を獲得することが重要であると考えます。事実やデータをもとに合理的に判断できるようになることが必要です。 

30〜40代の保険加入・見直しはどう変わるのか

質問
これから先、30〜40代の人が加入・見直しをする保険のあり方は、どのように変わっていくと予想されますか? 

先程、AIに関するデメリットを中心に述べましたが、AIによって保険の比較はし易くなると思いますので、ある特定の保険会社ありきではなく、様々な保険を比較したうえで、自身にあったものを購入するようになっていくと思います。


そうすると、保険代理店の営業担当の方から買うだけではなく、他の保険会社も視野に入れた検討がしやすくなってくるのかなと思います。


もちろん、人を介した方が、信頼があるという方は、保険代理店の営業担当の方からの購入が続くと思いますし、少しでも安い保険がいい方はネットでの保険が買われるようになると思います。


私の見立てでは、今後は後者の方の割合が高くなりますので、保険会社も保険の提供だけではなく、保険を安く提供する仕組み、例えば、P2P保険(加入者グループ内で、誰かが事故や病気に遭った際の保険金を相互負担し合う仕組みの保険)などの検討も進んでいくべきだと思います。


保険会社が自身で保険を売る、保険のリスクを引き受けるのではなく、プラットフォーマー(インターネット上で独自の基盤を構築・運営し、企業や個人に取引や交流の「場」を提供する事業者)となる役割もあると感じます。


そうなると、今後はより一層、保険商品が多様になってくると思いますので、それを見極める能力は以前にも増して求められてくるでしょう。