- 加給年金について疑問がある方
- 年金改正によって何が変わったのか知りたい方
- 加給年金に関してのよくある質問が知りたい方
内容をまとめると
- 2022年の年金改正で加給年金の支給が廃止になる場合がある
- 専業主婦の場合は変わらず加給年金が支給される可能性が高い
- 共働きの場合、加給年金が廃止される可能性がある
- 加給年金廃止の理由は不平等を是正するため
- 老後のお金について不安がある方はマネーキャリアで相談してみよう!
加給年金とは何かをわかりやすく説明した上で、いつから適用されるのか、専業主婦にも廃止されるのかを徹底解説します。また、加給年金はそのデメリットにより廃止が拡大されたので、加給年金の廃止の背景についても詳しく説明しています。
監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
加給年金が支給停止になるのはどんな人でいつから適用になるのかをご紹介!
厚生年金の加入期間が20年以上の被保険者が65歳になった時点で、扶養する家族がいる場合に支給される年金である加給年金。
年金制度が2022年4月に一部変更されたため、今まで加給年金の支給対象であった人が支給が停止されてしまう可能性があります。
そこで今回は、2022年4月に変更された加給年金の受給条件や支給が終了となってしまう人の特徴、加給年金に関するよくある質問を紹介していきます。
これから老後を迎える方は加給年金が終了してしまうことで、年金総額が少なくなってしまう可能性もあります。
加給年金に関する正しい知識を身に付け、老後のライフスタイルについて見直す機会にしていただければと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
加給年金が支給停止になるのはどんな人?
2022年4月に年金制度が見直しとなり、一部これまで加給年金を受け取れていた人の支給が廃止になる場合が出てきました。
これまでは「老齢厚生年金」「退職共済年金」のいずれかを受け取る権利がある場合、実際に受け取っている場合のみ支給が停止され、受け取っていない場合は支給されていました。
しかし、今回の改正でいずれかの年金を受け取る権利を持っている場合は、実際に受け取っているのかどうかに関わらず支給が廃止されることとなりました。
注意点として、以下の場合はそもそも加給年金の支給は行われません。
- 被保険者の厚生年金加入期間が20年未満
- 配偶者、子供がいない
- 配偶者の年齢が65歳以上
- 子どもの年齢が18歳を超えている
- 配偶者、子供の年収が850万円以上
専業主婦は特定の年金を受け取る権利がなければ加給年金がもらえる
先ほど紹介したように、老齢厚生年金や退職共済年金を受け取る権利がある時期に到達した場合は対象外となってしまいます。
しかし、会社員として働いている期間が短い(20年以下)方に関しては特定の年金を受け取る権利がなければ加給年金は給付されます。
加給年金が給付される期間は配偶者の年齢が65歳までとなっている点には注意が必要です。
これを聞くと、歳の差が離れている場合の方がより加給年金を多くもらえてお得だと思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
以下のケースを想定します。
- 夫:65歳
- 妻:57歳
加給年金は2022年4月の年金制度改正により対象者が縮小
先ほど紹介したように、2022年4月の年金制度の改正によって加給年金を受け取れる条件が変更され、受け取れる人が少なくなっています。
しかし、急に支給停止になってしまうと生活が困窮する人もいるだろうということを予想し、以下の場合に関してはこれまで通り加給年金が給付される経過措置が取られています。
- 2022年3月時点で加給年金が支給されている場合
- 2022年3月の段階で配偶者が厚生年金に20年以上加入しており、全額支給停止になっている場合
加給年金の廃止についてのQ&A
ここまで、加給年金の支払い停止が実際にどのような人に該当するのかについて説明しました。
加給年金の廃止に伴う基本的な情報に加えて、加給年金についてよくある質問についてお答えしていきたいと思います。
加給年金の廃止に関する知識を身につけ、正しく行動ができるように準備していきましょう。
- 加給年金の支給停止が拡大したのはなぜ?
- 加給年金対象者が公的年金等を受けるとき届出は必要?
- 特別支給の老齢厚生年金を配偶者がもらい始めたら加給年金はどうなる?
1.加給年金の支給停止が拡大したのはなぜ?
1つ目の質問は「なぜ加給年金の支給停止が拡大したのか」です。
これまでは配偶者が老齢厚生年金・退職共済年金いずれかの受け取る権利があり、一部でも受け取っていた場合は加給年金の支給は行われていませんでした。
しかし、老齢厚生年金・退職共済年金いずれも全く受けっていない場合は支給されていました。
要するに、受け取る権利がどちらもあるにも関わらず、実際に受け取るかによって加給年金が支給されるのかどうかが判断され、一部で不平等が生まれていたことになります。
このようなデメリットを是正するために、2022年4月に年金制度の改正の一角として加給年金の一部ルールを変更し、廃止が拡大したといった背景があります。
単純に加給年金の改悪という側面ではなく、あくまで不平等を見直すために年金制度が改正され、一部加給年金の対象が廃止されました。
2.加給年金対象者が公的年金等を受けるとき届出は必要?
2つ目の質問は「加給年金対象者が公的年金などを受け取るときに届出は必要なのか」です。
結論、受け取る公的年金の種類によって届出の必要な場合、不要な場合があります。大抵の場合は届出は必要であるため、不要な場合をピックアップしてご紹介します。
「受給権が発生した場合」に支払いが停止される公的年金
- 厚生年金保険法の老齢厚生年金
- 旧厚生年金保険法・旧船員保険法の老齢年金
- 各種共済組合等の退職共済年金、退職年金
- 厚生年金保険法における障害厚生年金
- 旧厚生年金保険法、旧船員保険法における障害年金
- 国民年金法における障害基礎年金・旧国民年金法における障害年金
- 各種共済組合等における障害共済年金、障害年金など
3.特別支給の老齢厚生年金を配偶者がもらい始めたら加給年金はどうなる?
3つ目の質問は「特別支給の老齢厚生年金を配偶者がもらった場合は加給年金はどうなるのか」です。
結論、配偶者の厚生年金の加入期間が20年未満であれば配偶者が、65歳になる前の60歳から64歳の間に受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ったとしても、加給年金の支給は停止になりません。
そのため、60歳を迎えて早めに年金をもらいたいと思った場合でも、問題なく加給年金も受け取ることが可能です。
ただ、特別支給の老齢厚生年金を受けられる条件に関しては生年月日なども影響してくるため、あらかじめ自分に受け取る権利があるのかについて調べておきましょう。
加給年金の改正に関するまとめ
今回は、2022年4月に改正された年金制度に伴い、加給年金の支払い対象の縮小が進んでいるため、加給年金についてさまざまな視点から説明しました。
結論、これまで加給年金を受け取れていた層の一部に対する加給年金は廃止となる場合があります。
しかし、2022年3月時点で加給年金を受け取っている場合に関してはこれまで通り問題なく加給年金を受け取れます。
これから老後を迎える人は加給年金の支給条件についてもう一度見直すことをおすすめします。
また、年金に関する制度はこれからも変化していく可能性が高いため、しっかりとアンテナを張っておきましょう。
老後の不安は誰にでもあると思います。老後に対してしっかりと準備するために、加給年金に限らずお金についての知識をしっかりと蓄えていきましょう。