別居中でも配偶者は遺族年金を受け取れる?証明書や子ども受け取りを解説のサムネイル画像
▼この記事を読んで欲しい人
  • 別居中の夫や妻が死亡した場合、遺族年金がもらえるか知りたい方
  • 戸籍上夫婦関係であれば別居でも遺族年金をもらえるか知りたい方
  • 遺族年金は別居の子でも、もらえるのか知りたい方
  • 遺族年金を親に残すことができるのか気になる方

内容をまとめると

▼内容をまとめると
  • 遺族年金をもらうためには収入要件と生計同一要件がある
  • 別居中の夫婦でも、要件に当てはまれば遺族年金がもらえるがもらえない場合もある
  • 別居中の子どもでも生計を同一にしていて、連絡をとっていれば遺族年金がもらえる場合がある
  • 遺族厚生年金は親に残すこともできる場合もある
  • 別居中の遺族年金に関するご相談はマネーキャリアへ!

別居中の妻や夫が亡くなった場合に遺族年金を受け取ることは可能です。しかし、無条件に受け取れるわけではなく、生計維持関係であったか、その証明ができるかなど条件があります。この記事では、別居中の配偶者の遺族年金に関する疑問や、子どもはもらえないのか?について解説します。

この記事の目次

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別居中だと、配偶者は無条件で遺族年金をもらえるわけではない


別居中の夫婦で夫が亡くなってしまった時、その妻は遺族年金を受け取ることができるのか重要なポイントですよね。


結論から言うと、上記のような場合に別居中の妻でも遺族年金を受け取れる場合があります。


ただし、遺族年金を受け取るには条件があるのでこの記事でくわしく解説していきますね!


厚生年金保険法59条1項によると、遺族年金をもらう対象者は配偶者であり、かつ、「生計を維持したもの(=生計維持関係)」がもらうことができます。


しかしどんな場合でも、もらえるのではなく、亡くなった配偶者と別居の場合は無条件では遺族年金はもらえません。


収入要件」と「生計同一要件」を満たした場合です。


収入要件は、前年の収入が850万円未満で、所得は655万円5,000円未満となります


生計同一要件は、3つあります

  • 住民票上同じ世帯であること
  • 住民票上、世帯は別だが、同じ住所であること
  • 住民票上、住所は異なるが右記のいずれかに該当する場合。(経済的な援助を受けている、定期的に連絡を取ったり、会っていること)

これらの要件に当てはまる場合、配偶者は遺族年金をもらえます。

遺族年金を受け取るための必要証明とは


遺族年金を受け取るためには「収入要件」と「生計同一要件」が条件として挙げられます。


この2つの要件を証明できないと、遺族年金は受け取れません。


収入要件を証明するために前年の所得証明書等や、生計同一関係にある申立書が必要です。


ここでは証明するためには、どういったことを証明すればよいか解説します。

①生計維持したものである証明

まず、「収入要件」の必要証明としては、前年の収入がわかるものが必要となります。

分かりやすくまとめると以下のようになります。

  • 前年の収入が850万円未満、655万5,000円未満
  • 前年の収入が確認できるもの(所得証明書、源泉徴収票、課税証明書)
  • 子が受け取る場合は中学生以下は不要。高校生は在学証明書
マイナンバー記載の場合は省略できる場合があります。


次に「生計同一要件」として、証明書類を出した場合、第三者の証明がいらない場合があります。


経済的な援助を受けていたり、連絡を取り合っている記録(メールやLINE、電話の記録)や定期的に会っていた記録(写真等)を残している場合は認められます。

経済的援助とは、生活費や療育費、固定資産の支払等です。

②住民票は一緒でなくても問題なし

住民票が一緒でなくても問題はありません。


同居をしていたり、生活費を渡している証明ができれば大丈夫です。


例えば単身赴任中の場合を挙げると、通帳で生活費が振り込まれていることが確認できれば生計を同一としている証明となります。


また、子どもが下宿している場合も、通帳に生活費が振り込まれている等の記録あればわかります。


これらのように住民票を別にしている理由を申立書に記入ができれば問題ありません。


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別居中の夫婦間でも遺族年金がもらえるケース


別居中の夫婦でも遺族年金がもらえるか気になりますよね。

やむを得ない事情の場合のときは、もらえるケースがほとんどです。


ここでは以下のケースについて解説します。

  • 配偶者が単身赴任中
  • 配偶者が長期入院中に亡くなった
  • DVが原因で別居中

配偶者が単身赴任しているケース

配偶者が単身赴任しているケースだと「経済的援助」を受けている、「連絡を取り合ったり、お互いに会っている」この2つの条件を満たしている場合はもらえます。


例を挙げると、以下のとおりになります。

  1. 毎月生活費として20万円送金してもらっており、それが通帳で確認できる。(経済的援助)
  2. 毎週末や長期連休に家に帰ってきていた。(音信・訪問)

継続的に通帳で入金確認ができることもあり、経済的な援助を受けていることがわかります。


毎週末や長期連休に家に帰ってきているという事実があれば、単身赴任が終われば生活を共にすることがうかがえますね。

配偶者が長期入院中に亡くなったケース

配偶者が病気を患い長期入院中に亡くなってしまったケースもあるかもしれません。


そのような場合は、看病のために配偶者を頻繁に訪問していたり、生計を同一にしていたら遺族年金をもらえる対象になります。


ただし、入院していることは知っていても、全く連絡を取ったり、会うことがなければ遺族年金をもらえる対象になりません。


長期入院中でも関係が維持されているかが遺族年金をもらえるかどうかのポイントとなります。

DVが原因で別居中のケース

DVが原因で別居中のケースは全部ではありませんが、遺族年金がもらえる可能性が高いです。


しかし、そのためにはDVの被害を受けていることを第三者に認められる必要があります。


第三者に認められるかどうかのポイントは以下の5つの場合です。

  • 相談所やシェルターなどに避難している
  • 裁判所が法令に基づいて保護命令を出している
  • DVの支援機関から証明書を発行されている
  • 母子支援施設に一時保護されている
  • DVを契機に秘密保持のために基礎番号を変更している
以上、5つのうちどれかに該当すれば第三者に認められるケースにあたります。

別居中の夫婦間で遺族年金がもらえないケース

別居中で夫婦間で遺族年金がもらえないケースもあります。

主に経済的支援を全く受けていなかったり、何十年も音信不通であるなど交流を全くしていないケースの場合が多いですね。


ここでは遺族年金がもらえないケースを以下2つ解説します。

  • 離婚はしてないが、金銭・交流面で全く関わりがないケース
  • 夫が自営業を営んでいて国民年金の加入者(別途要件あり)

どちらも「遺族年金をもらえると思っていた。」ということになりやすいケースです。


以下でくわしくみていきましょう!

離婚はしてないが、金銭・交流面で全く関わりがないケース

近年性格の不一致などで、夫婦間が悪くなり一緒に暮らしていくのが困難になったとき、離婚の手続きはめんどうだからといって籍を入れたまま別居。


子どもが成人するまで我慢して配偶者と暮らしていたが、子どもが巣立ったので籍を残したまま別居といったケースが多くみられます。


戸籍上夫婦であっても、お互い経済的に自立していたり、全く連絡をとらず交流がない場合は遺族年金のもらえる要件に当てはまりません。

夫が自営業を営んでいて国民年金の加入者(別途要件あり)

夫は自営業を営んでいるので、国民年金に加入しています。

その場合、遺族がもらえるのは遺族基礎年金になります。


ここで注意していただきたいのが、遺族基礎年金のもらえる対象者は子のいる配偶者です。


夫と同居しているし、生計を共にしていたのに、遺族年金がもらえない。


そのケースは子どもがいない場合になります。

遺族基礎年金はもらえる対象者の範囲が狭いのでご注意ください。

別居中の子どもの遺族年金はどうなる?


別居中の子どもが遺族年金をもらえるときはどんな場合でしょうか。


まず、ここでの子どもというのは、18歳になる年度の末日であるか、20歳未満で障害年金の等級が1、2級の子どもです。


両親が別居か離婚をしてしまい、離れて暮らしていた場合がありますよね。

その場合、生活費等の経済的支援が行われているかどうか、連絡を取ったり、会っているかどうかが要件となります。


子どもの通帳か配偶者の通帳に養育費や教育費が振り込みできているか確認できるようにすることが大切です。


その他にも、連絡を取っている証跡を残したり、会ったときに写真を撮るのもよいでしょう。

遺族厚生年金(厚生年金)は扶養されていた親が対象になることも


ここでは遺族年金を自分の親に残したいと考えたとき、残してあげることができるのかを解説します。


遺族基礎年金のもらえる対象者は子のいる配偶者か子ですが、遺族厚生年金は対象者が広く、扶養されていた親が対象になることもあります。


遺族厚生年金をもらえる対象であっても、受け取りの優先順位があったり、年齢条件など細かい要件がありますので、受給要件についてみてみましょう。

受給条件

遺族厚生年金がもらえる対象者として、扶養されていた親も挙げられます。


しかし、優先受け取り順位がありますので注意してください。


優先順位としては、

  1. 配偶者がいない、配偶者とは別居しており生計維持関係になかった
  2. 子がいないまたは子とは別居していて生計維持関係になかった
  3. 扶養されていた親

となりますので、親の場合は3番目となります。


そのほかの受給条件としては、同居か別居であるかです。

別居の場合、仕送りをしてもらっていたなどの経済的援助があったかが必要です。


収入要件もあり、父母の年収が850万円(所得655万5,000円)未満であるか。

父母の年齢が55歳以上である必要もあります。ただし、受け取りは60歳以上からです。


また、父母がすでに年金を受け取っている場合は、遺族厚生年金かどちらかになります。


遺族厚生年金のほうが額が大きい場合はその差額がもらえます。

すでに受け取っている年金のほうが額が大きいのであれば、遺族厚生年金は受け取れません。


このように受給条件にも様々なものがありますので、しっかりと確認することが大切です。

まとめ:別居中の遺族年金に関する相談はマネーキャリアへ


別居中でも配偶者は遺族年金を受け取ることができますが、収入要件生計同一要件があります。別居中の夫婦間で、遺族年金をもらえないケースとしては、離婚はしていないが別居中でお互い経済的に自立しており、交流がない場合などです。


自営業で国民年金加入者の場合は、遺族基礎年金となり配偶者に子どもがいない場合は対象にならないのでご注意ください。


遺族厚生年金は扶養されていた親が、遺族年金をもらえる対象になることもあります。


別居中の遺族年金に関するご相談はぜひマネーキャリアへ!

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記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。