
- 傷病手当金がいつ支給されるか
- 傷病手当金の申請手続きについて
- 傷病手当金の支給が遅れる原因とその対処法
- 病気が再発した場合に傷病手当金を受け取る為の条件
- 退職後も傷病手当金を受け取る為の条件
内容をまとめると
- 傷病手当金が支給されるまでの期間は初めての申請の場合1~2ヵ月かかる
- 傷病手当金の支給が遅れる原因は審査に時間がかかっているため
- 傷病手当金は退職後も、要件を満たせば申請・受け取りが可能
- 傷病手当金が遅い時に生活できない不安や、2回目の支給日について詳しく知りたい方は、無料のFP相談を利用するのがおすすめ
- マネーキャリアは傷病手当やお金に関する相談実績10万件で、不安がなくなるまでプロのFPに何度でも相談ができる

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 傷病手当金の初回・2回目支給日はいつ?早見表でわかる!
- 傷病手当金の支給日に関する注意点
- 組合によって支給日が違う
- 曜日によって支給日にズレが生じる場合がある
- 傷病手当金の初回の支給日は時間がかかる
- 傷病手当金が遅れる3つの理由!対処法も解説
- 書類不備や記入漏れ
- 組合側の審査遅れ
- 医師や会社への依頼が遅い
- 傷病手当金の支給日を早くするには?3つのコツを伝授!
- ①申請書類は複数枚もらっておこう
- ②申請は毎月行うこと
- ③医師や会社には余裕をもって記入を依頼しよう
- 傷病手当金を申請したい!サンプルを元にやり方を解説!
- 2回目の傷病手当金の支給日はどうなる?うつ病が再発したら?
- 最初の支給開始日から1年6カ月以内に再発した場合
- 最初の支給開始から1年6カ月を超えて再発した場合
- 退職しても傷病手当金は受け取れる?支給の条件とは?
- まとめ:傷病手当金の初回・2回目の支給日はいつ?遅くて生活できない?
傷病手当金の初回・2回目支給日はいつ?早見表でわかる!
傷病手当金が支給されるまでの期間の目安は以下のとおりです。
申請書提出時期 | 初回支給日の目安 | 2回目以降の支給日 |
---|---|---|
1日~10日 | 同月末頃 | 翌月末頃 |
11日~20日 | 翌月中旬頃 | 翌々月中旬頃 |
21日~末日 | 翌月末頃 | 翌々月末頃 |
傷病手当金は申請から支給までに時間がかかるため、事前に支給日の目安を知っておくことで、生活設計を立てやすくなります。
ただし、これはあくまで目安であり、各健康保険組合や協会けんぽの処理状況によって前後する場合があります。
また、申請書類に不備があると審査に時間がかかり、支給が遅れることもあるので注意が必要です。
傷病手当金の支給日に関する注意点
傷病手当金の支給日に関する注意点は以下のとおりです。
- 組合によって支給日が違う
- 曜日によって支給日にズレが生じる場合がある
- 傷病手当金の初回の支給日は時間がかかる
組合によって支給日が違う
組合によって支給日が違うというのは、傷病手当金の受給において重要な注意点です。
傷病手当金は加入している健康保険組合や協会けんぽによって、支給日の設定が異なります。
例えば、協会けんぽでは毎月15日と月末に支給日を設けている場合が多いですが、健康保険組合によっては月に1回だけ、あるいは独自の支給日を設定していることもあります。
そのため、正確な支給日を知るためには、自分が加入している健康保険組合や協会けんぽに直接確認することをおすすめします。
特に初めて傷病手当金を申請する場合は、事前に支給日のルールを確認しておくと、生活設計を立てやすくなります。
曜日によって支給日にズレが生じる場合がある
曜日によって支給日にズレが生じる場合があるというのは、傷病手当金を受け取る際の重要な注意点です。
多くの健康保険組合や協会けんぽでは、支給日が土日祝日と重なった場合、前営業日に前倒しで支給されることが一般的です。
また、年末年始やゴールデンウィークなどの連休前には、通常より早く支給されるケースもあります。
このようなズレは、生活費の計画を立てる上で重要なポイントになるため、事前に確認しておくと安心です。
特に、家賃や公共料金などの引き落とし日と支給日の関係を把握しておくことで、資金ショートを防ぐことができます。
傷病手当金の初回の支給日は時間がかかる
傷病手当金の初回の支給日は時間がかかるというのは、受給者が必ず知っておくべき重要な注意点です。
初回の申請では、書類審査や支給要件の確認などに時間を要するため、申請から実際の入金までに1〜2ヶ月程度かかることが一般的です。
特に、申請書類に不備があった場合や、追加の証明書類を求められた場合は、さらに時間がかかることもあります。
このため、傷病手当金の受給を予定している方は、申請前に少なくとも1〜2ヶ月分の生活費を確保しておくことをおすすめします。
また、初回の支給では、複数月分がまとめて支給されることもあるため、支給額の計算方法についても事前に理解しておくと安心です。
傷病手当金が遅れる3つの理由!対処法も解説
傷病手当金が遅れる主な理由は以下の3つです。
- 書類不備や記入漏れ
- 組合側の審査遅れ
- 医師や会社への依頼が遅い
書類不備や記入漏れ
傷病手当金の支給が遅れる最も一般的な理由は、書類不備や記入漏れです。
傷病手当金の申請には、「傷病手当金支給申請書」に加え、医師の意見書や事業主の証明など複数の書類が必要になります。
これらの書類に記入漏れや押印忘れがあると、健康保険組合や協会けんぽから差し戻しとなり、再提出が必要になります。
特に多いのが、休業期間の記入ミスや医師の証明欄の不備、事業主証明の押印漏れなどです。
対処法としては、以下の方法が有効です。
- 申請前に書類の記入内容を複数回確認すること
- 健康保険組合のホームページなどで記入例を参考にすること
また、不明点があれば提出前に健康保険組合や協会けんぽに問い合わせることで、書類の差し戻しを防ぐことができます。
組合側の審査遅れ
組合側の審査遅れも、傷病手当金の支給が遅れる重要な理由の一つです。
健康保険組合や協会けんぽでは、申請書を受け取った後、支給要件を満たしているかどうかの審査を行います。
この審査は通常1〜2週間程度で完了しますが、申請が集中する時期や、複雑なケースでは審査に時間がかかることがあります。
特に、傷病手当金の支給条件である「業務外の事由による病気やケガ」であるかの判断に時間を要するケースもあります。
対処法としては、以下の方法が有効です。
- 申請前に健康保険組合や協会けんぽに現在の処理状況を確認しておくこと
- 余裕を持って申請すること
また、審査が長引いている場合は、電話で進捗状況を問い合わせることも一つの方法です。
医師や会社への依頼が遅い
医師や会社への依頼が遅いことも、傷病手当金の支給が遅れる大きな理由です。
傷病手当金の申請には、医師の意見書と事業主の証明が必要不可欠ですが、これらの証明を得るのに時間がかかることがあります。
特に医師は診療で忙しく、意見書の作成に時間を要する場合があります。
また、会社側も給与計算や他の業務で忙しい時期には、事業主証明の発行が遅れることがあります。
対処法としては、早めに医師や会社に依頼することが有効です。
具体的には、休業が決まった時点で医師に意見書の作成を依頼し、同時に会社の担当者にも事業主証明の準備をお願いしておくことで、書類の準備期間を短縮できます。
また、医師や会社との良好な関係を維持し、スムーズなコミュニケーションを心がけることも大切です。
傷病手当金の支給日を早くするには?3つのコツを伝授!
傷病手当金の支給が遅いと生活できない方にとって、支給日の遅れは死活問題です。
なのでここからは、傷病手当金の支給日を早める為のテクニックを3つ紹介します。
- 申請書類を複数枚用意する
- 支給申請は毎月行う
- 医師や会社には余裕をもって申請書への記入を依頼する
①申請書類は複数枚もらっておこう
申請手続きをスムーズに行う為にも、傷病手当金の支給申請書は常に複数枚手元に用意しておくことを推奨します。
これなら毎月申請書を1枚ずつ用意する手間を省けますし、急な事情から数ヵ月分の支給申請を一度に行う必要が生じた際にも対応が可能だからです。
②申請は毎月行うこと
先ほどご紹介した通り、傷病手当金の支給申請を数ヵ月分まとめて行うと振り込みが遅れる原因となります。
傷病手当金を毎月スムーズに受け取りたい方は、1ヵ月分の支給申請を毎月行うように心がけましょう。
- 支給申請書を用意する
- 「被保険者記入用」に必要事項を記入する
- 医師・会社へそれぞれ支給申請書の作成を依頼する
- 支給申請書を提出する
③医師や会社には余裕をもって記入を依頼しよう
傷病手当金支給申請書の内、「療養担当者記入用」は療養担当者である医師が、「事業主記入用」は被保険者の雇用主がそれぞれ記入を行います。
これら2つの書類は、作成依頼を行えばすぐに受け取れるとは限りません。
特に「療養担当者記入用」に関しては、完成までに1週間ほどの期間が必要となるケースが一般的なので、医師や会社に対する支給申請書の作成依頼は時間的余裕をもって行うのが良いでしょう。
傷病手当金の申請を1ヵ月分ずつ行う場合であれば、前回分の支給申請書を提出してから2週間ほど経過した段階で医師や会社に対して申請書の作成依頼を行うのが効率的です。
傷病手当金を申請したい!サンプルを元にやり方を解説!
傷病手当金の申請は、傷病手当金支給申請書を保険者に提出することで行います。この申請書は全国保険協会などの公式HPからダウンロードすることが可能です。
傷病手当金支給申請書は「被保険者記入用」が2枚、「療養担当者記入用」が1枚、「事業主記入用」が1枚の計4枚で構成されています。「療養担当者記入用」は医師に、「事業主記入用」は雇用主にそれぞれ記入してもらいましょう。
また申請書に加えて、本人確認書類や以前の事業主に関する情報がわかる書類、年金給付額等がわかる書類などを添付書類として提出する必要があります。
受給している年金の種類や支給開始日以前に事業所に変更があった場合によって必要な添付書類が異なるので、FPや社労士といった専門家に相談の上で申請手続きを行いましょう。
2回目の傷病手当金の支給日はどうなる?うつ病が再発したら?
2回目の傷病手当金の支給日は初回の支給日よりも早く、支給申請書を提出してから2週間~1ヵ月ほどで振り込みが完了します。
「病気が再発した場合にも傷病手当金は振り込まれるの?」
といった疑問を抱えている方もおられでしょうが、同じ病気であっても初回の支給開始日から一定期間内に再発した場合には、再び傷病手当金を受け取ることが可能です。
以下ではうつ病のような再発リスクの高い病気が再発した場合の傷病手当金の取り扱いについて、
- 最初の支給開始日から1年6か月以内に再発した場合
- 最初の支給開始日から1年6か月を超えて再発した場合
最初の支給開始日から1年6カ月以内に再発した場合
初めて傷病手当金が支給された日から1年6か月以内に再発した場合、再び傷病手当金を受け取ることが可能です。この場合、傷病手当金を受け取れる期間は「初回支給日から1年6ヵ月が経過するまで」となります。
なお、再発した場合の傷病手当金の支給においては、傷病手当金を初めて受け取る際に必要な「3日間連続して働けない状態(=待機期間)」は不要です。
最初の支給開始から1年6カ月を超えて再発した場合
最初の傷病手当金支給日から1年6ヵ月以上経過した後で再発した場合、再び支給を受ける為には「社会的治癒」が完了していることが必要となります。
「社会的治癒」とは医学的な完治とは異なり、「傷病から復帰して通常の社会生活を営むことができる状態」のことを指します。どの程度の状態が「社会的治癒」に該当するのかは病気の種類によって異なりますが、以下のような点が1つの判断基準となります。
- 5年以上通院することなく生活できている
- 1年以上治療を受けることなく社会復帰できている
退職しても傷病手当金は受け取れる?支給の条件とは?

- 退職日等までに継続して12か月以上の被保険者期間があること
- 被保険者資格の喪失日時点で傷病手当金を受給している、または受給資格(※)を満たしていること
まとめ:傷病手当金の初回・2回目の支給日はいつ?遅くて生活できない?
この記事では以下のとおり、傷病手当金の支給日や遅延理由、効果的な対処法について解説しました。
- 初回の傷病手当金の支給日は、申請から1~2ヵ月後
- 2回目の傷病手当金の支給日は、申請から2週間~1ヵ月後
- 具体的な支給日は「支給決定通知書」で確認できる
- 傷病手当金の概要と申請手続きについて
- 傷病手当金の支給が遅れる2つの原因
- 傷病手当金の支給をスムーズに行う3つのコツ
- うつ病が再発した場合に傷病手当金を受け取る為の条件
- 退職後に傷病手当金を受け取る為の条件
各健康保険組合で支給日が違い、特に初回は手続きに時間がかかるため注意が必要です。また、書類の不備や申請の遅れが支給遅延の主な原因となっています。