知らないと損!申請すればもらえる手当やお得な制度のサムネイル画像

人生の中には転職したり、結婚や出産を経験したり、住宅の購入を検討したりといろいろなライフイベントがありますが、国や自治体ではときに使える制度や給付金が用意されています。今回は転職・子育て・住まいでライフイベント毎にまとめてみました。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

就職にかかわるお金の制度

ここでは失業したときにサポートしてくれる制度や働きながらスキルアップできる制度など 転職にかかわるお金の制度を紹介します。 

失業給付

失業給付は正式には「基本手当」といい、会社を辞めてしまったときに、 次の仕事が決まるまでの間、生活の不安を軽減できるようにサポートするために支給されます。 


 失業保険を受け取る条件 

  • 離職日以前の2年間で、通算して12ヶ月以上雇用保険を支払っていること
  • ハローワークで求職の申込みをしていること 
  • 就職しようとする意思があり、転職活動をしていること
 ケガや病気、妊娠や出産などすぐに就職できないといった人は対象外になりますが、 受給期間を延長することはできるので申請しましょう


支給額の例 
  • 離職前の6ヶ月間の賃金合計÷180 ×給付率(50〜80%)=失業給付金額 
例えば、賃金の合計が200万円であり、給付率が50%だった場合、 200万円÷180×60%≒5,555円となり1日5,555円もらえる計算になります。

再就職手当

失業給付を受け取っている人が早く就職が決まれば、支給される予定だったお金を一定額を受け取ることができる制度で、早く再就職が決まるほど、支給額も大きくなります。


再就職手当を受け取る条件

  • 就職日の前日までの失業手当の残りの日数が3分の1以上あること 
  • 再就職先で1年を超えて勤務することが確実であること 
  • 待機期間(7日間)満了後の就職であること 
  • 退職前の事業主に再び雇用されていないこと 
  • 失業給付受給資格前から内定していた就職先ではないこと など 
支給額の例
  • 残日数が3/1以上ある場合:支給額残日数×60%×基本手当日額
  • 残日数が2/3以上ある場合:支給額残日数×70%×基本手当日額 
例えば、所定給付日数90日の人が残り70日間分残して再就職した場合には70日×70%×5,000円=245,000円となり24万5千円が支給されます。

教育訓練給付制度

失業中・就労中に関わらず、厚生労働省が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、受講費用の一部を支給してもらえる制度で、働く人のスキルアップやキャリア形成のサポートをしてくれます。支給額は受講料の20%が支給されます(最大10万円)



対象の人

  • 初めて利用する場合・・・雇用保険加入期間が満1年以上
  • 2回目以降に利用する場合・・・雇用保険加入期間が前回の受講開始より3年以上かつ前回の支給決定日から3年以上
対象の講座としては保育士 や看護師、歯科衛生士 ・ファイナンシャルプランナー ・インテリアコーディネーターなど幅広くあります。

公共職業訓練

ハローワークで求職を申込みをした方を対象に、再就職するための資格やスキルを習得するための訓練を受ける制度です。


公共職業訓練の中でも3つのコースがあります。

  1. 離職者訓練・・・雇用保険を受給している求職者が対象で、就職に必要な技能や知識を習得するための訓練訓練です。受講料は無料ですが、テキスト代は自己負担になります。訓練期間:3ヶ月〜1年程度。 
  2. 学卒者訓練・・・新卒者を対象とした、高度な技能および知識を習得するための訓練で、受講料は有料です。訓練期間:1年から2年程度。
  3. 在籍者訓練・・・働いている方を対象とした仕事をしながら受けることができる短期の訓練で、受講料は有料です。 
離職者訓練の支給額
  • 受講手当・・・1日500円が支給される(上限額は2万円) 
  • 通所手当・・・訓練施設に通うために交通機関を利用した場合に支給される。上限42,500円※交通手段による 
  • 寄宿手当・・・公共職業訓練を受けるため、家族と別居して生活しなければならない期間に支給される。月額10,700円

子育てにかかわるお金の制度

出産や育児が始まるとかかってくるお金を増えてきます。家計の負担を少しでも抑えて、安心して子育てするために、もらえる手当など子育てに関わる制度を紹介します。

出産手当金

出産前後に会社を休んでいた期間、生活をサポートするために支給される手当で、 支給期間は出産の日以前の42日間(双子の場合は98日間)から、出産した翌日以降の56日目までが範囲です。もし予定日より早く生まれてしまった場合はその日数は支給の対象にはなりません。


※出産日は出産日以前の期間に含まれます


支給額

  • 一日あたりの標準報酬日額×2/3×産休日数分
例えば標準報酬日額が6000円の場合、6000円×2/3×98日間=392,000円もらえます。
対象者は健康保険組合や協会けんぽの加入者が対象者になります。  

育児休業給付

1歳未満の子育てのために育休を取得した場合に雇用保険から支給される手当のことで、「育休手当」と呼ばれています。これは父親や母親に関わらず、給付される制度です。


育児休業の給付条件 

  • 雇用保険に加入している被保険者
  • 産休前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
  • 育休期間中に給与の支払われていた場合、その金額が休業前の8割未満である
  • 育休中に就業している期間が月10日(8時間)以下 

育児休業給付金の支給期間
 
育休手当は男女で支給期間が異なります。 母親の場合は産後休業期間後の翌日から子どもが1歳となる前日までが支給期間となりますが、父親の場合は出産の当日から1歳となる前日までが支給期間です。

夫婦で育休を取得している場合、子どもが1歳2ヶ月まで支給期間を延長することができる「パパ・ママ育休プラス」の制度の利用も可能です。

就学援助制度

経済的に就学が困難で子どもに義務教育を受けさせることが難しい家庭などに援助を行う制度で、学校の教材費や校外活動費など学校生活で必要となる費用の一部を自治体が負担してくれます。 


対象者は経済的に困難であると自治体が判断した世帯で所得が一定の水準を下回る人などです。 提出先や提出時期など自治体によってさまざまのため、事前に自治体のHPで確認しておきましょう 

住宅にかかわるお金の制度

住宅は人生の3大資金の1つでもあり、購入費用だけでなく、何かと出費が重なるために、お得な情報や補助金など制度は最大限に活用したいものです。ここでは住宅に関わる制度を紹介します。  

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)

住宅の購入やリフォームなど住宅ローンの利用をする際に、所得税から控除が受けられる制度です。住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除され、10年目まで最大500万円、11年目〜13年目までは「年末ローン残高×1%」または「建物価格×2%÷3」のどちらか少ない額が控除の限度額となります。


住宅ローン控除の適用条件

  • 住宅ローンの借り入れ期間が10年以上
  • 住宅の床面積が50㎡以上
  • 住宅の引渡し日から6ヵ月以内に居住し、翌年の12月31日までに居住している
  • 身内からの借入ではない など



 住宅ローン控除を受ける際は確定申告が必要になりますが、会社員の場合、2年目以降は年末調整で住宅ローンの手続きをすることが可能です。 自営業やフリーランスの方は2年目以降も確定申告の際に必要な書類の提出をしなければなりません。 

すまい給付金

住宅購入時に受けることができる補助金制度の1つであり、最大50万円受け取ることができる制度です。消費税増税の負担を軽減するために用意されました。


住宅ローン減税は住宅ローンの残額に応じて所得税が減額されるもので、所得が多くないと受ける恩恵が少ないデメリットがありますが、すまい給付金は所得が少ない層が恩恵を受けることができるのが特徴です。


対象となる受給条件

  • 住宅ローンを利用している
  • 購入した住宅に自身で住んでいる
  • 年収が510万円以下(購入時に消費税8%)、または775万円以下(購入時に消費税10%) など
対象となる住宅の要件
  • 床面積が50㎡以上である
  • 施工中や売買時に第3者の検査を受けて、一定の品質が担保されている など

給付額は家族構成や収入によって変わりますので、 詳しい金額はすまい給付金のHPで確認しましょう


 

住宅改修予防給付・住宅設備予防給付

介護を受ける人が生活しやすいように住宅の改修費をサポートしてくれる制度です。 各自治体が主体となって行っているため、対象者や給付金額などは自治体によって異なりますが、 手すりの取り付けや洋式便器への取り替えなどが対象です。限度の基準額は要支援・要介護に関わらず、定額の20万円程度までの改修対象とし、一部が自己負担となります。



手続きの流れ

  1. 要介護・要支援の認定
  2. 住宅改修後に現場の確認と写真撮影
  3. 各自治体に写真や領収書の提出して申請