小さいころから子供にはお金の勉強をさせたい、金銭感覚を養わせたい、という親御さんも多いと思います。今回は小学校就学前の乳幼児向けに、楽しく、だけど勉強になる、知育アプリやゲームを紹介していきます。4歳、5歳、6歳の子供を対象としたお金の勉強の記事になります。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
子供(幼児)のお金の勉強で身につけるべきこととは?
こんにちは、マネーキャリア編集部・FP大野です。
今回のテーマは、主に就学前の子供向けお金の勉強についてです。
このテーマだけ聞くと、「私たち大人は、一体いつお金の勉強をしたかな?」と思い出せない方がほとんどではないでしょうか。
お金の勉強とは、「さあ、今からお金の勉強をしましょう!」といって一斉に机に向かう事ではありません。
親の買い物についていき、レジでのお金のやり取りを見ていて「自分でもやってみたい」と思うようになることや、子供同士で買い物ごっこをするなど、お金に対する自然な興味から学んでいくものではないでしょうか。
子供のお金の勉強で身につけるべきこととして
- まずはお金に興味を持たせること
- お金の流れを理解し、楽しいと思えるようになること
金銭感覚を養うこと、物を大切につかうこと、を勉強させる
大人になれば、自分で稼いだお金で、欲しいものはいつでも自分で購入できます。
では子供のころはどうだったでしょうか?
誕生日やクリスマスなどのイベントを待って、ずっと欲しかったものを買ってもらう喜びやワクワクは、今も鮮明に覚えている人も多いと思います。
また、お正月に親戚からもらうお年玉を数えて、その金額の範囲で欲しいものを買う楽しみも子供ならではの楽しみでした。
このように、子供時代のクリスマスやお正月は、モノを大切にする気持ちや、お金を大事に遣うことを学ぶ最初の場面かもしれません。
待ちに待ったクリスマスや誕生日にやっと買ってもらったプレゼントや、お正月にもらったお年玉を大切にすることは、モノやお金を大切にする気持ちを育む第一歩になります。
日常生活のライフイベントで年に数回だけお金に関わるのでなく、日常の遊びの中でもお金の勉強に繋がるものを、以下で紹介していきます。
初級:おもちゃのお金で遊ぶ、お買い物ごっこをする
子供のお金の勉強の初級編として、おもちゃのお金を使って遊んだり、お買い物ごっこをすることをおすすめします。
「ごっこあそび」は、幼児期において心と体の大事な成長に繋がる通過点です。
この「ごっこあそび」を通じて、お金への興味を最大限引き出してあげましょう。
取り入れる段階の目安としては
- 親の買い物に興味を持ち始める(特にお会計時のレジ応対時)
- 自分で買い物をしてみたいと言い始める
- ままごとなど「ごっこあそび」で買い物のやりとりが出てくる
お金の勉強になるおもちゃ・ゲーム(知育アプリ)
まずはおはじきやボタンで代用
一番最初は、おはじきやボタンなど、コインに似せたものを使って遊んでみても良いでしょう。
まだ幼く、お金の単位や概念についてよくわからない年齢であれば、実際のお金を模したおもちゃよりも、おはじき等を使う「ごっこあそび」の方が簡単で興味を持ちやすいでしょう。
お金セットやレジスターのおもちゃを導入
次の段階として、100円ショップ等でも簡単に手に入る「お金セット」を使ってみましょう。
子供銀行券として、紙幣に似せた紙と、プラスチック製のコインがセットになっているものです。
レジスターのおもちゃも100円ショップで手に入りますので、併せてつかうとより興味を持ってお金の勉強い取り組むことができそうです。
おもちゃを使った遊びと並行して、子供向けの知育アプリもあります。
無料で利用できるものがほとんどです。
例えば
- 100円を両替してみよう(提示されたコインの中から10円5枚と50円玉1枚を選ぶ)
- 50円はどれか選ぼう(50円玉硬貨も含めた紙幣や硬貨の中から正解を選ぶ)
お買い物ごっこ、お店屋さんごっこのやり方
お買い物ごっこやお店屋さんごっこでは、子供はお客さん役、お店屋さん役、どちらの立場でも楽しみながら学ぶことができます。
子供の年齢や、お金に対する理解度に応じて遊び方は自在に変更できますが、一般的には次のような流れがスムーズかと思います。
- お店で売るものに値段をつける(可能であれば値札を工作するのも良い)
- お客さん役は財布にお金を準備する
- お店屋さん役はお釣りを準備する
- 「これはいくらですか?」「●●円です」など言葉でお金のやりとりを行う
- 売れたらお会計。財布からお金を出し、お釣りが必要なら返還する。
中級:初めてのおつかい、買い物に一緒にいく
お店屋さんごっこで、お金と商品のやりとりについて興味を持って理解するようになったら、次は実際のお金を使ってみる段階に入ります。
これまでは単なる興味や遊びだった行為が、この中級編からは実践スタイルになり、更に「お金の勉強」としての具体性を増してきます。
最初は、親と一緒に買い物に行き、子供に対して積極的にお金や買い物に関する投げかけをしてみましょう。
ゲーム形式で、簡単な質問で構いません。
例えばこのような質問はどうでしょう。
- 「今日はカレーを作ります。何の材料が必要でしょうか?」といって一緒に野菜を選ぶ
- 家族全員が食べることができるのに必要な数はどれくらいか、子供に考えさせてみる
- 全部の材料を買うのに1,000円で足りるかどうかクイズ形式でチャレンジしてみる
じゃがいも2つとにんじん3本でいくらでしょう?とクイズを出す
一緒に買い物に出かける習慣をつけ、簡単なクイズを楽しんでいる様子がうかがえるようになったら
少しずつクイズの難易度を上げてみます。
「じゃがいも2つとにんじん3本でいくらでしょう?」
就学前の子供向けなので、たとえば「1個48円」など端数のある計算は少々難しいかもしれません。
子供の理解度に応じて、最初はキリの良い金額に置き換えてチャレンジすることをおすすめします。
次の段階では
「にんじん1本だと50円。3本まとめて買うと30円引いてくれるんだって。3本でいくらでしょう?」
など、数の概念、まとめて買うと値引きをしてくれる場合があることへの理解も取り入れてみます。
このように、子供の理解度や興味に応じて少しずつクイズのレベルを上げていくことで
自然な形でお金の勉強が身に付くようになります。
何よりも、実践型のクイズなので、頭で理解するだけではなく、子供にとっては実際の場面を映像で記憶することもでき、理解の促進に繋がります。
お菓子を200円まで買っていいよ、で勉強する
ここまでは、親のお金を遣って買い物をする中でのお金の勉強でした。
ここからは、自分に与えられたお金を遣って、自分の好きなものを買うことでの学びについて考えてみます。
導入として、子供を連れて一緒に買い物にいったお店で
「今日は200円まで、好きなお菓子を買っていいよ」
と、声掛けをしてみます。
いつもは大人に買ってもらうお菓子です。
普段は値段を見ずに買ってもらう場合がほとんだったはずです。
それが「200円」という範囲の中で、自分の好きなお菓子がどれだけ買えるのか。
子供なりに一生懸命考えて、計算をして、好きなお菓子を「200円」の範囲でどれだけ多く買えるか。
何度かやっていることで、お菓子の選び方や、買い物にかかる時間に変化が現れるでしょう。
最初は長い時間悩み、金額も200円を大きく前後することもあるかもしれません。
しかし、回数を重ねるごとに金額の差異小さくなり、悩む時間も短くなってきます。
自分の欲しいものを、限られたお金の中で、どのような組み合わせで買うことができるのか。
どうせなら200円ちょうどか、限りなく200円に近い金額で、より多くのお菓子を買いたい。
このような子供の心理から、より具体的に、一歩進んだお金の勉強になります。
上級:電子マネーというお金の勉強をする
お金の勉強の中級編である「自分のお金の範囲で組み合わせて買い物をする」ことが理解できるようになれば、次は上級編として「電子マネーの利用」を通してお金の勉強を深めていきます。
電子マネーは、目に見えないお金のやりとりです。
ここまで初級編、中級編で実践してきた「現金と商品の目に見える交換」という行為から、「目に見えないお金で商品を買う」行為に発展します。
近年のキャッシュレス決済の進歩はめまぐるしいものがあり、カードやスマートフォンを使って買い物をすることも少なくありません。
子供のお金の勉強でも、段階を踏んでキャッシュレスについて取り入れていくのが自然ではないでしょうか。
キャッシュレス決済の中でも、子供に持たせても比較的安全なものを選ぶようにしましょう。
チャージ式のプリペイドカードであれば、入金している一定金額の範囲内のみでの買い物が可能なので、万が一何かトラブルが起こっても被害は最小限で済みます。
また、チャージした金額の範囲内でのみ買い物ができるプリペイドカードは、中級編で学んだ「200円の中で買い物をする」という行為と類似しており、子供もイメージを掴みやすいと推測されます。
チャージして利用する電子マネーには、以下のものがあります。
- WAON
- 楽天Edy
- nanaco(15歳未満の利用は親権者の同意が必要)