資産形成について調べているとよく耳にするNISAとiDeCo。どちらを選べばいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、2つの制度についての紹介と、両方の制度を併用することがオススメであることについて解説していきますので、参考にしてみてください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
新年にスタートに資産形成を始めてみよう
資産形成に興味はあっても、一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
資産形成を始めたくても余剰資金がなかったり、なんとなく手間がかかりそうと感じている方も少なくないでしょう。
しかし、将来のライフプランを見据えたうえで資産形成をすることはとても重要です。
生活費を削って投資をする必要はありませんが、節約などで支出を減らしながら余剰資金を生み出し、資産形成を行うことを検討しましょう。
そこで、資産形成の制度としてよく耳にするであろうNISAとiDeCoについて紹介していきます。
新年のスタートとして、資産形成を始めてみましょう。
NISAについて
NISA制度は、株式や投資信託などの運用益が非課税になる制度です。
NISAで資産形成をするメリットは、投資できる商品の種類が多く、リスク分散や投資家の考え方に合わせた投資をすることができることです。
たとえば国内の株式、外国の株式、投資信託、REITなどが挙げられます。
また、iDeCoとは違い投資商品をいつでも売却して現金化できるのもメリットの一つです。
しかし、NISA制度を利用しない投資では損失が生じた際に利益と合算して節税を図れる「損益通算」を利用できないのは、デメリットと言えるでしょう。
NISA制度には一般NISAとつみたてNISAがあり、それぞれの特徴について表にまとめました。
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
非課税期間 | 5年 | 20年 |
年間非課税枠 | 120万円 | 40万円 |
投資可能商品 | 上場株式・ETF・公募株式投信・REITなど | 長期積立かつ分散投資に適した投資信託 |
一般NISAとつみたてNISAのそれぞれの特徴について記載しましたが、こちらは2023年までのNISA制度となっています。
2024年以降は投資枠の増額、非課税期間の恒久化などがされることになっておりますので、投資初心者でも資産形成がしやすい制度へと変わっていくでしょう。
iDeCoについて
iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、毎月掛金を拠出して将来のために自分で年金を作る制度となっており、NISA同様に運用益が非課税となります。
iDeCoで資産形成をするメリットは、毎月の掛金が全額所得控除になることです。
たとえば、毎月2万円拠出していれば年間で24万円が所得から差し引かれて、所得税や住民税が計算されることになります。
長期目線で資産を増やすことに加えて、毎年の所得税が節税されるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、資産を受け取る際の退職所得控除や公的年金等控除の対象になるのもメリットの一つです。
しかし、iDeCoは老後資金を備えることに特化した制度なので、60歳まで現金化することができない点はデメリットと言えます。
子どもの教育費や、親の介護費用、住宅ローンなどのために現金が必要な場面が来ても引き出すことができないのです。
そのため、ライフプランシミュレーションを行ったうえで教育費や介護費用、住宅ローンの毎月の支出を考慮し、無理のない範囲で掛金を拠出することが大切です。
iDeCoは加入者によって毎月拠出できる上限額が変わりますので、表にまとめました。
月額拠出可能上限額 | |
---|---|
第1号被保険者 | 68,000円 |
第2号被保険者 | 12,000円~23,000円 ※公務員や会社員、企業型DCの加入の有無で上限額が変動 |
第3号被保険者 | 23,000円 |
任意加入被保険者 | 68,000円 |
iDeCoは拠出金額を1年に1回変更することができ、運用する商品を変えることもできますので、ライフスタイルに合わせた投資額を考えることが重要と言えるでしょう。
NISAとiDeCoの併用がオススメ
NISAとiDeCoの制度について紹介しましたが、どちらの制度を利用するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
結論、NISAとiDeCoは併用することがオススメです。
そもそもこの2つの制度は全く別物なので、一般NISAとiDeCoの併用やつみたてNISAとiDeCoの併用をすることができます。
手元にまとまった資金があれば短期で資産形成ができる一般NISA制度を活用しながら、老後資金のためにiDeCoを併用するのがよいでしょう。
しかし、現在手元にまとまった資金がない人は、つみたてNISAとiDeCoをフル活用して毎月コツコツ積立投資を行い、将来に備えた資産形成をするのがよいでしょう。
NISAとiDeCoの併用をおすすめするのは、先ほども紹介したようにどちらの制度にも上限額があるためです。
会社員で企業型DCに加入していれば毎月12,000円が拠出上限となります。
毎月12,000円の投資だけでは老後資金としては不十分です。
老後2000万円問題が話題になっている中で、毎月12,000円で30年間運用したとしても拠出額合計が432万円なので、2000万円には届きません。
12,000円以上の余剰資金がある人はNISA制度も活用しながら資産形成をするのがオススメです。
まとめ
今回は、NISAとiDeCoについて紹介しました。
資産形成をする際にはNISAとiDeCoの制度を併用することで、NISAのメリットとiDeCoのメリットを最大限に活用することができます。
とはいえ、ライフプランシミュレーションを行ったうえで2つの制度を活用しないと、生活費を削ってしまうこともあるでしょう。
そうなってしまっては元も子もありません。
自分だけではライフプランシミュレーションやNISAとiDeCoの活用方法を見出すことが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーへ相談をしてみましょう!