家計簿の書き方で、固定費と変動費を分ける方法はご存じでしょうか。この記事では、家計簿を固定費と変動費で分けて書く意味や書き方を紹介しています。固定費と変動費を分ける家計簿の項目一覧や固定費から家計の状況を分析する方法も説明しているので、ぜひお読みください。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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家計簿の項目は固定費と変動費に分けるのはあり?

内容をまとめると

・家計簿は固定費と変動費で分けるべき

・固定費と変動費で分けることで固定費が思ったよりも高いことを実感できる 

・家計簿を作成する際には家計簿アプリを活用するのがおすすめ

・少しでも節約したい人は節税をしつつ貯蓄を作ることができる積立投資がおすすめ

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こんにちは。マネーキャリアの岡です。


節約のために「家計簿を付け始めた」「これからつけようと思っている」という方もいるのではないでしょうか。


しかし、家計簿を付けはじめたけど挫折したという人が多いのも事実。

せっかくはじめるなら無理なく続けていきたいですよね。 

家計簿を続けていくコツの1つとして、家計簿の項目を固定費変動費にわけて整理することがあげられます。

固定費と変動費に項目を分けることで、家計の状況把握がしやすくなるのです。


そこで今回は、 

  • 家計簿の項目は固定費と変動費に分ける
  • 家計簿の書き方 
  • 家計簿アプリもおすすめ
  • 固定費と変動費に分ける際の注意点 
  • 固定費を分析しよう
  • 節約を考えるなら固定費から
ということについて、解説していきたいと思います。 

ぜひ最後までご覧ください。 

家計簿の項目は固定費と変動費に分けるべき!


家計簿の項目は、住宅費、光熱費、通信費、食費、教育費などといった小分類で分けている人が多いですよね。


もちろん間違いではありませんが、こういった項目を固定費と変動費といったように大分類に分けておくことが大切です。 


固定費とは、住居費や光熱費、通信費といったような毎月固定で払っているお金のことを言います。


年額として決まっているものも固定費といえますね。


具体的に言うと、家賃や電気代、ガス代、携帯料金などがあげられます。


それに対して変動費とは、月によって変動がある費用のことをいいます。


食費や美容代、日用品などがあげられますね。

 

 固定費と変動費を分けることによって、 

  • 固定費と変動費で分けることにより家庭の支出が整理される 
  • 固定費の割合が思ってたより高いことを実感できる 
ということが期待されます。

①固定費と変動費で分けることにより家庭の支出が整理される

家計簿の支出項目はたくさんありますが、まず固定費と変動費に分けましょう。


支出の性質ごとに分けることで、分析する際にどこに問題があるのかがわかりやすくなります。


固定費の場合であれば、毎月同じ金額が出ていきますよね。


もし収入に対して固定費の割合が高くなっているということがあれば、固定費の見直しをする必要があります。


変動費については、毎月の支出をみていくことで月ごとの変動がわかりますよね。


変動をなくすことは難しいことですが、一定に保とうという努力はしやすくなるわけです。


このように固定費と変動費を分けることによって家庭の支出が整理され、分析がしやすくなります。


家計簿で大切なことは家計を分析しやすくすること。


まずは固定費と変動費で分けてみて、分析しやすいように整理してみましょう。

②固定費の割合が思ってたより高いことを実感できる

固定費と変動費を分け、固定費の総額がわかったら割合を出してみましょう。


意外と固定費の割合が高いことを実感できるのではないでしょうか。 


毎月の収入はそれなりにあるのにまったく貯金ががたまらない人は、収入に対して固定費の割合が多すぎる場合があります。


固定費として支出される額が多くて流動費として使えるお金が少なくなってしまうと、節約しようにも厳しいですよね。


固定費は毎月必ず出ていくお金です。


この金額の割合が収入に対して多いようであれば、見直す価値はありそうです。


固定費の比率は、収入に対して50%以下が理想。


70%ほどあるという方は今すぐ見直しを行いましょう。


貯金を考えている人は、まず固定費の削減に取り組んでみてください。 

固定費と変動費に分けた家計簿の書き方を紹介!


家計簿は記録し続けることが大切です。


家計簿を付けはじめたけど挫折してしまった方の中には、「項目を増やしすぎてよくわからなくなった」「支出をどの項目に分類していってよいかわからなくなった」という方もいます。


家計簿は、記録を続けていくために自分仕様に使いやすくすることが大事です。

自分で家計簿の項目を増やしたり減らしたりして、アレンジしていきましょう。 


では、具体的にどのように家計簿を作成していくかを解説します。


  1. 家計簿の項目一覧から追加・削除すべき項目を考える 
  2. エクセルまたは手書きで家計簿を作る 
  3. 家計簿に実際の金額を記入する 

手順①家計簿の項目一覧から追加・削除すべき項目を考える

固定費と変動費ごとに家計簿の小分類の項目を考えていきましょう。

ご家庭の状況によって使うべき項目は異なります。


例えば、お子さんがいないご家庭ではおそらく教育費はかかりませんよね。

使わない項目は削除してしまいましょう。


以下の表を参考にしながら、家計が分析しやすいように自分なりに項目を選んでみましょう。

固定費・変動費それぞれ必須項目と任意の項目がありますので、必要に応じて追加や削除をしてみてください。


固定費変動費
必須項目住居費
水道光熱費
通信費
保険料 
食費
日用品費
娯楽費 
任意の項目習い事費
ペット費
車ローン代
おこづかい費 
外食費
交通費
医療費
被服費
美容費
教育費
交際費


なお、固定費に分類したほうがよいのか、変動費に分類したらよいのかは人によって異なる場合があります。


例えば教育費の場合、学童保育や塾といったように毎月同じ額が支出されるものもあれば、学校で使う文房具などといった支出もあります。


その場合は教育費(固定)と教育費(変動)というようにわけてみるとわかりやすいです。 

手順②エクセルまたは手書きで家計簿を作る

項目が決まったらエクセルや手書きで家計簿を作りましょう。

左側を固定費、右側を変動費として表を作っていきましょう。


エクセルを使うか手書きで書くかは自分次第。

自分にあった付け方を見つけましょう。


ちなみにエクセルを使うことのメリットは、自分の好みに家計簿を作成することができ、後々の修正も簡単であることです。


また、固定費と変動費の割合や年間の支出の合計を簡単に出すことができます。

手書きのメリットは、書くことで記憶に定着することです。


エクセルの場合だと単純作業になりがちですが、手書きの場合だと項目ごとに考えながら付けていくので、頭の中が整理しやすくなりますね。 

手順③家計簿に実際の金額を記入する

家計簿の項目ができあがったら、レシートなどをもとに支出を項目ごとに分けていきましょう。


分けたら項目ごとに合計額をだし、実際の家計簿に書き込みます。


家計簿の記入がおわったら必ず眺めて分析しましょう。

家計簿を付けておわってしまっては、節約につながりません。


 

家計簿アプリを使用する方法もある

エクセルや手書きではなく、家計簿アプリを使うこともおすすめです。


家計簿アプリの特徴は、自分の口座やクレジットカードなどとの連携が可能なこと。

しかも、複数の口座やクレジットカードと連携が可能なのです。


引っ張ってきたデータは、アプリが自動で家計簿におこしてくれます。

現金で買ったものは自動連携できませんが、サービスによってはレシートを撮影することによってデータの取り込みができます。


つまり、データを打ち込まなくてもよいのです。

記録に時間がかからないので、スキマ時間にも家計簿を付けることができますね。


また、取り込んだデータはグラフなどを使って分析することができます。


エクセルのように自分で自由にカスタマイズすることは難しくなってしまいますが、家計簿アプリで入力されたデータはCSVファイルなどにしてダウンロードできる場合もあります。


そのため、家計簿アプリとエクセルを併用して管理していくこともおすすめです。


家計簿アプリはいくつか種類がありますが、人気があっておすすめなアプリを2つご紹介します。

 

マネーフォワード ME

マネーフォワードMEは複数の口座やクレジットカードを一括管理することが可能です。

一度情報を登録してしまえば、自動で情報が更新されるので便利です。
また、食費や光熱費などのカテゴリに自動で分類し、内訳をグラフ化することができます。

マネーフォワード MEのよい点は連携できるサービスが多いこと。
なんと2,650以上の金融機関やサービスと連携できるのです。

連携できるものが多い分、管理を楽にできそうですよね。 


Zaim

Zaimについても複数の口座やクレジットカードを一括管理することが可能です。
もちろんレシートの読み取り機能もついています。

Zaimの特徴はデザインが少し柔らかめなところ。

はじめて家計簿を付けはじめるという方におすすめです。 

家計簿の項目を固定費と変動費に分ける際の注意点は?


家計簿を続けていくポイントは、自分が続けやすい形に家計簿をアレンジすることです。

家族の状況などにより必要な家計簿の項目は異なります。


必要に応じで家計簿の項目を追加したり減らしたりしましょう。

項目を決めたら、その支出をどの項目に含めるかも検討しておきましょう。


また、項目によっては固定費にも変動費にもなり得るものがあります。

自分の場合どちらになるのかを考えてから固定費と変動費に分類しましょう。


  • 迷ったら変動費に分類しよう
  • 項目を細かくしすぎない
  • 家計簿の項目や形式は自分なりにアレンジする

①迷ったら変動費に分類しよう

項目にもよりますが、ものによっては固定費にも変動費にもなり得るものがあります。

電気代を例にあげてみましょう。


電気代は基本料金の部分と、使用した電力に応じて支払う部分がありますよね。

基本料金の部分は毎月同じ金額を支払うので固定費となります。


しかし、使用した電力に応じて支払う部分については、固定費にも変動費にもなり得るのです。 


例えば、ペットがいるなどの理由でエアコンをずっとつけっぱなしにしているお家の場合、電気代は月によって大きく変動はなさそうです。


一方、エアコンを付けたり付けなかったりで月によって差がある場合には、変動費になりそうですよね。


このように人によって固定費になるか変動費になるかは異なるのです。 

どちらにしようか迷う場合には、変動費にしておくとよいでしょう。 

②項目を細かくしすぎない

項目を細かく設定しすぎないということも大切です。

家計簿を付けていく上で大きな手間となる部分は、支出を項目ごとに分けていく作業ですよね。


項目が多すぎると分けるときに迷うのでおすすめしません。

また、毎月ではない出費については項目に追加する必要はありません。


出費がある月とない月があり、比較が難しいからです。

毎月残しておく必要はないかなと思う項目については削除してしまいましょう。

③家計簿の項目や形式は自分なりにアレンジする

家計簿の項目を細く設定しすぎないことは大切ですが、ものによっては細かく設定しておいてもよい場合もあります。 


例えば、読書が趣味でよく本を買うという人がいたとすると、書籍購入費を設けてもよいかもしれません。 


好きなものはついつい買ってしまいがちですよね。 

月々買いすぎていないかを確かめるためには、項目にいれておくとよいかもしれません。


このように、自分が必要だと思った項目は追加して大丈夫です。 


家計簿は付け続けることが大事。 

自分なりにアレンジすることによって、無理なく続けられるようにしましょう。 

固定費を分析して家計の状況を把握しよう!


家計簿を付けはじめても、それによって家計が改善させなければ意味がありません。


自分が何にどのくらいお金を使っているかを確認し、無駄を省きましょう。

その際、固定費から分析することをおすすめします。


固定費の総額が自分の収入に対してどのくらいの割合になるかを知っておけば、変動費にどのくらいのお金が回せるかということがわかるからです。


 家計の状況を把握する手順としては以下のとおりです。

  1. 家計簿から年間でかかる固定費を計算する
  2. 年収と固定費の差を計算し12で割って毎月の変動費を知る 

手順①家計簿から年間でかかる固定費を計算する

まず、家計簿から年間でかかる固定費を計算しましょう。


その際、毎月かかる固定費と年払いの固定費に分けて洗い出すとわかりやすいです。

毎月かかる固定費は、住宅費や水道光熱費、通信費などがあげられますね。


1ヶ月分を把握してそれに対して12ヶ月をかければ、年額を求めることができます。

年払いの固定費は、固定資産税や自動車税などがあります。


年2回払のものは年払いの固定費として洗い出しましょう。 


これらをすべて足せば、年間の固定費の額を求めることができます。

(毎月かかる固定費×12ヶ月)+年払いの固定費=年間の固定費 

手順②年収と固定費の差を計算し12で割って毎月の変動費を知る

年間の固定費が求められたら、年収からこの金額を引きましょう。

すると変動費として使える年額が求められます。


変動費として使える年額を12ヶ月で割れば、1ヵ月あたりの変動費の額を知ることができます。


(年収-年間の固定費)÷12ヶ月=1月あたりの変動費

家計の節約を考えるなら固定費から!


変動費にまわせる金額が意外と少ないなと感じた場合は、固定費の見直しを行いましょう。


固定費は一度節約すると効果が持続し、変動費と比べて節約できる金額が大きいです。

例えば携帯料金の場合、大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで1ヶ月数千円単位で節約できます。


1ヶ月5,000円の節約ができた場合は、1年で60,000万円の節約ができるわけです。

変動費は食費や日用品などといった単価が低いものが多いですよね。


その点からも一度の見直しで大きな効果がある固定費の見直しをおすすめします。

固定費の見直しは時間と労力が必要ですが、一度見直してしまえばいいので頑張れそうですよね。 

まとめ:固定費と変動費に分けて家計簿を付けよう

節約したいなら「固定費」「変動費」の順番で見直すことがおすすめだと解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

今回の記事のポイントは 

  • 家計簿の小分類を固定費と変動費にわけるとわかりやすくなる
  • 家計簿は固定費と変動費でわけて書く
  • 家計簿アプリを使うと手間が少なくなる 
  • 固定費と変動費に分ける際は注意する
  • 家計簿分析は固定費から
  • 固定費から節約しよう
でした。


節約のポイントは支出を整理して問題を分析しやすくすること。 

エネルギーを使いますが、ひとつひとつ順番に見直していけば大きな節約につながりますよ。