
内容をまとめると
- 30代からの貯金は、収入やライフイベントが見えてくるからこそ、現実的な計画を立てやすくなる。
- 将来必要になるお金の目安を知ることで、「何のために・いくら必要か」が明確になり、貯金のモチベーションが高まる。
- 先取り貯金や口座分けなど、小さな行動の積み重ねで、無理なく“続けられる仕組み”をつくることができる。
- 「家計を整理できない」「自分に合う貯金法がわからない」と悩む方は、相談実績10万件のマネーキャリアで、プロと家計を整えることが有効である。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 30歳からの貯金でも遅くない理由
- 30代の3人に1人が貯金ゼロだから
- 生涯収入の見通しを立てやすくなる年齢だから
- 結婚・出産などでライフプランが明確になるから
- 老後まで30年以上あるから
- 30代以降の人生で必要になるお金の目安
- 結婚は340万円
- 出産は51万円
- 教育資金は800万〜2,000万円
- 住宅購入は3,000万〜5,000万円超
- 老後の生活は月額27万円〜38万円
- 生活防衛費は生活費半年〜1年分
- 30代の貯金額に不安があるなら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
- 30代から始める貯金の基本戦略
- 目標の貯金額と期限を決める
- 貯金用の口座を分ける
- 給料日に先取り貯金する
- 30代からの貯金をより効果的に増やす方法
- NISAを活用する
- iDecoを活用する
- 30代からの貯金に関するよくある質問
- 30歳になるまでにいくら貯金しておけばいいですか?
- 30代で貯金100万はやばいですか?
- 30代からの貯金は遅くない!今後のライフプランに合わせてお金を増やそう【まとめ】
30歳からの貯金でも遅くない理由
30歳からの貯金でも遅くない理由を4つ解説します。
紹介する理由は以下のとおりです。
- 30代の3人に1人が貯金ゼロだから
- 生涯収入の見通しを立てやすくなる年齢だから
- 結婚・出産などでライフプランが明確になるから
- 老後まで30年以上あるから
これらを知ることで、今から貯金を始める自信が持てるようになるので、ぜひ参考にしてください。
30代の3人に1人が貯金ゼロだから
世帯 | 貯金ゼロの割合 |
---|---|
単身世帯 | 34.0% |
二人以上世帯 | 28.4% |
世帯 | 貯金ゼロの割合 (20代) | 貯金ゼロの割合 (40代) |
---|---|---|
単身世帯 | 43.9% | 40.4% |
二人以上世帯 | 36.8 | 26.8% |
生涯収入の見通しを立てやすくなる年齢だから
結婚・出産などでライフプランが明確になるから
老後まで30年以上あるから
30代以降の人生で必要になるお金の目安
30代以降の人生で必要になるお金の目安を、6つ解説します。
紹介する目安は以下のとおりです。
- 結婚は340万円
- 出産は51万円
- 教育資金は800万円〜2,000万円
- 住宅購入は3,000万〜5,000万円超
- 老後の生活は月額27万円〜38万円
- 生活防衛費は生活費半年〜1年分
将来の支出を把握することで、今から何を準備すべきかが見えてくるので、ぜひ参考にしてください。
結婚は340万円
結婚には約340万円かかる(※)とされており、将来に向けたお金の計画を立てるヒントになります。
340万円の内訳は、挙式・披露宴・ウエディングパーティーなどにかかる費用です。
さらに、新婚旅行や新生活の準備費なども必要になるため、実際の支出はそれ以上になることもあります。
結婚にかかる金額の目安を知っておくことで、今後のライフプランも立てやすくなるでしょう。
出産は51万円
出産には約51万円かかる(※)とされており、まとまった支出が必要になるライフイベントのひとつです。
この金額は、令和5年度における正常分娩の全施設平均費用です。
健康保険から出産育児一時金(原則50万円)が支給されますが、自己負担が発生するケースも少なくありません。
例えば、室料・食事料・保険診療に係る入院基本料および入院時食事療養費は上記の平均費用に含まれません。
かけがえのない家族を迎える準備だからこそ、金額の目安を知り、できる範囲で備えておくことが大切です。
教育資金は800万〜2,000万円
教育資金は進路によっては2,000万円以上かかる可能性もあり、30代以降の人生で必要になるお金として意識しておきたい費用です。
必要額は進学ルートによって大きく異なりますが、長期にわたる支出だからこそ、早めに計画を立てておくことが重要です。
例えば、文部科学省の調査によると、すべて公立校に進学した場合と、すべて私立校に進学した場合の費用は以下のとおりです。
進学ルート | 総額 |
---|---|
すべて公立校に進学した場合 (幼〜大学) |
約820万円 |
すべて私立校に進学した場合 (幼〜大学) |
約2,300万円 |
※参照:結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座|文部科学省 および
私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について|文部科学省
ただし、実際には小中学校は公立、高校から私立といったように、進学ルートは家庭ごとにさまざまです。
そのため、平均値ではなく、自分たちのライフプランに合わせた資金計画を持つことが大切です。
住宅購入は3,000万〜5,000万円超
全国平均 | |
---|---|
マンション | 5,245万円 |
注文住宅 | 3,863万円 |
建売住宅 | 3,603万円 |
中古マンション | 3,037万円 |
中古戸建て | 2,536万円 |
老後の生活は月額27万円〜38万円
老後の生活費は月額27万円〜38万円とされており、人生で最も大きな支出のひとつです。
そのため、早いうちから少しずつ備えておくことが大切になります。
日本FP協会の調査によれば、最低限の生活で月約27万円(※)・ゆとりある暮らしには月約37万円(※)かかるとされています。
しかし、公的年金だけではこの金額をまかなえない可能性もあり、不足分をどう補うかが課題となります。
今のうちに現実的な金額を把握しておけば、将来に向けた準備を無理なく進めやすくなります。
生活防衛費は生活費半年〜1年分
生活防衛費は、生活費の半年〜1年分を目安に備えておきたい、30代以降に必要なお金のひとつです。
例えば、月20万円の生活費であれば、120万〜240万円がひとつの目安になります。
このお金は、失業や病気・家電の故障など、思いがけないトラブルに備える“安心の土台”になります。
そのため生活防衛費は、現金や、すぐに引き出せる口座で管理しておくのが基本です。
“備えがある”という安心感があれば、いざというときの判断や行動にも余裕が生まれます。
30代の貯金額に不安があるなら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
30代から始める貯金の基本戦略
30代から始める貯金の基本戦略を3つ解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- 目標の貯金額と期限を決める
- 貯金用の口座を分ける
- 給料日に先取り貯金する
これらを実践することで、無理なく貯金を続けやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
目標の貯金額と期限を決める
目標の貯金額と期限を決めることで、30代からの貯金を計画的に進めやすくなります。
ゴールが明確になると、必要な毎月の積立額を逆算しやすくなるからです。
例えば、教育費300万円を10年で・住宅頭金500万円を5年で準備するといった目標設定が現実味を帯びてきます。
“いつまでに・いくら”を明確にすることで、迷わず行動しやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。
貯金用の口座を分ける
貯金用の口座を分けることで、30代からの貯金を続けやすくする仕組みが整います。
“使うお金”と“貯めるお金”を分けて管理することで、つい使ってしまうのを防げるからです。
例えば、口座を生活費用・貯金用に分けることで、それぞれの用途が明確になります。
口座が別になっていると、心理的に使いづらくなり、実際に“使わずに済んだ”という声も多くあります。
つまり、毎月の流れを仕組み化するだけで、貯金を続ける力が自然と育っていきます。
給料日に先取り貯金する
給料日に先取り貯金することで、30代からの貯金をムリなく続ける仕組みが整います。
先に貯める習慣をつけておけば、生活費の使いすぎを防ぎやすくなるからです。
例えば、給料日に1万円を自動で貯金口座へ振り分けるだけでも、1年で12万円の貯蓄につながります。
生活費の口座と分けて管理すれば、貯金に手をつけにくくなる効果も期待できます。
余ったら貯金ではなく、“先取りの仕組み”が、貯金を無理なく習慣化するカギになります。
30代からの貯金をより効果的に増やす方法
30代からの貯金をより効果的に増やす方法を2つ解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- NISAを活用する
- iDecoを活用する
将来に向けて、貯金の成果が高まりやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
NISAを活用する
NISAを活用すれば、30代からの貯金を効率よく増やしやすくなります。
銀行預金よりも大きなリターンが期待できるだけでなく、運用益が非課税なので、利益をそのまま手元に残しやすいメリットがあるからです。
具体的には、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)、生涯1,800万円までの投資の運用益が非課税になります。
NISAは少額から始められるため、毎月一定額を積み立てることで、計画的に資産を増やせる点も魅力です。
ただし、投資には元本割れのリスクもあるため、“毎月いくらまで投資できるか”や“どれくらいの値動きまでなら許容できるか”をもとに、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
iDecoを活用する
iDeCoを活用すれば、30代からの貯金を、節税しながら増やしやすくなります。
掛け金が全額所得控除の対象となり、毎年の所得税や住民税が軽減されるなど、節税しながら資産形成できるからです。
例えば、自営業なら月6.8万円、会社員は月2.3万円まで積み立てが可能で、支払った金額に応じて節税の効果があります。
また、月5,000円からスタートできるため、少額でも将来に向けた準備を始めやすい仕組みになっています。
ただし、60歳まで原則引き出せないため、短期で使う予定の資金ではなく余裕資金での運用が基本です。
30代からの貯金に関するよくある質問
30代からの貯金に関するよくある質問を2つ解説します。
紹介する質問は以下のとおりです。
- 30歳になるまでにいくら貯金しておけばいいですか?
- 30代で貯金100万はやばいですか?
多くの人が感じる疑問の答えを知ることで、貯金の不安を解消しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
30歳になるまでにいくら貯金しておけばいいですか?
最低でも生活費の半年分、理想は手取り年収の1年分を目安にすると安心です。
急な出費や転職のときにも、落ち着いて対応しやすくなるからです。
例えば、月20万円の生活費なら、最低でも約120万円、理想は240万円がひとつの目安になります。
このくらいの貯金があれば、退職や転職のタイミングで焦らず行動できたり、家族の都合で一時的に働けなくなったときも、自分にとって納得のいく選択ができるようになります。
まずは“できる範囲の貯金”から始めて、少しずつ理想に近づけていきましょう。
30代で貯金100万はやばいですか?
30代は結婚や出産などで出費が増える時期なので、将来を見据えると心もとない金額かもしれません。
ただし、金額だけでやばいと決めつけるより、“これからどうするか”が大切です。
今からコツコツ貯金を積み重ねていけば、将来に向けた安心は少しずつ築いていけます。、
例えば、毎月1万円でも、30年後には元本だけで360万円になります。
投資などを組み合わせれば、さらに増やせる可能性も広がります。
行動を変えることで、貯金100万円という金額も、いざという時の安心に変えていけます。
30代からの貯金は遅くない!今後のライフプランに合わせてお金を増やそう【まとめ】
30代からの貯金は決して遅くありませんが、計画的な行動が重要です。
具体的には、貯金の仕組みづくりや非課税制度のNISA・iDeCoの活用など、貯金と資産形成を両立させる方法を取り入れることで、将来に安心をもたらすことができます。
とはいえ、一人で最適な貯金プランを立て、実行するのは簡単ではありません。
将来の出費や資産形成に不安を感じる方や、どの制度を活用すべきか迷っている方は、専門家(FP)への相談をおすすめします。