
- 年の差婚で老後のお金の準備方法が分からず、将来への不安を感じている夫婦
- 配偶者との年齢差により一人暮らし期間が長くなることを心配している方
- 年の差婚特有のリスクを理解し、具体的な老後資金の目標額と準備方法を知りたい方
内容をまとめると
- 年の差婚夫婦は一般夫婦より500-1500万円多い老後資金が必要で、配偶者との寿命差による長期間の一人暮らしや介護負担の偏りなど特有のリスクがあります。
- つみたてNISAやiDeCo、個人年金保険の活用で効果的な資産形成が可能ですが、年の差を考慮した適切な戦略設計と定期的な見直しが重要です。
- 遺族年金だけでは生活費不足のため生命保険による保障設計が必要で、資金準備の遅れや保険見直し不足は大きな損失につながります。
- マネーキャリアは相談満足度98.6%、FP資格取得率100%の専門家が年の差婚特有の老後資金計画から家計見直しまで何度でも無料で相談対応します。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 年の差婚が抱える老後の現実と課題
- 配偶者との寿命差による影響
- 収入格差が生む老後資金不足
- 年の差婚夫婦の老後資金はいくら必要?
- 一般的な老後資金との違い
- 配偶者の年金受給期間の差
- 医療費・介護費の準備額
- 年の差婚における老後資金の効果的な準備方法
- 個人年金保険の活用術
- つみたてNISAでの長期投資
- iDeCoによる節税を検討する
- 年上配偶者が先に亡くなった場合の対策
- 遺族年金の受給条件と金額
- 生命保険による保障設計
- 相続対策と財産管理
- 相続対策と財産管理
- 年の差婚夫婦が避けるべき老後の失敗例
- 資金準備の開始時期の遅れ
- 保険の見直し不足による損失
- 年金受給タイミングの判断ミス
- 年の差婚の老後に関するよくある質問
- 年の差が10歳以上ある場合の注意点は?
- 子なし夫婦の老後資金はどう準備する?
- 配偶者の定年後の生活費はいくら必要?
- 老後資金に関する不安を解消するには?
- 年の差婚で後悔しない老後資金の準備方法のまとめ
年の差婚が抱える老後の現実と課題
配偶者との寿命差による影響
男女の平均寿命差は約6年(男性81.05歳、女性87.09歳)ですが、これに年の差が加わることで、配偶者を失った後の一人暮らし期間が大幅に長くなります。
年の差別の一人暮らし期間
- 5歳差夫婦:約11年間
- 10歳差夫婦:約16年間
- 15歳差夫婦:約21年間
総務省の家計調査によると、一人暮らしの生活費は夫婦世帯の約1.4倍かかるため、月額26万円だった生活費が一人になると月額20万円程度必要になります。
また、長期間の孤独は認知症やうつ病のリスクを高めることが医学的に証明されており、健康面での対策も重要になります。
収入格差が生む老後資金不足
年上配偶者の早期退職や年金受給期間の短縮により、世帯全体の生涯収入が大幅に減少します。
これが老後資金不足の主要因となっています。
収入減少の具体例
- 年上配偶者の早期退職:年収500万円×5年=2,500万円の収入減
- 年金受給期間の短縮:月額14万円×10年=1,680万円の受給減
- 遺族年金への切り替え:月額収入が40-50%減少
共働き期間の短さも影響し、夫婦合計の厚生年金受給額が不十分になるケースが多発しています。
年の差婚夫婦の老後資金はいくら必要?
年の差がある夫婦は、一般的な老後資金の目安では不十分な場合があります。
下の情報を参考にすると、あなたの家庭に必要な具体的な準備額が見えてきます。
一般的な老後資金との違い
一般的な老後資金の目安 金融庁の試算によると、一般的な夫婦の老後資金は約2,000万円が必要とされています。
しかし、年の差婚夫婦の場合、この金額では不十分な可能性があります。
年の差婚夫婦は、同年代夫婦とは異なる以下のような経済的リスクに直面します。
- 一人暮らし期間の延長(月額支出約15万円)
- 介護費用の負担(在宅介護:月額約5万円、施設介護:月額約12万円)
- 医療費の増加(年間医療費約95万円)
配偶者の年金受給期間の差
年上配偶者の年金受給期間が短縮されることにより、世帯全体の生涯年金受給額は大幅に減少する傾向があります。
一般的な同年代夫婦では夫婦合計で約40年間の年金受給が見込まれますが、10歳差夫婦の場合は約35年間となり、その差は5年間に及びます。
仮に月額20万円の年金を受給していた場合、この5年間の差額は1,200万円という大きな金額になります。
さらに、年上配偶者が亡くなった後は遺族年金に切り替わるため、収入は大幅に減少します。
厚生年金月額14万円が遺族厚生年金月額10万円程度になり、月額4万円の収入減となります。
遺族厚生年金の受給額は、亡くなった配偶者の厚生年金額の4分の3に相当します。
また、40歳から65歳未満の妻には中高齢寡婦加算として年額約58万円が支給されます。
これらを合計すると、月額12万円から15万円程度の収入となりますが、一人暮らしの生活費としては十分とは言えない水準です。
医療費・介護費の準備額
年上配偶者の健康悪化時期が早まり、介護期間が長期化することにより、年の差婚夫婦では医療・介護費用が大幅に増加する傾向があります。
医療費については、厚生労働省の調査によると75歳以上の1人当たり年間約94万円かかるとされています。
一般的な高齢者の年間医療費が50万円から80万円程度とされる中で、年の差婚夫婦の場合は年上配偶者の医療費負担が長期化するため、年間80万円から120万円程度の準備が必要となります。
この差額は年間30万円から40万円となり、10年間で300万円から400万円の追加負担となる計算です。
介護費用についても深刻な問題があります。生命保険文化センターの調査によると、在宅介護にかかる月額費用は平均7.8万円とされています。
これを8年間継続した場合、総額748万円の費用が必要となります。
さらに施設介護を利用する場合は、月額12万円から15万円程度の費用がかかり、8年間で1152万円から1440万円という高額な負担となります。
これに加えて、介護用品の購入や住宅改修費として100万円から200万円程度の一時費用も必要です。
これらの医療・介護費用を総合すると、年の差婚夫婦は一般的な夫婦よりも300万円から500万円多く準備する必要があります。
特に年齢差が大きいほど、この負担は重くなる傾向があるため、早期からの資金計画が重要となります。
年の差婚における老後資金の効果的な準備方法
年の差婚特有の課題を踏まえた資金準備が重要です。
下の3つの方法を組み合わせて実践する人は、効率的に老後資金を築いているので参考にしましょう。
個人年金保険の活用術
年の差婚夫婦では、それぞれの年齢に合わせた個人年金保険の使い分けが効果的です。
年上配偶者と年下配偶者で異なる戦略を取ることにより、効率的な老後資金準備が実現できます。
年上配偶者には健康リスクを考慮した早期受給型の設計が適しています。
確定年金(10年から15年)を選択し、60歳から月額5万円から8万円程度の受給を開始することで、健康状態が良好なうちに確実に収入を確保できます。
保険料の払込みを50歳までに完了させれば、早期に負担から解放され、安心して老後を迎えることが可能です。
年下配偶者は長期的な資産形成を重視した設計が有効です。
終身年金を選択し、65歳から月額3万円から5万円を生涯受給して保険料の払込期間を長く設定することで、月々の負担を軽減できます。
個人年金保険料控除により、一人当たり年間最大4万円の所得控除が受けられます。
夫婦それぞれが契約すれば、合計で年間8万円の節税が可能です。
返戻率110%から120%の商品を選択することで、元本割れリスクを回避しながら着実な資産増加が図れます。
つみたてNISAでの長期投資
年の差婚夫婦の長期投資戦略 年下配偶者の年齢を基準とした長期投資により、インフレに対応した資産形成が実現できます。
年齢差を活かした戦略的な資産運用で、老後資金を効率的に増やすことが可能です。
投資期間は年下配偶者の年齢を基準に設定します。
例えば年下配偶者が30歳なら35年間の長期投資が可能となり、時間を味方につけた複利効果を最大限活用できます。
新NISAを活用すれば、夫婦合計で年間最大720万円(月額60万円)まで投資が可能です。
年下配偶者は70%を株式に配分し、年上配偶者は50%程度に抑えることで、リスクとリターンのバランスを取った運用ができます。
iDeCoによる節税を検討する
iDeCoの所得控除を活用することで、年の差婚夫婦も効率的な老後資金準備ができます。
掛金の全額が所得控除となるため、税負担を軽減しながら資産形成が可能です。
年収別の節税効果 年収に応じた節税効果は大きく異なります。
年収400万円で年額約6万円、年収600万円で約9万円、年収800万円では約12万円の税負担軽減が期待できます。
年上配偶者は加入期間が短いため、拠出額を最大化して効率的な資産形成が可能になり、年下配偶者は長期拠出により時間を活かした運用が可能です。
年上配偶者が先に亡くなった場合の対策
遺族年金の受給条件と金額
遺族年金の仕組みを正しく理解し、不足分を補う準備をしましょう。
遺族厚生年金の受給条件は以下のとおりです。
- 厚生年金加入期間25年以上(2017年以降は10年以上)
- 婚姻期間の制限なし(事実婚も含む)
- 年収850万円未満(所得制限あり)
基本額:亡夫の厚生年金額×4分の3
中高齢寡婦加算:40-65歳の妻に年額58万円
経過的寡婦加算:65歳以降の上乗せ給付
生命保険による保障設計
遺族年金だけでは不十分な収入を補うため、適切な生命保険を利用することが重要です。
遺族年金との差額を補うため、月額5万円から10万円を20年間確保すると1,200万円から2,400万円が必要となります。
これに葬儀費用などの一時的支出200万円から300万円、住宅ローン残債1,000万円から2,000万円を加えると、総額2,400万円から4,700万円の保障が求められます。
この金額は一見高額に思えますが、年の差婚では年下配偶者の一人暮らし期間が長期化するため、現実的な必要額といえます。
効果的な保険は以下のとおりです。
- 定期保険:必要期間(20-30年)の高額保障
- 収入保障保険:段階的に保障額を減額する合理的設計
- 終身保険:最低限の保障を生涯確保
保険料の目安
- 3,000万円の定期保険(20年):月額8,000-15,000円
- 月額10万円の収入保障保険(20年):月額6,000-12,000円
- 500万円の終身保険:月額12,000-18,000円
相続対策と財産管理
遺族年金との差額補填として、月額5万円から10万円を20年間にわたって準備する場合、1,200万円から2,400万円が必要となります。
これに加えて、葬儀費用などの一時的な支出として200万円から300万円、住宅ローンの残債が1,000万円から2,000万円程度見込まれるため、合計で2,400万円から4,700万円の保障が必要です。
保険設計では、必要期間に応じた商品の使い分けが効果的です。
定期保険により必要期間(20年から30年)の高額保障を確保し、収入保障保険で段階的に保障額を減額できます。
具体的な保険料として、3,000万円の定期保険(20年)では月額8,000円から15,000円程度が目安となります。
月額10万円の収入保障保険(20年)では月額6,000円から12,000円、500万円の終身保険では月額12,000円から18,000円程度の負担が想定されます。
これらの保険料は年齢や健康状態により大きく変動するため、複数の保険会社から見積もりを取得し、最適な組み合わせを検討することが重要です。
相続対策と財産管理
年の差婚夫婦では、配偶者の一人暮らし期間が長期化するため、スムーズな相続手続きと適切な財産管理の事前準備が特に重要となります。
税制優遇を活用した効率的な相続対策により、残された配偶者の負担を軽減できます。
相続税には複数の控除制度があります。
基礎控除は3,000万円に加えて法定相続人1人当たり600万円が控除されるため、夫婦2人の場合は4,200万円まで非課税となります。
配偶者控除では1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで非課税となり、多くの夫婦では相続税の負担を大幅に軽減できます。
生命保険金には500万円に法定相続人数を乗じた金額の非課税枠があるため、夫婦2人の場合は1,000万円まで非課税で受け取ることが可能です。
この制度を活用することで、現金を確保しながら税負担を抑えた相続対策が実現します。
年の差婚夫婦が避けるべき老後の失敗例
資金準備の開始時期の遅れ
「まだ若いから大丈夫」という油断が最も危険な失敗パターンです。
30歳、40歳、50歳での資金準備の開始を比較すると、10年の遅れで約500万円、20年の遅れで約1,000万円の機会損失が発生します。
できるだけ若い時期から老後のために資金を準備するよう心がけましょう。
保険の見直し不足による損失
独身時代の保険をそのまま継続することで、年間10-20万円の無駄な支出が発生します。
見直しによる節約効果は以下のとおりです。
- 生命保険:年間12-18万円節約
- 医療保険:年間4.8万円節約
- 自動車保険:年間3万円節約
無駄な出費が積み重なると、長期的みたときにかなりの損失になるため、早めに保険の見直しを行いましょう。
年金受給タイミングの判断ミス
年金の受給開始時期の判断は、年の差婚夫婦にとって特に重要な決断となります。
一度決定すると生涯にわたって影響するため、夫婦それぞれの状況を慎重に検討する必要があります。
年金の繰り上げ受給は一見魅力的に見えますが、大きなリスクを伴います。
1ヶ月につき0.4%の永久減額が適用されるため、5年繰り上げると24%の減額となり、生涯受給額で約500万円の損失が発生します。
この制度の最大の問題は「永久減額」という点です。
一度繰り上げ受給を選択すると、その後の健康状態や経済状況が改善しても、減額された年金額が生涯続くことになります。
一方、繰り下げ受給は1ヶ月につき0.7%の永久増額が適用され、5年繰り下げると42%の増額となります。
損益分岐点は約12年となるため、77歳以降も健康で過ごせる見込みがあれば、生涯受給額を大幅に増やすことができます。
年の差婚夫婦にとって、この制度は特に有効です。
年下配偶者が繰り下げ受給を選択すれば、長い受給期間にわたって増額された年金を受け取ることができ、一人暮らし期間の経済的不安を大幅に軽減できます。
ただし、この判断には健康状態、家計状況、他の収入源など多くの要因が関わるため、専門家との相談を通じて最適な戦略を策定することが重要です。
年の差婚の老後に関するよくある質問
年の差婚特有の老後不安を根本的に解決する方法を紹介します。
この方法を活用すると、専門的なサポートを受けながら安心して老後準備を進められます。
年の差が10歳以上ある場合の注意点は?
10歳以上の年の差がある夫婦では、単なる年齢差を超えた問題が発生します、
これらのリスクは相互に関連し合い、複合的な経済的・社会的困難を生み出すため、通常の老後対策では対応しきれない状況となります。
子なし夫婦の老後資金はどう準備する?
子なし夫婦は教育費負担がない分、老後資金準備に集中できます。
しかし、子どもがいないことは逆に老後のリスクにもつながります。
一般的な夫婦であれば、子どもが老後の支援者となる可能性がありますが、子なし夫婦では全てを自力で解決する必要があるのです。
そのため、老後資金は目安として3,500万円から4,500万円が必要になります。
子どもがいない夫婦の場合、株式投資の割合を多くした資産運用が現実的な選択肢となります。
子どもの教育にお金がかからない分、投資に回せる資金に余裕があるため、FPに相談しながら長期的に資産を増やしていく方法が効果的です。
配偶者の定年後の生活費はいくら必要?
一般的には、定年後の生活費は働いていた頃の70%から80%程度に減ると言われています。
しかし、年の差がある夫婦の場合はこのような単純な減り方にはならず、もっと複雑な変化をします。
この違いを知っておくことが、お金の計画を立てる上でとても大切です。
年の差がある夫婦では、年上の配偶者が先に定年退職するため、収入の変化が普通の同年代夫婦とは全く違います。
年下の配偶者がまだ働いている間に、年上の配偶者に医療費や介護費用がかかり始める可能性があり、この時期は逆に支出が増えてしまいます。
これらの変化を見ると、年の差がある夫婦では「定年後は生活費が減る」という一般的な考えが当てはまらないことが分かります。
実際には、ある時期には生活費が増え、長い期間にわたって高い支出が続く可能性があります。
そのため、働いていた頃の70%程度という一般的な目安ではなく、働いていた頃と同じか、それ以上の生活費が長期間必要になると考えて、お金の準備をする必要があります。
この現実を理解した上で、より積極的にお金を増やす方法を考えることが大切です。
老後資金に関する不安を解消するには?
特に年の差婚の夫婦の場合、医療費や介護費が長続きする場合が多いため、老後資金を通常より多く準備する必要があります。
年の差婚夫婦の老後資金の必要額は本記事で解説してきましたが、状況は各家庭によって異なるため、お金の専門家に相談することがおすすめです。
数あるサービスの中でもマネーキャリアなら、FP資格を持った専門家が何度でも無料で各家庭に合ったアドバイスをしてくれるのでおすすめです。
老後資金は早期からの対策が必要となるため、FP相談を利用して準備を進めている人が多いです。
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年の差婚で後悔しない老後資金の準備方法のまとめ
本記事では、年の差婚の夫婦の老後資金の準備方法や失敗例について詳しく解説してきました。
ポイントをまとめると以下のようになります。
- 年の差婚の夫婦は、介護費や医療費が一般夫婦より多くかかる
- 老後資金は、一般夫婦より500-1,500万円多く準備する必要がある
- 年上の配偶者が亡くなった時の医療費や生活費も考慮して対策するべき
- 自分の家庭がいくら老後資金を準備したら良いかわからない場合は、専門家への相談がおすすめ
年の差婚夫婦の場合、老後にかかる資金が一般の夫婦と異なるため、老後資金の準備が複雑です。
老後資金は、早い時期からの準備が必要なのでお金のプロに相談して効率よく進めましょう。
老後資金の貯め方が分からず、不安を抱えている方はマネーキャリアのような窓口に相談してみましょう。
相談満足度は98.6%と高く、10万件以上の相談実績があり、何度でも無料で相談できるのでおすすめです。