内容をまとめると
- 年金をもらいながら働く場合は在職老齢年金の制限に注意が必要
- 給料と年金の合計が基準額を超えると年金は減額される
- FPに相談すると老後資金の計画や準備方法、自分に合った働き方が明確になる
- マネーキャリアは10万件以上の相談実績を誇るFP相談サービス
- 経験豊富なFPがわかりやすく具体的なアドバイスでお金の不安を解消
この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 年金をもらいながら働ける金額の目安は2026年から月額65万円
- 年金+給料が月65万円以内なら年金をもらいながら働ける
- 2026年4月法改正のポイント
- 年金をもらいながら働ける年齢に制限はある?
- 【体験談】みんなは年金をもらいながらどれくらい働いている?
- 「月収20万円×パート」で満額受給を目指したAさん
- 「月収40万円×再雇用」で年金が半分カットされたBさん
- 「自営業×年金」で上限なしの収入を実現したCさん
- 【年齢別】年金をもらいながら働ける金額の目安
- 60歳〜64歳: 特別支給の老齢厚生年金をもらいながら働く注意点
- 65歳以上: 満額の年金をもらいながら働くための条件
- 70歳以降: 厚生年金保険料を払わずに働いた場合の受給額はどうなる?
- 【雇用種類別】年金をもらいながら働ける金額の目安
- 正社員・再雇用
- パート・アルバイト
- 個人事業主・フリーランス
- 年金をもらいながら金額カットされない働き方は?
- 方法①合計月額を65万円以内に抑える
- 方法②個人事業主(フリーランス)として働く
- 方法③「確定給付企業年金」や「iDeCo」を活用した資産形成をする
- 働きながら年金をもらうと税金と社会保険料はどうなる?
- 働くと手取りが減る?「給与所得+公的年金等控除」の合算課税
- 社会保険料の負担と将来の年金増額(在職定時改定)の損得勘定
- 【Q&A】年金をもらいながら働ける金額によくある質問
- パートで年収103万・130万を超えても年金はカットされない?
- ボーナス(賞与)をたくさんもらった月は年金が止まる?
- 繰り下げ受給中に働くと、増額率はどう計算される?
- 年金をもらいながら働ける金額は人によってさまざま!自分はいくら?
- 年金をもらいながら働ける金額まとめ
年金をもらいながら働ける金額の目安は2026年から月額65万円
令和7年度年金制度改正法により、年金を全額受給しながら働ける収入の目安が拡大され、2026年からは月額65万円が基準となります。
これにより、年金を受け取りつつ働く場合でも、これまでより多くの収入を確保しやすくなります。
また、これから記事内とFP個別相談にて詳しく解説する、在職老齢年金制度の仕組みや改正ポイントを理解することで、老後の働き方や資金計画をより具体的にイメージしやすくなります。
年金+給料が月65万円以内なら年金をもらいながら働ける
年金と給料の合計額が月65万円以内であれば、年金を受け取りながら働くことができます。
合計額がこの範囲内であれば、年金は減額されず全額支給されます。
しかし、合計額が65万円を超える場合は、超過分の半分が支給停止(減額)の対象となるため注意が必要です。
■調整後の年金支給月額の計算式
基本月額−(基本月額+総報酬月額相当額−65万円)÷2
2026年4月法改正のポイント
2026年4月から、令和7年度年金制度改正法にもとづき在職老齢年金制度が改正されます。
これにより、年金が減額される基準額は、現在の月51万円から65万円へ引き上げられます。
当初(法律成立時点)は62万円とされていましたが、賃金変動に応じた改定により65万円となりました。
法改正により、高齢者が年金を受け取りながら働きやすくなることが期待されています。
年金をもらいながら働ける年齢に制限はある?
年金を受け取りながら働くことに、法的な年齢制限はありません。
そのため、75歳や80歳といった高齢になっても、年金をもらいながら働き続けることができます。
また、働き方についても、パートやフルタイム、自営業など自由に選ぶことが可能です。
在職老齢年金制度で基準となるのは年齢ではなく「収入額」であり、基準内であれば年金を減らさず働けます。
なお、70歳を超えると厚生年金保険料の負担もなくなります。
【体験談】みんなは年金をもらいながらどれくらい働いている?
ここでは、年金を受け取りながら働く人がどのようなスタイルを選んでいるのか、以下の3つの体験談をもとに紹介します。
- 「月収20万円×パート」で満額受給を目指したAさん
- 「月収40万円×再雇用」で年金が半分カットされたBさん
- 「自営業×年金」で上限なしの収入を実現したCさん
「月収20万円×パート」で満額受給を目指したAさん
「年金月10万+パート代20万で、現役並みの生活を」と考えたAさん(65歳)。
しかし、実際に手元に残る金額は想定より遥かに少なく、労働の疲労だけが重なることに。
「これなら働かない方がマシなの?」と悩み、マネーキャリアのFP相談を予約しました。
Aさんの月収20万円は、在職老齢年金の支給停止基準となる額(現在は51万円)を大きく下回るため、年金は減額されず全額支給されるのが一般的です。
また、給与収入は所得税や住民税の課税対象になりますが、給与所得控除や基礎控除によって課税される所得額はある程度軽減されます。
Aさんの場合、月収20万だと社会保険料が重く、さらには住民税の負担増で、実質的な手残りが非効率になっていたのです。Aさんはアドバイスに従い、月収を13万円に調整し、労働時間を減らしつつ、各種控除を最大限活用することに成功しました。
「月収40万円×再雇用」で年金が半分カットされたBさん
在職老齢年金では、給与と年金額の合計が基準額(現在は51万円)を超えると、超過分の年金が1/2にカットされます。
ただし、2026年4月からこの基準額が65万円に引き上げられるため、いまは年金が減額されていても、改定後は減額されずに受け取れる可能性があります。
「自営業×年金」で上限なしの収入を実現したCさん
在職老齢年金は、厚生年金に加入しながら働く人が対象となる制度のため、自営業者は対象外です。
そのため、自営業者は在職老齢年金による年金カットの心配がありません。
また、雇用関係がないため自由に働くことができます。
【年齢別】年金をもらいながら働ける金額の目安
ここでは、年齢別に年金をもらいながら働ける金額の目安や注意点を紹介します。
- 60歳〜64歳: 特別支給の老齢厚生年金をもらいながら働く注意点
- 65歳以上: 満額の年金をもらいながら働くための条件
- 70歳以降: 厚生年金保険料を払わずに働いた場合の受給額はどうなる?
60歳〜64歳: 特別支給の老齢厚生年金をもらいながら働く注意点
特別支給の厚生年金は、厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際の経過措置として、65歳までの期間に支給される特別な年金のことです。
この特別支給の厚生年金も在職老齢年金の対象となります。
一般的に、60〜64歳の給料は再雇用後より高い傾向があり、在職老齢年金の基準額を超える可能性がある点に注意が必要です。
なお、厚生労働省の調査によると、60〜64歳の厚生年金の平均受給額は月8万2,267円となっています。
65歳以上: 満額の年金をもらいながら働くための条件
通常、65歳以上になると年金を受け取りながら働くことができます。
ただし、厚生年金に加入して働く場合は在職老齢年金の仕組みに注意が必要です。
給料と年金の合計額が51万円(2026年4月からは65万円)を超えると、超過した分の年金が減額されます。
満額の年金を受け取りながら働くためには、月収や働き方を調整し、基準額を超えないようにすることが大事です。
年金と収入のバランスを考えた働き方を検討しましょう。
70歳以降: 厚生年金保険料を払わずに働いた場合の受給額はどうなる?
厚生年金保険料の支払いは、原則として70歳に達するまでです。
そのため、70歳以降に働いても、新たに厚生年金保険料を納める必要はありません。
ただし、現役時代の厚生年金加入期間の中に保険料の未納期間がある場合、その分、将来受け取れる年金額は少なくなる点に注意が必要です。
現役時代は「保険料を納めなければ年金は増えない」という点を理解した上で、老後の準備を進めることが大事です。
【雇用種類別】年金をもらいながら働ける金額の目安
ここでは、雇用形態ごとに年金を受け取りながら働ける金額の目安や働き方、注意点を紹介します。
- 正社員・再雇用
- パート・アルバイト
- 個人事業主・フリーランス
正社員・再雇用
正社員や再雇用でフルタイムに近い働き方をする場合、パートやアルバイトに比べて収入が高くなる傾向があるため、在職老齢年金の基準額を意識することが大事です。
国税庁の調査によると、65〜69歳の平均年収は370万円、70歳以上は305万円となっており、月収に換算すると約25万〜30万円です。
平均的な収入であれば、基準額が51万円でも年金を減らさず受け取れる余裕があります。
ただし、平均以上の収入になると基準額を超える可能性が高くなるため注意が必要です。
パート・アルバイト
パートやアルバイトは正社員に比べて働く時間が短くなることが多く、ライフスタイルバランスを整えやすい働き方です。
参考として、令和7年度の最低賃金は時給1,121円です。
たとえば、時給1,150円で1日8時間、月22日勤務すると月収は約20万円になります。
月収20万円程度であれば、年金を減らされずに受け取りつつ、無理なく収入を確保できます。
在職老齢年金の基準額まで余裕があるため、年金減額のリスクを抑えやすい働き方といえるでしょう。
個人事業主・フリーランス
自営業やフリーランスは在職老齢年金の減額対象にならず、勤務時間や収入の上限もないため、柔軟に働き方や収入を調整できます。
ただし、個人事業主・フリーランスとしての期間が長く、厚生年金の加入期間が短い、あるいはまったくない場合は、将来の年金額が少なくなる可能性があります。
老後資金を安定させるには、収入計画や資産形成を含めてFPに相談し、総合的にシミュレーションすることがおすすめです。
年金をもらいながら金額カットされない働き方は?
老後に年金がカットをされない主な働き方は、次のとおりです。
- 合計月額を65万円以内に抑える
- 個人事業主(フリーランス)として働く
- 「確定給付企業年金」や「iDeCo」を活用した資産形成をする
方法①合計月額を65万円以内に抑える
年金を減らされたくない場合は、給料と年金の合計を月65万円以内に抑えることが大事です。
これは、在職老齢年金の基準額が65万円(2026年4月〜)であり、合計額が基準を超えると、超過分の年金が減額される仕組みのためです。
そのため、働き方や給料を調整して合計月額を65万円以内に収めれば、年金を満額維持しながら収入を確保できるため、老後の働き方として現実的な選択肢となります。
方法②個人事業主(フリーランス)として働く
年金がカットされにくい働き方として、個人事業主(フリーランス)として働く方法があります。
個人事業主(フリーランス)は、在職老齢年金の対象外となるため、収入と年金の合計額を気にする必要がありません。
仕事量を抑えることなく、収入を得ることができます。
ただし、確定申告が必要になるほか、税金や国民健康保険料などの社会保険料の負担が、会社員より重くなる可能性もある点には注意が必要です。
方法③「確定給付企業年金」や「iDeCo」を活用した資産形成をする
年金を受給しながら働く場合は「確定給付企業年金」や「iDeCo」を活用した資産形成も重要なポイントです。
これらの制度を利用して運用すると、拠出した掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となります。
そのため、税負担を抑えつつ、老後に向けた効率的な資産形成が可能です。
確定給付企業年金やiDeCoによる受取額は在職老齢年金の対象外となるため、老後資金対策として非常に有効です。
働きながら年金をもらうと税金と社会保険料はどうなる?
働きながら年金を受け取る場合、年金や税金、社会保険料の扱いが気になるところです。
- 働くと手取りが減る?「給与所得+公的年金等控除」の合算課税
- 社会保険料の負担と将来の年金増額(在職定時改定)の損得勘定
働くと手取りが減る?「給与所得+公的年金等控除」の合算課税
給料と年金を受け取る場合、給与所得と雑所得の両方が発生することになり、それぞれに給与所得控除と公的年金等控除が適用されます。
そして、控除後の所得額を合算して課税所得が計算される仕組みです。
さらに、一定の要件を満たす場合には、最大10万円の所得金額調整控除が適用されることもあります。
このように複数の控除制度が設けられているため、給料と年金の両方があっても、税負担を一定程度抑えることができます。
※参照:国税庁|所得金額調整控除
社会保険料の負担と将来の年金増額(在職定時改定)の損得勘定
65歳以上で厚生年金に加入して働くと、給料に応じて社会保険料の負担が発生することがあります。
負担が増えるデメリットに感じられますが、支払った保険料は「在職定時改定」により、将来の年金額に反映される仕組みです。
働きながら保険料を納めることで、毎年10月に年金額が増額される可能性があるのです。
目先の手取りを優先するか、将来の年金増額を重視するかで最適な働き方は変わるため、ライフプランに沿った選択が大切です。
【Q&A】年金をもらいながら働ける金額によくある質問
年金をもらいながら働ける金額について、よくある質問は以下のとおりです。
- パートで年収103万・130万を超えても年金はカットされない?
- ボーナス(賞与)をたくさんもらった月は年金が止まる?
- 繰り下げ受給中に働くと、増額率はどう計算される?
パートで年収103万・130万を超えても年金はカットされない?
パートで年収103万円や130万円を超えても、すぐに年金がカットされるわけではありません。
在職老齢年金では、給料と年金の合計額が一定の基準を超えた場合にのみ、年金が減額されます。
現在の基準は月51万円で、2026年4月以降は65万円へ引き上げられる予定です。
そのため、年収103万円や130万円を超えていても、給料と年金の合計が基準額内であれば、年金が減ることはありません。
ボーナス(賞与)をたくさんもらった月は年金が止まる?
ボーナス(賞与)を多く受け取った月であっても、必ずしも年金が止まる(減る)わけではありません。
なぜなら、在職老齢年金では、賞与は直近1年間の標準賞与額の合計を12で割り、その金額を毎月の給与に加えて計算するからです(総報酬月額相当額)。
そのため、賞与の支給額が大きくても、1か月あたりの給料と年金の合計額が在職老齢年金の基準額内であれば、年金は減額されることはなく通常どおり受け取ることができます。
繰り下げ受給中に働くと、増額率はどう計算される?
年金を繰り下げ受給すると受給開始を66歳以降75歳まで先送りでき、年金額は1ヶ月あたり0.7%ずつ増え、最大で84%の増額となります。
在職老齢年金の制度によって減額された年金は、繰り下げ受給による増減の対象にはなりません。
そのため、在職老齢年金の減額対象となっている場合は、減額分を除いて繰り下げ加算額が計算されます。
年金をもらいながら働ける金額は人によってさまざま!自分はいくら?
年金をもらいながら働ける金額は、再雇用でフルタイムに近い働き方をするのか、パートや
短時間勤務を選ぶのかといった雇用形態によって異なります。
給料と年金の合計額をもとに、在職老齢年金の減額対象かどうかが判断されるためです。
まずは「自分はいくらまで働けるのか」を正確に把握するために、FPに相談しましょう。
FP相談では、収入や年金額、希望する働き方を整理した上で、在職老齢年金の基準を踏まえたシミュレーションを行います。
その結果をもとに、年金が減らない働き方や老後資金を安定させるための対策、年金額を増やす方法などを具体的に提案します。
自分に合った働き方を選ぶためにも、早めにFPへの相談を検討してみましょう。
年金をもらいながら働ける金額まとめ
年金をもらいながら働く場合、年金の減額があるかどうかは、給料や年金額によって変わります。
そのため、自分がどのくらい稼げるかを把握し、具体的な計画を立てることが大切です。
「老後資金に不安がある」「どれくらいまで働けるか知りたい」といった方は、FPに相談して老後資金のシミュレーションや計画、不足額の準備方法などを確認すると安心です。
早めに相談して、老後の悩みや不安を解消しておきましょう。
