投資とギャンブルの違いは知っていますか?両者は損をする可能性があるのは同じですが、実は性質が異なります。今回は投資とギャンブルの違いや投資をした方が良い理由、投資を始める前に必要なことについて紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 投資とギャンブルの仕組み
- 投資の仕組み
- ギャンブルの仕組み
- 投資とギャンブルの違いとは?
- 投下した金額に対してどれくらい「期待値」があるか
- 合理的な根拠があるかないか
- 投資とギャンブルの共通点とは?
- リスクを知る必要がある
- 知識が必要である
- 投資の種類には何がある?
- 外貨預金
- 債券
- 投資信託
- 株式投資
- 不動産投資
- 金やプラチナなどの現物投資
- 投資の運用利益を手元に残す国の制度
- NISA
- iDeCo
- 始めないともったいない!投資をした方がいい理由
- 投資での損失を最小限にするために必要なこと
- 投資の勉強をする
- 生活費を見直し、いくら投資に回すか決める
- ギャンブルのような投資ではなく安定した方法で運用するには?
- 国家資格保有者のもとで安心して投資をはじめる:投資の無料相談窓口
- まとめ:投資をギャンブルのように運用して失敗しないために
投資とギャンブルの仕組み
たしかに、投資とギャンブルはどちらも投じたお金が増えたり減ったりする可能性がある点で共通しています。つまり不確実性があって元本保証がないものです。
しかし、投資とギャンブルは性質が異なることを把握しておきましょう。
投資とギャンブルの性質の違いは、大まかに言うと損益を分け合うか奪い合うかの違いです。
- 投資:運用結果を分け合うプラスサムゲーム(またはマイナスサムゲーム)
- ギャンブル:取引参加者が投じた資金を奪い合うゼロサムゲーム(またはマイナスサムゲーム)
投資の仕組み
投資は、運用によって生じると見込むキャッシュフローを期待して資金を供給し、その資産を取得する仕組みです。
例えば、株式投資なら株価の上昇(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)などのキャッシュフローを期待して株式を購入します。
株価の上昇や配当金の増額はすべての投資家にとって嬉しいことですが、株価の下落や配当金がないことは、すべての投資家にとって嬉しいことではありません(信用取引などを除く)。
つまり投資は資金が運用されることが前提で、投資家の損益はその運用結果に基づきます。
仮に株価が上昇すれば、上昇前と比べると投資家全体の損益もプラスに動くため、これをプラスサムゲームと呼びます。
ギャンブルの仕組み
ギャンブルは参加時にお金を払って何らかの結果に賭け、勝った人に参加者全員から集めたお金の大半が払戻(ペイアウト)されるという仕組みです。
競馬を例にとると、勝ち馬を予想する際に馬券代を支払い、勝ち馬を当てた人は多くのペイアウトを受け取れる反面、予測が外れた人はお金を失ってしまいます。
つまり勝った人が受け取るお金は、負けた人が賭けたお金です。
なお、集めたお金の合計額から一定額はギャンブルの運営者(胴元)に入るため、参加者の損益を合計しても結果はマイナスになります。
このような仕組みをマイナスサムゲームと呼びます。
投資とギャンブルの違いとは?
投資とギャンブルの違いを理解することは、失敗のリスクを最小限に抑えるために重要です。
投資とギャンブルの大きな違いとは、期待値と合理性にあります。
投下した金額に対してどれくらい「期待値」があるか
期待値とは、投資やギャンブルで得られると予想される利益のことです。
投資では、長期的に見て期待値がプラスになるように運用するのが目的となります。一方、ギャンブルでは、期待値はマイナスになる可能性が高いです。
つまり、投資は将来的な利益を見込んで行われるのに対し、ギャンブルは一時的な興奮や楽しみが目的となることが多いのです。
合理的な根拠があるかないか
もう一つの違いは、行動の根拠に合理性があるかどうかです。
投資では、企業の業績や経済状況などを分析し、合理的な判断に基づいて行動します。
一方、ギャンブルでは、運や勘に頼ることが多く、合理的な根拠に乏しいです。
- 投資:合理的な分析に基づく行動
- ギャンブル:運や勘に頼った行動
投資とギャンブルの共通点とは?
リスクを知る必要がある
投資もギャンブルも、リスクを伴う行為である点では共通しています。
投資では、市場の変動によって損失が発生するリスクがあります。一方、ギャンブルでは、運に左右されるため、常に損をするリスクがつきまといます。
両方ともリスクを正しく理解し、適切な管理が求められるのです。
- リスクの特定:どのようなリスクがあるのかを把握する
- リスクの分析:リスクの発生確率や影響度を評価する
- リスクへの対応:リスクを回避、軽減、移転、受容するなどの対策を講じる
知識が必要である
投資とギャンブルのもう一つの共通点は、知識が必要とされる点です。
投資では、経済や市場に関する知識が求められます。また、ギャンブルでも、ゲームのルールや確率を理解しておく必要があるます。
知識不足のまま投資やギャンブルに手を出すと、大きな失敗やトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
投資で失敗しないためには、リスクを適切に管理し、十分な知識を身につけることが不可欠なのです。
投資の種類には何がある?
投資で失敗しないためには、自分に合った投資方法を選ぶことが大切です。投資にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
主な投資の種類として、以下のようなものが挙げられます。
外貨預金
外貨預金は、外国通貨で預金を行う投資方法です。為替レートの変動によって、利益を得ることができます。
ただし、日本証券業協会の「資産運用と証券投資スタートブック(2022年版)」によると、為替リスクがあることに注意が必要です。
債券
投資信託
投資信託は、複数の投資家から資金を集め、運用のプロが株式や債券などに投資する商品です。
少額から始められるのが特徴ですが、運用成績によっては損失が発生するリスクもあります。
株式投資
株式投資は、企業の株式を購入し、株価の上昇や配当によって利益を得る投資方法です。
高い収益が期待できる反面、株価の変動リスクが大きいのが特徴です。
不動産投資
不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入し、賃料収入や売却益を得る投資方法です。
安定した収入が期待できますが、多額の初期投資が必要な点に注意が必要です。
金やプラチナなどの現物投資
金やプラチナなどの貴金属に投資する方法もあります。インフレヘッジの効果が期待できます。
ただし、日本証券業協会の「資産運用と証券投資スタートブック(2022年版)」が示すように、価格変動リスクがある点は押さえておきましょう。
以上のように、投資には様々な種類があります。自分の目的やリスク許容度に合った投資方法を選ぶことが、失敗を避けるために重要です。
投資の運用利益を手元に残す国の制度
投資で得た利益をできるだけ多く手元に残すためには、税金対策も欠かせません。
国には、投資の運用益に対する税負担を軽減する制度があります。代表的なものが、NISAとiDeCoです。
NISA
NISA(ニーサ)は、少額投資非課税制度の略称で、一定の投資枠内であれば、運用益が非課税となる制度です。
NISAには、以下のような種類があります。
- 一般NISA:年間120万円の投資枠で、最長5年間非課税
- つみたてNISA:年間40万円の投資枠で、最長20年間非課税
- ジュニアNISA:未成年者向けの制度で、年間80万円の投資枠で、最長5年間非課税
iDeCo
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金の略称で、老後の資金を積み立てながら、運用益を非課税で受け取れる制度です。
60歳まで原則引き出せませんが、長期的な資産形成に適しています。
iDeCoの年間の拠出限度額は、以下のように定められています。
- 自営業者など:最大68万円
- 会社員や公務員:最大23万円(企業型確定拠出年金との合計で最大55万円)
- 専業主婦(夫):最大23万円
始めないともったいない!投資をした方がいい理由
投資とギャンブルはどちらも損することがあるため、損をしない預貯金のほうが優れていると考える人も当然いるでしょう。
しかし、次のような理由から投資を検討してみることもおすすめします。
- 預貯金に適用される金利ではお金は増えない(低金利)
- インフレや増税に備えられる
- 老後資金など将来必要なお金を準備しやすい
投資での損失を最小限にするために必要なこと
投資は元本が保証されていないため、始めるまでのハードルが高いと感じている人も多いでしょう。
たしかに元本保証はありませんが、金融商品にはさまざまな特徴があり、安定性や収益性などの観点から整理することができます。
安定性が高いと収益性が低く、収益性が高いと安定性が低い、つまりリスクとリターンは比例関係です。
引用元:日本証券業協会「資産運用と証券投資スタートブック(2022年版)」
例えば、一般的な傾向としては、株式に投資するよりも投資信託に投資するほうが元本割れ(損失)の可能性を抑えられます。
他にも投資を始める前に押さえておきたいポイントがあるため、それぞれ確認していきましょう。
投資の勉強をする
株式や債券、投資信託などに関する知識がないまま投資を始めるのは避けるべきです。
大切なお金を投資するわけなので、売買の方法をはじめ、手数料の負担有無や価格の変動要因などについてよく調べておきましょう。
ただ自分で投資の勉強をするのも難しい部分があります。そのようなときは、お金のプロであるFP相談を活用するのもおすすめです。
FPは投資の説明や紹介だけでなく、家計の状況に応じて相談に乗ってくれます。
生活費を見直し、いくら投資に回すか決める
投資をする前に、生活費を見直しておく必要があります。
仮に月の手取りが30万円で生活費が28万円の場合、投資に回せるお金は最大でも2万円です。
そのため投資をする前には家計簿をつけるなどして家計収支を整理し、投資に回せるお金(余剰資金)を把握しておきましょう。
もちろん、1年後に子どもが大学に進学するといった場合、大学進学費用は元本保証のない金融商品ではなく預貯金で備える方法がおすすめです。
その他、急に生じることのある医療費などのために、生活費の3~6ヶ月分の生活防衛資金を確保しておくのが理想的といわれています。
引用元:日本証券業協会「資産運用と証券投資スタートブック(2022年版)」
お金の整理が終わったら、投資の勉強をしながら、例えば月1万円以下の少額投資から始めてみても良いでしょう。
ギャンブルのような投資ではなく安定した方法で運用するには?
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投資とギャンブルの違いや、投資の種類、税制優遇制度に関して、疑問や不安を抱える人は少なくありません。また、自身が考える投資方法や老後資金が最適とは限りません。
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まとめ:投資をギャンブルのように運用して失敗しないために
ここまで、投資とギャンブルの違いから、おすすめの相談先までに紹介しました。
投資を行うには、専門的なアドバイスが必要です。また、具体的な目標を達成するためには、FP(ファイナンシャルプランナー)のような専門家に相談することが有効です。
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