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▼この記事を読んでほしい人
  • 医療保険を法人契約する役員向けのおすすめ活用法について知りたい人
  • 医療保険を法人契約する従業員向けのおすすめ活用法について知りたい人
  • 法人医療保険の経理処理方法について知りたい人
  • 法人医療保険の注意点について知りたい人
  • 医療保険を法人契約すれば、保険料を損金に算入したり、万が一の時の事業保障や役員の退職慰労金の一部として活用したりすることが可能
  • 医療保険を法人契約すれば、従業員の福利厚生や退職金の一部として活用することも可能
  • 法人医療保険の経理処理は、支払保険料の年間合計額や給付金の受取人が誰かによって処理が変わってくるため、注意が必要
  • 医療保険の法人契約について不安や疑問をお持ちの方は、マネーキャリアの無料相談がおすすめ!
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この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

医療保険を法人契約する役員向けのおすすめ活用法4つ


医療保険の法人契約とは、契約者(保険料の負担者)を法人、被保険者(保険の対象者)を役員や従業員として、医療保険を契約することです。

医療保険は個人で契約するのが一般的ですが、法人契約をすることによって、役員(経営者)と従業員のそれぞれにメリットがあります。


そこでまず本章では、医療保険を法人契約する役員向けのおすすめ活用法をご紹介します。


具体的には、以下の4つです。

  1. 保険料の損金算入が可能
  2. 役員が病気になった際も安心できる
  3. 退職後の個人名義に変えて一生涯の保障が得られる
  4. 役員退職として活用できる

活用法1:保険料の損金算入が可能

医療保険を法人契約した場合には、支払った保険料を損金に算入できるため、法人税の節税効果があります。


法人税は法人の所得(利益)に対して課税されるため、損金(支出)が増えればその分だけ法人の課税所得が減り、法人税の負担も軽減されるのです。


医療保険の法人契約は有効な節税対策の1つとして、以前から人気を集めていました。


しかし2019年の税制改正により、2019年10月8日から加入した短期払いの医療保険については、損金に算入できる保険料の額に規制が設けられたため、注意が必要です(※詳細は後述)。


参考:国税庁

活用法2:役員が病気になった際も安心できる

医療保険は役員が病気になって長期間働けなくなった場合でも、給付金をもって一時的な事業保障として充てることができるため、もしもの時も安心できます。


特に、小規模の企業やベンチャー企業などは、役員の人脈や営業活動によって経営が成り立っているケースも珍しくありません。


そのような企業において、役員が病気で長期的に離脱すると致命的になりかねませんが、給付金があれば一時的に穴埋めをすることも可能です。


このように、法人契約の医療保険は単なる役員の医療費保障だけでなく、万が一の時の法人の事業保障としても活用できるのです。

活用法3:退職後の個人名義に変えて一生涯の保障が得られる

終身型の医療保険であれば、役員が退任する際に役員個人の名義に名義変更をして、一生涯の保障が得ることも可能です。


法人名義での契約中に保険料の支払いが完了していれば、個人名義に変更した後も、役員は保険料の負担なしで一生涯の保障を確保できます。


特に、昨今は「人生100年時代」とも言われており、病気のリスクに対する備えはますます注目されています。そのような時代において、保険料を負担せずに一生涯の保障を得られることは、非常に大きいと言えるでしょう。

活用法4:役員退職として活用できる

前述の活用法3に付随して、「医療保険の法人名義から役員個人への名義変更」をもって、役員退職慰労金の現物支給として活用することも可能です。


役員退職慰労金は、場合によってはキャッシュの流出が大きく、一時的に財政状態の悪化に繋がる可能性があります。


しかし、医療保険の名義変更をもって役員退職慰労金の一部として充てれば、キャッシュの流出を防ぐ効果も期待できます。

医療保険を法人契約する従業員向けのおすすめ活用法2つ


前述の通り、医療保険の法人契約は役員側だけでなく、従業員側にもメリットがあります。


そこで本章では、医療保険を法人契約する従業員向けのおすすめ活用法をご紹介します。


具体的には、以下の2つです。

  1. 医療保障を従業員に譲渡する
  2. 従業員の福利厚生に利用する

活用法1:医療保障を従業員に譲渡する

役員の場合と同様、終身型の医療保険であれば、従業員が退職する際に従業員個人の名義に名義変更をして、医療保障を譲渡することが可能です。

法人名義での契約中に保険料の支払いが完了していれば、個人名義に変更した後も、従業員は保険料の負担なしで一生涯の保障を確保できます。

また、退職金の一部として医療保障を譲渡した場合には、税務上は「退職所得」として扱われず、受け取った側に所得税がかからないため、その点もメリットと言えるでしょう。

活用法2:従業員の福利厚生に利用する

法人保険としての医療保険は、従業員の福利厚生として活用することも可能です。


従業員が病気やケガになった時の保障はもちろんのこと、保険会社によっては、保養所やリゾート施設等の割引サービスが付帯していることもあります。


これらの付帯サービスも含めて、医療保険を福利厚生として有効活用すれば、従業員満足度の向上にも繋がります。


結果として、従業員の定着率アップや、入社希望者が増える効果が期待できるでしょう。

法人医療保険の経理処理方法


本章では、法人医療保険の経理処理方法をご紹介します。具体的には、「保険料を支払った時」と「給付金を受け取った時」の処理方法について解説します。

なお、医療保険を法人契約する場合には、退職時に名義変更で譲渡することを見越し、ほとんどの企業が「終身タイプの短期払い契約」を選択します。

そのため、本章においても「終身タイプの短期払い契約」の会計処理に限定して解説していきます。

前述の通り、2019年の税制改正により、2019年10月8日から加入した短期払いの医療保険については、損金に算入できる保険料の額に規制が設けられたため、その点をしっかりと整理しておきましょう。

保険料の経理処理方法

「終身タイプの短期払い契約」の保険料を支払った時は、支払保険料の年間合計額によって、その処理方法が変わってきます。

具体的には、以下の2通りのケースが存在します。

  • 年間合計支払保険料が30万円以下のケース
  • 年間合計支払保険料が30万円を超えるケース

年間合計支払保険料が30万円以下のケース

このケースでは、支払った保険料の全額を損金に計上できます。ただし、複数の医療保険に加入している場合には、全ての保険料の合計額で判定する必要があるため、注意が必要です。

年間合計支払保険料が30万円を超えるケース

このケースでは、下記の手順で処理を行います。
  1. 保険料払込期間中は、支払保険料のうち「年間保険料×保険料払込期間÷保険期間(116歳-契約年齢)」で算出した金額を支払保険料として損金算入、残りは資産計上
  2. 保険料払込期間の終了後は、被保険者が116歳になるまで、1で算出した支払保険料を資産計上分から取り崩して損金算入
例えば、以下のケースを想定してみましょう。
  • 契約時年齢:46歳
  • 払込方法:年払い
  • 払込期間:10年
  • 年間支払保険料:700,000円
このケースでの支払保険料は、

700,000円(年間保険料)×10年(払込期間)÷70年(116歳-46歳)=100,000円

となり、各年の会計処理は、以下の通りとなります。

会計処理
払込期間中
支払保険料:100,000円/現金:700,000円
前払保険料:600,000円
払込期間終了後支払保険料:100,000円/前払保険料:100,000円

給付金の経理処理方法

給付金を受け取った時は、受取人が誰かによって、その処理方法が変わってきます。


具体的には、以下の2通りのケースが存在します。

  • 受取人が役員・従業員(親族含む)のケース
  • 受取人が法人のケース
●受取人が役員・従業員(親族含む)のケース
役員・従業員(親族含む)などの個人が給付金を受け取った場合には、治療のために使われることが明確であるため、その全額が非課税扱いとなります(所得税法施行令第30条)。

●受取人が法人のケース
法人が給付金を受け取った場合には、いったん益金(雑収入)として処理します。その後、受け取った給付金を対象者に見舞金として支給すれば、一定の範囲内で損金の参入が認められます(※詳細は次章)。

法人医療保険の注意点2つ


法人医療保険はメリットも大きいですが、見落としがちな注意点もいくつか存在します。


そこで本章では、法人医療保険の注意点をご紹介します。


具体的には、以下の2つです。

  1. 手術・入院給付金が益金に算入される
  2. 慶弔見舞金規定を制定する

注意点1:手術・入院給付金が益金に算入される

前述の通り、手術・入院給付金などの各種給付金を法人が受け取ると、経理処理上はいったん益金(雑収入)として取り扱うため、課税の対象となります。


その後、法人が受け取った給付金を対象者に見舞金として支払えば、損金算入が認められます。


ただし、損金として認められるのは、「社会通念上相当とされる金額」までと定められています。それを超えた金額は、見舞金ではなく給与として扱われ、課税の対象となるため、注意が必要です。


なお、ここでの「社会通念上相当とされる金額」の範囲は、過去の判例から、1回あたり50,000円が目安となっています。

(参照:国税不服審判所「裁決事例集 No.63(平14.6.13裁決、裁決事例集No.63 309頁)」

注意点2:慶弔見舞金規定を制定する

法人が受け取った給付金は、「社会通念上相当とされる金額」を上限として、見舞金として損金算入が認められますが、実際に見舞金を支給する際は、事前に慶弔見舞金規定を制定しておく必要があります。


というのも、見舞金を損金に算入するためには、慶弔見舞金規定に基づいて見舞金を支給する必要があるからです。


もし慶弔見舞金規定がない場合には、見舞金ではなく給与とみなされてしまい、課税の対象になる可能性があるため、十分にご注意ください。


税務署から指摘を受けないためにも、慶弔見舞金規定は事前に制定しておきましょう。

法人保険の活用事例集

法人保険の活用事例集のイメージ


営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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まとめ:保険相談は専門家のいるマネーキャリアへ!


医療保険を法人契約すれば、税務上のメリットがあるだけでなく、従業員の福利厚生として利用したり、万が一の時の事業保障として充てたりすることも可能です。

ただし、医療保険の法人契約は、個人契約よりも処理が複雑になるので、会計処理や税制改正も含めて、正しく理解しておく必要があります。


もし医療保険の法人契約について疑問や不安がある方は、ぜひマネーキャリアにご相談ください。


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