【立替・返済など】役員借入金の仕訳4パターンを解説!のサムネイル画像
会社の存続には資金が必須となりますが、資金を集める方法のひとつに役員から資金繰りのために借入する「役員借入金」があります。役員借入金は、銀行からの融資と比較すると審査の手間や時間がかからないので、早期に資金を集められます。

一方で、役員借入金も借入時や返済時に、正しく仕訳をしなければならない科目です。しかし、仕訳の方法がさまざまなので、たびたび混乱する方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「役員借入金の仕訳の方法から役員借入金が膨らんでしまったときの対処法」を解説します。

・役員借入金で借入をしたものの、仕訳が複雑で悩んでいる
・役員借入金を含む借入金が膨らんでしまい、返済目処が立たず困っている

方は本記事を参考にすると、役員借入金の仕訳の方法が具体的にわかるほか、債務超過をはじめとした事業リスクへの備えもできるようになります。

内容をまとめると

  • 役員借入金の仕訳は「立て替え時・返済時・長期借入金の期限が1年を切ったとき・DES(デットエクイティスワップ)をした場合」でそれぞれ異なる
  • 役員借入金が多くなりすぎると、銀行や取引先からの信用に悪影響をおよぼす可能性が高いので、役員貸付金と相殺したり、生命保険を活用したりする方法で対策できる。
  • 役員借入金だけでなく、さまざまな事業リスクへ対応するためにも、FPへ何度でも無料で相談できる「丸紅グループ運営のマネーキャリア」を使って、提案を受けながら事業運営をする会社も多い。
監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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役員借入金は短期借入金と長期借入金どちらで計上すべき?


1年以内に返済の目処が立っている場合は「短期借入金」、1年以上返済にかかるのであれば「長期借入金」で計上する必要があります。


借入をしたときは「短期借入金(1年以内に返済期日が来る借入金)」もしくは「長期借入金(返済期日が1年以上先の借入金)」のいずれかでの処理が求められます。


役員借入金は返済期日や利息が任意で設定できる一方、決算書上では短期借入金で計上している企業も多いのです。しかし、1年以内に返済するケースは少ないことからも、基本的には長期借入金での計上が好ましいです。


短期借入金で計上する場合は流動負債、長期借入金で計上する場合は固定負債となります。


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役員借入金の仕訳とは


以下では、役員借入金の仕訳の方法を紹介します。借入時や返済時など、状況によって仕訳が変わるので、担当者は正しく把握しておく必要があります。

役員が立替で会社の消耗品を支払った場合

仮に、会社で使う消耗品を役員が立て替えて30,000円分支払った場合は、以下のように仕訳をします。(例では、役員借入金を短期借入金として計上) 
借方貸方
消耗品費 30,000円短期借入金 30,000円
ここでは、法人が役員から「消耗品費を借入した」とみなせるので、消耗品費(取得価額が100,000円未満の什器備品や使用可能期間が1年未満のもの)で計上できます。

また、営業取引以外の単発金(未払金)に関しても同様に仕訳ができます。
借方貸方
未払金 30,000円短期借入金 30,000円

役員に返済したとき

たとえば、立て替えた消耗品費の30,000円を、役員に対して返済した際には、以下のように仕訳ができます。

借方貸方
短期借入金 30,000円預金 30,000円

消耗品費などとは別に、役員借入金に対しては利息を任意で設定できるので、仮に支払い利息を計上する場合は借方に「支払利息」を記載しなければならない点に注意しましょう。

長期借入金の返済期限が1年を切った場合

役員借入金を「長期借入金」として計上し、かつ長期借入金の返済期限が1年を切った場合は、固定負債が流動負債になるので、短期借入金へ変更する必要があります。


たとえば、長期借入金として計上した、1年以内に返済期限が来る役員借入金が10,000,000円だとすると、仕訳は以下のとおりとなります。

借方貸方
長期借入金 10,000,000円短期借入金 10,000,000円

借入金を返済したときには、借方に借入金を仕訳し、負債が減ることから貸方に預金勘定がくるのです。

DES(デットエクイティスワップ)をした場合

DESとは債券株式化とも呼ばれ、膨らんでしまった借入金(負債)を資本に振り替えることを指します。


例として、DESを使って長期借入金とした役員借入金15,000,000円を、資本に振り替えたときの仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
長期借入金 15,000,000円資本金 15,000,000円

DESは借入金を資本金に振り替えた分、自己資本比率が高まるので、会社の財務状況が悪化したときによく用いられる手法です。


ただし、振り替えた際に役員の債権が株式に変換されることから、弁済順位が下がったり、利息収入が無くなったりする点などがデメリットです。また、なぜDESをするのかの明確な理由も必要になるので注意しましょう。


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役員借入金で債務超過になる危険性とは?


役員借入金も借入金の一種なので、役員借入金が多すぎると銀行などの融資先や取引先から、企業の安定性や業績を疑われる可能性があるので注意しましょう。


借入金にどの程度依存しているかは、以下の計算式で表せます。

借入金依存度(%)=(長期借入金+短期借入金+受取手形割引高)÷総資産×100

受取手形割引高とは、支払期日が来る前の手形を現金化するときに、利息や手数料が差し引かれた手形の額面合計金額を指します。


一方で、貸借対照表上で純資産の部がマイナスになっていると、債務超過と判断され、新たな融資を受けることが難しくなりかねません。そのため、以下の「自己資本比率」の確認が大切なのです。

自己資本比率(%)=純資産合計(自己資本)÷ 総資産×100(%)

上記の自己資本比率は30%から40%が妥当とされており、下回る場合は利益を出すか、役員借入金の免除をしてもらう方法があります。


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役員借入金を解消するための対処法とは?


ここでは、役員借入金を解消する方法を3つ紹介します。役員借入金は借入金の一種なので、以下のような対策をして役員借入金を少なくする会社も多いです。

役員貸付金と相殺する

最初に、役員貸付金と相殺する方法です。


役員貸付金と役員借入金を相殺する図解

たとえば、会社から役員に対して役員貸付金を6,000,000円分貸付け、会社が借り入れた役員借入金5,000,000円を相殺すると、役員貸付金が5,000,000円分相殺できます。

役員報酬で返済する

役員に対して役員報酬を支払う際に、一部を減額しつつ役員貸付金として回収する方法もあります。


経営者の住民税や所得税が節税になるうえ、会社と経営者の資金繰りに出る影響が少ないので、規模の小さい会社では有効な手法です。たとえば、役員貸付金が5,000,000円あるときに、役員報酬が月額600,000円であった場合、うち200,000円を貸付金の回収にすると、2年と1ヵ月で回収が可能になります。


一方、減額した場合は役員個人の社会保険料や税金が減るものの、手取り額も減るので注意しましょう。

生命保険を活用する

役員借入金を減らす方法として、法人で加入している生命保険も活用できます。


短期間で役員借入金を減らすのが難しいケースでは、生命保険を解約した際に受け取れる解約返戻金や養老保険の満期保険金を使って、役員借入金を全額返済できるように準備しておくことも有効です。


一方で、資金繰り状況は会社によって異なるので、会社ごとに最適な生命保険は異なります。 そのため、丸紅グループが運営するマネーキャリアのような法人向け生命保険に詳しいファイナンシャルプランナーへ相談し、事業リスクに備える企業も多いのです。


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事業リスクに備える生命保険が簡単に無料でわかる方法


以下では、多額な役員借入金をはじめとした、さまざまな事業リスクに備えられる生命保険が簡単かつ無料でわかる方法を紹介します。


会社の存続のためには資金が必要ですが、資金繰りが悪い場合は役員借入金を使って資金を集める方法も使えます。しかし、解消できないままにしておくと、経営者に万が一のことがあったときに多額の相続税が発生したり、融資の際や取引先からの信用に悪影響を及ぼす可能性があるのです。


紹介した解消方法も事前にできる方法ではあるものの、経営者や会社へのリスクは常に考慮しておく必要があります。そこで、法人向け生命保険へ加入しておけば、相続税が払えなくなったり経営者自身が亡くなってしまった場合のリスクにも備えられます。


一方、生命保険は短期で入れる定期保険から一生涯保障のものまで数多くあるため、普段忙しい経営陣のみで判断するのは困難です。そのため、法人向け保険のプロに「何度でも無料で」相談できるパートナーとして、マネーキャリアの利用が必須です。


丸紅グループが運営するマネーキャリアによる法人保険のプロから、会社の状況を考慮したうえで最適なリスク相談ができます。相談実績も80,000件以上と豊富であり、すぐに最適な生命保険がわかります。

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営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても情報が非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


そこで、マネーキャリアでは独自に「法人保険の活用事例集(全29ページ)」を作成し公開しています


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役員借入金の仕訳や解消法まとめ


ここまで、役員借入金の仕訳方法から、解消方法までを紹介しました。


役員借入金は、短期借入金・長期借入金のいずれかに分類されたうえで、立て替え払いなど単発で生じる取引はもちろん、返済時やDESを実施した際のそれぞれで仕訳方法が異なります。また、解消方法としては役員貸付金との相殺や役員報酬の減額、生命保険の活用も挙げられます。


しかし、役員借入金が膨らんでしまうリスクだけではなく、事業運営にはさまざまなリスクが潜んでいます。とくに、経営者自身に万が一のことがあれば、役員借入金の解消はもちろん、事業そのものの存続も難しくなるので、事前にリスクヘッジをしておく必要があるのです。


そのため、マネーキャリアのように「プロのファイナンシャルプランナーへ何度でも無料で相談できるサービス」を使って、リスクに備える会社も多いです。


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