

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 共働きの子供の扶養はどちらに入れる方がお得か状況別に解説
- 健康保険の扶養は年収が多い側に入れるのが原則
- 子供が複数いる場合は扶養を分けるのもおすすめ
- 夫婦の年収の差が1割以内ならどちらの健康保険の扶養に入れるか選べる
- 共働きの子供の扶養控除額を年収ごとにシミュレーション
- 年収300万円の場合
- 年収500万円の場合
- 年収800万円の場合
- 共働きの子供の扶養で注意すべきポイント
- 16歳未満の子供は扶養控除の対象外
- 年収の少ない側(妻)の扶養に入れると住民税が0円になる場合がある
- 年収いくらで住民税が0円になるか把握しておく
- 共働きの子供の扶養で迷ったら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
- 子供をどちらの扶養に入れるか迷ったときの判断方法
- 二人の年収を比較する
- 扶養手当の支給要件を確認する
- 給与収入が年850万円を超えているか確認する
- 共働きの扶養に関するよくある質問
- そもそも扶養とは何ですか?
- 扶養を付け替えたいときはどうしたらいいですか?
- 共働きの扶養に関する悩みはマネーキャリアで解消
共働きの子供の扶養はどちらに入れる方がお得か状況別に解説
共働きの子供の扶養は、基本的に年収が多い方に入れるとお得です。
理由は、年収が多いほど扶養控除により節税できる金額が増え、世帯全体の手取りアップにつながるからです。
しかし、例外のケースもあるので注意しましょう。
本章では、そのような例外ケースについて、先にお伝えしておきます。
健康保険の扶養は年収が多い側に入れるのが原則
健康保険の扶養は、年収が多い側に入れるのが原則です。
厚生労働省の「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」という通知に基づくルールになります。
もしかすると、さまざまな事情を考慮して年収の少ない側の扶養に入れたいと思った方もいるかもしれません。
しかし、自分たちでは選べないので注意しましょう。
子供が複数いる場合は扶養を分けるのもおすすめ
共働きで子供が複数いる場合は、扶養を分けることもおすすめです。
理由は、住民税の課税において、お得になる場合があるからです。
たとえば、16歳以上の子供と15歳以下の子供がいる場合が該当します。
15歳以下の子供は、年収が少ない側が扶養すると、住民税が0円になる可能性があります。
夫婦の年収の差が1割以内ならどちらの健康保険の扶養に入れるか選べる
例外として、夫婦の年収の差が1割以内なら、子供をどちらの健康保険の扶養に入れるか選べます。
理由は、前述した厚生労働省の通知「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」で決められているからです。
夫婦の年収の差が1割以内の場合は、会社員・公務員の親の扶養に入れましょう。
なぜなら、会社員・公務員は社会保険という枠組みのなかの健康保険に加入しており、子供の健康保険料がかからずお得だからです。
夫婦ともに会社員・公務員の場合は、福利厚生の充実度を比較し、どちらに入れるとお得か判断するとよいでしょう。
共働きの子供の扶養控除額を年収ごとにシミュレーション
ここからは、共働きで扶養控除を利用した場合の減税額を、年収ごとにシミュレーションします。
税法上の扶養は、夫婦のどちらに入れるか選べるので、各ご家庭で最適な選択をするための参考にしてください。
シミュレーション条件は、以下のとおりです。
- 職業:会社員
- ボーナス:なし
- 対象の税金:所得税
- 社会保険:加入
- 扶養人数:1人
- 子供の年齢:16歳以上
年収300万円の場合
年収300万円の方の減税額は、以下のとおりです。
扶養人数 | 扶養しない場合の
所得税額(A) | 扶養した場合の 所得税額(B) | 減税額 (A-B) |
---|---|---|---|
1人 | 55,100円 | 35,700円 | 19,400円 |
※参考:年末調整計算シート|国税庁
年収500万円の場合
年収500万円の方の減税額は、以下のとおりです。
扶養人数 | 扶養しない場合の
所得税額(A) | 扶養した場合の
所得税額(B) | 減税額 (A-B) |
---|---|---|---|
1人 | 140,700円 | 101,900円 | 38,800円 |
※参考:年末調整計算シート|国税庁
年収800万円の場合
年収800万円の方の減税額は、以下のとおりです。
扶養人数 | 扶養しない場合の
所得税額(A) | 扶養した場合の
所得税額(B) | 減税額 (A-B) |
---|---|---|---|
1人 | 472,400円 | 394,800円 | 77,600円 |
※参考:年末調整計算シート|国税庁
子供1人を扶養した場合、年77,600円ぶんの所得税が減額されます。
1ヵ月あたりにすると、約6,500円の節約です。
以上のシミュレーション結果から、年収が多いほど、扶養控除によるお得効果が高いことがわかります。
年収300万円と年収800万円の場合では、扶養人数が同じでも、減税額の差が年58,200円・月になおすと4,850円になりました。
共働きの子供の扶養で注意すべきポイント

ここからは、共働きの子供の扶養で注意すべきポイントを解説します。
16歳未満の子供は扶養控除の対象外
16歳未満の子供は、扶養控除の対象外です。
つまり、夫婦どちらの扶養に入れても、税法上のメリットは特にありません。
しかし、別の理由で、世帯の手取り額がアップします。
別の理由とは、児童手当の支給です。
児童手当の支給金額は、年齢に応じて、以下のとおり2つにわかれます。
- 3歳未満:1万5,000円
- 3歳以上〜高校生年代まで:1万円
年収の少ない側(妻)の扶養に入れると住民税が0円になる場合がある
年収の少ない側の扶養に入れると、住民税が0円になる場合があります。
住民税とは、住んでいる自治体に納める税金です。
前年の所得があまり多くないときは、住民税が0円になるお得な制度が使えます。
具体的には、前年の合計所得額が以下の計算式より少ないと、住民税が0円になります。
35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の人数) + 31万円
※東京23区内の場合
年収いくらで住民税が0円になるか把握しておく
年収いくらで住民税が0円になるのか、把握しておくことが大切です。
ここでは実際にシミュレーションした結果を紹介します。
自治体により、非課税基準が変わる場合があるので、目安としてご活用ください。
子供1人を扶養した場合は、給与所得101万円以下(給与収入になおすと156万円以下)なら、住民税が0円になります。
計算式は以下になります。
扶養人数 | 計算式 | 計算の答え (非課税限度額) |
---|---|---|
1人 | 35万円×(本人+子供1人) + 31万円 | 101万円 |
※1 参考:個人住民税額シミュレーション|中央区
子供を扶養しないパターンの住民税額と比べ、約6万円(※2)がお得になります。
子供2人を扶養した場合は、給与所得136万円以下(給与収入になおすと205万円以下)なら、住民税が0円です。
計算式は以下のとおりです。
扶養人数 | 計算式 | 計算の答え (非課税限度額) |
---|---|---|
2人 | 35万円×(本人+子供2人) + 31万円 | 136万円 |
※1 参考:個人住民税額シミュレーション|中央区
子供を扶養しないパターンの住民税額と比べ、約9万5千円(※2)がお得になります。
※2 参考:個人住民税額シミュレーション|中央区
共働きの子供の扶養で迷ったら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
税金や社会保障は制度が複雑で、お得な活用方法を自分で調べるのは一苦労と感じる方も多いでしょう。
しかも頑張って検討しても、複雑さゆえ、申請などの抜け漏れリスクがある点も気がかりです。
そこでおすすめなのが、FP無料相談を活用することです。
お金に詳しい専門家から、税金控除の種類説明や節税方法を詳しく聞くことができます。
子供をどちらの扶養に入れるか迷ったときの判断方法
二人の年収を比較する
まず二人の年収を比較して、収入が多い側の扶養に入れることを検討するとよいでしょう。
理由は、より多くの扶養控除が受けられるからです。
扶養控除が多いことは、すなわち課税対象になる所得が減ることです。
ひいては、世帯全体の納税負担が減ることにつながります。
扶養手当の支給要件を確認する
会社独自の扶養手当などがあれば、支給要件も確認しましょう。
理由は、会社により、"扶養親族にしていない家族は手当支給の対象外"とする場合があるからです。
このような場合は、扶養手当の支給額と、扶養控除で減税される額を比較しましょう。
そして、手元に残る額が大きい方の扶養に入れるのが賢明です。
給与収入が年850万円を超えているか確認する
どちらかの給与収入が年850万円を超えているかも、チェックしましょう。
なぜなら、給与収入は年850万円を境にして、税率が高くなる仕組みだからです。
すでに解説したとおり、税率が高いほど、扶養控除のメリットが大きく感じられます。
年収850万円を超えている場合は、そちらの扶養に入れましょう。
共働きの扶養に関するよくある質問
共働きの扶養に悩む方から寄せられる、よくある質問について回答します。
そもそも扶養とは何ですか?
扶養とは、生計を自分で立てられない家族・親族を、経済面で援助することです。
子供を扶養家族として届け出ることで、経済的メリットを得られます。
経済的メリットは、"税法上の扶養"と"社会保険上の扶養"に分類されます。
税法上の扶養では、扶養控除の適用により課税対象の所得が減り、ひいては所得税や住民税が減る点がメリットです。
社会保険上の扶養では、扶養家族が健康保険料0円で健康保険を使える点がおもなメリットです。
扶養を付け替えたいときはどうしたらいいですか?
扶養を付け替えたいときは、"社会保険上の扶養"と"税法上の扶養"で対応が異なります。
社会保険上の扶養を付け替えたいときは、夫婦がそれぞれ加入している健康保険組合に連絡し、加入・脱退の手続きを進めましょう。
税法上の扶養を付け替えたいときは、年末調整や確定申告で申請することになります。
年末調整用の資料である「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出する際、夫婦のどちらか一方が、子供を扶養親族として申告しましょう。
年末調整が完了したあとに扶養を付け替えたい場合は、確定申告で対応します。
扶養を付け替えたあとの内容で、夫婦それぞれの確定申告が必要です。
共働きの扶養に関する悩みはマネーキャリアで解消
共働きの子供の扶養は、基本的に年収が多い方に入れるのがお得です。
本記事では、シミュレーション結果をもとに、お得な理由を解説しました。
しかし、税金や社会保障は制度が複雑なので、シミュレーション結果が自分にしっくりこない方もいるかもしれません。
そんな方には、無料のFP相談サービスをおすすめします。
FP相談の多くが、税金の節約方法や家計のやりくり・"私だけ"の家計診断など、幅広い相談に対応しています。