

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
特別費が貯められない原因は?
特別費とは毎月発生するものではなく、不定期で発生する臨時支出に備えるお金のことです。
例えば冷蔵庫が壊れ、購入費用20万円が必要になったらどうしますか?貯金を下ろす、一時的に借金をしてボーナスで支払う、月賦で払う、などいろいろな方法があります。ベストな方法は臨時の支出に備えておいたお金から支払うことです。
毎日、毎年生活をしていくうえで予想される支出はさまざまあります。予想できる支出を把握して、毎月の収入から備えておいたほうがあわてずに済みます。
しかし、特別費がなければ、その都度貯金をおろしたり、借金をすることになりかねません。特別費を貯められない理由は3つ考えられますので、それぞれ原因を考えてみましょう。
- 年間でどのくらいの特別費が必要か把握していない
- 生活費がギリギリで特別費を貯める余裕がない
- 特別費と貯金の区別がついていない
年間でどのくらいの特別費が必要か把握していない
黒字の家計を作るには、収入と支出のバランスが大切です。毎月の予算を特に気にせずに使ってしまうと、大きな支出がない月は多少無駄遣いしても赤字にならないかもしれません。しかし、大きな臨時支出がある月は、大きな赤字が出てしまいます。
支出の管理は月単位だけではなく、年単位で管理しなければ黒字家計にすることは難しいでしょう。どのくらいの特別費が必要かを前もって見積もり、予算をたてておけば臨時の大きな支出はそこから調達できます。
特別費がいくら必要か検討してみましょう。特別費を活用すると、長期で貯めたいお金が確保できます。
生活費がギリギリで特別費を貯める余裕がない
特別費を貯めるためにはムダを省いて、少なくとも1年間で黒字になる家計にする必要があります。できれば毎月の収支を黒字にして、貯蓄と特別費に少しでも多く回すことが理想です。
収入を増やすことができれば、家計が黒字になると考える人もいるでしょう。しかし、収入が多い人が全員黒字家計ではありません。収入が増えても支出も増え、貯金ができない人はたくさんいます。
本当に収入が少なくて貯められない人もいるかもしれません。収入に応じた支出管理をすることが前提です。
特別費と貯金の区別がついていない
特別費と貯金をしっかり区別すると、貯金を確実に増やすことができるでしょう。使う予定のあるお金でも長期的に貯めたいお金と、臨時支出に備えるものを区別すると貯金にメリハリがつきます。
毎月の決まった支出以外で、毎月の予算から支払うのが難しいものは特別費から支出すれば、貯金が減っていくことを防げます。特別費を予算化し、特別費専用の口座を作成しましょう。実際予算化したお金が必要になれば、特別費から払うようにしましょう。
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貯金を貯めたくても貯まらないのは多くの人が抱えている悩みです。収入を急に増やすのはは難しいですが、支出のコントロールは可能です。貯蓄を増やすには、しっかりとした支出の管理が必要です。
支出を見直して、貯蓄ができる家計にするのが最終目標です。ムダな支出を削減しなければ貯蓄するのは難しいです。たとえ収入が多くてもムダな支出はしない方がよいでしょう。収入は限られているため、効率よく使いましょう。

特別費の貯め方を3つのステップで解説

特別費の貯め方について、3つのステップで実践してみましょう。
- ① 特別費の年間予算を把握する
- ② 毎月の積み立て額を決める
- ③ 特別費専用の口座を作って貯金する
① 特別費の年間予算を把握する
1年間の特別費のモデルケースを考えてみましょう。(あくまでも一例です)
特別費 | 内訳 | 想定額 |
---|---|---|
1月 | お年玉:3万円 お正月用品:3万円 | 6万円 |
4月 | 車検費用・自動車税:15万円 | 15万円 |
6月 | 親戚の結婚式ご祝儀代・交通費:5万円 | 5万円 |
8月 | 家族旅行:15万円 | 15万円 |
10月 | 親戚の法事費用:3万円 | 3万円 |
11月 | 自動車保険年払い:3万円 | 3万円 |
12月 | お歳暮:3万円 帰省費用:10万円 | 13万円 |
年間合計 | - | 60万円 |
表の他にも下記のような特別費が考えられるでしょう。
- 家電の買い替え費用
- 自動車の買い替え費用
- 賃貸住宅の更新料(賃貸の場合)
- 幼稚園や小中学校の入園、入学に関連する費用
- 七五三などのイベントや習い事に関する費用
- 予定外の入院の医療費
- 年払いの会費
持ち家の場合は加えて下記のような特別費が考えられます。
- 毎年の固定資産税
- 自宅の修繕費
- 給湯器の買い替え費用
- 水回り等のリフォーム代
② 毎月の積み立て額を決める
1年間で特別費の合計が60万円であれば、12ヶ月で割るとひと月あたり5万円になります。 毎月の収入で5万円が捻出できそうであれば、5万円を特別費として計上します。
毎月5万円が難しければ、60万円のうち30万円をボーナス、30万円を毎月で予算化するなど状況に応じて考えましょう。
気をつけてほしいのは、ボーナスの割合をあまり多くしないことです。毎月の給与は減らされることは少ないと思いますが、ボーナスは減らされる可能性があります。可能であれば月額の給料だけで特別費の予算を立て、ボーナスは貯金に回す方が堅実な家計を作れるでしょう。
③ 特別費専用の口座を作って貯金する
特別費の捻出方法と金額が決まったら、特別費専用の口座を作って管理しましょう。特別費は特別費の口座から支払い、毎月の給料から一定額は専用口座にプールしておき毎月の支出とは別にしましょう。大切なのは貯金とは別にして、特別費の支出に備えることです。
特別費の予算が決まったら、毎月積み立てるべき金額も決まります。毎月の積み立て金額が5万円であれば、給料が入ったら特別費の口座に移しましょう。
毎月の貯蓄額と特別費の積立額を別に確保し、残ったお金で間に合うように生活できれば黒字家計が作れるはずです。
あなたの家庭にぴったりの方法は?プロと一緒に最適な貯蓄プランを立てよう

家計の見直しの方法は十人十色、収入も支出も家庭環境も同じ人はひとりもいません。あなたの家庭にぴったりの方法は必ずあるはずです。
家計管理のプロに相談すれば最適な管理方法を提案してもらえます。貯蓄の目的や目標も人それぞれです。目標にほど遠いと思う人は、自分だけで解決しようとせずに専門家と一緒にプランを考えましょう。
自分だけで悩む必要はありません。誰かに悩みを相談しているうちに自分の問題点がわかってくるということもあります。問題点の理解が解決の第一歩になります。
【まとめ】特別費を把握して上手に家計管理をしよう!
特別費の把握は1年では難しいかもしれません。予想外の特別費が発生するかもしれません。しかし、特別費をしっかり計上しておき、臨時支出にある程度対応な家計管理ができれば、確実にお金は貯まり黒字家計になるでしょう。
家計管理は1つの習慣です。ダイエットを成功させるためには良い生活習慣が必要なように、正しい家計管理には毎月適切にお金を使う習慣をつけることが必要です。なるべくお金を使わないようにするのではなく、限られた予算の中で満足度の高い使い方を工夫しましょう。
家計管理は一生続きます。できるだけ若いうちに良い習慣をつければ、ずっと安泰な家計が続く可能性が高いでしょう。習慣化するまでは大変な事もありますが、一度貯まる家計の仕組み化ができるかが勝負です。
マネーキャリアでは気に入った担当がいればずっと同じ人に相談することも可能です。長期目線で一緒に頑張る担当を見つけてフォローをしてもらいましょう。お金が貯まる成功確率はアップしますよ。
