
「シングルマザーは手当をもらいすぎなの?」
「母子家庭が受け取れる手当や注意点について知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
SNSなどで「シングルマザーは手当をもらいすぎ」という意見が見られることがあります。
しかし、シングルマザーは仕事と子育てを両立させなければならず、非常に厳しい立場にあります。
現在の手当だけでは足りないと感じる家庭も少なくないのが現実です。
本記事では、シングルマザーが受け取る手当が本当に「もらいすぎ」なのか解説しています。
さらに、受け取れる手当や条件についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
内容をまとめると
- シングルマザーの手当は「もらいすぎ」とはいえない
- 生活が苦しいと感じたら早めに家計の見直しを始めることが大事
- FP相談で家計改善に役立つ情報やアドバイスを受けられる
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この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- シングルマザーは手当をもらいすぎ?
- シングルマザー(ひとり親世帯)の仕事と収入の実態
- 就業状況
- 経済状況
- シングルマザーがもらえる手当と支給条件
- 児童扶養手当
- 児童手当
- 特別児童扶養手当
- ひとり親家庭住宅手当
- ひとり親家族等医療費助成制度
- シングルマザーが利用できる減免・税制優遇制度
- シングルマザーの手当に関する注意点
- 所得制限が設けられている手当がある
- 書類の提出が必要な場合がある
- 支給額が見直される場合がある
- シングルマザーの手当に関するよくある質問
- 手当がもらえない場合もありますか?
- 手当の使い道は自由ですか?
- 家計が厳しいときはどこに相談すればいいですか?
- シングルマザーの手当はもらいすぎではない!しっかりと活用して安心の暮らしを【まとめ】
シングルマザーは手当をもらいすぎ?
SNSなどで「シングルマザーは手当をもらいすぎ」といった声が見られることがあります。
しかし、シングルマザーの経済状況や子育てにかかる費用などを考えると、決して手当はもらいすぎとはいえません。
こうした意見が出る背景には、次のような理由があります。
- 手当や支援が充実しているように見える
- 支給金額が誤解されている
- 税制優遇なども含めて評価される
- 嫉妬や偏見
母子家庭や父子家庭などのひとり親世帯には、児童扶養手当をはじめとする各種支援が用意されており、両親がいる家庭と比べて支援が充実しているように見えることから「もらいすぎ」という声が出ることがあります。
また、支給額が実際より多く伝わっていたり、税制優遇なども含めて「優遇されすぎ」と感じられることもあるようです。
なかには「自分は支援を受けていないのになぜ」といった嫉妬や偏見が背景にあるケースも見られます。
実際のところ、手当がもらいすぎとはいえず、むしろ手当の増額がなければ生活が厳しいという家庭も少なくありません。
シングルマザー(ひとり親世帯)の仕事と収入の実態

シングルマザー(ひとり親世帯)の仕事や収入の実態を知ることで、生活状況や手当の必要性がより具体的に理解できます。
また、自身の働き方や収入が周囲のシングルマザーと比べてどのような状況にあるのか確認することもできます。
- 就業状況
- 経済状況
就業状況
厚生労働省の調査によると、母子家庭の就業率は86.3%、父子家庭は88.1%でした。
雇用形態の内訳は次のとおりです。
雇用・就業状況 | 母子家庭 | 父子家庭 |
---|---|---|
正規の職員・従業員 | 48.8% | 69.9% |
自営業 | 5.0% | 14.8% |
パート・アルバイト | 38.8% | 4.9% |
母子家庭の正社員の割合は父子家庭と比べて21.1ポイント少ない一方で、パート・アルバイトの割合は33.9ポイント高くなっています。
経済状況
収入状況 | 母子家庭 | 父子家庭 |
---|---|---|
平均年間収入
(母・父自身の収入) | 272万円 | 518万円 |
平均年間就労収入 (母・父自身の就労収入) | 236万円 | 496万円 |
平均年間収入 (同居親族を含めた世帯収入) | 373万円 | 606万円 |
母子家庭の収入は、父子家庭に比べて大幅に少ないのが現状です。
平均年収は父子家庭の約52%、就労収入は約47%、世帯全体の収入では約61%となっています。
シングルマザーがもらえる手当と支給条件

シングルマザーがもらえる主な手当には、次のようなものがあります。
- 児童扶養手当
- 児童手当
- 特別児童扶養手当
- ひとり親家庭住宅手当
- ひとり親家族等医療費助成制度
児童扶養手当
児童扶養手当は、シングルマザーなどひとり親家庭の生活安定と子どもの福祉向上を支援するための制度です。
支給対象は、18歳到達後最初の3月31日までの子どもを監護している母親または父親で、子どもに障害がある場合は20歳未満まで支給されます。
手当の支給額は、子どもの人数や所得状況によって異なります。
子どもの人数 | 全部支給 | 一部支給 |
---|---|---|
1人目 | 4万6,690円 | 4万6,690円〜1万1,010円 |
加算額 (2人目以降1人につき) | 1万1,030円 | 1万1,020円〜5,520円 |
※令和7年4月以降分
所得制限は、前年の所得額を基準に判定されます。
例えば、母親と子どもの2人世帯の場合、所得が107万円未満(収入約190万円)なら全部支給、所得が246万円未満(収入約385万円)なら一部支給の対象となります。
手当は年6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)、それぞれ2ヶ月分ずつ支給される仕組みです。
児童手当
児童手当は、子育て世帯の生活安定と子どもの健やかな成長を支援するための制度です。
シングルマザーを含む、0歳から18歳までの子どもを養育する方が支給対象となります。
支給額は、以下のとおりです。
子どもの年齢 | 支給額 |
---|---|
3歳未満 | 月額1万5,000円 (第3子以降は月額3万円) |
3歳以上高校生年代まで | 月額1万円 (第3子以降は月額3万円) |
手当は年6回(2月、4月、6月、8月、10月、12月)、それぞれ2ヶ月分ずつ支給される仕組みです。
例えば、3歳未満の子どもが1人いる場合、支給月には3万円が支給されます。
※参照:児童手当|こども家庭庁
特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、身体または精神に障害のある20歳未満の子どもの福祉の増進を目的とした制度です。
支給額は、障害の状態によって異なります。
障害の状態 | 手当 |
---|---|
1級:重度障がい児 | 5万6,800円 |
2級:中度障がい児 | 3万7,830円 |
※令和7年4月以降分
支給月は4月、8月、12月の年3回で、それぞれ4ヶ月分ずつが支給される仕組みです。
所得制限があり、前年の所得が一定額を超えると手当は支給されません。
例えば、子どもが1人の場合の所得上限は497万6,000円(収入約686万2,000円)です。
ひとり親家庭住宅手当
市区町村によっては、ひとり親家庭を対象に住宅手当を支給している場合があります。
例えば、東京都東久留米市では、18歳未満の子どもがいる父子家庭または母子家庭で賃貸住宅に住み、所得制限の範囲内である方に対して月額3,500円の手当が支給されています。
所得制限の上限は、子どもが1人の場合230万円未満、2人の場合は268万円未満です。
公営住宅、社宅、UR賃貸住宅、寮などが対象となります。
ひとり親家族等医療費助成制度
ひとり親家族等医療費助成制度は、18歳までの子どもがいる母子家庭や父子家庭を対象に、医療費の自己負担分を助成する制度です。
自治体ごとに内容や申請方法が異なるため、事前の確認が必要になります。
例えば、東京都江戸川区のひとり親家族等医療費助成制度の内容は、以下のとおりです。
・住民税課税世帯:通院1割負担(上限月1万8,000円、年間14万4,000円)
入院1割負担(上限月5万7,600円、多数回該当4万4,400円)
・住民税非課税世帯:入院・通院 自己負担なし
また、所得制限があり、子どもが1人の場合の所得上限は246万円です。
シングルマザーが利用できる減免・税制優遇制度
シングルマザーが利用できる主な減免・税制優遇制度は、次のとおりです。
減免・税制優遇制度 | 内容 |
---|---|
ひとり親控除 | 控除額は35万円。 一定の条件(所得が500万円以下など)を満たすと適用される所得控除 |
寡婦控除 | 控除額は27万円。 寡婦で、かつ所得が500万円以下などの要件を満たすと適用される所得控除 |
国民健康保険料の減額・軽減・減免 | 事情により保険料の支払いが難しい場合や所得が一定基準を下回る場合には、 保険料の減額・軽減・減免が適用されることがある ※申請が必要 |
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度 | 所得が一定の基準を下回る場合は、 年金保険料が免除または猶予されることがある ※申請が必要 |
このような減免・税制優遇制度の適用を受けることで、家計の負担を軽減できます。
参照:ひとり親控除|国税庁
シングルマザーの手当に関する注意点
シングルマザーの手当に関する注意点は、以下のとおりです。
- 所得制限が設けられている手当がある
- 書類の提出が必要な場合がある
- 支給額が見直される場合がある
所得制限が設けられている手当がある
シングルマザー向けの手当には、所得制限が設けられている場合があるため、事前に確認しておくことが大切です。
所得制限がある場合、所得が一定額を超えると支給額が減額されたり、手当が支給されなくなることもあります。
例えば、児童扶養手当では次のような所得制限が設けられています。
扶養する子どもの人数 | 全部支給の所得限度額 | 一部支給の所得限度額 |
---|---|---|
0人 | 69万円(142万円) | 208万円(334万3,000円) |
1人 | 107万円(190万円) | 246万円(385万円) |
2人 | 145万円(244万3,000円) | 284万円(432万5,000円) |
3人 | 183万円(298万6,000円) | 322万円(480万円) |
4人 | 221万円(352万9,000円) | 360万円(527万5,000円) |
5人 | 259万円(401万3,000円) | 398万円(575万円) |
※()内は収入ベース
所得制限に該当しないか、支給額がいくらになるのかを早めに確認しておきましょう。
書類の提出が必要な場合がある
ほとんどの手当は自動的に支給が始まるわけではなく、市区町村の窓口での申請が必要です。
支給条件を満たしていても申請していなければ手当を受け取れないことがあるため、注意が必要です。
また、最初の申請だけでなく、定期的に書類の提出が求められる場合もあります。
例えば、児童扶養手当では毎年現況届を提出する必要があり、この書類によって所得状況や家族状況が確認されます。
申請方法や必要書類を事前に確認して、手続きを忘れないようにしましょう。
支給額が見直される場合がある
シングルマザーの手当は、支給額が見直される可能性がある点に注意が必要です。
現在の支給額が今後も変わらず続くとは限りません。
現在はこども家庭庁が設立されて「子ども・子育て支援金制度」ができるなど支援が手厚くなっていますが、将来的にどう変わるかは不透明です。
支給額が減ることも想定して、日頃から家計を見直して支出を抑えるなど、少しでも余裕を作っておくことが大切です。
シングルマザーの手当に関するよくある質問
シングルマザーの手当に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 手当がもらえない場合もありますか?
- 手当の使い道は自由ですか?
- 家計が厳しいときはどこに相談すればいいですか?
手当がもらえない場合もありますか?
児童扶養手当や児童手当、特別児童扶養手当など、いずれの手当も要件を満たさなければ受給できません。
また、要件を満たしていても所得制限によって支給額が減額されることもあります。
さらに、申請や必要書類の提出をしていないと、受給できないケースがあるため注意が必要です。
手当の対象になるか確認したいときは、市区町村の窓口やFPに相談すると安心です。
手当の使い道は自由ですか?
多くの手当は、生活の安定や子どもの福祉向上などを目的としていますが、具体的な使い道については支給を受ける人の判断に任されることが少なくありません。
ただし「住宅手当」など用途があらかじめ決められている手当は、原則として指定された目的以外には使えないため注意が必要です。
家計が厳しいときはどこに相談すればいいですか?
家計が苦しいと感じたら、FPへの相談を検討してみましょう。
家計管理の専門家であるFPは、現在の家計の問題点を洗い出し、具体的なアドバイスや改善策を提案してくれます。
家計を見直して管理が上手になると、無駄な支出を抑えられ、これまで以上に生活に余裕が生まれるでしょう。
また、ライフプランニングを通じて将来必要な資金が明確になるため「いつ・何に・いくら必要か」「そのために今やるべきこと」がはっきりします。
オンライン対応や相談料無料のFP窓口もあり、気軽に利用できるのも魅力です。
シングルマザーの手当はもらいすぎではない!しっかりと活用して安心の暮らしを【まとめ】
シングルマザーは子育て、家事、仕事をすべて両立しなければならず、働き方や収入にもさまざまな制約があるため、手当が「もらいすぎ」とはいえません。
支給される各種手当も高額とはいえず、所得制限も設けられています。
また、将来的に手当の金額が減額される可能性もゼロではありません。
子育てには今後も多くの出費が必要となるため、早い段階からしっかりと家計管理を行い、将来に備えることが大事です。
家計管理が不安な方は、専門家であるFPへの相談を検討してみましょう。
FPに相談することで、効果的な家計の見直し方法や、固定費・変動費の節約ポイントなど、具体的なアドバイスを受けることができます。
将来の安心のためにも、早めに行動を始めましょう。