暗号資産の積立はやめとけと言われる理由は、元本割れリスク・税負担の重さなどが要因です。この記事では、暗号資産の積立のデメリットとメリットを比較し、向いている人・やめとけと言われる人の特徴を解説します。自分に合った資産運用方法を見つけるための参考にしてください。
この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 暗号資産の積立はやめとけと言われる理由は?デメリット3つ
- 値動きが大きく“元本割れリスク”が高い
- 利益は給与と合算で課税される(最大税率55%)
- セキュリティ面や将来性に不安が残る
- あなたにあった方法は?無料FP相談で最適な資産運用方法を見つけよう
- 暗号資産の積立のメリットは?
- 大きなリターンを狙える可能性がある
- 少額から購入できるので続けやすい
- 株式と異なる値動きをするため、分散効果が期待できる
- 【実際どうだった?】暗号資産の積立についての体験談
- 暗号資産の積立を始めた理由を教えてください
- 暗号資産の積立を始めて「不安に感じたこと」を教えてください
- 暗号資産の積立は“自分に合っていた”と思いますか?
- 積立をやめた/迷った理由があれば教えてください
- ご自身の経験を踏まえて、暗号資産はどんな人に向いていると思いますか?
- 暗号資産の積立はどんな人に向いている?
- 暗号資産の積立が向いている人
- 暗号資産の積立はやめておいた方がいい人
- 【まとめ】暗号資産の積立はリスクを理解して“自分に合うか”を見極めよう
暗号資産の積立はやめとけと言われる理由は?デメリット3つ
暗号資産の積立投資には、株式や投資信託などの伝統的な投資商品とは異なる以下のようなデメリットがあります。
- 値動きが大きく"元本割れリスク"が高い
- 利益は給与と合算で課税される(最大税率55%)
- セキュリティ面や将来性に不安が残る
値動きが大きく“元本割れリスク”が高い
暗号資産は価格の変動幅(ボラティリティ)が極めて大きく、短期間で資産価値が大幅に減少するケースがあります。2022年には、1年間で価格がおおよそ60~70%暴落した※例も報告されています。
このような急落は決して過去の出来事ではなく、いつでも起こりうるリスクです。回復までにどれくらい時間がかかるか予測できません。
株式投資であれば企業業績という明確な指標がありますが、暗号資産にはそうした裏付けが必ずしもないため、価格がもとの水準に戻る保証はどこにもありません。
利益は給与と合算で課税される(最大税率55%)
暗号資産の売却益は「雑所得」として扱われ、給与所得などと合算して課税されます。所得税と住民税を合わせると、最大で55%もの税率が適用される※1場合があります。
以下の表で所得税の税率※2を確認しましょう。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 0.1万円~194.9万円 | 5% | 0円 |
| 195万円〜329.9万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万円〜694.9万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万円〜899.9万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万円〜1,799.9万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円〜3,999.9万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
たとえば、会社員が暗号資産で利益を得た場合、給与所得と合算されるため税率が高くなります。一方、株式投資では利益の大きさに関わらず一律20.315%※3の税率が適用され、新NISA制度を利用すれば非課税です。
セキュリティ面や将来性に不安が残る
暗号資産には取引所のハッキング被害や、詐欺などのリスクが常につきまといます。2024年5月には、国内取引所のDMMBitcoinがビットコイン約482億円相当の不正流出被害※1を受け、その後、同社のサービスは2025年3月8日をもって終了※2しました。
この事件は北朝鮮を背景とするサイバー攻撃者グループ「TraderTraitor」によるものとされています※1。国内では2025年10月にも、SBIグループのSBICryptoに関連するアドレスから暗号資産が不正に流出する事件※3が発表されています。
流出資金は複数の即時交換サービスを経てミキシングサービスに送られ、北朝鮮関連の過去のサイバー攻撃と似た手口だと指摘されています。
あなたにあった方法は?無料FP相談で最適な資産運用方法を見つけよう
暗号資産には価格変動や税制面での不利さ、セキュリティリスクなど複数のデメリットが存在します。確実に資産形成を進めたいなら、ファイナンシャルプランナー(FP)の助言を受け、自分に合う運用方法を把握することが有効です。
専門家に相談すれば、暗号資産だけでなくNISA・iDeCo・投資信託など、複数の選択肢を比較しながら検討できます。
暗号資産の積立のメリットは?

暗号資産の積立投資は、リスクを抑えつつ長期的な資産形成に取り組める方法です。さらに、主なメリットとして、この3つが挙げられます。
それぞれのメリットを詳しく確認しましょう。
大きなリターンを狙える可能性がある
暗号資産は価格変動が激しい分、高いリターンを得られる可能性を持っています。ビットコインを例にすると、2020年末には約400万円だったビットコインの価格は、2021年4月頃に約650万円※1まで上昇しました。
こうした上昇相場でコツコツ積み立てていれば、資産を大きく増やせるチャンスがあります。ただし、高いリターンが期待できる反面、損失リスクも同様に高い点を忘れてはいけません。
少額から購入できるので続けやすい
暗号資産の積立投資は、取引所によって300円程度※の少額で始められます。投資初心者にとって、まとまった資金を用意する必要がない点は心理的なハードルを下げてくれるでしょう。
積立投資では「ドルコスト平均法」が採用されています。これは毎月一定額を購入する手法で、価格が高いときは少なく、価格が安いときは多く買い付けられるため、購入単価を平準化できます。
株式と異なる値動きをするため、分散効果が期待できる
暗号資産は株式とは異なる理由で価格が動きやすい特徴があります。株式が業績や経済の影響を受ける一方で、暗号資産は各国の規制やブロックチェーン技術の革新、投資家心理に左右されやすい点が特徴です。
このような特性により、株式や債券だけで運用するよりもリスクを分散しやすくなります。たとえば株式市場が低迷している時期でも、暗号資産が上昇するケースはあります。
【実際どうだった?】暗号資産の積立についての体験談
暗号資産の積立投資を検討する際、実際に経験した人の声は判断材料として役立ちます。ここでは、暗号資産の積立経験者を対象にアンケート調査を実施しました。
始めた理由や運用中に感じた不安、自分に合っていたかどうかなど、リアルな体験談を紹介します。これから始めようと考えている方は、実際の利用者の声を参考にしてみてください。
※2025年11月14日~2025年11月17日時点での当編集部独自調査による
※回答内容は調査当時の個人の意見や状況に基づいています。
暗号資産の積立を始めた理由を教えてください
暗号資産の積立を始めた理由として多かったのは「資産形成・将来のため」と「興味・流行」がともに33.3%で、いずれも3人に1人が回答しています。
将来の備えとして暗号資産に期待する層と、新しい投資ジャンルとして関心を持つ層がいる点が特徴です。また、「積立によるリスク軽減」を理由に挙げた人も一定数おり、価格変動の大きい暗号資産だからこそ、ドルコスト平均法による安定的な購入に魅力を感じていると考えられます。
暗号資産の積立を始めて「不安に感じたこと」を教えてください
暗号資産の積立を始めて「不安に感じたこと」で多かったのは「価格変動・元本割れリスク」でした。暗号資産は価格の上下が激しいため、運用中に資産価値が大きく変動する点に多くの人が不安を抱いています。
また「情報不足・詐欺・信頼性」や「セキュリティ・手数料」などの声も見られ、情報の見極めや取引所選びの難しさが感じられます。
また「精神的ストレス」を挙げた回答者もおり、値動きを気にし続ける心理的負担が生じているケースも見受けられる結果となりました。
暗号資産の積立は“自分に合っていた”と思いますか?
暗号資産の積立が「自分に合っていた」と回答した人が66.7%と、全体の約3分の2を占めました。価格変動が大きい暗号資産であっても、積立であれば無理なく続けられたと感じている人が多いようです。
一方で「合わなかった」と回答した人も一定数おり、値動きの激しさや情報の不足など、不安を抱えたまま運用していたケースも考えられます。
積立をやめた/迷った理由があれば教えてください
暗号資産の積立をやめた・迷った理由として多かったのは「価格変動・元本割れリスク」でした。暗号資産特有の値動きの激しさに不安を感じ、継続に慎重になる人が多いことがわかります。
また「信頼性・詐欺・不透明さ」や「手数料・操作・管理の難しさ」などの回答も見られ、情報の見極めや使い勝手に課題を感じるケースもあるようです。
ご自身の経験を踏まえて、暗号資産はどんな人に向いていると思いますか?
暗号資産は価格変動が大きく、短期間で大きな利益を得られるケースがある一方、損失が発生するリスクが避けられない投資です。
実際に暗号資産の積立や運用を経験した人の声を見てみると、共通して「値動きに振り回されない」「目的やスタンスを持つ」という点が重要だと感じているようです。
ここでは、実際の利用者がどのようなタイプの人に暗号資産が向いていると考えているのか、口コミをもとにリアルな意見を紹介します。
40代女性
リスク許容度が高い人
40代女性
気長に続けられる人に向いている
私の経験では、暗号資産の積立は「細かい値動きをいちいち気にしないタイプの人」に向いていると感じます。暗号資産は価格の変動が大きいため、短期的な上下に振り回されやすい人だと不安が大きくなりがちです。
30代男性
長期で積立できる人向き
短期の利益を狙うより、価格の上下に焦らず長期で積立できる人に向いていると思います。毎日チャートを追うより、コツコツ積み立て将来の余裕資金として考えられる人が合うと感じます。
30代女性
リスクも前向きに捉えられる人
暗号資産は、多少のリスクを背負ってでも積極的に資産運用をしたい人に向いていると感じます。価格変動が大きい分、上昇局面ではリターンを狙いやすく、投資に前向きな人には魅力があると思います。
40代男性
投資の目的が明確な人向け
暗号資産は、ただ安定を求めるのではなく、自分の資産に投資としての意味を持たせたい方に向いていると感じます。値動きが大きい分、目的や目標をしっかり定めておくことが大切です。
暗号資産の積立はどんな人に向いている?
暗号資産の積立投資は、誰にでも適した投資手法ではありません。リスク許容度や投資目的、資金状況によって向き不向きがはっきり分かれます。
ここでは、暗号資産の積立が向いている人とやめておいた方がいい人の特徴を紹介します。自分がどちらに当てはまるかを確認し、投資判断の参考にしてください。
暗号資産の積立が向いている人
暗号資産の積立投資に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 長期的な資産形成を目指している人
- 日々の価格変動を気にしない人
- 余剰資金で投資できる人
長期保有を前提に、価格が上下しても動じずに積立を続けられる人に向いています。毎日の価格チェックに一喜一憂せず、「買い続けるだけ」と割り切れる姿勢が求められます。
また、生活費や教育資金とは別の、失っても生活に支障をきたさない資金で投資できる点も欠かせません。
暗号資産の積立はやめておいた方がいい人
暗号資産の積立投資に向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
- 短期間で利益を出したい人
- 元本割れのリスクを受け入れられない人
- 生活資金や近い将来使う予定のお金で投資しようとしている人
短期間で結果を求める方には、積立投資は適していません。長期保有を前提とした手法のため、短期的な成果を期待するなら他の投資方法を検討しましょう。
また、価格が購入時より下がるリスクを受け入れられない方や、教育資金・住宅購入資金など使う時期が決まっているお金での投資も避けてください。
【まとめ】暗号資産の積立はリスクを理解して“自分に合うか”を見極めよう
暗号資産の積立投資には、価格変動の激しさや税制面での不利さ、セキュリティリスクなどのデメリットがあります。一方で、高いリターンの可能性や少額から始められる手軽さ、分散投資の効果といったメリットも存在します。
リスクとリターンの両面を理解したうえで、長期的な視点で取り組めるかどうかを見極めることが必要です。
マネーキャリアではライフプランを基にした資産運用シミュレーションにより、将来的なリスクを考慮した運用計画を提案してくれます。
暗号資産の積立に悩みがある場合は、早めにプロへ相談して、不安を解消しながら資産形成に取り組みましょう。
暗号資産は、価格変動が大きくリスクが伴う一方で、短期間で利益を狙える可能性がある投資です。そのため、値動きに一喜一憂せずリスクを許容できる人に向いています。