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敷金の返還をしてほしいのに敷金精算書や退去精算書が届かない!敷金精算書の内訳がおかしい!という人も多いのではないでしょうか。この記事では賃貸物件の退去時における敷金精算書や退去精算書が届くタイミング、内訳がおかしかった場合の対処方法について解説しています。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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敷金精算書や退去精算書はいつ届く?おかしい内訳の対処法は?

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老後までに2000万円貯めるのって簡単って知ってた?その方法をプロが解説

こんにちは、マネーキャリア編集部の古山です。


先日、20代の男性の友人からこんな相談を受けました

敷金って返ってくるはずなんだけど、不動産会社から連絡がこないんだよね。

敷金って戻ってくるとは聞いたことあるけど、実際のやりとりについては詳しくわからない。そんな相談が数多く寄せられています? 


「なかなか教えてもらう機会もなく、誰に聞いたらいいのかよくわからない。」


そこで今回は敷金を返還してもらうために必要な「敷金精算書」について解説していきます。 


 敷金精算書は退去の際に大家さんもしくは不動産会社が作成する書類で、敷金を減額してから返還する場合、その理由を借主に説明しなければならないというルールのもとで作成されるものです。 


 特に理由もないのに減額されては損してしまうので、納得したうえで返還金を受け取らないと後々トラブルになってしまうので注意が必要です。


 今回のこの記事では、敷金精算書について

  • 敷金精算書や退去精算書はいつ届く?
  • 内訳がおかしいときの対処法とは?
  • 実際に抗議した体験談

 以上のことについて解説していきます。 


ぜひ最後までご覧ください。

契約書で敷金精算書や退去精算書がいつ届くのか確認しよう!



まず、疑問として挙げられるのは、敷金精算書はいつ届くのかということだと思います。


結論から言うと、敷金精算書はほとんどの場合一ヶ月以内に届くことが多いです。


しかし、場合によっては期日が入居する際の契約書に返還期限が記載されているケースもあるので、確認する必要があります。


管理会社を通している場合は基本的には管理会社から連絡が来ることが多いです。


特に記載がなく、1ヶ月以上たってしまっているが特に連絡がない場合や、記載はあるが、その期限を過ぎてしまっている場合は、大家さんもしくは不動産管理会社に早急に問い合わせましょう。


そこで話し合いの末どれだけ敷金が返還されるのかがやっとわかります。


しかし、敷金精算書が作成されても、内訳がおかしい可能性があります。


敷金が返ってくることはなんとなくわかっているけれど、おかしい内訳がわからないと、大家さんや不動産管理会社にかなり減額されて返還される可能性もあるので、注意が必要です。  


以下で実際に起こりうるおかしい内訳について解説していきます。

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敷金精算書や退去精算書の内訳がおかしいときは迷わず抗議しよう

精算書が届き、内訳を見ていたらビックリ!こんなに敷金って返ってこないんだ。と思ったあなた。


そんなあなたにもしかしたら敷金返還額が大幅に増えるかもしれないという解説をします。


実際、敷金返還額が増額したという体験談もありますので、損をしたくないあなたは必見です。


そもそも、なぜ敷金が減額されて返ってくるのか。


それは原状回復のために借主が故意・過失で汚したり損壊してしまったものは修繕費として敷金から払っているからです。


当然借りているものですから、ぞんざいに扱っていれば修繕費は高くなるケースもあるので覚えておきましょう。


しかし逆をいえば、丁寧に扱っていて普通に生活していて汚れた床や壁の修繕費は大家さんの負担になります。


丁寧に扱っていたのに、修繕費はすべてあなた持ちになっていたら不動産管理会社に抗議をする必要があります。


それでは、故意・過失と認められる基準や、実際のおかしい内訳を紹介します。

国土交通省のガイドラインが敷金返還の基準となる

国土交通省のガイドライン


国土交通省のガイドラインでは国土交通省の定める敷金返還の故意・過失のラインを定められています。

「原状回復とは借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧するもの」と定義されているので、故意・過失の場合はおとなしく減額されるしかありません。


では、どういった場合がおかしい内訳になるのでしょうか。

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おかしい請求①時間の劣化による損失を請求してくる


丁寧に賃貸に住んできたあなたは精算書がおかしいときは、敷金返還の増額を期待できます。

普通の生活を送っている分には、どんどん部屋も劣化していくという考えを持つことが敷金返還の減額に対抗するには必要な知識になってきます。

では、時間による経年劣化にはどのような種類があるのでしょう。

例えば
  • 日光により壁が変色してしまった場合
  • 家具を置くことにより重みで跡がついてしまった場合
  • 冷蔵庫の裏の壁が湿気で少し黒ずんだ場合
など、住んでいるだけで劣化してしまうものについては大家さんが負担するものとなっています。

逆に故意と判断されるケースは
  • 飲み物や食べ物を放置してしまった際におきた腐食
  • 窓を開けっぱなしにしたことによる床のシミ、腐食
  • 壁の落書き
  • 煙草による部屋の黄ばみ

などがあげられます。


明らかに経年劣化で汚れているだけなのに敷金で清算してあれば、おかしいと問い合わせましょう。問い合わせないままだと大家さんからは何も言われずに終わってしまいます。


勇気をもって異議を申し立て、合意書を作成しましょう。

おかしい請求②相場より高い単価の請求をしてくる


故意・過失で汚してしまったあなたにも当てはまるケースがあります。


それは、相場より高く精算しているケースです


知識がないとこちらも見落としがちなので、しっかり確認しましょう。


主な相場は次の通りです。

  • クロスの貼り替えは6畳でおよそ4~5万円
  • フローリングの貼り替えは6畳でおよそ10~15万円

となっています。


故意・過失で汚してしまった箇所だけ借主が負担することになっているので、経年劣化した分を差し引いた額を支払うことになります。


一カ所しか汚していないのに全面張替になっていたり、経年劣化を差し引いてない場合もあるので、納得のいく形になるまで話し合うことが重要になってきます。


しっかりと相場を確認して、知識をつけてから話し合いに臨むようにしましょう。

おかしい請求③畳や壁の広さを水増しして請求してくる



上記の相場より高く請求されるケースと一緒に使われることの多い水増し請求


こちらもなかなか一般的に生活しているとピンとこないので騙されがちです。


畳であれば畳何枚分なのかで部屋の広さは大体わかりますが、フローリングの場合はそうはいきません。


自分の部屋の広さは知っておいて損はないので、実際どのくらいの広さなのか確認してみましょう。



まず、1畳(帖)は種類があり、公共住宅やアパート・マンションでは

1.445㎡(850×1700mm)

が一畳(帖)と数えられます。


ほかにも地域によっては1畳(帖)の大きさが変わったり、大手住宅メーカーとは異なってくるのですが、あまり関係ないので興味ある方は調べてみてください。


実際に測ったあと、精算書をもう一度よく見て、水増しされていたら大家さんや不動産管理会社にしっかりと抗議し、合意書を作成しましょう。

敷金精算書の内訳でよくわからない項目は詳細を問い合わせよう


ここまでしても大家さんや不動産管理会社との合意に至らなく、明らかな搾取を感じた場合は法的手段に出るしかありません。
あまりにも大きな金額を減額された際の最後の手段になりますが、知っておいてください。

まずは内容証明郵便を送ります。

内容証明郵便とは郵便局が、送付先にいつどんな内容を送ったのかを記録してくれる特別な郵便です。

内容証明の書き方は「e内容証明」でパソコンで製作し、そのまま内容証明郵便にできるサービスがあるので手間も減らせます。

テンプレート、雛形もダウンロードできます。

内容証明は3通作り、送付先、郵便局、あなたと3つの用途に使います。

内容証明の内容は
  1. 送付先とあなたの住所
  2. 事実とあなたの請求を明確に書く
  3. 振込期日・振込先の記入
を明記しましょう。

大きい金額になればなるほど損害が大きくなるので、法的手段も念頭に入れておくことで、さらに減額のリスクを抑えることができます。

最後に実際の体験談を見て、イメージを作りましょう。

敷金精算書の内訳がおかしく抗議した人の体験談

では、実際に精算書の内訳がおかしく抗議した人の体験談を見ていきましょう。


都内の下町に住むAさんは、23区内のJR沿線で二階建て3LDKの一軒家に住んでいました。


5年住んだのでそろそろ引っ越すことにしました。


家賃9万円の破格の一軒家を借りるとき、敷金2ヶ月、礼金2ヶ月を払っていたので、敷金の半分ぐらいは返ってくるだろうと推測していました。


新居に移ってからも退去日までは仕事終わりに部屋を掃除しに行き、無事に退去となりました。


退去から2週間ほどたった時に、管理会社から連絡がありました。


「敷金返還の件ですが、修繕する部分がたくさんあるので、13万円引かさせていただいて、日割り家賃と合わせて3万2千円の返還になります。」


とのこと。さすがにおかしいと思ったので、経年劣化について抗議したところ、敷金精算書の明細を見てくださいと言われました。


するとそこには、ハウスクリーニング代から畳の表替え、襖、障子の張替の金額の50~100%をAさんが負担することとなっていました。さらに工事単価も割高に。


これはおかしいということで、すぐさま管理会社に抗議の連絡を入れ、立ち合いのもと確認をすることとなりました。


そこで、ハウスクリーニング代は掃除をしていたこともあり、大家さんと折半になり、畳や襖、障子もAさんが汚してしまった箇所のみの負担となりました。


工事費用も業者の変更、値切りなどを交渉し、結果的には11万5千円の返還になりました。


抗議することにより、大きいお金が戻ってくるケースもあるので、抗議できるのであれば迷わずするべきだと感じる体験談ですね。

まとめ:敷金精算書や退去精算書を確認して敷金の返還も視野にいれよう

今回は敷金精算書について解説してきました。


いかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 敷金精算書は大体1ヶ月以内に届くが、契約書で確認してみよう! 
  • 精算書をよく読み、内訳がおかしいときは迷わず抗議しよう。
  • 原状回復に経年劣化は含まれないので、借主が負担する必要はない。
  • 敷金を正しく返還してもらい、気持ちよく退去しよう。

ということを知っておいてほしいと思います。


敷金精算書の見方を理解し、敷金のトラブルに合わないように注意しましょう。


この記事により大家さんには部屋を借りた感謝をして、円満に退去できるお手伝いができたのであれば幸いです。


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