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賃貸物件に引っ越すとき、礼金とは何なのかわからない人も多いのではないでしょうか。礼金とは退去時に返ってくるのでしょうか。この記事では、礼金の意味や使い道、相場について解説します。また、初期費用を抑える方法も紹介していますので、ぜひお読みください。

この記事の目次

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礼金とは?礼金を払う意味や相場は?礼金は返ってくる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日20代の女性の友人から、こんな相談がありました。

一人暮らしを始めようと思って不動産ポータルサイトを見ていたのですが、礼金とは何かわからないから教えてほしいです。

ここ数年、礼金や敷金の意味、礼金は退去時に返ってくるのか、礼金の相場などの礼金に関するご相談が非常に増えています。 


「礼金の意味や相場についてもっと早く知りたかった」 


日本では、学校でお金の勉強、金融教育が不十分との声を聞きます。 


実際、日本証券業協会の教師に対するリサーチによると、中学校や高校での金融教育の授業時間が不足している状況です。


今回は、礼金の意味や相場などの礼金に関することについて、体系的に解説していきます。 


礼金とはどういう意味なのか、礼金などの初期費用を抑えたいときはどうすればいいのか、で悩んでいる方の道しるべになれば幸いです。  

礼金とは賃貸借契約時に大家さん払う費用で返ってこない!


この項目では、礼金の一般常識について解説していきます。


礼金の一般常識は、以下3つです。

  1. 礼金は賃貸借契約を結んでくれたお礼として払う費用
  2. 敷金と違って礼金は返ってこない
  3. 礼金に法律上の規定はない

礼金の意味や歴史、礼金とはどういうものなのか詳しく解説します。

①礼金は賃貸借契約を結んでくれたお礼として払う費用

礼金とは、賃貸借契約を結んでくれたお礼として払う費用のことを意味します。


そもそも礼金とは、1923年に起こった関東大震災以降に生まれた言葉だと言われています。


震災の被害に遭った人々が住む場所のない状況で困っている時に、優先的に家を貸してくれた大家にお礼として支払ったお金が「礼金」の始まりと言われているのです。


最有力の説は上記で説明したものですが、他にも、高度成長期の時代に単身上京する学生の親が「息子がお世話になりますので、よろしくお願いします」という気持ちを込めて大家に渡したことが「礼金」を生んだ、という説もあります。

②敷金と違って礼金は返ってこない

敷金と違って礼金は返ってきません。


そもそも敷金とは、「家賃未払い時のための担保」「退去時の原状回復費用に充てるためのお金」をことを指します。


つまり、「金銭が関与する問題が発生したら、事前に預かっておいた敷金からいただくね」という風に、大家のリスクを軽減させるためのお金です。


そのため、何も問題が起こらなければ退去時に敷金は全額返金されます。


一方、礼金の場合は、大家へのお礼として贈与するものですので返ってきません。


礼金は大家に贈与するお金、敷金は大家に預けておくお金と覚えておきましょう。

③礼金に法律上の規定はない

実は、礼金に法律上の規定はありません。


単なる慣習的なものですので、支払わなくても問題ないのです。


ただし、礼金の支払いを拒むことは、当然、大家も入居を断る可能性があるため、希望の賃貸物件に住めなくなることを意味します。


借主が住みたい家を選ぶ権利があるように、大家にも賃貸物件に住む人を選ぶ権利があるからです。


礼金を払う意味はある?礼金を払うのはもったいない?

この項目では、礼金はどうなるのか、礼金なしの賃貸物件と礼金ありの賃貸物件とではどう違うのか、について解説します。


解説内容は、以下のとおりです。

  1. 礼金は家主から不動産会社への手数料として使われる
  2. 礼金ありだとデメリットがない物件であることが多い

それぞれ解説します。

①礼金は家主から不動産会社への手数料として使われる

礼金は家主から不動産会社への仲介手数料として使われることが一般的です。


不動産仲介会社をはさんで賃貸借契約を結ぶ場合、仲介手数料を仲介会社に支払わなければいけないので、借主からもらった礼金を仲介手数料に充てています。

②礼金ありだとデメリットがない物件であることが多い

礼金ありだとデメリットがない物件であることが多いです。


一方、礼金なしだとデメリットがある可能性がそのぶん高くなります。


たとえば、家賃が相場よりも高額だったり、ルームクリーニング代に少し上乗せされていたりなど、別の名目で気づかぬうちに礼金ぶんを回収されるのです。


もちろん礼金ありでもデメリットがある物件の場合もあるので、すべては大家さんの判断次第になります。

礼金の相場は家賃の1ヶ月分!礼金なしの物件はどのくらいある?

平成27年度の国土交通省が実施した「住宅市場動向調査」によると、平成26年度の礼金の相場は家賃の1ヶ月分という結果になっています。


そして礼金なしの物件に関しては49.5%という結果のため、約半数の物件が礼金なしで募集していることがわかります。


ただし、礼金・敷金の相場は地域や家の条件等によって変動するので、あくまで目安として認識しておくことが大切です。


礼金などの初期費用を抑えたいときはどうする?


この項目では、礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法について解説します。


礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は、以下の5つです。

  1. 敷金礼金なしの物件を選ぶ 
  2. 敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をする
  3. 初期費用を分割払いで払う
  4. フリーレントの物件を選ぶ
  5. 引っ越しの荷物を業者ではなく自家用車で運ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

①敷金礼金なしの物件を選ぶ

一つ目の礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は「敷金礼金なしの物件を選ぶこと」です。

仮に家賃7万円で敷金礼金が一か月分かかる賃貸物件に入居する場合、それだけでも14万円かかることになります。

引っ越しの初期費用は敷金礼金のほかに、前家賃日割り家賃火災保険料などもかかりますが、初期費用の大部分を占めるのが敷金礼金になりますので、かなり初期費用を抑えることが可能です。

もちろん家賃が相場よりも割高である可能性は高いですが、敷金礼金ありの賃貸物件よりも初期費用は抑えられます。

礼金などの初期費用を抑えたいときは、敷金礼金なしの物件を選びましょう。

②敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をする

二つ目の礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は「敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をすること」です。

敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉は閑散期を狙うことが大切


値引き交渉は、不動産の閑散期である7~8月に行うと交渉に応じてくれやすくなります。

なぜなら「空室期間による損失を少しでも防ぎたいから」です。

空室期間によって大きな損失を被るよりかは、敷金や礼金、仲介手数料を少し安くして入居してもらったほうが確実に儲かるので、交渉に応じる可能性は高くなります。

敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をするときのコツ


敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をするときのコツは、「値引きをしていただけた場合、必ず契約します」と伝えることです。

また、その際に「値引きが難しいようでしたら他の賃貸物件を探すつもりです」といった旨を伝えると、交渉に応じてもらいやすくなります。

敷金礼金や仲介手数料は、初期費用として重くのしかかってくるので、なるべく初期費用を安く抑えられるように値引き交渉を行いましょう。

ただし、相手の不安をあおるような威圧的な態度は控えることが大切です。

③初期費用を分割払いで払う

三つ目の礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は「初期費用を分割払いで払うこと」です。


不動産会社によっては初期費用を分割で支払えることもあります。


初期費用を分割で支払う場合の注意点は、以下3つです。

  1. 初期費用の分割払いに応じない可能性もある
  2. 現金ではなく、クレジットカードのみの分割払いに応じる可能性もある
  3. 初期費用の一部だけ分割払いに応じる可能性もある

基本的に不動産会社によって対応は異なるので、上記3つの事項を必ず事前に確認しておきましょう。


分割払いをすることで礼金などの初期費用を抑えることができるので、「引っ越しをしたいけどまとまったお金がない」というような人におすすめです。

④フリーレントの物件を選ぶ

四つ目の礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は「フリーレントの物件を選ぶこと」です。

フリーレントとは


フリーレントとは、一定期間の家賃が無料になる賃貸物件のことです。

基本的には1~2か月分の家賃が無料になることが多く、長い場合は3ヶ月間以上も家賃が無料になることもあります。

一定期間家賃を無料にする理由とは


なぜこのように一定期間家賃が無料になるのかというと、大家が空室リスクを避けたと考えているからです。

確かにフリーレントで設定した期間は家賃を受け取ることができません。

しかし、一度入居してもらえると長期間住んでもらえる可能性が高いため、家賃を一定期間無料にしたとしても、最終的にはプラスになるのです。

つまり、「多少のデメリットを受け入れて、将来的な大きなメリットをとる」ということになります。

敷金礼金なしの物件もこれと同様に、長期的な利益を見越しての一策なのです。

フリーレントの注意点


フリーレントの賃貸物件を選ぶことで初期費用を抑えられるメリットはありますが、その分デメリットもあります。

それは「指定期間内の退去に対して違約金が発生すること」です。

たとえば、3年以内に退去した場合、フリーレント期間分の家賃を支払わなければならない、といったことになります。

指定期間内に退去する予定がない場合は、初期費用を抑えられるぶん得しかありませんが、もし指定期間内に退去してしまうと大きな負担になりますので、注意しておきましょう。

⑤引っ越しの荷物を業者ではなく自家用車で運ぶ

五つ目の礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は「引っ越しの荷物を業者ではなく自家用車で運ぶこと」です。

自家用車で運ぶことで引っ越し業者に依頼するはずだった費用を抑えることができます。

ただし、荷物を傷つけてしまったり、時間が思った以上にかかったりするので注意が必要です。

礼金などの初期費用を抑えたいときは、自家用車で運びましょう。

【おすすめ】礼金を敷金にまわしてもらえば超お得!


実は、礼金を敷金にまわしてもらうことができます。


たとえば、敷金礼金ともに1ヶ月の場合、敷金を2ヶ月、礼金を0か月にすることが可能です。


こちらの方法を行うメリットは、以下になります。

  1. 交渉が成功しやすい
  2. 退去時に一部の敷金が返ってくる可能性がある

それぞれ解説していきます。


1.交渉が成功しやすい


礼金を敷金にまわすことは大家にとってもメリットになるのです。


たとえば、入居者が家賃を滞納した場合に回収できないリスクが減りますし、退去時の原状回復費用においても敷金が2か月分になることで回収できないリスクが軽減されます。


そのため、家賃・礼金の減額交渉よりかは、礼金を敷金にまわす交渉のほうが大家が応じてくれやすいのです。


2.退去時に一部の敷金が返ってくる可能性がある


退去時に一部の敷金が返ってくる可能性があります。


たとえば、退去時に原状回復費用として敷金0.5が使われた場合、「礼金1敷金1だと、退去時に返ってくる敷金は0.5」、「 礼金0敷金2だと、退去時に返ってくる敷金が1.5」になるのです。


当然、入居者が負担しなければならない原状回復費用が多かったり、家賃の滞納を繰り返したりすると敷金は返ってこなくなりますが、通常よりは返ってきやすいでしょう。


礼金を敷金にまわす交渉はタダですので、ダメもとで交渉する価値はあります。

コラム:賃貸借契約の契約書はしっかりと確認しよう

賃貸借契約の契約書はしっかりと確認する必要があります。


なぜなら「自分の考えと契約書の内容で食い違いが起こり、思わぬトラブルに発展するから」です。


実際、国土交通省が実施した住宅市場動向調査によると、修繕費用の不明朗な請求に困っている回答者が多くいます。


契約書の内容を完璧に確認・理解しておけば、このような事態に発展する可能性は極めて少なくなるので、しっかり確認しておきましょう。

まとめ:礼金の意味をしっかりと理解しよう

この記事では、礼金とはどういう意味なのか、敷金とはどう違うのか、礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法などについてお伝えしてきました。

  • 礼金とは、賃貸借契約を結んでくれたお礼として払う費用のことを意味する
  • 敷金と違って礼金は大家にお礼として贈与するものなので返ってこない
  • 礼金の相場は家賃の1ヶ月分であることが多い
  • 礼金などの初期費用を抑えたいときに行うべき方法は、「①敷金礼金なしの物件を選ぶ」「②敷金礼金や仲介手数料の値引き交渉をする」「③初期費用を分割払いで払う」「④フリーレントの物件を選ぶ」「⑤引っ越しの荷物を業者ではなく自家用車で運ぶ」の5つ

引っ越しの初期費用を計算するときに、必ず考慮しなければならないことが敷金礼金です。


敷金礼金を間違った意味で理解してしまうと、相場より著しく高かったとしても契約しかねないので、敷金礼金の本当の意味を理解しておく必要があります。


これからも皆さんの悩みや不安を解消できるような記事を公開していきますので、一緒に学んでいきましょう。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。