2023年4月1日より、労働基準法の一部が改正され、給与のデジタル支払いが解禁されます。この記事では、給与のデジタル支払いにおける企業側と従業員側双方のメリットについてや、企業の意見、街の反応、キャッシュレス化の今後の動向について解説していきます。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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給与のデジタル支払いが解禁へ
PayPayやd払い等を利用しての給与のデジタル支払いが、4月1日より解禁されます。
労働基準法により、原則として給与は現金での支払いに限定されてきましたが、その労働基準法が2023年4月1日に一部改正されることとなり、給与のデジタル支払いが実現することになりました。
これにより、政府の推進するキャッシュレス決済の拡大が加速することが見込まれています。
4割を超える企業が給与のデジタル支払いを導入予定
多くの経営者や役員に調査した結果、およそ46%の企業が「デジタル支払いを実施する予定」と回答したそうです。
その理由は、
- 銀行口座の振込手数料の削減のため
- 給与受け取り方法の多様化による、従業員満足度向上のため
- 外国人労働者が多くいるため
給与を受け取る従業員のメリットは?
企業だけでなく、給与を受け取る従業員側にも多くのメリットが存在します。
- キャッシュレス決済がより身近になり、普及がすすむ
すでに現金払いからキャッシュレス決済へ移行している方達にとっては、口座からキャッシュレス決済へチャージする手間を省くことができます。
現金派の方達も、キャッシュレス決済への移行のハードルが下がります。
キャッシュレス決済へ移行することで、現金払いの際には受け取れなかったポイントやキャンペーンの恩恵を受けられるようになり、多くの支払いが今よりお得にできるようになります。
- 家族への仕送りの際に、送金手数料が発生しない
給与のデジタル支払いに、街の反応は…
- 現金を使う場面がすでにほとんどないので、自身が働いている企業でも、早く給与のデジタル支払いを導入してほしい。
- 現金化できないのであれば問題がある。少なからずも現金でしか支払えない場面はまだまだある。
- 半分は現金での支払い、もう半分はデジタル支払い、など、受け取り方を柔軟に選択できるようにしてほしい。
- セキュリティの安全性が心配…
まとめ
給与がデジタル支払いされることにより、企業にも従業員にもメリットがある一方、予期せぬトラブルが発生しないか心配も残りますね。
多くの企業が、給与の支払い方法をデジタル支払いだけにを変更することはありませんが、選択肢のひとつとして大きく普及していくことが考えられます。
給与の支払いを含め、決済のあらゆる場面でキャッシュレス化が加速していくことが考えられますので、現金派の方もこの機会にキャッシュレス決済の利用を検討してみるのはいかがでしょうか?