
- 住宅ローン以外にもローンを組んでいる人
- 将来的に住宅ローン以外にもローンを組む予定がある人
- 多重債務になり返済に困っている人
- おまとめローンを利用すれば、住宅ローンとほかのローンをまとめることができる
- おまとめローンでまとめられるローンには「教育ローン」「フリーローン」「マイカーローン」がある
- おまとめローンでまとめることで多重債務から解放される可能性がある
現在住宅ローンを組んでいる人やこれから住宅ローンを考える人の中には「住宅ローンとほかのローンをまとめることはできるの?」と思う人がいるでしょう。おまとめローンを利用すれば、ローンをまとめることが可能です。この記事では、おまとめローンについて解説しています。この記事を読んで、おまとめローンを利用するかどうかの参考にしてみてください。
この記事の目次
目次を閉じる住宅ローンとフリーローン・教育ローンなど他のローンを組み込む・まとめることは可能?

ローンは、住宅ローン以外にもマイカーローン・教育ローン・カードローン・フリーローンなど、さまざまなローンが存在しています。ライフイベントに合わせて多種多様なものを組み合わせている人も多いでしょう。
複数のローンを組んでいると、管理が煩雑になり資金計画が難しくなる場合があります。誰しもが、これらをまとめて管理できないかと思ったことがあるのではないでしょうか。
しかしながら、異なるローンをまとめることは原則できません。これは、ローンによって違った金利が設定されているため、まとめることが不可能となっているのです。
ただし、同じ家に対するもの、たとえば住宅とリフォームなどであればまとめられる場合があります。ほかにも、「ろうきん」や「おまとめローン」を利用することで、条件によってはまとめることができます。
住宅ローンをまとめる・住宅ローンに他のローンを組み込む方法
異なるローンは原則まとめられませんが、条件によってはまとめられる場合もあります。
ここでは、以下3つの、住宅ローンをまとめる方法を解説します。
- ろうきんで住宅ローンをまとめる(500万円以内の場合)
- 住宅ローンの借り換え
- おまとめローンの利用
どれも条件があり、自身が利用しているローンによって利用できるかどうかが変わってきます。 どのような条件があるかを確認して、自身が該当するか確認してください。
ろうきんで住宅ローンをまとめる(500万円以内の場合)
500万円以内のローンは、「ろうきん」でまとめることができます。この機関は、労働組合や生協の組員がお互いを助け合うために作った共同組織の福祉金融機関です。
ろうきん住宅ローンを利用している人であれば、住宅ローンとは別に500万円の借入が可能です。この借入はほかのものにも利用できるため、別の支払いに利用することでまとめられます。
ただし、注意点があります。 住宅ローンの支払い期間が短いなどの理由で、担保する物件によっては審査基準に満たず、審査に落ちてしまう可能性があります。
ほかのものをまとめるために、これからろうきんの住宅ローンの利用を考えている人は、申請できるかどうか試してみるとよいでしょう。
住宅ローンの借り換え
住宅ローンを乗り換えることで、ほかのものとまとめられます。住宅ローンの借り換えとは、現在返済中のものを全額返済して、ほかのものとひとつにまとめることです。
現在契約しているものとは別に新たな契約で資金を用意し、現在返済中のものを全額返します。たとえば、カードローンを別で契約して資金を用意した上で、その資金を利用して返済中のものをまとめて返済する、といったような方法です。
住宅ローンの借り換えでは、契約を開始したタイミングより、借り替えするタイミングの方が金利が低くなる可能性が高いです。新たな契約で借り換えることで、人によっては低い金利にできるでしょう。
この方法は、既にある程度の住宅ローンを返している方に、おすすめの方法です。
おまとめローンの利用
おまとめローンを利用することで、複数のものをひとつにまとめられます。おまとめローンとは、自身が借りている複数のローンやキャシングをまとめて、ひとつにする方法です。
おまとめローンと住宅ローンの違いは、担保があるかどうか、です。
住宅ローンは、住宅そのものを担保にすることで低金利で借りられる仕組みとなっています。一方で、おまとめローンは、担保がない代わりに高金利で借入を行うのが特徴です。
すでにおまとめしている人が、住宅ローンへ追加で申し込む場合、審査の通過難易度が上がるため注意が必要となります。
おまとめローンには、住宅ローンを組み込めますが、まとめることで高金利となってしまう場合があるため、おすすめしません。
おまとめローンでまとめられるものは?
おまとめローンは、複数のローンと住宅ローンをおまとめできるものですが、どのような種類のものがまとめられるのでしょうか。
おまとめローンで対応できるものは、以下の3種類です。
- 教育ローン
- フリーローン
- マイカーローン
なお、一部の金融機関によっては住宅ローンも対応している場合があります。おまとめローンを利用する際には、住宅ローンが対応しているか金融機関に確認するとよいでしょう。
ここでは、上記3種類の概要を解説していきます。
教育ローン
教育ローンは、おまとめローンでまとめることができるローンです。
子供の進学や学費に伴う費用を貯めるために、教育ローンを活用して貯蓄ができます。このローンの種類には、金融機関などによる民間ローンと、国や公的機関による公的ローンが存在します。
教育ローンは子供が中学・高校・大学や専門学校などに進学するタイミングで必要となる学費に備えることができるため便利です。一方でさまざまなタイミングで必要となるため複数のローンを組んでしまう人も多いでしょう。
このような場合に、おまとめローンでひとつのローンにまとめられることは、煩雑となった管理を一本化できるため、便利です。
フリーローン
フリーローンは、用途が制限されていないローンです。結婚や出産など、これから予定されているライフイベントに備えて活用されることの多いものです。
このフリーローンも、ほかのものと一緒にまとめられます。
フリーローンは、さまざまな出来事に備えて活用されることの多いローンであるために、複数のローンを組んでしまいがちです。煩雑に契約を増やしてしまうと管理が難しくなってしまうため、一つにまとめてしまうのがおすすめです。
まとめた方が、フリーローンよりも低金利となる場合もあるため、一つにすると金利がどうなるか確認するとよいでしょう。
マイカーローン
マイカーローンは、自動車を購入するさいに借入するローンです。貯蓄をして一括払いで自動車を購入する人もいますが、高額な購入となるため、マイカーローンを組んで自動車を購入するのが一般的です。
マイカーローンはローンの組み方によっては長期間となる場合も多く、ライフスタイルの変化などでさらにほかのローンを組み込む場合もあるでしょう。このような場合に、おまとめローンでひとつのローンにまとめることは、おすすめの方法です。
特に、マイカーローンの支払いをある程度返済されている人は、おまとめローンに組み込むことで低金利となる可能性があるため、確認してみるとよいでしょう。
住宅ローンからおまとめローンに借り換えるメリット
ここまで、おまとめローンにまとめられるローンの種類をみてきました。さまざまなローンをまとめられるおまとめローンですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、以下3つのメリットを解説します。
- 利息の負担が減る
- 返済が遅れにくくなる
- 多重債務の状態を解消できる
住宅ローンからおまとめローンに借り換えると、複数のローンを利用している場合よりもメリットを受けられる場合があります。 上記メリットをみて自身にとってもメリットとなるかどうか確認するとよいでしょう。
利息の負担が減る
住宅ローンをほかのものとまとめることで、利息の負担が減る場合があります。
ローンの借入と金利の傾向として、借入の金額が低ければ金利は高く、借入の金額が高ければ金利は低くなる傾向があります。このため、複数のローンを一本化して、借入の金額を高くして低金利とできます。
さらに、おまとめローンの中にも低金利のものが多く存在しているため、まとめることで低金利にできるでしょう。金利を少しでも下げて、利益負担を減らしたい人におすすめです。
返済が遅れにくくなる
おまとめローンで複数のローンをまとめると、返済が遅れにくくなります。
ローンには返済日があり、複数のローンを契約するとそれぞれのローンに返済日が設定されます。複数のローンで同じ返済日を設定していればよいですが、ローンごとに異なる返済日となってしまっている場合、返済を忘れてしまうこともあるでしょう。
返済が遅れてしまうと、延滞金を徴収される場合もあるため、注意が必要です。
おまとめローンは、このような悩みを解消できます。
返済日が異なるローンを一本化することで、全て同じ返済日に変更できます。ほかにも、返済日を統一することで、それぞれのローンで返済を行う必要もなくなり、返済用の資金を用意するのも一度で済むため便利です。
多重債務の状態を解消できる
おまとめローンを利用することで、多重債務の状態を解消できます。
多重債務とは、複数のローンやキャッシングから借入を行なっている状態のことです。多重債務には、新しいローンやクレジットカードの契約に対してマイナスの要素があるというデメリットがあります。
大幅に高い年収がある場合は多重債務となっても問題ない可能性がありますが、自身の年収に近い金額を借入してしまっているとさらなる借入ができない可能性があります。多重債務によってそれぞれの利息が膨れ上がる可能性もあります。
多くの借金をしていて、返しても借金が減らないという状況は、この膨れ上がった利息が返せていない状況となっているためです。
おまとめローンを利用することで、この多重債務から抜け出し、膨ら上がった利息も解消できる可能性があります。
住宅ローンからおまとめローンに借り換えるデメリット
ここまでみてきたように、おまとめローンにはさまざまなメリットがありましたが、デメリットもあります。
ここでは、以下、3つのデメリットをみていきます。
- 他社のローンを全て返済しないといけない
- 逆に利息が高くなるケースがある
- おまとめローンを利用できる金融機関の数が少ない
おまとめローンのまとめ方によっては、まとめる前よりも負担が増える可能性があるため、自身のローンに対してデメリットがないかどうか確認することが大切です。
他社のローンを全て返済しないといけない
おまとめローンを利用するためには、他社のローンを全て返さなければなりません。
まとめるためには、ローンを1本化して金融機関を1つに絞る必要があります。複数のローンを別々の金融機関で借りている場合に、他社で借入している資金を一気に返す必要があります。
また、返す際にも注意が必要です。
おまとめローンを契約した金融機関から借入を行い、指定された方法で返す必要があります。契約した金融機関とは違ったところから返してしまうと、おまとめローンが利用できなくなる可能性もあるため、注意しましょう。
逆に利息が高くなるケースがある
まとめることで、逆に利息が高くなるケースがあります。
一般的には住宅という物件を担保にしている方が、おまとめローンよりも金利が低いです。このため、借り換えすることで金利が高くなり、逆に利息が高くなる可能性があります。
おまとめローンはほかの相場よりも金利が低いですが、住宅ローンと比べて低い金利となるかどうかは、金融機関やキャンペーンによって異なります。
今の契約が低い金利である場合、おまとめローンに変更すると高金利になってしまう可能性があるため、おすすめできません。
おまとめローンを利用できる金融機関の数が少ない
おまとめローンが契約できる、機関の数が少ないことが、デメリットの一つになります。
おまとめローンを契約するだけであれば、金融機関を選びやすいですが、住宅ローンの借り換えを行った上で契約ができる金融機関はあまりありません。このため、利用したくても契約ができるところが見つからず、おまとめローンが利用できない場合があります。
さらに、条件の合うところを見つけても、審査の結果などでスムーズに契約できない可能性もあるでしょう。
事前に、どのようなところであればおまとめローンの契約ができるか調べておくと、契約できる可能性が高まります。
銀行と消費者金融のおまとめローンを比較
おまとめローンを利用する際には、どの金融機関にするか選ぶ必要があります。
金融機関は、銀行と消費者金融のどちらかにするかを選ぶ必要がありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。
ここでは、それぞれの金融機関のメリット・デメリットを解説します。それぞれのメリット・デメリットをみて、自身にはどちらがあっているか検討してみてください。
銀行のおまとめローンのメリット・デメリット
ここでは、銀行のメリット・デメリットを解説します。
<メリット>
銀行を選ぶメリットは、低金利となることです。
住宅ローンは低金利で借入ができますが、おまとめローンに移行することで、金利が高くなってしまいます。ただ、銀行ので取り扱っている商品は、消費者金融のものと比べて低金利であるため、おまとめローンに借り換えても低金利となる場合があります。
<デメリット>
審査基準の厳しさが、銀行のデメリットです。
おまとめローンでは、すでに借入のある状態から再度借入を行うことになるため、審査の基準が厳しくなります。さらに、消費者金融に比べて審査が厳しいため、より厳しく審査されるでしょう。
この結果、必要なローンの契約ができなくなる場合もあるため、どの銀行を選ぶかは慎重に行うことをおすすめします。
消費者金融のおまとめローンのメリット・デメリット
ここでは、消費者金融のおまとめローンのメリット・デメリットを解説します。
<メリット>
返済の計画が立てやすいことが、消費者金融を選ぶメリットです。
銀行と違って、消費者金融で借入を行うと、再度借入を行えません。おまとめローンで設定した金額のみを計画的に返済することとなります。
また、毎月の返済額が銀行と比べると多くなるため、短い期間でも返済が可能となる点も、メリットの一つでしょう。
<デメリット>
消費者金融のおまとめローンを選ぶデメリットは、金利が高いことです。
銀行のおまとめローンと比べると、消費者金融の金利は高く、さらに月々の返済金額も高くなってしまいます。さらに、追加の借入を行えないため、有事のさいに資金を借入できない点もデメリットでしょう。
返済能力がある人は問題ありませんが、返済能力が高くなく支払いが滞りそうな人には、特に消費者金融のおまとめローンはおすすめできません。
借り換えができるおまとめローンをご紹介
ここまで、おまとめローンのメリット・デメリットをみてきました。では、おまとめローンができる銀行や消費者金融にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、おまとめローンができる以下4つの銀行と消費者金融を解説します。
- 北日本銀行「住宅ローンASUMO おまとめプラン」
- JA「JAおまとめ住宅ローン」
- SMBC「三井住友カード カードローン」
- トマト銀行「トマトおまとめ住宅ローン」
それぞれ解説していきます。
北日本銀行「住宅ローンASUMO おまとめプラン」
北日本銀行の「住宅ローン ASUMO おまとめプラン」は、他の金融機関ですでに借入を行なっているものを住宅ローンに組み込むことが可能です。
借入を行なっているローンの中には、新しい車を購入するための資金などもおまとめできるため、便利です。 融資期間は最大40年を設定できるため、余裕を持った返済を行うことが可能となるでしょう。
住宅ローンに加えて新しい車の購入での新規ローンを考えている人や、これから住宅ローンを考えている人で、ほかのものも考えている人におすすめです。
JA「JAおまとめ住宅ローン」
「JAおまとめ住宅ローン」は、「ろうきん」と同じように住宅ローンとは別に500万円までほかのものを組み合わせることができます。
これには、住宅ローンを返す期間に合わせて、ほかの契約の返す期間を延ばせるという特徴があります。ローンの残りが、住宅ローンが15年・マイカーローンが5年であった場合、おまとめすることでマイカーローンの完済期限を15年延ばせます。
月々の支払いを一つにしてさらに返す期間を延ばすことで、余裕を持った返済が行えるようになるでしょう。新しく住宅ローンを組みたい人で、すでにほかのものを返済している人に、おすすめです。
SMBC「三井住友カード カードローン」
SMBCの「三井住友カード カードローン」は、信頼性の高い三井住友銀行が展開しているおまとめローンです。
これは、住宅ローンではなくカードローンとなっており、資金の利用目的は自由であるため、さまざまな用途に利用できます。利用枠が高いほど金利が低くなるため、住宅ローンのおまとめにおすすめです。
ただし、最大の利用枠が900万円までとなっており、住宅ローンの残額によっては借り換えができない場合があるため注意しましょう。
契約してからしばらくの間、住宅ローンを支払っている人や、自由に使える資金を用意したい人などにおすすめとなっています。
トマト銀行「トマトおまとめ住宅ローン」
「トマトおまとめ住宅ローン」は、リフォームローンにも対応しているのが特徴的です。
住宅ローンと別枠の中で、借入枠の50%以内でかつ最大500万円までの借入が可能となっています。このため、長年住み続けたマイホームのリフォームをしたいが、その資金が用意できないといった人におすすめです。
もちろん、住宅ローンの借り換えにも対応しており、リフォームと一緒に住宅ローンの借り換えも可能となっています。
まとめ:住宅ローンとフリーローン・教育ローンなどをまとめることは可能?
今回は、住宅ローンとほかのものをまとめる、おまとめローンをみてきました。
- おまとめローンを利用すれば、住宅ローンとほかのものをまとめることができる
- まとめられるローンにはさまざまな種類がある
- まとめることで多重債務から解放される可能性がある