- マイホームの購入を検討している人
- 住宅ローンの借入額の目安がわからない人
- 世帯年収別の借入可能額の目安を知りたい人
- 契約後の家計のイメージを知りたい人
- ご自身の借入可能額の目安
- 世帯年収がどのくらいあれば希望額を借りられるか
- 共働き夫婦の平均年収と借入可能額の目安
- 借入可能額や返済額を試算する方法
マイホームの購入を検討している人にとって、住宅ローンで借りられる金額は気になると思います。今回は、世帯年収別に住宅ローンの借入可能額を紹介します。ご自身の借りられる金額や希望する金額を借りるための世帯年収の目安がわかります。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 住宅ローン借入に必要な世帯年収の目安とは?共働きも必見!
- 住宅ローンの年収倍率には頭金も含まれるの?
- 住宅ローンの「頭金」を正しく理解していない人は多い
- 住宅ローンの借入可能額とは?年収300万円~1000万円の目安も解説
- 共働きの平均年収も!住宅ローンの借入限度額を計算してみた
- 世帯年収別に住宅ローンの返済額をシミュレーションしてみよう
- 年収300万円で住宅ローンを組んだら?
- 年収400万円で住宅ローンを組んだら?
- 年収500万円で住宅ローンを組んだら?
- 年収600万円で住宅ローンを組んだら?
- 年収700万円で住宅ローンを組んだら?
- 共働き・年収別!住宅ローンの返済金額をシミュレーションするには?
- まとめ:住宅ローン借入に必要な世帯年収の目安とは?共働きの住宅ローンの平均や目安は?
住宅ローン借入に必要な世帯年収の目安とは?共働きも必見!
あくまで目安ですが、住宅ローンの借入に必要な世帯年収の目安は400万円以上です。
住宅支援機構の『2022年度 フラット35利用者調査』によると、2022年のフラット35の利用者の世帯年収の平均は634万円でした。割合で見ると、世帯年収400万〜600万円が一番高く、約4割です。
世帯年収400万円未満の利用者も約2割いますが、中古戸建や中古マンションを購入する人が多く、土地付き注文住宅や建売住宅の購入を希望する場合は世帯年収400万円以上が目安になるでしょう。
共働き夫婦であれば、それぞれが年収300万円以上あると住宅ローン利用者の平均世帯年収に近づきます。
とはいえ、住宅購入に必要な資金は購入希望の土地や建物によって大きく変わります。必要資金が少なくなればその分求められる世帯年収も低くなるでしょう。
少し極端な話にはなりますが、条件次第では1,000万円台で注文住宅を購入することも可能です。
そのように考えると、世帯年収ごとの借入可能額も気になるかと思います。
借入可能額は年収倍率と呼ばれる数値が参考になります。年収倍率は住宅の購入価格を世帯年収で割った数値で、年収倍率は世帯年収の5〜7倍です。
たとえば、世帯年収400万円であれば、住宅ローンの借入額の目安は2,000万〜2,800万円となります。
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住宅ローンの年収倍率には頭金も含まれるの?
住宅ローンの年収倍率には頭金も含まれるとされています。
年収倍率の計算に使用される数値は住宅ローンの借入額ではなく、住宅の購入金額がベースになっているからです。
住宅の購入金額は「自己資金 + 借入額」であり、自己資金には頭金が含まれるため、年収倍率にも頭金が含まれることになります。
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住宅ローンの「頭金」を正しく理解していない人は多い
頭金とは住宅の購入価格から住宅ローンの借入額を差し引いた金額です。
たとえば、住宅の購入価格が4,000万円である場合、頭金が0円なら住宅ローンで4,000万円借りる必要がありますが、頭金が500万円あれば3,500万円の借り入れで済みます。
一般的には購入価格の10〜20%が頭金の目安とされています。あくまで目安なので、世帯年収や住宅ローンの借入額によっては頭金0円でも契約できます。
頭金を準備するメリットとデメリットは以下の通りです。
▼メリット
- 借入額が減る
- 毎月の返済額か返済総額を抑えられる
- 希望する条件の家を購入しやすくなる
▼デメリット
- マイホームの購入までに時間がかかること
- 無理して準備すると、もしものときに使えるお金がなくなってしまう
住宅の購入価格にもよりますが、頭金を10〜20%ほど準備するとなると100万円、200万円を超えることも珍しくないため、準備までに時間がかかってしまいます。
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住宅ローンの借入可能額とは?年収300万円~1000万円の目安も解説
借入可能額とは金融機関から借りられる金額のことです。
住宅ローンの借入可能額を算出するための重要な数字の1つが返済負担率です。返済負担率とは収入に占めるローン返済額の割合で、収入合算で借りる場合は世帯年収が収入になります。
たとえば、世帯年収500万円で年間の返済額が100万円であれば、返済負担率は20%です。
各金融機関ごとに返済負担率の上限が決められていますが、民間金融機関は基本的には公開していません。
フラット35は返済負担率の上限を公表しており、年収400万円未満で30%、年収400万円以上なら35%です。民間金融機関も同程度の水準ではないかと考えられます。
たとえば、世帯年収年収400万円であれば、年間の返済額が140万円までであれば問題ないということになります。
ただし、返済負担率はこれから借りる予定の住宅ローンの返済額だけではなく、全ての借入の返済額が計算対象です。
そのため、奨学金やカーローンなどの返済が残っている人は借入可能額が減ってしまいます。借入額を増やしたい場合、住宅ローンの審査の前に他のローンを返済しましょう。
年間の返済額は借入額・金利・返済年数・返済方法によって決まります。
審査の際には実際に適応される金利よりも高い金利、いわゆる審査金利で借入可能額を判断しています。
住宅ローンは返済期間が20年、30年以上となることが珍しくありません。
「返済期間中に金利が高くなった場合でも返済できるかどうか」という点を審査するために、実際の金利よりも高い数字で審査が行われます。
審査金利は金融機関によって異なりますが、目安は3〜4%ほどです。
今回は以下の条件で、世帯年収別の借入可能額をシミュレーションします。
▼条件
- 審査金利:4%
- 返済負担率の上限(世帯年収300万円):30%
- 世帯年収(400万円以上):35%
- 元利均等返済
- 返済期間35年
- 他の借入はなし
世帯年収 | 借入可能額の目安 |
---|---|
300万円 | 1,693万円 |
400万円 | 2,642万円 |
500万円 | 3,297万円 |
600万円 | 3,952万円 |
700万円 | 4,607万円 |
800万円 | 5,262万円 |
900万円 | 5,939万円 |
1,000万円 | 6,594万円 |
繰り返しますが、あくまで目安です。
住宅ローンを申し込む金融機関によって審査基準は変わり、借入可能額も変わります。なるべく多く借りたいと考えている場合は複数の金融機関に審査を依頼しましょう。
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共働きの平均年収も!住宅ローンの借入限度額を計算してみた
総務省の「家計調査 家計収支編」によると、2022年の共働き夫婦の平均世帯月収は692,664円でした。この数字から共働き夫婦の平均世帯年収を計算すると8,311,968円、約831万円です。
先ほどと同じ条件で世帯年収831万円の場合の住宅ローンの借入限度額を試算すると限度額は5,465万円となります。
共働き世帯であれば、夫と妻それぞれの収入の合計額が世帯年収となるため、片働き世帯よりも世帯年収は高くなりやすいと考えられます。
実際に同調査の結果によると、夫のみが働いている世代の平均世帯月収は564,210 円、世帯年収に換算すると6,770,520円、約677万円でした。
また、同じ世帯年収であっても手取りの世帯年収を比較すると、共働き世帯の方が高くなるケースが多いです。
そのため、同じ世帯年収で同じ借入額の場合、共働き世帯の方が多少余裕が生まれると考えられます。
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世帯年収別に住宅ローンの返済額をシミュレーションしてみよう
次に、世帯年収別の住宅ローンの返済額をみていきましょう。
住宅ローンを検討する際には「どのくらい借りられるか」という点も大事ですが、「毎月の返済額がいくらになるか」という点も同じくらい大事なポイントです。
ここでは、次に挙げるの世帯年収の返済額をシミュレーションします。
- 年収300万円
- 年収400万円
- 年収500万円
- 年収600万円
- 年収700万円
また、今回のシミュレーションは以下の条件で行います。
- 借入金額:世帯年収別の借入可能額の目安
- ボーナス払い無し
- 金利:1.8%(全期間固定)
- 元利均等返済
変動金利の方が適用金利は低くなりますが、今回のシミュレーションでは金利変動によって10年後・20年後の返済額が大きく変わる可能性を懸念して、全期間固定金利としています。
実際の返済額は審査結果によって変わるので、あくまで目安としてご確認ください。
年収300万円で住宅ローンを組んだら?
世帯年収300万円の場合、借入額は1,693万円ですので、毎月の返済額は5.5万円です。返済総額は2,284万円になります。
毎月5.5万円なので、年間66万円返済することになり、返済負担率は22%です。
返済負担率22%が高いか低いかを判断する際には、手取り年収がポイントになるかと思います。
私たちが毎年自由に使えるお金は額面年収の300万円ではなく、額面年収から税金や社会保険料が差し引かれた後の手取り年収です。そのため、手取り年収をベースに考えていきます。
手取り年収は家族構成や控除など人によって変わるため、こちらもあくまで目安としてお考えください。
年収300万円であれば、手取り年収は約240万円です。返済負担率を手取り年収で計算すると27.5%になります。
家賃の目安が手取りの3割とされていることを考えると、妥当な返済額といえるでしょう。
ただし、世帯年収に占めるボーナスの割合によっては毎月の返済額の負担が大きくなるため、ボーナス払いも活用して返済額を抑えたり、毎月の収入を増やす努力が必要になるかもしれません。
年収400万円で住宅ローンを組んだら?
次に世帯年収400万円の場合の返済額の目安です。
借入額は2,642万円で毎月の返済額は8.5万円、返済総額は3,563万円になります。
住宅支援機構の『2022年度 フラット35利用者調査』によると、土地付き注文住宅の購入資金の平均は4,694万円、建売住宅は3,719万円でした。
自己資金の金額や希望する地域にもよりますが、世帯年収が400万円あれば新築のマイホームも可能ではあると考えられます。
世帯年収400万円を手取りの世帯年収に換算すると約317万円です。年間の返済額は102万円であるため、手取り年収をベースにした返済負担率は32.1%になります。
返済負担率だけで考えると、世帯年収300万円のケースと比較して多くなりましたが、手元に残るお金は多くなるので、そこまで厳しい数字ではないと考えられます。
とはいえ、老後資金や子どもがいる世帯であれば将来の教育費も準備する必要があると考えると、やや厳しい数字であるかもしれません。
年収500万円で住宅ローンを組んだら?
次に世帯年収500万円の場合の返済額の目安です。
借入額は3,297万円で毎月の返済額は10.6万円、返済総額は4,447万円になります。
世帯年収500万円を手取りの世帯年収に換算すると約390万円です。年間の返済額は127.2万円で、手取り年収をベースにした返済負担率は32.6%になります。
手取りの世帯年収から住宅ローンの返済額を差し引いた額は262.8万円で、月換算すると21.9万円です。
子どもの年齢や人数によっては少し生活が厳しいかもしれません。
今回のシミュレーションでは固定金利にしましたが、変動金利で契約すると返済額を抑えられます。とはいえ、変動金利は返済期間中に金利上昇するリスクがあります。
ほかにも返済額を抑える手段には、頭金を多めに準備する、借入額を抑えるなども有効です。
また、住宅ローン減税やふるさと納税など、個人でもできる節税を実践していくと手元に残るお金が増えるため、手軽に始められそうなものから取り組んでみてください。
年収600万円で住宅ローンを組んだら?
次に世帯年収600万円の場合の返済額の目安です。
借入額は3,952万円で毎月の返済額は12.7万円、返済総額は5,330万円になります。
マイホームの購入金額の平均から考えると、建売住宅であれば頭金なしでも住宅ローンを契約できるかもしれません。
ある程度の金額の頭金を準備するためには時間がかかってしまうため、できるだけ早くマイホームが欲しい人は頭金なしの状態で金融機関に相談に行く選択肢も採れるでしょう。
世帯年収600万円を手取りの世帯年収に換算すると約466万円です。年間の返済額は152.4万円で、手取り年収をベースにした返済負担率は32.7%になります。
手取りの世帯年収から住宅ローンの返済額を差し引いた額は313.6万円で、月換算すると26.1万円です。
将来のための貯蓄まで考えると、子どもがいる世帯の場合、不足する可能性があるため、副業や節税など手取りを増やす工夫が必要になるかもしれません。
年収700万円で住宅ローンを組んだら?
最後に世帯年収700万円の場合の返済額の目安です。
借入額は4,607万円で毎月の返済額は14.8万円、返済総額は6,213万円になります。
世帯年収700万円を手取りの世帯年収に換算すると約530万円です。年間の返済額は177.6万円で、手取り年収をベースにした返済負担率は33.5%になります。
手取りの世帯年収から住宅ローンの返済額を差し引いた額は352.4万円で、月換算すると29.4万円です。
返済負担率は高くなっていますが、世帯年収も高くなっている分、手元に残るお金も多くなっています。
借入可能額も土地付き注文住宅の購入額の平均に近い額であり、頭金込みであれば借入額を減らして毎月の返済額を抑えたり、理想のマイホームを実現しやすくなるのではないでしょうか。
共働き・年収別!住宅ローンの返済金額をシミュレーションするには?
最後に、住宅ローンの返済金額をシミュレーションする方法を解説します。
今回の記事ではフラット35のシミュレーターを使用しました。
多くの企業のWebサイトに住宅ローンのシミュレーターがあるため、ご自身で試算する際はご活用ください。
住宅ローンのシミュレーターには以下のような種類のものがあります。
- 世帯年収から借入可能額を調べるもの
- 毎月の返済額から借入可能額を調べるもの
- 借入額から毎月の返済額を調べるもの
住宅ローンは20年、30年以上の返済期間を設定できるため、毎月の返済で生活が苦しくならないように組むのが望ましいです。
今の家賃や毎月の生活費、これから必要になるお金など、さまざまな要素を加味して毎月の返済額を考えてみてください。
毎月の返済額を抑えるためには次の手段が有効です。
- 変動金利にする
- 返済期間を長くする
- ボーナス払いの設定をする
とはいえ、それぞれ次のような注意点もあります。
- 返済期間中の金利変動によって返済額が増えるリスクがある
- 返済期間を長くすると利息が増え返済総額が多くなる
- ボーナスが支給されない、減額されるとその月の返済が困難になる
また、多くの金融機関が返済期間を最長35年にしていますが、働いている期間に完済したい場合は、60歳や65歳に完済できるように返済期間を設定してみてください。
まとめ:住宅ローン借入に必要な世帯年収の目安とは?共働きの住宅ローンの平均や目安は?
住宅ローンの借入に必要な世帯年収の目安は400万円以上です
とはいえ、購入希望の住宅の価格によっては世帯年収400万円以下でも住宅ローンの契約は可能です。
住宅ローンの借入可能額は金利や返済期間などの条件によって変わりますが、目安は世帯年収の5〜7倍になります。
共働き夫婦は世帯年収が高くなりやすく住宅ローンを契約しやすいと言えるでしょう。共働き夫婦の平均世帯年収から算出した借入可能額は5,465万円でした。
住宅ローンの借入額を多くすると、理想のマイホームを入手しやすくなりますが、毎月の負担も大きくなります。
今回の記事でご紹介した目安を参考に、ご家族にとって最適な返済額をお考えください。