

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- つなぎ融資はなぜ必要?主な理由3つを解説
- 住宅ローンの融資実行は「建物完成後」だから
- 着工金・中間金の支払いが発生するから
- 土地の購入費用が発生するから
- つなぎ融資が必要かどうかで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
- つなぎ融資を検討する際に知っておきたい注意点
- つなぎ融資の金利は住宅ローンより高い傾向がある
- 利用できる金融機関が限られている
- 工期が伸びると利息の負担が増える
- 手数料や印紙代などの諸費用がかかる
- あなたの家庭にぴったりの方法は?FPと一緒に最適な資金計画を考えよう
- 【実際どうだった?】つなぎ融資の利用者の体験談
- つなぎ融資をなぜ利用したか、主な理由を教えてください
- 実際に利用して、資金の流れや手続きで不安だった点はありましたか?
- つなぎ融資を利用して良かった点を教えてください
- これからつなぎ融資を利用する人にアドバイスがあれば教えてください
- 【まとめ】つなぎ融資を賢く活用して後悔しない資金計画を立てよう
つなぎ融資はなぜ必要?主な理由3つを解説
注文住宅の資金計画では「つなぎ融資」は必須といえます。
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間に必要な支払い資金を一時的に借りる短期ローンです。住宅ローンは建物完成後にしか実行されず、それまでの着工金や中間金、土地代などの費用は自己資金かつなぎ融資で賄う必要があります。
完成前に必要な費用は工事費全体の約7割にも上り、全額を自己資金だけで用意できるケースは多くありません。そのため、つなぎ融資を利用しないと支払いが滞り、工事中断のリスクも高まります。
また、無理に自己資金を充てれば生活資金を圧迫しかねません。そのため、つなぎ融資を上手に活用し、安心して家づくりを進めましょう。
住宅ローンの融資実行は「建物完成後」だから
住宅ローンは通常、建物が完成して引き渡されるときに初めて融資実行されます。そのため、建築中は住宅ローンの借入れができず、施工業者への支払い資金は自分で用意しなければいけません。
住宅ローンは完成した建物を担保にする仕組みのため、注文住宅では建物が未完成の間は融資を受けられないのです。金融機関にとって工事途中の建物は担保価値がなく、原則として融資できないのです。
なお、建売住宅やマンション購入の場合は、担保となる建物が既にあるため契約時に住宅ローンを組むことができ、完成前の支払いを心配する必要はありません。注文住宅ではこの点に注意が必要です。
着工金・中間金の支払いが発生するから
注文住宅の工事代金は、契約から引き渡しまでに数回の分割払いが発生するのが一般的です。通常は着工時や上棟時など節目ごとに支払いが求められ、工事完了まで施主が都度費用を用意しなければいけません。
具体的には、工事費全体の約30%を着工時に支払う「着工金」、工事途中で合計約30〜40%を支払う「中間金」(1〜2回に分割)、残りを引き渡し時に支払う、というケースがよく見られます。
以下は、総額3000万円の場合に必要な金額です。
支払い時期 | 支払い内容 | 金額(総額3000万円の場合) |
---|---|---|
工時(地鎮祭後) | 着工金 | 900万円(30%) |
上棟時(工事中) | 中間金(1回目) | 600万円(20%) |
完成前(工事中) | 中間金(2回目) | 600万円(20%) |
引き渡し時 | 残金 | 900万円(30%) |
上表は一例です。契約時に工事費の5〜10%程度を支払う契約金(手付金)が別途発生するケースが一般的ですが、本例では含めていません。
土地の購入費用が発生するから
注文住宅の場合、建築予定の土地を先に購入するケースも少なくありません。土地取得費用は建物の着工前に支払う必要があり、大きな支出です。
しかし、住宅ローンは建物の完成を前提とした融資なので、土地だけを購入する段階では通常の住宅ローンを利用できません。そのため、土地代金を調達する方法として「土地先行融資」があります。
土地先行融資とは、住宅ローンの融資に先立ち土地代を先行して借り入れる仕組みです。土地を担保に入れて資金を借りるため、金利は住宅ローンと同程度に設定される点が特徴です。建物完成前でも土地部分について住宅ローン控除(減税)の対象になり得るメリットもあります。
一方で、土地先行融資を利用するには金融機関が対応している必要があり、抵当権の設定など手続きも発生します。
つなぎ融資が必要かどうかで迷ったら無料FP相談を活用しよう!

つなぎ融資を利用すべきか迷ったら、プロのファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。住宅ローンやつなぎ融資に詳しいFPであれば、自己資金や今後の返済計画を踏まえて最適な提案をしてくれます。
たとえば、自己資金(頭金)の配分や、どの金融機関でどんなローン商品を利用するかなど、幅広い視点でアドバイスを受けることができます。つなぎ融資を利用した場合としない場合の総支払額を比較したシミュレーションを依頼し、無理のない返済計画を検討してもらうことも可能です。
住宅購入は人生で最大の買い物です。FPに相談すると、自分では気付かなかった改善点や見落としていたリスクが明らかになることもあります。プロと話すことで漠然とした不安や疑問が解消し、安心して計画を進められるでしょう。

つなぎ融資を検討する際に知っておきたい注意点

つなぎ融資は注文住宅の強い味方ですが、利用にあたって注意すべき点もいくつかあります。住宅ローンとは異なる独特のルールや負担があるため、事前に把握しておくことが大切です。
つなぎ融資を検討する際に知っておきたい注意点は、以下のとおりです。
- つなぎ融資の金利は住宅ローンより高い傾向がある
- 利用できる金融期間が限られている
- 工期が伸びると利息の負担が増える
- 手数料や印紙代などの諸経費がかかる
つなぎ融資の金利は住宅ローンより高い傾向がある
つなぎ融資のデメリットは、金利の高さです。現在、住宅ローン金利が年0.5〜1%前後※と低水準で推移しているのに対し、つなぎ融資の金利は一般的に年2〜3%台と割高に設定されています。
担保がなく金融機関のリスクが高いためで、住宅ローンより高い利息を支払う必要があります。仮に金利0.5%の住宅ローンと3%のつなぎ融資を比較すると、単純計算で利息負担は6倍です。
金利が高い分、つなぎ融資では利息負担も大きくなります。たとえば、年利3%で1000万円を半年間借りた場合、約15万円もの利息を支払う計算です。借入額や期間が増えれば利息額もさらに増加します。
さらに、つなぎ融資の利息は住宅ローン控除(住宅ローン減税)の対象外で、一度支払った利息が戻ってくることはありません。全額が自己負担となる点も踏まえて検討しましょう。
利用できる金融機関が限られている
つなぎ融資を利用できる金融機関は、限られている点にも注意しましょう。一般的に、つなぎ融資は住宅ローンを申し込む金融機関でセットで利用する形になります。しかし、すべての金融機関がつなぎ融資を用意しているわけではありません。
ネット銀行の多くは、つなぎ融資に対応していないため注意が必要です。では、つなぎ融資を扱っていない銀行で住宅ローンを借りたい場合はどうすればよいのでしょうか。その場合は、ハウスメーカー提携の信販会社など、別の機関からつなぎ融資を受ける方法が考えられます。
実際に、住宅ローン専門の金融機関やノンバンク(信販会社)が単独のつなぎ融資商品を提供しており、住宅ローンとは別に申し込むことで利用可能です。ただし、第三者機関のつなぎ融資は金利がさらに高かったり手数料が割高だったりする傾向があるため、慎重に検討する必要があります。
なお、住宅ローンとつなぎ融資を別々の金融機関から借りる場合、契約手続きや審査も二重に行う必要があり手間がかかります。その点でも、同じ金融機関でまとめられるに越したことはありません。
工期が伸びると利息の負担が増える
注文住宅の工期が予定より長引いた場合、つなぎ融資の利息負担がその分増える点にも注意が必要です。つなぎ融資の融資期間は最長でも1年程度が一般的です。そのため、大幅な工期遅延が起きると予定通りに完済できず、延長手続きや別途対応が必要になる可能性があります。
また、つなぎ融資の利息は日割りで計算されるため、工期が延びた期間の分だけ利息も増加します。たとえば、工期が1ヶ月延びれば、利息の支払額が数万円増えるケースもあるのです。仮に6ヶ月間の予定だったつなぎ融資期間が8ヶ月に延びれば、その間の利息を2ヶ月分余計に支払わなければいけません。
悪天候や資材不足など予期せぬ要因で工事が長引くこともあるため、つなぎ融資の期間に余裕を持っておくことが大切です。
手数料や印紙代などの諸費用がかかる
つなぎ融資を利用する際は、利息以外にも各種の諸費用がかかる点を忘れないでください。
住宅ローンとは別に契約を結ぶため、契約事務手数料や印紙税などの費用が新たに発生します。事務手数料は金融機関にもよりますが約10万円が相場で、印紙税は借入額に応じて異なります。
たとえば、借入額が1000万円超〜5000万円以下の場合は2万円。通常、一つの契約で着工金・中間金など複数回の融資に対応するため、印紙代は契約1件分のみです。
諸費用の合計は金融機関によって多少変わりますが、一般的には10万円前後※になるケースが多いです。
あなたの家庭にぴったりの方法は?FPと一緒に最適な資金計画を考えよう

家計の状況や将来のライフプランは家庭ごとに異なるため「正解」の資金計画も人それぞれです。だからこそ、住宅購入時にはFPと一緒に自分の家庭に合った最適なプランを考えると良いでしょう。
住宅ローンの借入額や返済期間の決め方、つなぎ融資を利用するかどうかなど、一人では判断が難しいポイントも、FPならプロの視点でアドバイスしてくれます。銀行の営業担当に相談する場合と異なり、FPは中立的な立場であなたの利益を第一に考えた提案をしてくれる点もメリットです。
小さなお子さんがいるご家庭なら将来の教育費も考慮した住宅ローン計画が必要ですし、共働きで収入に余裕があるご夫婦なら繰上返済を積極的に取り入れたプランが合うかもしれません。
個々の事情まで含めて、FPが最適な資金計画を一緒に考えてくれます。FPに相談すると、自分では気付かなかった改善点や見落としていたリスクが明らかになることもあります。プロと話すことで漠然とした不安や疑問が解消し、安心して計画を進められるでしょう。

【実際どうだった?】つなぎ融資の利用者の体験談
つなぎ融資をなぜ利用したか、主な理由を教えてください
住宅購入や注文住宅の建築では、土地代や建物の中間金など、まとまった支払いが発生する場面が多くあります。しかし、費用を自己資金だけでまかなうことが難しい場合、つなぎ融資が重要な役割を果たします。
実際、自己資金が不足していたことからつなぎ融資を選んだ方や、土地の購入、中間金の支払いなど家づくりの過程で資金が必要となった方が多い傾向です。また、住宅ローンの本審査や融資実行までに時間がかかることもあり、必要な時期に資金が手元にない場合、つなぎ融資によってスムーズな手続きが可能となります。
実際に利用して、資金の流れや手続きで不安だった点はありましたか?

大きな不安として挙げられたのは「本審査が通るかどうか」という点です。
つなぎ融資はあくまで一時的な融資であり、最終的に住宅ローンの本審査を通過しなければ本契約に進めません。そのため、本審査で万が一承認されなかった場合に、既に支払った費用や今後の手続きがどうなるのか心配する声が多く見受けられました。
また、書類の準備や各種手続きが複雑である点も、不安材料となっています。つなぎ融資には複数の書類提出や手続きが必要となるため、住宅ローンに馴染みのない方にとっては難しさを感じやすい分野です。さらに、土地代や中間金の支払いのタイミングが計画通りに進むのか、ズレが生じないかといった点にも不安を感じている方がいました。
つなぎ融資を利用して良かった点を教えてください

つなぎ融資を利用した方々からは、家づくりや土地の購入をスムーズに進められたという声が多く寄せられています。注文住宅では、土地の契約や工事の中間金など、段階ごとにまとまった資金が必要となりますが、つなぎ融資を利用したことで必要なタイミングで資金を用意でき、全体の流れが滞ることなく進んだと実感する方が目立ちます。
資金面での安心感や、自己資金に余裕を持てたことで精神的な負担が軽減したという感想もありました。また、希望する土地を他の人に先に購入されてしまうことなく、確実に契約できた点も、つなぎ融資を利用した大きなメリットとして挙げられています。
人気のエリアや希少な土地はスピード感が重要になるため、資金調達を待たずに確保できたことが、満足度につながっているのです。つなぎ融資を活用すると、家づくりの過程に余裕と安心をもたらす効果が大きいことがうかがえます。
これからつなぎ融資を利用する人にアドバイスがあれば教えてください

つなぎ融資を利用する際は、入念なスケジュール管理と手続きの準備が必要です。資金の受け取りや支払いのタイミングが複雑になりやすく、遅れが生じれば全体の進行に影響します。必要な書類は早めに確認し、余裕を持って準備することが安心感につながります。
また、金融機関や工務店とこまめに連絡を取り、疑問点や手続きの進行状況を都度確認することも重要です。信頼できる担当者と密に連携し、不安な点は積極的に相談すると、トラブルを未然に防ぐことができます。

30代女性
計画的なスケジュール管理が大切

40代男性
金融機関や工務店と密に連携を
つなぎ融資を利用するときは、金融機関や工務店と連絡を密に取り合うことが非常に重要です。進行状況や必要な手続きについて疑問があればすぐに相談し、確認しながら進めることでスムーズに家づくりを進めることができました。信頼関係を築くことが安心感にもつながりました。

20代女性
情報収集と内容確認を徹底して
初めてつなぎ融資を利用する際は、仕組みや手続きについて十分に調べておくことをおすすめします。わからない点や不明な費用がないかを事前に確認し、必要に応じて担当者へ質問すると、不安やトラブルを防ぐことができました。情報収集は本当に大切だと思います。
【まとめ】つなぎ融資を賢く活用して後悔しない資金計画を立てよう
つなぎ融資は注文住宅における資金ギャップを埋めてくれる頼制度です。一方で、住宅ローンとは違った負担や注意点もあります。本記事で解説したように、つなぎ融資の仕組みやデメリットを正しく理解したうえで利用すれば、資金繰りの不安を軽減しつつ理想のマイホームづくりを進められるでしょう。
高金利による利息負担や諸費用などのデメリットも踏まえて資金計画に組み込んでおきましょう。つなぎ融資を活用すれば、自己資金不足で工事がストップするといった事態も防げます。つなぎ融資を上手く活用し、後悔のない資金計画を立てましょう。
資金計画に迷ったときは、ぜひ「マネーキャリア」の無料FP相談を活用してみてください。経験豊富なFPが家計の状況に合わせて親身にアドバイスしてくれます。何度相談しても完全無料なので安心です。
利用者満足度も98%以上と高く、安心して相談できます。オンラインで全国どこからでも利用でき、忙しい方でも自宅で相談できる便利さも魅力です。プロの力を借りながら計画をブラッシュアップしていけば、つなぎ融資も含めたベストなプランが見えてくるはずです。マネーキャリアの無料相談を活用し、理想のマイホームを実現しましょう。

つなぎ融資は資金の受け取りや支払いのタイミングが重要になるため、事前にスケジュールをしっかり立てておくことをおすすめします。必要な書類の準備や手続きも早めに進めておくことで、予定外のトラブルや慌てる場面を減らせました。計画的に動くことが安心につながると感じました。