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内容をまとめると

  • レンタサイクル事業の需要は高まっている
  •  自転車による事故は年々増加傾向にある 
  • 万が一、事故を起こすと保険でなければ賄えない賠償額が下ることがある
  • レンタサイクル事業者向けの協会や保険会社が存在する。
  • 市町村によっては事業をおこなうには保険加入が義務となっている

レンタサイクル事業者は、不特定多数の人が自転車を利用するため、第三者や第三者の物を傷つけるリスクが高い事業と言えます。そのためレンタサイクル事業者は、レンタサイクル賠償保険(施設賠償責任保険)などの損害保険に加入することをおすすめします。

記事監修者「金子 賢司」

監修者金子 賢司
フィナンシャルプランナー

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。<br>以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP

この記事の目次

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レンタサイクル事業を取り巻くリスク

企業を取り巻くリスク

企業を取り巻くリスク

レンタサイクルやシェアリングできる乗り物を利用する方がかなり増えています。それに伴い、レンタサイクル事業を観光地で始める事業も増えています。


レンタルサイクルやシェアサイクル事業をおこなう上で考えられるリスクとして

  1. 利用者が他人に怪我を負わせた。
  2. 事業者である自社の不備で利用者が他人に害を与えてしまった。
  3. 貸した自転車が盗難被害などにあった。
というように事業をおこなう上で起こるリスクがあります。

しかし、これらのリスクについて把握をしないまま、レンタサイクル事業を始めた結果、大きな事故が起きてしまったときに対処しきれない。

そういった事業を取り巻くリスクの顕在化をするために専門家に相談することをおすすめします。

特におすすめなのが「マネーキャリア」というサービスです。

マネーキャリア」では法人保険や事業リスクの専門家が無料で何度でも相談にのってくれるサービスとなっており、実際に利用した人からは実に98.6%の方から満足いただいているサービスとなっています。

この記事ではレンタサイクル事業をおこなう上で、実際に知っておくべきリスクと、そのために何が必要なのかを解説していきます。
自社のリスク対策を相談する

①利用者が第三者を傷つけるリスク

レンタルサイクルで最も心配となるのが利用者が第三者を傷つけるリスクです。他にも、第三者の財物を破壊してしまうリスクもあります。


日本損害保険協会が発表している2023年8月時点での資料によると2022年の自転車が関係する事故の件数は6万9千985件です。


これは交通事故に占める割合の約23%となります。


参考:自転車の事故 - 日本損害保険協会


自転車事故の割合は、2017年から増加傾向にあると記載があるように、レンタルサイクルも例外とは言えず、下記のようなリスクが考えられます。

  • 貸出した自転車のブレーキが壊れており、人や物に衝突して、怪我を負ってしまった。
  • 借りた人が運転ミスにより、民家を壊してしまった。
  • 借りた人が歩行者に接触事故を起こして、怪我を負わせてしまった。
  • 自転車の整備不良により、チェーンの脱落やタイヤのパンクによって、利用者の服やカバンを汚損してしまった。
レンタルサイクルは免許もいらないことから手軽な旅先の移動手段として、重宝する乗り物ですが、その自転車の利用によって、他人に怪我をさせてしまったり、他人の持ち物を壊してしまうことがあります。

もし、保険に未加入で事故などを起こしてしまった場合に、被害者から損害賠償を請求されると、全額を自己負担で支払うことになります。

自転車事故は死亡事故などもありえることから、金銭的なダメージは手軽さとは反対に大きなリスクを抱えています。

万が一のトラブルに備えて、保険への加入は必須と言えるでしょう。

②自転車の盗難や火災などにより破損するリスク

レンタルサイクルの事業として考えられるリスクとして、火災や風災などの自然災害によるリスクです。

  • 保管場所が台風によって損傷し、それが原因で自転車が破損してしまった。
  • 火災によって、自転車が焼失してしまった。
  • 台風の中、自転車を運転していたが、自転車の部品が破損してしまった。
といったように、災害が原因で自転車が焼失や破損するリスク以外にも

  • 施錠して保管していた自転車が、鍵を壊され盗まれた。
  • 貸出中に駐車していたが、盗難にあってしまった。
とういうように、自然災害だけでなく、自転車は盗難のリスクがバイクや自動車に比べて遥かに多い車両です。


これらに備えることもレンタルサイクル事業をおこなう上では考えなくてはいけません。

自転車事故による賠償事例


ここでは実際の自転車事故による賠償事例を紹介します。


事例として3つほど紹介します。

  1. 当時小学生が無灯火で走行中に62歳の女性と接触した。
  2. 男子高校生が交通違反を起こし、24歳の男性と自転車同士の接触してしまった。
  3. 信号無視をした男性と歩行中の55歳の女性と接触、相手は死亡。

小学生による接触事故

こちらは当時、小学生の子供が無灯火で走行中に歩行者の女性と接触しました。
被害者の女性は後遺障害が残る怪我を負いました。結果として、神戸地裁よりおよそ1億近い賠償命令が下されました。
加害者が子供だからといって、賠償を求められないということは無いというわかりやすい事例です。

高校生が自転車同士の接触事故

こちらの例はお互いに自転車という例です。
ただ、男子高校生側に通行違反行為があり、結果として、相手の男性は後遺障害が残る事故が起こりました。
男性が24歳という年齢も考慮されて、こちらも9,200万円ほどの賠償命令が下されました。

信号無視による死亡事故

この事例は上記2つと違い、死亡事故です。
事件は自転車を運転していた男性の信号無視により歩行者の55歳女性と接触。
結果、女性は死亡する事故となり、加害者には5,400万円ほどの賠償命令が下りました。
上記例に比べ、金額は少なく感じるかもしれませんが、保険加入なしで払える金額とはいえないでしょう。

また、賠償命令までは記事にはなっていませんが、2017年には当時大学生の女性が、スマートフォンと飲み物を手に持ったまま、自転車を運転し、歩行者と接触。死亡事故を起こしています。

この事故では被告に禁錮2年(執行猶予4年)の判決がおりています。

レンタサイクル事業者におすすめの損害保険


自転車は自動車のように免許もいらず、誰でも気軽に運転ができることから便利な移動手段として、多くの人に利用されています。


旅先や町中のちょっとした移動手段として、レンタルサイクルやシェアサイクル事業を始める場所も多いようです。


レンタルサイクル事業にはタクシー事業などと違い、資格や免許も必要ない為、始める事自体はハードルが低いです。


しかし、事業としておこなう以上、いざという時の為にも、保険への加入をおすすめします。


おすすめの保険としてあげられるのが下記です。

  1. レンタルサイクル賠償保険
  2. 施設賠償責任保険
  3. 火災保険
事業を始めるにあたって、最低限、上記保険を検討、加入を推奨します。

それぞれ、カバーする補償内容が異なる為、1つで大丈夫ということでは無いので注意してください。

①レンタサイクル賠償保険

まずはレンタサイクル賠償保険です。


こちらはレンタサイクルで

  • 借りた自転車によって他人に怪我を負わせた。
  • 借りた自転車で他人の物を破損してしまった。
といったように借りた人間が起こしてしまった事故に対する補償として、1事故あたりの設定額を上限として支払います。

一方で貸した側の事業者側の補償としては
  • 整備不良が原因でブレーキが壊れており、第三者に怪我を負わせた。
  • 自転車の安全点検に不備があり、第三者の財物を損壊してしまった。
というように、貸した側の責任に対しての賠償責任として保険金をお支払いします。こちらも保険金額はあらかじめ、決められた額を上限として支払います。

また、保険料は自転車の台数によって算出されます。

貸した側、借りた側双方に責任が発生した時に保険金が支払われる保険ですので、事故事例などからも事業者として加入は必須といえます。

②施設賠償責任保険

合わせて加入を考えたいのが、施設賠償責任保険です。


こちらはレンタサイクル事業の施設内や事務所において、従業員などの不手際や、施設の不備によって、利用者や第三者が怪我をしてしまった場合に損害賠償をする必要がでます。


その損害賠償金を保険金として、支払うのが施設賠償責任保険です。


例として

  1. 事務所に来店した、お客様が床が滑りやすい状態で放置していたことにより、転倒して怪我を負った。
  2. 施設内にて、施設の柱が飛び出ており、利用者がぶつかり怪我を負った。
というように、施設に起因する事故に対して、保険金を支払います。

ただし、注意点として保険金支払いの対象外となるケースも存在します。
  • 故意に事故を起こした。
  • 施設外での管理による自転車の事故
  • 同居の親族からの損害賠償請求など
施設や事務所に起因するからといって、全てが保険金支払の対象となる訳ではありません。

施設賠償責任保険について、詳しく知りたい場合には下記記事も参考にしてください。
施設賠償責任保険についてのサムネイル画像

施設賠償責任保険とは?支払い事例や保険料の相場などを徹底解説!

③法人向け火災保険

上記2点は他人への賠償責任に対する補償についてでした。


しかし、レンタサイクル事業をおこなう上で、必要となるのが火災保険です。


火災保険には主に、建物に対する補償と、備品など財物に対する補償があります。これらは賠償責任保険では賄うことができませんので、別途、火災保険に加入する必要があります。


例として

  • 事業所施設が火災によって焼失した。
  • 台風によって事務所の屋根が破損した。
  • 保管していた備品などが盗難にあった。
などこれらの補償は基本的に、火災保険から支払われます。

そのため、レンタサイクル賠償保険に加入しているからと安心していると、それ以外の補償がされないことを知らず、いざというときに無保険だったという自体が発生します。

事業を再スタートする上で、事業所の早期復旧や設備什器などを使用できるようにするためにはお金も時間もかかります。

火災保険に加入をおこなうことで、建物や財物の補償だけでなく、残存物の片付けにかかる費用なども補償されることから、目に見える建物などの修理費用だけでなく、それ以外の費用を保険から巻かなくことができます。

それにより、無保険なら払うことになっていた、片付けやその他の費用に関しての出費を抑える事ができます。

結果として、企業の体力を残すことにつながることになり、倒産といった、最悪の自体を避けることにもつながります。
法人向け火災保険についてのサムネイル画像

法人向けの火災保険とは?個人との違いや補償内容等を徹底解説!

レンタサイクル事業者が保険に加入する方法


ここからはレンタサイクル事業者が保険に加入する方法を解説します。


レンタサイクル賠償保険は主に事業者向けの団体保険や、保険会社ごとに個別に加入する方法などがあります。


取り扱いをおこなっている団体などは以下があります。

  • 一般社団法人自転車安全対策協会
  • 保険会社や保険代理店

保険代理店にて、保険の加入を検討している方は、「マネーキャリア」をご利用ください。「マネーキャリア」では、保険の加入だけでなく、事業を潜在的に取り巻くリスクを専門家が調べてくれます。

気になる方は以下からご利用ください。
事業を潜在的に取り巻くリスクを知る

加入がおすすめな保険会社や協会

おすすめの保険会社や団体としていくつか解説をします。


一般社団法人自転車安全対策協会

こちらは2012年に発足し、2014年に一般社団法人として認可を受けた協会です。


この協会ではレンタサイクル事業者向け自転車損害賠償保険(施設所有管理者賠償責任保険)という保険の取り扱いをしています。


こちらの保険は先程、紹介したレンタサイクル賠償保険と内容は近く、特徴として

  1. 6台未満までの契約は保険料は一律。
  2. 6台以降は1台ごとに一定保険料を加算。
  3. 補償は対人・対物共に1億円が限度。
  4. 免責金額は0円。
  5. 電話での加入が可能。
というように、台数が5台ほどの事業者は金額が一律なことから、お得といえます。
また、限度額が1億円までという点や免責金額が無いことも、非常にメリットを感じることができます。

特に、賠償額の事例を見ると1億円近くの命令が下っていることから、安心材料として1億円の補償は事業者にとってメリットを感じます。

各保険会社

続いて紹介するのが保険会社や保険代理店で加入する方法です。保険会社や保険代理店では主に、施設賠償責任保険を取り扱っています。

そのため、施設賠償責任保険を検討する際には保険会社、または保険代理店に問い合わせることで加入ができます。

しかし、保険会社の数は多い上に会社ごとに補償内容や範囲、特約内容などの違いがあります。

ご自身のレンタサイクル事業において必要な補償や、範囲、必要補償額を自分で調べることは非常に困難です。

そんなときに利用をしていただきたいのが「マネーキャリア」というサービスです。

マネーキャリア」とは法人保険や事業のリスク対策の専門家に無料で相談できるサービスです。

マネーキャリア」では毎月30社以上の法人の経営者や開業を考えている方々の相談を受け付けています。

また、相談した方の98.6%が満足していると回答している為、安心して相談できるサービスです。
保険加入について相談する

京都市では保険加入が義務化されている


個人の自転車利用に関して、保険加入を義務化している市町村は多くあります。


しかし、京都市ではそれに加え、業務で自転車を利用する事業者や、レンタサイクル事業者にも保険加入が義務化されています。


義務化の内容として事業者には

  • 従業員や借主が他人に怪我や損害を与えた場合の補償する保険への加入。
  • 借主に対して、その保険の周知、情報提供。
が義務付けられています。

つまり、加入しているだけでなく、保険に加入していることを借りる側に知らせる義務が発生するということです。

保険に加入していることを借りる側が知ることで、安心して自転車をレンタルすることができます。
また、万が一の際にも慌てることも、少なくなるでしょう。

現在はまだ、一部の市町村での義務化ですが、今後、レンタサイクルやシェアサイクル事業が増えることを考えると、義務化の波は加速するでしょう。

まとめ:レンタサイクル事業者におすすめの保険


ここまでレンタサイクル事業者に必要な保険について解説しましたが、いかがだったでしょうか。


この記事のまとめとして

  • レンタサイクル事業の需要は高まっている。
  • 自転車による事故は年々増加傾向にある。
  • 万が一、事故を起こすと保険でなければ賄えない賠償額が下ることがある。
  • レンタサイクル事業者向けの協会や保険会社が存在する。
  • 市町村によっては事業をおこなうには保険加入が義務となっている。

また、事業リスクとして
  • 事業者が借主への責任を負うリスク
  • 借主が第三者へ負うリスク
  • 事業者の財物や事業所へのリスク
などが考えられます。

簡単で便利だからこそ、事業も始められやすい分、リスクへの配慮を見落としがちですが、レンタサイクル事業には他の業界と変わらない、大きな賠償リスクが潜んでいます。

そんなリスクに備えるためにも一度、法人保険や事業リスクの専門家である「マネーキャリア」に相談してみることをおすすめします。
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