内容をまとめると
- 住宅ローンのペアローンを組む際には、単独ローン、収入合算との違いを確認しておく
- ペアローンのメリットは、単独で住宅ローンを組むより借入額が大きくなり、住宅ローン控除、団信もそれぞれが加入できるという恩恵が多い
- ペアローンのデメリットは、住宅ローンを2本組むため諸費用が2倍になる、離婚や死別時にローンが残ってしまうというところを理解し選択するとよい
- 住宅ローンの契約形態に悩む人が使うべき方法は、住宅ローンの審査に関する相談が何度でも無料であるマネーキャリアでの相談がおすすめ
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 【確認】住宅ローンのペアローンとは?収入合算との違いは?
- 住宅ローンのペアローンとは
- ペアローンと収入合算の違い
- 住宅ローンをペアローンにするメリット
- 収入合算の場合よりも借入可能額が大きくなる
- 住宅ローン控除の節税効果を大きくできる
- 夫婦2人とも団体信用生命保険に加入できる
- 住宅ローンをペアローンにするデメリット
- 贈与税が発生する場合がある
- 離婚時や死亡時のリスクが大きくなる
- 諸費用が追加でかかる
- ペアローンによって受けられる控除額をシミュレーション
- ペアローンの控除額の計算方法
- 1年目の控除額シミュレーション
- 【一番オススメ】住宅ローンの契約形態に悩む人が使うべき方法とは
- 住宅ローンの審査に関する相談が何度でも無料:マネーキャリア(丸紅グループ)
- 住宅ローンのペアローンまとめ
【確認】住宅ローンのペアローンとは?収入合算との違いは?
住宅購入を検討する場合でも収入を合算し、世帯年収のパワーを活かせるのはローンを組む際に大きなメリットとなります。
そこで、世帯主が単独で住宅ローンを組むよりも、夫婦で協力してローンを組むのが一般的となってきている中でペアローンと収入合算との違いを説明していきます。
住宅ローンのペアローンとは
住宅ローンのペアローンとは、一つの物件に対して夫婦または親子が、それぞれを契約者として住宅ローンを組む方法です。
それぞれの収入に応じて借り入れができるので、どちらか一方が単独でローンを組むよりも借入金額を増やすことができ、それぞれの借入金額等に応じて物件持分を共有保有するため、住宅ローン控除を2人とも利用でき、節税効果が高くなります。
ただし、ペアローンを組む場合は同じ金融機関で借り入れをし、購入する物件に同居する必要があるため注意が必要です。
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ペアローンと収入合算の違い
単独ローン (夫1名による借入) | ペアローン (夫婦など2名の借入) | 収入合算 | |
---|---|---|---|
契約者 | 夫 | 夫・妻 | 夫 |
契約の数 | 1本 | 2本 | 1本 |
連帯保証人 | ー | それぞれがお互いの連帯保証人になる | 必要 |
住宅ローン控除 | 〇 | 〇 | × |
団体信用生命保険 | 〇 | 〇 | × |
住宅ローンをペアローンにするメリット
ここまで、ペアローンについて説明してきましたが、どのようなメリットがあるのか疑問に感じる方もいます。
そこで、ここからは住宅ローンをペアローンにするメリット3つをご紹介していきます。
- 収入合算の場合よりも借入可能額が大きくなる
- 住宅ローン控除の節税効果を大きくできる
- 夫婦2人とも団体生命保険に加入できる
収入合算の場合よりも借入可能額が大きくなる
住宅ローン控除の節税効果を大きくできる
夫婦2人とも団体信用生命保険に加入できる
住宅ローンをペアローンにするメリット三つめは、夫婦2人とも団体生命保険に加入できることです。
ペアローンでは、それぞれが債務者として団体信用生命保険(団信)に加入することが可能です。
団信は、契約者が死亡または高度障害を負った場合に、住宅ローンの残債を返済してくれる保険になります。一方、収入合算では、団信に加入することができません。
そのため、収入合算者は亡くなった場合でもローン残債に変化がないのですが、ペアローンでは団信に加入することができるため、残債を軽減することができます。
そのため、万が一のリスクに備えるためには有効な手段となりメリットとなります。
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住宅ローンをペアローンにするデメリット
ここまでは住宅ローンをペアローンにするメリットをお伝えしましたが、注意点もあるので気をつけましょう。
- 贈与税が発生する場合がある
- 離婚時や死亡時のリスクが大きくなる
- 諸費用が追加でかかる
贈与税が発生する場合がある
住宅ローンをペアローンにするデメリット一つ目は、贈与税が発生する場合があります。
ペアローンで住宅を購入する際に、住宅ローンの負担割合と登記している所有割合が異なると、贈与税が発生する可能性がでてきます。
また、ペアローンを組んだ後に一方が働けなくなり、その間の返済をもう一方が負担する場合、贈与税が発生することがあります。
贈与税は夫婦間でも適用され、年間110万円以上を贈与した場合は納税の義務があります。
住宅ローンを代わりに請け負うことは贈与とみなされるので、どちらかの返済に不安がある場合は注意が必要です。
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離婚時や死亡時のリスクが大きくなる
住宅ローンをペアローンにするデメリット二つ目は、離婚時や死亡時のリスクが大きくなることがあります。
住宅ローンを返済中に離婚することとなってしまった場合には、夫婦が共同で持っているペアローンを解消する必要が出てきます。
選択肢としては、家を売却して住宅ローンを完済する、またはペアローンを一本化してどちらかが住み続けるといった方法が挙げられます。
双方合意のうえ家を売却することになった場合でも、家の価格がローン残高を上回る場合は売却後に余った資金を財産分与することになり、ローン残高よりも売却費用が安くなる場合は、差額を自己資金で返済しなくてはなりません。
また、物件を売却せず、どちらかが住み続ける場合には、一方の持分を他方に譲渡することになるため、借入中の金融機関で審査や手続きが必要になります。
合わせて、ペアローンでは夫婦それぞれが団信に加入することが可能ですが、どちらかに万が一のことがあり死亡してしまった場合、残された一方はローンの返済義務を負い続けなければなりません。
ペアローンを組む際には、離婚時はもちろん死別時もリスクが大きくなるので注意が必要になります。
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諸費用が追加でかかる
住宅ローンをペアローンにするデメリット三つ目は、諸費用が追加でかかるです。
ペアローンは1つの物件に対してローン契約が2本になりますので、契約1本毎に発生する諸費用は2倍かかることになります。
住宅ローンを組む際にかかる諸費用にはいくつか種類がありますが、このうちペアローンで負担額が増えるのは、融資事務手数料・印紙税・司法書士への報酬(抵当権設定登記を依頼)・保証会社事務手数料などです。
しかし、ペアローンではそれぞれ両者が住宅ローン控除の恩恵を受けられます。
「諸費用の合計」と「住宅ローン控除で減税される金額の合計」を比較し、メリットがデメリットを超えるかどうかを慎重に検討しましょう。
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ペアローンによって受けられる控除額をシミュレーション
ここからは、実際にペアローンによって受けられる控除額をシミュレーションしてみましょう。
まず、住宅ローン減税とは、住宅ローンの利用者の金利負担軽減を目的とした制度で、「住宅ローン控除」とも呼ばれます。
さらにペアローンの場合、契約者が2人になるため、1つの物件を購入するにあたって住宅ローン控除を2人で受けられます。
この節税効果の高さから、ペアローンに注目されている方も多いかもしれません。
ペアローンの控除額の計算方法
ペアローンの控除額の計算方法は、毎年末時点の住宅ローン残高の0.7%、もしくは最大控除額、いずれか少ない方の金額が、最大13年の間、所得税・住民税から控除されるものです。
税制改正により、2021年までの1.0%から控除率の引下げがあった一方、対象期間は既存住宅で10年、新築住宅などは原則13年に延長されています。
新築・中古、住宅の性能などにもよって、対象となる住宅ローンの限度額も変わりますが、住宅の購入が節税につながる住宅ローン控除は、大きなメリットになるでしょう。
さらにペアローンの場合、1つの物件を購入するにあたり住宅ローン控除を2人で受けられるので、節税効果の高さからペアローンに注目されている方も多いかもしれません。
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1年目の控除額シミュレーション
それでは、実際のペアローンによる住宅ローン1年目の控除額シミュレーションを、具体的にみていきましょう。
シミュレーション条件は以下の通りにします。
項目 | 概要 |
---|---|
ペアローン契約者 | 夫(年収650万円)、妻(年収450万円) |
購入住宅の価格 | 6,000万円 |
住宅ローンの借入額 | 夫3500万円 妻1500万円 |
住宅ローン金利 | 年1%(全期間固定金利) |
返済期間 | 35年間 |
住宅の環境性能等 | 長期優良住宅・低炭素住宅の場合 |
最大控除額 | 5,000万円 |
最大控除額 | 夫婦それぞれ上限35万円 |
控除期間 | 13年間 |
まず1年目の年度末における住宅ローン残高をシミュレーションサービスで確認します。
夫のローン残高は40,309,992円、妻は17,275,536円です。(借入金額+利息+諸費用)
〈試算条件:みずほ銀行が提供する住宅ローンシミュレーションツールを使用〉
この残高に0.7%をかけると、夫の住宅ローン控除額は約28万円、妻は約12万円で、世帯合計40万円の控除額となります。
返済が進めばローン残高は減少するため、それにともない控除額も少なくなっていきます。が、2人分の住宅ローン控除があるのは大きいですね。
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【一番オススメ】住宅ローンの契約形態に悩む人が使うべき方法とは
ペアローンには離婚時や死亡時のリスクが大きくなったり、諸費用が追加でかかったりするデメリットはありますが、借入額が大きくできることや、住宅ローン控除がそれぞれ受けられたりとメリットが大いにあります。
住宅購入をする際に、ほとんどの方が住宅ローンを利用することを検討していると思いますが、世帯年収、世帯の状況、年代などで住宅ローンの組み方は人それぞれのため実際にどのような形で住宅ローンを組んでいいのかの判断は大変難しいです。
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住宅ローンのペアローンまとめ
この記事では、住宅ローンをペアローンで組む際のポイントをご紹介しました。
住宅ローンをペアローンで組む際には、メリットとデメリットがあります。
ペアローンを選ぶことが、自分には合っているのか一人で考えてもなかなか答えが出ない難しい問題です。
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