親と同居するシングルマザーは手当がもらえるのか?所得制限に注意のサムネイル画像
・親と同居しているとシングルマザー向けの手当てが支給されないと聞いて不安だ
・シングルマザーが手当てを支給される条件について知りたい

このような悩みを抱えている方はいませんか?

シングルマザーの家庭には、「生活の安定と自立の促進」や「児童の福祉の増進」等を目的に、複数の手当てが支給されています。しかし、すべての手当てが無条件で支給されるわけではありません。

本記事では、シングルマザーが受け取れる手当の紹介や、支給条件である所得について解説します。

所得制限に関して不安を抱えている方や、シングルマザーの手当てについて詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!
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この記事の目次

親と同居するシングルマザーが手当をもらえるケース

シングルマザーに支給される手当の代表格は「児童扶養手当」です。2024年11月現在、児童扶養手当は月額4万5,550円支給されます。受給者は児童を扶養している養育者です。子どもが2人以上いる場合は1人当たり1万750円増額して支給されます。


ただし、児童扶養手当は、親と同居している場合、所得や居住形態によって支給されない場合もあります。


ここでは、親と同居するシングルマザーが手当てをもらえるケースを以下の2点から解説します。所得制限なども解説するので参考にしてください。


同居家族の所得が限度額未満の場合

親と同居しているシングルマザーの場合、本人だけでなく同居している「扶養義務者」の所得によっても支給される「児童扶養手当」の額が変わります。扶養義務者とは、以下の親族が該当します。

  • 曾祖父母・祖父母
  • 父母
  • 兄弟姉妹

なお、離婚している元配偶者は含みません。つまり、両親と同居しているシングルマザーの場合、両親に一定以上の収入があると児童扶養手当が減額されたり支給が停止されたりします。


また、両親だけでなく兄弟姉妹や祖父母も同居していると、彼らの所得によっても支給される児童扶養手当の額が変わるので注意が必要です。児童扶養手当の所得制限は以下の表のとおりです。

扶養人数受給者本人の収入扶養義務者の収入
0人
(子ども1人)
全額支給:69万
一部支給:203万
236万
1人全額支給:107万
 一部支給:246万
274万
2人全額支給:145万
 一部支給:284万 
312万
3人全額支給:183万
 一部支給:322万 
350万


表に記されている収入額を超えると児童扶養手当の一部、もしくは全額が支給停止となります。なお、収入額は収入全額ではなく、次の計算式で算出します。

「収入」ー「必要経費(給与所得控除等)」+養育費の8割相当


また、自治体によっても算出方法に若干の差があるため、詳しくはお住いの自治体に問い合わせてください。

両親と同居しているシングルマザーの場合、両親の所得も合算されるので児童扶養手当が減額されたり支給されない割合が多い傾向にあります。


両親とシングルマザーが共に正社員で働いている場合は、子どもの人数によっては児童扶養手当が減額、もしくは支給停止になる可能性が高いでしょう。


母親が専業主婦で父親が再雇用によるパート・アルバイト扱い、シングルマザーだけが正社員の場合や、両親が年金暮らしでシングルマザーが派遣社員やパート、アルバイトの場合は全額支給を受けられる可能性が高まります。

二世帯住宅など自治体によって「生計が別」と判断された場合

二世帯住宅や敷地内別居をしており、自治体によって「生計が別」と判断された場合はシングルマザー本人の収入のみで児童扶養手当の支給額が決定されます。


この場合、物理的に住居が別かどうかが判断の基準になることが多いです。一戸建て以外では同一マンションの別の部屋に住んでいる場合などが該当します。


一方、世帯分離をしており生計が完全に別の場合でも住所が同じ場合は「生計同一」とみなされて児童扶養手当の支給停止や減額が行われる可能性もあります。

二世帯住宅や敷地内別居等で別世帯として判断されるかどうかは、自治体ごとに基準が異なります。同じ条件でも、ある自治体では「生計が別」と判断され、別の自治体では「生計同一」とみなされる可能性があります。


二世帯住宅や敷地内別居をしているが「生計が別と判断されるか知りたい」といった場合は、自治体の担当課に問い合わせてみましょう。

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親と同居するシングルマザーが受け取れる手当の例

ここでは、親と同居するシングルマザーが受け取れる手当の一例を紹介します。以下に紹介する手当は、全国で支給を受けられます。

なお、手当てによっては所得によって支給額が減額されたり支給が取りやめになったりするものもあるので注意しましょう。シングルマザーになって親と同居する場合は、受給できる手当の種類や、支給が減額されたり停止になったりする条件を確認することが大切です。

児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚や死別で父親(母親)と生計を同じくできなくなった家庭の生活安定や、子どもの自立促進を目的に支給される手当です。離婚した家庭以外にも、以下のような家庭における子どもの養育者に支給されます。

支給期間は児童扶養手当は18歳になった後の最初の3月31日まで。子どもに障害がある場合は20歳未満まで延長されます。


  • 父(母)が死亡した
  • 父(母)が政令に指定された程度の障害を負った場合
  • 父(母)の生死が不明な場合
  • 母が婚姻によらず出生した場合

なお、上記以外にも支給される条件があるため、詳しく知りたい場合はお住いの自治体に問い合わせてください。なお、児童扶養手当は2025年4月より年平均の全国消費者物価指数の変動に合わせて、月額が2.7%引き上げらます


支給額は以下の表のとおりです。

人数全額支給一部支給
1人4万6,690円4万6,680円~ 1万1,010円
2人目以降1万1,030円1万1,020円~ 5,520円


児童扶養手当は、前述したように所得制限があります。親が現役で働いている場合、同居すると所得によって支給額が減額されたり、支給が停止になったりします。


子どもの人数やシングルマザーの所得によっては、別居して生計を別にしたほうが経済的に余裕が出る可能性もあるでしょう。


シングルマザーになった際に、自治体の担当課に相談して所得制限等について詳しく把握しておくことが大切です。

児童手当

児童手当は、以下のような子どもを養育する家庭に支給される手当です。2024年9月までは中学校卒業(15歳の誕生日後最初の3月31日まで)の子どもを養育している家庭が対象でしたが、同年10月より年齢が拡充されました。


また、同時に所得制限も撤廃されて条件を満たした子どもがいるすべての養育者が支給対象です。

  • 18歳まで(18歳の誕生日後最初の3月31日まで)の子どもを養育している家庭
  • 原則として日本に住所がある

なお、留学している、一定期間日本に住んでいた実績があるなど条件を満たせば子が国内に居住していなくても児童手当を受給できます。詳しくは、お住いの自治体にお問い合わせください。


児童手当は両親がそろった家庭でも支給対象です。また、年齢や子どもの人数によって支給額が変わってきます。


児童手当の支給額は以下の表のとおりです。

子どもの人数3歳まで支給額3歳以降の支給額
第1子・第2子1万5,000円1万円
第3子3万円3万円

児童扶養手当と児童手当は、条件を満たしていれば同時に受給できます。所得や子どもの人数によっては、1ヵ月に数万円の収入になるケースもあるでしょう。

児童手当及び児童扶養手当は、シングルマザーの家庭における大きな収入です。親の収入だけで生活できるならば、子どもの高校・大学等の進学に備えて貯蓄に回すのがおすすめです。


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ひとり親家庭住宅手当

「ひとり親家庭住宅手当」とは、主に母子家庭が利用できる家賃補助制度です。国ではなく各自治体が行っている制度のため、自治体によって名称や補助金の額は異なります。一例を挙げると、以下のとおりです。

  • 東京都世田谷区:ひとり親世帯家賃低廉化補助事業対象住宅
  • 神奈川県厚木市:母子家庭等家賃助成
  • 千葉県浦安市 :ひとり親家庭住宅手当
まずは、お住いの自治体に「ひとり親家庭住宅手当」に相当する補助制度があるか確認してみましょう。また、支給条件についても確認しておくと利用したいときに便利です。


例えば、東京都世田谷区の制度は「18歳未満の子どもを養育するひとり親」世帯が、入居募集中の対象住宅に引越す場合に利用できます。利用期間は最長10年間で、募集中の住宅がない場合や現在住んでいる賃貸物件での利用はできません。


また、大阪府では家賃を補助する制度以外でも府営住宅の総合募集において、福祉世帯向けの応募区分で申し込みができるといった制度もあります。

「ひとり親家庭住宅手当」は、シングルマザーが親から独立したい場合にも利用できます


家を借りるのにはまとまった資金が必要です。子どもの年齢や就業形態によっては、家を借りたり家賃を払い続けるのが難しいケースもあるでしょう。


同手当を利用すれば、家を借りる経済的な負担が軽減できます。児童手当、児童扶養手当等と併せれば、収入が低くても独立して生計を立てられる可能性も高まります。

ひとり親家族等医療費助成制度

「ひとり親家庭医療費助成制度」とは、18歳までの子どもがいるひとり親家庭を対象として医療費の一部を自治体が補助してくれる制度です。自治体によって補助の範囲や自己負担額が異なります。


例えば東京都の場合は「医療保険の対象となる医療費、薬剤費」が補助対象です。なお、健康診断・予防接種・薬の容器代・差額ベッド代など医療保険の対象外の費用は自己負担となります。


お住いの自治体のホームページを確認すれば、どのような助成制度を実施しているのかがわかります。また、窓口に問い合わせれば、制度の詳細や利用の可否を説明してもらえます。不明点は遠慮なく問い合わせましょう。

ひとり親家族等医療費助成制度は、原則としてお住いの自治体でのみ利用可能です。旅行先で病気や事故にあって病院を受診した場合などは、自治体で定められたルールにそって還付の手続きを進めましょう。

ひとり親の場合、親が病気やけがをすると収入が減ったり途絶えたりするところも珍しくありません。また、医療費を支払うのが難しいご家庭もあるでしょう。


「ひとり親家庭医療費助成制度」を利用すれば、病気やケガが重症化する前に適切な医療を受けられます。多くの自治体では子どもの医療費が定額、もしくは無料になっています。


親もこの制度を利用すれば、医療費を抑えて生活ができるでしょう。

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シングルマザーをはじめとするひとり親家庭の場合、両親が揃ったご家庭にくらべると経済的に苦しくなる傾向があります。その一方で、日本は多くの自治体で18歳までの子どもに対する手当や補助が手厚くなっています。


そのため、支給される手当を貯蓄や投資、保険に回せばまとまった資産形成ができる可能性もあるでしょう。近年は資産形成の方法も選択肢が増え、ローリスクローリターンでも貯蓄より利率のいい投資も出ています。


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一口に無料FP相談窓口といっても、いろいろな種類があります。また、FPの仕事は多岐にわたるので、ひとり親のマネープラン作成の実績が薄い方も珍しくありません。


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また、何度でも無料で相談が可能なので、ライフスタイルが変わるたびに再度相談ができるのも大きなメリットです。


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親と同居するシングルマザーが手当を受けるときの注意点

ここでは、親と同居するシングルマザーが手当を受けるときの注意点として、以下の3点を紹介します。養育費や遺族年金の額によっては所得制限がある手当は減額されたり支給対象から外れる場合もあります。

支給条件をよく確認しておくことが大切です。

養育費を受け取っている場合は所得に加算される

児童扶養手当は、前述したように親や同居する家族の所得によって支給額が減額されたり、支給停止になったりします。離婚してシングルマザー、シングルファザーになった場合は相手から養育費を受け取っている場合もあるでしょう。


養育費を受け取っている場合、養育費の8割が所得として加算されます。例えば、養育費が月10万円ならば月8万円が所得として加算されます。そのうえで、児童扶養手当の所得制限に達していなければ、手当の受給が可能です。


なお、養育費を受け取っているだけでは児童扶養手当の対象外にはなりません。養育費を払っているからといって、離婚した配偶者とシングルマザーが同一生計とは判断されないのです。

養育費の支払われ方は家庭によって異なります。月々決まった額を支払う形もあれば、まとまった額を離婚時に支払われるケースもあるでしょう。


どのように所得に組み込んでいくかわからない場合は、自治体の担当課に相談してください。また、途中で養育費の支払いが止まったり、減額された場合も所得が変わるので、相談しておくとよいでしょう。

遺族年金を受け取っていても児童扶養手当がもらえる場合がある

遺族年金とは国民年金や厚生年金の加入者が死亡した場合、生計を同じくしていた配偶者や子供に支給される年金です。国民年金の加入者が亡くなった場合は「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた方が亡くなった場合は、「厚生遺族年金」が配偶者や子どもに支給されます。


子どもの場合は、18歳になるまで遺族年金が受け取れます。受け取れる年金の額はかけていた年金の額や年月によって異なるので、受給資格を得たときに計算するとよいでしょう。


遺族年金を受け取っていても、児童扶養手当の月額より少なければ児童扶養手当の支給を受けられます。支給される額は児童扶養手当の月額から遺族年金の月額を引いた額です。

遺族年金は、加入していた年金の種類や加入していた年月、収入によって受給できる額が異なります。厚生遺族年金の場合は死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4です。


そのため、給与が高かった方ほど遺族年金の額は高くなります。遺族年金の支給が決定したら、自治体の担当窓口で相談してみてもいいでしょう。受給資格があるかどうかもわかります。


配偶者と死別してシングルマザーになった場合は、早めに遺族年金の額を試算をして、所得がいくらになるか把握しましょう。


>>受給額や所得について専門家に相談する

実家に戻ることで保育料が変わる場合がある

シングルマザーになって子どもを保育園に預ける場合、親と同居すると子どもの保育料が変わる可能性があります。認可保育園の場合、世帯年収によって保育料が異なります。現行の制度では、子どもが3~5歳まは保育料が無料、0~2歳までは住民税非課税世帯だけが無料です。


シングルマザーで収入があって0~2歳までの子どもを認可保育園に預ける場合は、保育料がかかります。そして、子の祖父母が現役で一定の収入がある場合は祖父母の収入も合算されるため、保育料が高くなるケースもあるでしょう。特に、子どもと2人暮らしで住民税非課税世帯だった場合、親と同居することで保育料が発生する場合があります。


なお、無認可保育園、託児所の料金システムは認可保育園と異なります。また、職場に保育所がある場合も、認可保育園とは異なる料金が設定されている場合もあります。

子どもが保育園に通う年齢の場合、親と同居するメリットはたくさんあります。その一方で「親の近所に住み、必要な場合に手助けしてもらったほうが経済的な負担が少ない」といったケースもあるでしょう。


親と同居して子どもを認定保育園に通わせる場合、自治体の担当窓口で保育料が発生するか相談してみてください。そのうえで、どの方法を選択すれば負担が少なくなるか検討しましょう。

負担の少ない方法を専門家へ相談する

【まとめ】親と同居する場合は手当の所得制限に注意しよう

児童扶養手当は子どもの自立を助け、安定した生活ができることを目的として設けられています。そのため、養育者が経済的に自立していて「所得が多い」と判断されると減額されたり支給停止される可能性があります。


親と同居すれば、さまざまな面で子育ての手助けが得られるメリットがある一方、児童扶養手当の所得制限により、支給が停止するデメリットもあるので注意が必要です。


親と同居したほうがいいのか、手助けを求められる距離に住んで親子で独立したほうがいいのか迷っている場合は、FPに相談してみるのもひとつの方法です。


マネーキャリアならば、専門家への相談が何度でも無料で受けられます。オンライン相談にも対応しており、家にいながらでも相談が可能です。

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