
「国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由は?」
「国民年金基金はやめとけと周りの人に言われた...」
とお悩みではないでしょうか。
結論、国民年金基金に入ってはいけないかどうかは、個人の状況や将来設計によって異なります。
本記事では、国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由と向いている人の特徴を解説します。また、加入状況に関するアンケート結果や節税効果のシミュレーションについても紹介します。
この記事を読むことで、自分に国民年金基金が本当に必要かどうか判断できるようになるので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由4選
- 流動性の低さ
- 掛金の負担
- 運用リターンの低さ
- ライフプランの変化への対応のしにくさ
- 国民年金基金の加入に関する悩みはFPの無料相談で解決しよう
- 【他の皆んなは実際どう?】国民年金基金の加入状況に関するアンケート
- 国民年金基金に加入していますか?
- 加入した主な理由は?
- 国民年金基金に関して後悔していることはありますか?
- 国民年金基金の節税シミュレーション
- 20歳で加入の場合
- 30歳で加入の場合
- 40歳で加入の場合
- 50歳で加入の場合
- 60歳で加入の場合
- 国民年金基金が向いている人
- 安定した老後の収入を確保したい人
- 自営業者やフリーランスの人
- 税制優遇を活用したい人
- 運用リスクを避けたい人
- 長期的な資金計画が可能な人
- 国民年金基金が向いていない人
- 流動性を重視する人
- 短期間での資金運用を考えている人
- 高いリターンを期待する人
- 収入が不安定な人
- 他の年金制度を利用したい人
- 【まとめ】国民年金基金の加入に関する相談ならマネーキャリアの無料FP相談がおすすめ
国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由4選

国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由には、主に以下の4つがあります。
- 流動性の低さ
- 掛金の負担
- 運用リターンの低さ
- ライフプランの変化への対応のしにくさ
流動性の低さ
掛金の負担
運用リターンの低さ
運用リターンの低さは国民年金基金に入ってはいけないと言われる重要な理由です。
国民年金基金の予定利率は現在1.5%程度と設定されており、他の投資商品と比較すると決して高くありません。
特にインフレ率を考慮すると、実質的な運用リターンはさらに低くなる可能性があります。例えば、iDeCoや投資信託などの金融商品では、リスクはあるものの長期的には年率5%以上のリターンを期待できるケースもあります。
そのため、資産形成を主目的とする場合は、国民年金基金よりも他の選択肢を検討した方が効率がいい可能性があります。
ライフプランの変化への対応のしにくさ
ライフプランの変化への対応のしにくさは国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由の一つです。
人生の中では転職や結婚、出産など様々なライフイベントが発生し、それに伴い経済状況も変化します。
しかし、国民年金基金は一度加入すると掛金の大幅な変更や中途解約が難しく、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できません。
例えば、会社員になって厚生年金に加入した場合でも、国民年金基金の掛金支払いは継続する必要があります。また、海外移住や長期の海外赴任などの場合も、手続きが複雑で対応に時間がかかることがあります。
国民年金基金の加入に関する悩みはFPの無料相談で解決しよう
国民年金基金は制度が複雑で、自分に合っているかどうかの判断が難しいことが多いです。
そのため、国民年金基金の加入に関する悩みはFPに相談するのがおすすめです。FPに相談することで自分のライフプランに合った判断ができます。
特に税制優遇や将来の年金額の計算、他の資産形成方法との比較など、専門的な視点からのアドバイスが役立ちます。
多くの相談窓口では、初回無料相談を実施しているので、気軽に利用してみることをおすすめします。

【他の皆んなは実際どう?】国民年金基金の加入状況に関するアンケート
「国民年金基金に入ってはいけないって聞くけどみんなはどうなんだろう?」と不安な方もいるのではないでしょうか。
マネーキャリアでは実際に、国民年金基金の加入状況に関するアンケートを実施しました。アンケート項目は以下のとおりです。
<国民年金基金の加入状況に関するアンケート>
- 国民年金基金に加入していますか?
- 加入した主な理由は?
- 国民年金基金に関して後悔していることはありますか?
国民年金基金に加入していますか?
国民年金基金の加入状況に関するアンケートでは、62.0%が国民年金基金に加入していることがわかりました。
残りの28.0%は生命保険に加入していないか、企業から加入を義務づけられていないという結果になしました。
国民年金基金はいらないと考えているケースは少ない傾向にあります。
加入した主な理由は?
国民年金基金に加入している方の主な理由としては、「老後の生活賃金を充実させるため」が最も多く39.7%を占めています。
次いで「公的な制度で安心感があるため」が31.9%、「自営業者として企業年齢がないため」が18.4%という結果でした。
興味深いのは、国民年金基金の特徴である「税制上の優遇措置を活用するため」を理由に挙げた世帯も5.7%存在していることで、知識が少ない状態で国民年金基金への加入を決めてしまう方も多くいることが分かります。
国民年金基金に関して後悔していることはありますか?

50代男性
制度の理解不足で後悔しています

60代女性
期待したリターンとの差に驚いています
国民年金基金に加入して長年掛金を支払ってきましたが、実際の受取額が期待していたものと大きく違っていて後悔しています。最近のインフレで実質的な価値も目減りし、もっと他の資産運用方法も併用しておけば良かったと思います。
多くの方が「制度の理解不足」や「期待したリターンとの差」、「ライフプランの変化への対応のしにくさ」について後悔しているという結果になりました。
これらの状況を避けるためには専門家のアドバイスを受けることが効果的です。
国民年金基金の節税シミュレーション
国民年金基金の節税シミュレーションを年齢別に見ていきましょう。
以下では、終身年金B型、課税所得金額400万で加入した場合のシミュレーションを年齢別に行います。
<国民年金基金の節税シミュレーション>
- 20歳で加入の場合
- 30歳で加入の場合
- 40歳で加入の場合
- 50歳で加入の場合
- 60歳で加入の場合
20歳で加入の場合
20歳で加入した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
月々の掛金 | 6,770円 |
掛金総額 | 約322万円 |
税軽減額 | 約98.8万円 |
実質掛金額 | 約223万円 |
累計年金額(60~85歳) | 約491万円 |
85歳以降の年金額 | 約24.5万/年 |
20歳での加入の場合、掛金総額より約169万円多く年金額を受け取ることができ、85歳までご存命の場合は、実質267万円お得になります。
30歳で加入の場合
30歳で加入した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
月々の掛金 | 9,910円 |
掛金総額 | 約352万円 |
税軽減額 | 約108万円 |
実質掛金額 | 約244万円 |
累計年金額(60~85歳) | 約494万円 |
85歳以降の年金額 | 約24.7万/年 |
40歳で加入の場合
項目 | 金額 |
---|---|
月々の掛金 | 12,345円 |
掛金総額 | 約291万円 |
税軽減額 | 約90.1万円 |
実質掛金額 | 約201万円 |
累計年金額(60~85歳) | 約374万円 |
85歳以降の年金額 | 約18.7万/年 |
50歳で加入の場合
項目 | 金額 |
---|---|
月々の掛金 | 16,900円 |
掛金総額 | 約196万円 |
税軽減額 | 約61.6万円 |
実質掛金額 | 約134万円 |
累計年金額(60~85歳) | 約231万円 |
85歳以降の年金額 | 約11.6万/年 |
60歳で加入の場合
項目 | 金額 |
---|---|
月々の掛金 | 19,440円 |
掛金総額 | 約108万円 |
税軽減額 | 約35.4万円 |
実質掛金額 | 約73万円 |
累計年金額(60~85歳) | 約112万円 |
85歳以降の年金額 | 約5.6万/年 |
国民年金基金が向いている人

国民年金基金が向いている人の特徴を紹介します。国民年金基金は全ての人に適しているわけではなく、特定の条件や状況に合った人に向いている制度です。
以下では、国民年金基金が特に向いている人の特徴を5つのカテゴリーに分けて解説します。
<国民年金基金が向いている人>
- 安定した老後の収入を確保したい人
- 自営業者やフリーランスの人
- 税制優遇を活用したい人
- 運用リスクを避けたい人
- 長期的な資金計画が可能な人
安定した老後の収入を確保したい人
安定した老後の収入を確保したい人には国民年金基金が向いています。
国民年金基金は終身年金として一生涯にわたって受け取れるため、長生きするほど有利になる制度です。
特に国民年金だけでは不安がある人にとって、追加の年金収入源として重要な役割を果たします。また、年金額は確定しているため、株式市場の変動に左右されず、安定した収入が保証されています。
インフレに対する保障はありませんが、老後の基礎的な生活費を確保するための一つの方法として活用できます。
自営業者やフリーランスの人
自営業者やフリーランスの人には国民年金基金が特に向いています。
会社員と違い厚生年金に加入できない自営業者は、老後の年金が国民年金のみとなるため、収入が大幅に減少する可能性があります。
国民年金基金は、そうした自営業者が自主的に老後の年金を上乗せできる数少ない公的な制度です。また、自営業者特有の収入の変動に対応できるよう、掛金の額を一定の範囲内で調整できる柔軟性もあります。
特に、安定した事業収入がある自営業者にとっては、老後の収入確保と節税を同時に実現できる魅力的な選択肢となります。
税制優遇を活用したい人
税制優遇を活用したい人には国民年金基金が向いています。
国民年金基金の掛金は全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税の節税効果があります。
特に所得が高く、高い税率が適用される人ほど節税効果が大きくなるため、高所得の自営業者には大きなメリットとなります。
例えば、年間60万円の掛金を支払った場合、所得税率33%、住民税10%の人なら約25.8万円の節税になります。また、受け取る年金にも公的年金等控除が適用されるため、受給時の税負担も軽減されます。

運用リスクを避けたい人
運用リスクを避けたい人には国民年金基金が向いています。
国民年金基金は株式投資などと異なり、市場の変動に左右されない確定給付型の年金制度です。
加入時点で将来受け取れる年金額が確定しているため、運用成績による不確実性がなく安心感があります。
特に、投資の知識や経験が少ない人や、リスク許容度が低い人にとっては適した選択肢となります。また、高齢になるほど資産の安全性を重視する傾向があるため、老後資金の一部を国民年金基金で確保することは理にかなっています。
長期的な資金計画が可能な人
長期的な資金計画が可能な人には国民年金基金が向いています。
国民年金基金は加入から受給開始まで長期間にわたるため、安定した収入がある人や計画的な資金管理ができる人、ライフプランの変化が少なく将来設計が明確な人ほど国民年金基金の恩恵を受けやすくなります。
例えば、自営業を長く続ける予定の人や、家族構成の大きな変化が見込まれない人などが当てはまります。
国民年金基金が向いていない人

国民年金基金が向いていない人の特徴を紹介します。全ての人に国民年金基金が適しているわけではなく、特定の条件や状況によっては加入を避けた方が良いケースもあります。
以下では、国民年金基金が特に向いていない人の特徴を5つのカテゴリーに分けて解説します。
<国民年金基金が向いていない人>
- 流動性を重視する人
- 短期間での資金運用を考えている人
- 高いリターンを期待する人
- 収入が不安定な人
- 他の年金制度を利用したい人
流動性を重視する人
流動性を重視する人には国民年金基金は向いていません。
国民年金基金は一度加入すると原則として60歳まで解約できず、途中で資金を引き出すことができないためです。急な出費や投資機会に対応するための資金が必要な人にとって、この流動性の低さは大きなデメリットとなります。
特に、自営業者やフリーランスは事業拡大や設備投資のために流動性の高い資産を持っておくことが重要な場合が多いです。
そのため、まずは万が一のための資金を確保した上で、余裕資金で国民年金基金への加入を検討するのがおすすめです。
短期間での資金運用を考えている人
短期間での資金運用を考えている人には国民年金基金は向いていません。
国民年金基金は長期的な年金制度であり、短期間で効果を得ることを目的とした制度ではないためです。
特に加入から短期間で解約すると、支払った掛金に対して受け取れる金額が大幅に少なくなる可能性があります。
例えば、60歳直前の数年間だけ加入した場合、掛金に対する年金額の割合は非常に低くなります。短期的な資金運用を考えているなら、定期預金や短期の債券投資など、他の金融商品を検討するのがおすすめです。
高いリターンを期待する人
高いリターンを期待する人には国民年金基金は向いていません。
国民年金基金の予定利率は現在1.5%程度と設定されており、株式投資や不動産投資などと比較すると低いリターンとなります。資産を大きく増やすことを目的としている人にとっては、期待に沿わない結果となる可能性が高いです。
特に若い世代で投資知識がある人は、iDeCoや投資信託、株式投資などより高いリターンが期待できる選択肢を検討すべきです。国民年金基金は「投資商品」ではなく「年金制度」として捉え、資産形成の一部として位置づけることが重要です。
収入が不安定な人
他の年金制度を利用したい人
他の年金制度を利用したい人には国民年金基金は向いていないかもしれません。
なぜなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの他の年金制度と比較して、運用の自由度や柔軟性が低いためです。
例えば、iDeCoでは自分で運用商品を選べますが、国民年金基金では運用方法を選ぶことができません。また、iDeCoは60歳以降に一括受取も可能ですが、国民年金基金は原則として年金形式での受取のみとなります。
自分のライフプランや投資スタイルに合わせて、複数の年金制度を比較検討することが重要です。
【まとめ】国民年金基金の加入に関する相談ならマネーキャリアの無料FP相談がおすすめ
本記事では、国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由、向いている人と向いていない人の特徴、節税効果のシミュレーションについて解説しました。
国民年金基金は流動性の低さや運用リターンの低さなどのデメリットがある一方で、安定した老後収入の確保や税制優遇といったメリットもあるため、個人の状況によって判断が分かれる制度です。
国民年金基金への加入を検討している場合は、FPに相談して、自分のライフプランに合った判断をすることが後悔しない選択への近道です。

国民年金基金の仕組みをきちんと理解せずに加入してしまったことが後悔です。途中解約ができないことを知らなかったため、ライフプランが変わった今、柔軟に対応できず困っています。もっと事前に制度について詳しく調べておくべきでした。