

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 50歳で住宅ローン5000万円は可能?
- 借入期間は30年が上限
- 必要な年収の目安は1200万円以上
- 頭金はできるだけ用意する
- 【結論】50歳の5000万円ローンは資金力や計画次第で可能だがリスクもある
- 無料FP相談を賢く活用して、無理のない返済計画を立てよう!
- 【実際どうだった?】50代で住宅ローンを契約した人の体験談
- 住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- ローンの組み方を教えてください
- 頭金は何割ほど用意しましたか?
- 住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
- 50歳で5000万円ローンを組む際の月々の返済額をシミュレーション
- 借入期間30年の場合
- 借入期間25年の場合
- 借入期間20年の場合
- 借入期間15年の場合
- あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを考えよう
- 50歳で5000万円の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイント5つ
- 老後資金とのバランスを考えた返済計画を立てる
- 借入期間をできるだけ短く設定する
- 繰り上げ返済を積極的におこなう
- 自身の健康状態と団信の加入条件を確認する
- 無料FP相談を活用して返済シミュレーションをする
- 【まとめ】50歳の5000万円ローンは老後資金とのバランスに要注意!
50歳で住宅ローン5000万円は可能?
50歳で5000万円の住宅ローンを組むことは、条件が整えば組むことは可能です。住宅ローンは80歳までに完済が条件になっている金融機関が多いため、返済期間を30年に設定することは可能です。しかし、80歳より前に完済を目指した方がよいでしょう。
50歳で5000万円の住宅ローンが契約できても、完済できるかどうかは別な問題です。60代になると収入が減少する人が多いですから、収入が減少しても払えるような計画が必要です。方法はいろいろあります。夫婦で返していく、親子リレーで返していく方法もあるでしょう。
世帯収入を含めて高収入が必要です。頭金をできるだけ多く準備すること、繰り上げ返済をする事、団信が加入できる健康状態であることなどがクリアできれば、5000万円の住宅ローンを組める確率が上がるでしょう。
特に老後資金との兼ね合いをしっかり考えることが必要です。住宅ローンは契約額が大きいので、金利が低くても利息負担が大きくなることを認識しましょう。
借入期間は30年が上限
50歳で住宅ローンを契約する場合、35年で組むことはできません。最長でも30年返済までになりますが、80歳まで支払い続けるのは難しい場合もあるでしょう。
専門職や自営業で定年がなく80歳まで高収入を得られればよいのですが、会社員は60代以降、収入が下がる人が多いでしょう。無理ない返済のため返済期間を30年で組んでも、繰り上げ返済をしながら80歳より前に完済することがおすすめです。
15年や20年で組んだ場合返済金が多くなります。順調に返済できればよいのですが、難しくなった場合返済期間の延長は簡単にはできません。無理のない金額で返済金を設定し、貯蓄もしながら、少しずつでも繰り上げ返済でローンの残高を減らした方がよいでしょう。
必要な年収の目安は1200万円以上
住宅ローンは、年収の5倍〜7倍程度が借入額の目安と言われています。5000万円の住宅ローンであれば、年収で800万円〜1000万円以上が目安となることでしょう。
5000万円を30年返済で契約した場合、月額の返済金は172,560円、年間返済額が2,070,720円になります。返済金負担率は20~25%が無理なく返せる目安です。
【年収ベースでの返済金負担率】
- 年収830万円で約25%
- 年収1000万円で約20.7%
より現実的に手取りでベースで返済金を考えると(手取りを年収の8割として算出)
- 年収1040万円 手取りで832万円 手取りの返済金負担率約25%
- 年収1200万円 手取りで960万円 手取りでの返済金負担率21.6%
年収が1200万円であれば、手取りでの返済金負担率が約21.6%になります。収入合算で返す場合も2人で合わせて、年収が1200万円以上あることが推奨されます。
頭金はできるだけ用意する
住宅ローンの頭金を多く準備すれば、借入額を減らすことができます。頭金は多ければ多いほど月々の返済が楽になるでしょう。借入金額が少しでも減れば、借入金の利息を節約できます。
50代は社会人になってから30年前後経過しており、計画的に貯蓄をしていれば、500万円~1000万円貯めれる方も多いでしょう。頭金と諸経費で1000万程度用意するのが理想です。
どうしても準備できない場合は、親の家計に余裕があればいくらかでも出してもらうことを検討してみましょう。
【結論】50歳の5000万円ローンは資金力や計画次第で可能だがリスクもある
50歳で住宅ローンを組むことは、高収入であれば可能なケースは多いですが、老後の資金計画も含めて慎重に検討する必要があります。50歳から多額なローンを組めば、返済期間を短くし返済額を増やすか、リタイア後も返済を続けるかのいずれかになります。
5000万円のローンを組んで、完済するためには健康管理が一番と言っても言い過ぎではないでしょう。収入が多いということは、仕事もハードだったことでしょう。50歳は社会人になって30年近くたっており、それまでの仕事の取り組み方や、健康維持に配慮してきたかで、健康状態に差がついてくる時期です。
団信加入が可能な健康状態であればよいのですが、場合によっては難しいこともあるでしょう。団信加入が強制の融資であれば、団信引き受け不可の時点で融資を受けるのは難しくなります。
無料FP相談を賢く活用して、無理のない返済計画を立てよう!

住宅ローンの返済は長期で続くので、20年先、30年先のライフプランをしっかり踏まえたうえで計画しましょう。毎月の多額の返済金をずっと返し続けることは予想以上に大変です。返済できなくなる様々なリスクを考え対策をしっかり考えましょう。
50代は教育資金のピークという方が多いでしょう。子供の進路や人数によって教育費の負担時期や金額は異なります。しかし、一般的には大学進学の時期が教育資金の負担が最大にになることが多く、50歳で住宅ローンを組む場合は、教育費とのバランスも考える必要があります。
子供があと1、2年で社会人なる予定で教育費のめどがついている場合は計画は立てやすいでしょう。末の子供がまだ小さい場合は、教育費をどこまでかけるべきかを考えながら検討しなければなりません。
年収倍率や返済金負担率はあくまでも目安です。お金の使い方はそれぞれの家庭で違いますから、節約が苦痛ではないご夫婦と、苦手な家庭では返済計画が違ってきます。

【実際どうだった?】50代で住宅ローンを契約した人の体験談
今回のアンケートからは、住宅ローンを契約された方々の間で、いくつかの共通した傾向と、将来に向けた注意点が見えてきました。
以下の項目について、アンケート結果から読み取れることを、専門家の視点から解説していきます。
- 住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- ローンの組み方を教えてください
- 頭金は何割ほど用意しましたか?
- 住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
年齢層別に見ると、50歳~52歳でローンを組んだ人が45.8%と最多となっています。50代前半での契約が多いのは、退職前の比較的安定した収入がある時期に決断する人が多いと考えられます。
続いて世帯年収を見ていきましょう。
住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
借入額は「5,000万円~5,200万円」と答えた方が一番多く(42.3%)、次いで多かったのが「5,600万円~5,800万円」(26.9%)でした。
続いて返済期間の回答を見ていきましょう。
ローンの組み方を教えてください
頭金は何割ほど用意しましたか?

住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください

50代男性
もっとしっかり返済計画を考えればよかった

50代男性
子どもともしっかり話し合っておくべきだった
親子リレーローンを組んだ際、繰り上げ返済の計画について、夫婦間だけでなく子どもともしっかり話し合っておくべきでした。誰が、どのタイミングで、いくら繰り上げ返済をするのかが曖昧だったため、いざ実行しようとした時に意見の相違が出てしまいました。また、繰り上げ返済の手数料なども考慮に入れるべきだったと痛感しています。親と子の間で、より明確な返済ルールを決めておけばよかったなと思います。

50代男性
契約前にファイナンシャルプランナーへ相談しに行くべきでした
夫婦でペアローンを組みましたが、今思えば、契約前にファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するべきだったと強く後悔しています。自分たちで情報を集めたつもりでしたが、各金融機関の金利や条件、団信の内容まで細かく比較しきれなかったように思います。毎月返済額を見るたびに「本当にこれでよかったのか?」と疑問がぬぐいきれません。
50歳で5000万円ローンを組む際の月々の返済額をシミュレーション
50歳で5000万円の住宅ローンを組む際の借り入れ期間別に月々の返済金を試算してみました。無理なく返済できるのはどれかを検討しましょう。
前提条件
- 金利は固定1.5%と仮定
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 繰上げ払いなし
- 元利均等返済を選択
- 諸費用は考えず
30年、25年、20年、15年の4パターンでシミュレーションしました。
借入期間30年の場合
50歳で5000万円の住宅ローンを30年で組んだ場合、65歳の時点でまだ半分しか返済が終わっておらず、残高は半分以上残っていることになります。繰り上げ返済しなかった場合、あと15年支払う必要があります。
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
借入期間 | 30年 |
毎月返済額 | 172,560円 |
年間返済額 | 2,070,720円 |
総返済額 | 62,121,600円 |
【返済金負担率が25%になる目安】
- 年収830万円:約25%
- 年収1040万円、手取り収入832万:約24.9%
年収の8割を手取りと試算した場合、年収1040万円以上あれば返済可能でしょう。
借入期間25年の場合
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
借入期間 | 25年 |
毎月返済額 | 199,968円 |
年間返済額 | 2,399,616円 |
総返済額 | 59,990,400円 |
【返済金負担率が25%になる目安】
- 年収960万円:約25%
- 年収1200万円、手取り960万円:約25%
年収の8割を手取りと試算した場合、年収1200万円以上あれば返済可能でしょう。
借入期間20年の場合
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
借入期間 | 20年 |
毎月返済額 | 241,272円 |
年間返済額 | 2,895,264円 |
総返済額 | 57,905,280円 |
【返済金負担率が25%になる目安】
- 年収1160万円:約25%
- 年収1450万円、手取り収入1160万円:約25%
年収の8割を手取りと試算した場合、年収1450万円以上あれば返済可能でしょう。
借入期間15年の場合
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
借入期間 | 15年 |
毎月返済額 | 310,371円 |
年間返済額 | 3,724,452円 |
総返済額 | 55,866,780円 |
【返済金負担率が25%になる目安】
- 年収1490万円:約25%
- 年収1860万円、手取り収入1490万円:約25%
年収の8割を手取りと試算した場合、年収1860万円以上あれば返済可能でしょう。
あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを考えよう

住宅ローンを検討する際、順番に考えていきましょう。
- これから先のライフプランを考える
- ライフプランに沿ったお金のプランニングを考える
- 教育費にいくら必要か
- 老後の生活費にいくら必要か
- 教育費、老後資金を考慮すると住宅にいくらかけられるか
- 貯金はいくらあるか
- 頭金はいくら出せるか
借入額が返済可能かを現実的に考えましょう。考えるべきことがたくさんあり、難しいと思う人は多いかもしれません。お金の専門家に頼る方が最適解を見つけやすいでしょう。

50歳で5000万円の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイント5つ

50歳で住宅ローンを組む際に十分に検討してほしいことは次の5つです。
- 老後資金とのバランスを考えた返済計画を立てる
- 借入期間をできるだけ短く設定する
- 繰り上げ返済を積極的におこなう
- 自身の健康状態と団信の加入条件を確認する
- 無料FP相談を活用して返済シミュレーションをする
表の検討事項を確認し、完済できるプランを考えましょう。
老後資金とのバランスを考えた返済計画を立てる
50歳から住宅ローンを組む場合は、定年後も返済が続く可能性があります。老後資金計画と住宅ローンの返済計画をセットで考えた方がよいでしょう。
リタイア後のプランを具体的に考えましょう。
- 退職金の使い方
- 老齢年金の予定額
- 生活費が今いくらくらいか
- リタイア後の生活費はいくらを予定しているか
- 老後資金のプランニングをシミュレーションしてみる
50歳を過ぎると年金の予想額は、より具体的に試算できます。専門家に試算をしてもらえばより現実的な年金額がわかるでしょう。
借入期間をできるだけ短く設定する
繰り上げ返済を積極的におこなう
50歳で住宅ローンを25年、30年で組んだ場合は特に繰り上げ返済を積極的に行いましょう。繰り上げ完済は期間を短くする方法と、返済金を下げる方法があります。金融機関により条件が違うので繰り上げ返済の仕方はあらかじめ確認しましょう。
ボーナス返済を併用している場合はボーナス支払い分を先に減らす、無くすることを選択した方がよいでしょう。
定年後までに完済できない場合、返済を続けることになっても、毎月の負担を少しでも減らせるような工夫が必要です。
自身の健康状態と団信の加入条件を確認する
住宅ローンを組む際には、団信や生命保険はセットで考えなければなりません。団信は年齢による保険料の差がないので、50歳で住宅ローンを組む際に告知事項に該当がなければ、利用した方がよいでしょう。
団信は生命保険の一種であるため、加入には健康状態の告知が必要です。過去の病歴や現在の健康状態によっては、加入が難しい場合があります。高血圧や糖尿病などの持病がある場合でも加入できる「ワイド団信」もありますが、追加の保険料(金利が上乗せ)が必要になるでしょう。
フラット35の場合、3大疾病付機構団信は、死亡・所定の高度障害状態の他、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が原因で一定の要件に該当した場合、適用になる制度です。
加入は、告知日現在満51歳未満(満51歳の誕生日の前日まで)の方が対象となります。3大疾病がついていない団信は、70歳未満(満70歳の誕生日の前日まで)の方が対象です。
無料FP相談を活用して返済シミュレーションをする
【まとめ】50歳の5000万円ローンは老後資金とのバランスに要注意!

50歳で5000万円の住宅ローンを組む場合に必要とされる収入や検討すべきことについてお伝えしてきました。サラリーマンの場合は高収入が維持できる期間が限られており、老後資金が不足しないように工夫することが大切です。
収入や団信などの条件がクリアできそうであれば、より詳しく完済の可能性を探り専門家に相談してみましょう。マネーキャリアの専門家に相談すれば、経験に基づいた、より現実的な意見が得られるでしょう。
マネーキャリアのおすすめポイント
- 相談満足度は業界高水準98.6%
- 累計の相談申込件数は100,000件以上
- 住宅ローン診断士の資格を持つFPが所属
- 専門家のプロフィール、口コミ、経歴が公開されているため、事前にどんな相談員かが確認できる
- 中立的な立場で様々な解決方法を提案してくれる
- 個々のライフプラン、今後のライフイベントを見すえて、最適な提案を受けられる

50代でのローンだったので、妻の退職後の返済計画をもっと具体的に立てておくべきだったと後悔しています。退職後の収入で返済が厳しくならないか、今から少し心配です。また、親の介護費用なども考慮して借入額を決めるべきでした。目先の返済だけでなく、老後のライフイベントにかかる費用も念頭におくべきでした。