
内容をまとめると
- 年代別の平均貯金額を知ることで、自分の立ち位置を客観的に把握でき、次に目指すべき貯金額を考えやすくなります。
- 毎月の手取りの20%を目安に貯金し、NISAやiDeCoといった非課税制度を活用することで、少額からでも将来に向けた資産づくりを始めることができます。
- ”貯金用口座の分離”や“給料日に先取りする設定”など、仕組みを整えることで、気合いや意志に頼らずに自然と貯金が続く環境がつくれます。
- 家計の整理や投資の始め方を一人で考えるのがむずかしい場合は、相談実績10万件超・満足度98.6%超のマネーキャリアで、アドバイスを受けることがおすすめです。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 3人家族の貯金額を年代別に解説
- 20代の平均額は249万円
- 30代の平均額は601万円
- 40代の平均額は889万円
- 3人家族で貯金100万円の人におすすめの目標
- 貯金の目標設定が必要な理由
- 理想の貯金割合は手取りの20%
- 理想の貯金額は1000万円
- 3人家族で貯金100万円が不安なら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
- 3人家族の貯金100万円を増やす基本戦略
- 目標金額と期限を決める
- 貯金専用の口座を用意する
- 給料日に先取り貯金する
- 3人家族の貯金100万円を効果的に増やす方法
- NISAを活用する
- iDecoを活用する
- 3人家族で貯金100万円に関するよくある質問
- 3人家族で生活するには毎月いくら必要ですか?
- 3人家族で貯金がまったくない場合は何から始めればいいですか?
- 3人家族の貯金100万円は通過点!次の目標を立てて家計を守ろう【まとめ】
3人家族の貯金額を年代別に解説
3人家族の貯金額を年代別に解説します。
紹介する内容は、以下のとおりです。
- 20代の平均額は249万円
- 30代の平均額は601万円
- 40代の平均額は889万円
自分と同じ世代の平均貯金額を知ることで、自分の貯金が“多い・少ない”のどちらに近いのかを客観的に把握しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
なお本章では、3人家族の貯蓄額を考えるうえでの参考資料として、金融広報中央委員会が公表している家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]をもとにしています。
3人家族に特化したデータではありませんが、近い家族構成を持つ世帯の傾向がわかるので、目安として活用してください。
20代の平均額は249万円
20代が世帯主の世帯では、平均貯金額は約249万円(※1)、一方で中央値は約30万円(※2)と大きな差があります。
大きな差があるのは、一部の高額な貯金が、全体の平均を押し上げているためと考えられます。
そのため、自分の貯金額が世間と比べてどうかを知るには、中央値を参考にする方が現実的といえます。
20代は子どもがまだ小さく、夫婦ともに収入が限られているケースが多いため、思うように貯金が進まない家庭も少なくありません。
それでも、早い段階で家計のバランスを見直し、固定費をムダなく整えるなどの小さな改善を積み重ねることが大切です。
将来の支出を見越して計画を立てておくと、30代以降に収入が増えたタイミングで、より効率よく貯金を加速させることができます。
30代の平均額は601万円
30代が世帯主の世帯では、平均貯金額は約601万円(※1)、中央値は約150万円(※2)です。
中央値は20代の約30万円から120万円近くの増加で、着実に貯金が増えていることがわかります。
これは、共働き世帯の増加や収入の上昇により、家計に少しずつ余裕が出てきたことが背景と考えられます。
とはいえ、住宅や車のローン返済が始まる家庭も多く、支出はむしろ増えやすい時期でもあります。
さらに、子どもの進学にともなう教育費・養育費も家計にのしかかり、生活にゆとりを感じにくくなるケースも少なくありません。
40代の平均額は889万円
40代が世帯主の世帯では、平均貯金額は約889万円(※1)、中央値は約220万円(※2)です。
中央値は30代の約150万円から70万円ほどの増加で、役職への昇進や収入の安定により、貯金が増えやすくなる時期と考えられます。
一方で、住宅や車のローン返済が続き、支出が落ち着かない家庭も少なくありません。
さらに、子どもの高校や大学進学にともなう教育費や、自身の年齢にともなう医療費の増加など、家計を圧迫しやすい要素も増えてきます。
こうした出費に備えるためには、日常生活とは別に使える“特別費”の貯金をあらかじめ確保しておくことが重要です。
40代で貯金が100万円の場合は、教育費や老後資金など“使う時期が異なるお金”を目的別に分けて管理することで、家計の見通しが立てやすくなります。
3人家族で貯金100万円の人におすすめの目標
3人家族で貯金100万円の人におすすめの、目標について解説します。
紹介する内容は以下の3点です。
- 貯金の目標設定が必要な理由
- 理想の貯金割合は手取りの20%
- 理想の貯金額は1000万円
目指すべき割合や金額を知っておくと、毎月どれくらい貯めればよいか逆算でき、自分に合ったペースで無理なく貯金しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
貯金の目標設定が必要な理由
貯金の目標設定が必要な理由は、「いつまでに・いくら必要か」を明確にすることで、備えがしやすくなるからです。
目標金額があると、日々の家計管理への意識が高まり、モチベーションも保ちやすくなります。
その結果、教育や旅行、老後などの場面で“選択肢のある人生”を実現できる土台ができます。
さらに、急病や失業といった突発的なリスクにも、落ち着いて対応しやすくなります。
つまり、”なんとなく貯める”から一歩踏み出し、明確な目標を持つことが、安心できる家計への近道になるといえます。
理想の貯金割合は手取りの20%
貯金を効率よく増やすには、手取りの20%を目安にするのが現実的で効果的です。
この割合は、総務省の調査で示されている20代〜40代の平均貯蓄割合(約13.3%)(※)よりやや高めです。
しかひ、少し意識して節約や仕組みを取り入れれば、十分に達成できる水準です。
目安があることで、月にいくら貯めればよいかが明確になり、計画的に家計を管理しやすくなります。
例えば、月の手取りが25万円であれば、そのうち20%にあたる5万円を貯金にまわすことで、年間60万円のペースで積み立てられます。
なお、あなたにとって無理のないペースで貯金を続けるには、ボーナス月だけ貯金の割合を高めたり、生活費の見直しから始めたりすることも効果的です。
理想の貯金額は1000万円
将来への安心を得るためには、貯金1,000万円を長期的な目標として設定するのがおすすめです。
この金額は、教育費や住宅関連費、老後の生活資金までを幅広くカバーできる目安であり、子育て世代(20〜40代)が理想的な貯金額として上げている金額(※)でもあります。
例えば、毎年60万円ずつ積み立てれば、約17年で1000万円に到達します。
今すぐではなくても、自分のペースで届く目標として設定しておくことが大切です。
3人家族で貯金100万円が不安なら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
3人家族の貯金100万円を増やす基本戦略
3人家族の貯金100万円を増やす基本戦略を、3つに絞って解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- 目標金額と期限を決める
- 貯金専用の口座を用意する
- 給料日に先取り貯金する
これらはすべて、"貯金額を先に決めて、行動に組み込む"仕組みです。
意思に頼らずお金を残す環境をつくることで、ムリなく、そして着実に貯金を増やしていくことができるので、ぜひ参考にしてください。
目標金額と期限を決める
目標金額と期限を決めることで、貯金を計画的に進めやすくなります。
“いつまでに・いくら必要か”というゴールが明確になると、毎月の積立額を逆算しやすくなるからです。
例えば、「教育資金300万円を10年で」「住宅購入の頭金500万円を5年で」など、具体的に設定すると現実味が増し、行動にもつながりやすくなります。
目安があることで迷わず動けるようになり、やるべきことがはっきりする分、モチベーションも保ちやすくなります。
貯金専用の口座を用意する
貯金専用の口座を用意することで、貯金を無理なく続けられる仕組みが整います。
“使うお金”と“貯めるお金”を分けて管理することで、うっかり使ってしまうのを防ぎやすくなるからです。
具体的には、生活費用の口座とは別に貯金専用の口座を用意すると、それぞれの役割がはっきりし、使いすぎを防止しやすくなります。
貯金専用口座に入れたお金は、日常の支出と切り離されるため、心理的にも手をつけにくくなります。
このように毎月の仕組みを整えておくだけで、“気付いたらお金が残っていた”という状態をつくりやすくなり、貯金の習慣が自然と根づいていきます。
給料日に先取り貯金する
給料が入った日に先取りで貯金をすることで、ムリなく続けられる仕組みが整います。
“先に貯める”ことを習慣にすると、お金の使いすぎを自然に防ぎやすくなるからです。
例えば、給料日に1万円を自動で貯金用口座へ移すだけでも、1年で12万円の貯金になります。
「これなら私にもできそう」と思える金額から始めることで、無理なく習慣化しやすくなります。
“余ったら貯金”ではなく、“先に貯める仕組み”こそが、ムリなく続けられるコツです。
3人家族の貯金100万円を効果的に増やす方法
3人家族の貯金100万円を効果的に増やす方法を、2つ解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- NISAを活用する
- iDecoを活用する
節税効果や運用のしくみを理解することで、限られたお金でも将来に向けた資産形成の道筋が見えてくるので、ぜひ参考にしてください。
NISAを活用する
NISAを活用すれば、3人家族の貯金100万円を、効率よく増やしやすくなります。
少額から始められるため、毎月コツコツと積み立てるだけでも、計画的に資産を形成できるからです。
銀行預金よりも高いリターンが期待できるうえに、得られた運用益が非課税となるため、利益をそのまま手元に残しやすい点も大きな利点です。
具体的には、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯で最大1,800万円までの投資について、運用益が非課税になります。
ただし、投資には元本割れのリスクもあるため、「毎月いくらまでなら投資できるか」「どの程度の値動きなら許容できるか」をあらかじめ考えて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
iDecoを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すると、3人家族の貯金100万円を、節税しながら効率よく増やしやすくなります。
掛け金の全額が所得控除の対象となるため、毎年の所得税や住民税を軽減しながら、将来のための資産を積み立てられるしくみだからです。
例えば、自営業の場合は月6.8万円、会社員の場合は月2.3万円まで積み立てることができ、拠出額が多いほど節税効果も大きくなります。
また、iDeCoは月5,000円から始められるため、少額でも無理なく老後への備えをスタートできるのも魅力です。
ただし、原則として60歳になるまで引き出せないため、短期で使う予定のない“余裕資金”で運用するのが基本です。
3人家族で貯金100万円に関するよくある質問
3人家族の貯金100万円に関する、よくある質問を2つ解説します。
紹介する質問は以下のとおりです。
- 3人家族で生活するには毎月いくら必要ですか?
- 3人家族で貯金がまったくない場合は何から始めればいいですか?
よくある疑問とその答えを把握することで、自分の家計を見直すヒントが見つけやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
3人家族で生活するには毎月いくら必要ですか?
総務省の家計調査によると、3人家族の1ヵ月あたりの平均的な消費支出(食費・住居費・光熱費など)は約32万円(※)とされています。
ただし、地域や住居形態、子どもの年齢によって、実際に必要な生活費は大きく異なります。
自分たちにとっての適正な生活費を知るためには、まず"今どれくらい使っているか"を把握することが大切です。
家計簿アプリやメモなど、負担のない方法でざっくり記録するだけでも、ムダが見えやすくなります。
特に、毎月必ずかかる固定費(家賃・通信費・保険料など)は見直しやすく、節約効果が実感しやすい項目です。
3人家族で貯金がまったくない場合は何から始めればいいですか?
まずは、家計の現状を知ることから始めましょう。
具体的には、収支を把握し、支出のムダを見つけたうえで、少額から先取り貯金をスタートするのが基本です。
例えば、「いきなり月5万円」は難しいなら、月1万円からでもOKです。
ハードルを低く設定して、できることから始めることで、“貯金できた”という小さな成功体験が積み重なり、自然とお金を残す意識が育っていきます。
3人家族の貯金100万円は通過点!次の目標を立てて家計を守ろう【まとめ】
3人家族の貯金100万円は、あくまで通過点です。
この先の家計を守っていくには、次の目標を明確に立てることが大切です。
目標があることで、"いつまでにいくら必要か"が具体化され、日々の支出管理や貯金計画にもメリハリがつきます。
具体的には、手取りに対する貯金割合や金額を設定したうえで、先取り貯金・口座の使い分け・NISAやiDeCoといった制度を活用することで、無理のない形で家計を整えることができます。
とはいえ、自分で目標を立てて、適切な貯金方法を選び、継続していくのは決して簡単ではありません。
貯金の増やし方に不安を感じる方や、どの制度を使えばよいか迷っている方は、専門家(FP)への相談をおすすめします。