「年収650万の手取り額はいくら?」「年収650万の生活レベルは高い?勝ち組?」このような疑問を持つ方は多いです。そこで本記事では、年収650万の手取り額、年収650万の生活レベル、年収650万の家賃やローンの相場、年収650万の結婚事情などをまとめました。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

年収650万の手取り額はいくら?生活水準は高い?

内容をまとめると

・年収650万の割合は約6.5%

・年収650万円の手取りは約499~514万円

・この記事を読んでいる人は節税をしつつ貯蓄もできる積立投資をするのがおすすめ

こんにちは。マネーキャリア編集部です。


先日40代男性から、こんな相談がありました。  

年収650万円だと手取りはいくらくらいなの?生活水準は高い方?

今後起こりうるライフイベントに備え、自身の年収でどのような生活を送れるのか気になるといった方も多いのではないでしょうか。 


そこで今回は、年収650万の手取り額やローン・家賃の相場、子育て事情など生活レベルについてくわしくご紹介していきます。 


さらに、年収650万の人が収入や貯蓄を増やすためには何が必要なのかも解説していきたいと思います。 皆さまのマネープランのお手伝いになれば幸いです。

年収650万の手取りは499万から514万!【計算方法を解説!】


では、年収650万の手取り額をご紹介していきます。


「年収」と一口に言っても、

  • 額面年収
  • 手取り年収
の2通りの考え方があります。

額面年収とは、雇用主からわたしたちに支払われる給料の総額のこと。
基本給のほかに税金や社会保険料、各種手当など支給されるすべてのお金が含まれています。

それらを差し引いた分に残った金額が手取り年収となるわけです。

一般的に、額面年収が650万の方の手取り年収は499万~514万とされています。
この金額は、配偶者の有無や扶養者の数により変動します。

ここからは、
  • 一人暮らしの場合
  • 配偶者と二人暮らしの場合
  • 配偶者+子供一人の場合
の3パターンに分けて、手取り年収をご紹介していきます。
是非参考にしてみてください。

年収650万で一人暮らしの場合の手取り額は約499万円

一人暮らし(独身)の場合、手取り年収は約499万円となります。


条件、内訳は以下の通りです。

  • 額面年収:650万
  • 年齢:20歳以上40歳未満
  • 配偶者:なし

内訳金額
所得税245,300円
住民税346,400円
健康保険313,866円
厚生年金581,940円
雇用保険19,500円
手取り額4,992,994円

年収650万で配偶者と二人暮らしの場合の手取り額は約507万円

配偶者と二人暮らしの場合、手取り年収は約507万円となります。


条件、内訳は以下の通りです。

  • 額面年収:650万円
  • 年齢:20歳以上40歳未満
  • 配偶者:あり
  • 配偶者を扶養している:はい
  • 配偶者の収入:103万円以下
  • 子ども:なし

内訳金額
所得税200,900円
住民税313,400円
健康保険313,866円
厚生年金581,940円
雇用保険19,500円
手取り額5,070,394円

年収650万で配偶者+子供一人の場合の手取り額は約514万円

配偶者+子供一人の場合、手取り年収は約514万円となります。


条件、内訳は以下の通りです。

  • 額面年収:650万円
  • 年齢:20歳以上40歳未満
  • 配偶者:あり
  • 配偶者を扶養している:はい
  • 配偶者の収入:103万円以下
  • 子ども:あり
  • 子どもの年齢:16歳

内訳金額
所得税162,900円
住民税280,400円
健康保険313,866円
厚生年金581,940円
雇用保険19,500円
手取り額5,141,394円

年収650万の所得税・住民税・社会保険料の合計額は約135万から150万


所得税・住民税・社会保険料の合計額を、先ほどのパターン別にご紹介していきます。


一人暮らし(独身)の場合

245,300円(所得税)+ 346,400円(住民税)+313,866円(健康保険)581,940円(厚生年金)19,500円(雇用保険)=1,507,006円

一人暮らし(独身)の場合の控除額の合計は、約150万円となります。

配偶者と二人暮らしの場合

200,900円(所得税)+ 313,400円(住民税)313,866円(健康保険)+厚生年金 581,940円(厚生年金)+19,500円(雇用保険)=1,429,606円 

配偶者と二人暮らしの控除額の合計は、約142万円となります。

配偶者+子供一人の場合

162,900円(所得税)+280,400円(住民税)+313,866円(健康保険)+581,940円(厚生年金)+19,500円(雇用保険)=1,358,606円

配偶者+子供一人の控除額の合計は、約135万円となります。

年収650万の平均月収は36.8万円

では、月収に換算するとどうでしょうか。


単純計算で平均月収36.8万円となることが分かります。


ボーナスの有無などで月収は変動するので、おおよそ35~40万円前後です。

年収650万のボーナスの平均額は72.1万円

年収650万のボーナス事情についても触れていきましょう。


そもそもボーナスとは、固定給のほかに支給される給与のことを言います。

賞与、特別手当と呼ばれることもありますね。


一般的には、年1~2回夏と冬に支給する企業が多いです。 


年収650万のボーナスの平均額は、72.1万円とされています。

年収650万の平均貯金額は704万円以上

続いて、年収650万の方はどれくらい貯金しているのでしょうか。


貯金額は千差万別であり年代ごとに大きく異なるので、あくまで参考程度にご覧ください。

年収平均貯金額
300万円190万円
400万円591万円
500万円566万円
600万円704万円
700万円895万円
800万円1,072万円
900万円1,198万円
1,000万円以上1,853万円

(参考:リクナビNEXT)


表の通り、年収600万円台の方の貯金額は平均704万円であることが分かりました。

年収650万の割合は全給与所得者の6.5%程度


日本全体で、年収650万の割合はどれくらいなのでしょうか。


国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年度)」の資料によると、

年収600〜700万円の割合は、全給与所得者の6.5%程度であることが分かりました。

年収割合
~100万円8.1%
100~200万円13.7%
200~300万円15.2%
300~400万円17.2%
400~500万円14.9%
500~600万円10.2%
600~700万円6.5%
700~800万円4.4%
800~900万円2.9%
900~1,000万円1.9%
1,000~1,500万円3.6%
1,500~2,000万円0.8%
2,000~2,500万円0.3%
2,500万円~0.3%

(参考:国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年度)」)

年収650万円の男性の割合は9.2%

年収650万円の男性の割合は、9.2%となっています。

年収割合
~100万円3.3%
100~200万円6.6%
200~300万円11%
300~400万円17.3%
400~500万円17.8%
500~600万円13.5%
600~700万円9.2%
700~800万円6.4%
800~900万円4.4%
900~1,000万円2.8%
1,000~1,500万円5.6%
1,500~2,000万円1.2%
2,000~2,500万円0.4%
2,500万円~0.5%

(参考:国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年度)」

年収650万円の女性の割合は2.8%

年収650万円の女性の割合は、2.8%となっています。

年収割合
~100万円15%
100~200万円23.8%
200~300万円21%
300~400万円17.2%
400~500万円10.8%
500~600万円5.6%
600~700万円2.8%
700~800万円1.5%
800~900万円0.7%
900~1,000万円0.4%
1,000~1,500万円0.8%
1,500~2,000万円0.2%
2,000~2,500万円0.1%
2,500万円~0.1%

(参考:国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年度)」

年収650万のメインの年齢層は50代(20代で年収650万以上はほぼ0)

終身雇用の崩壊から、年齢と年収は比例しないものとなってきている今日。

年収650万は、どの年齢層がメインを占めているのでしょうか。


世代別の平均年収をみてみましょう。

男性女性
19歳以下160万円111万円
20~24歳278万円248万円
25~29歳403万円328万円
30~34歳470万円321万円
35~39歳529万円313万円
40~44歳582万円318万円
45~49歳629万円324万円
50~54歳679万円320万円
55~59歳686万円301万円
60~64歳522万円254万円
65~69歳406万円211万円
70歳以上343万円205万円
全体平均540万円296万円

(参考:国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年度)」


表の通り、平均年収650万のメイン層は50代であることが分かりました。


男性の場合、60歳未満までは年齢が高くなるにつれ右肩上がりに年収も上がっています。


しかし、女性は年齢による較差が比較的小さいことも明らかになりました。

年収650万の生活レベルを解説!【年収650万の家計簿を大公開】


年収650万の方はどのようなライフスタイルを送っているのでしょうか。


今回は、

  • 一人暮らしの場合
  • 夫婦二人暮らしの場合
  • 夫婦二人+子供一人の場合
の3パターンで家計簿例をご紹介いたします。

➀一人暮らしの場合

まずは、一人暮らしの場合から。


条件は以下の通りです。

  • 一人暮らし
  • 月収:36万円
  • 配偶者:なし

支出項目金額
家賃104,000円
食費55,000円
水道光熱費12,000円
通信費10,000円
交際費55,000円
その他53,000円
貯金71,000円
合計360,000円


一人暮らしで年収650万であれば、じゅうぶん余裕のある暮らしができるでしょう。


家賃が10万円台の賃貸に住んでいても、毎月7万円以上の貯金が出来る見込みです。

②夫婦二人暮らしの場合

次に、夫婦二人暮らしの場合です。


条件は以下の通りです。

  • 二人暮らし
  • 月収:36万円
  • 配偶者:あり

支出項目金額
家賃125,000円
食費65,000円
水道光熱費18,000円
通信費13,000円
交際費40,000円
その他50,000円
貯金49,000円
合計360,000円

一人暮らし時よりも部屋数が増え家賃が高くなるため、他の支出を抑える工夫が必要になります。  

特別費などで予定外の支出が出た場合にそなえて、毎月一定額の貯金をしておくべきです。

③夫婦二人+子供一人の場合

最後に、夫婦二人+子供一人の場合です。


条件は以下の通りです。

  • 三人暮らし
  • 月収:36万円
  • 配偶者:あり
  • 子供:あり

支出項目金額
家賃127,000円
食費70,000円
水道光熱費19,000円
通信費15,000円
交際費35,000円
その他60,000円
貯金34,000円
合計360,000円

家賃だけでなく、食費や学費などが膨らむため節約を徹底する必要があります。  

年収650万のローンや家賃の相場を解説


住宅ローンや賃貸物件の家賃相場はどれくらいなのでしょうか。


また、車を購入する際のマイカーローンの相場についても気になるところです。


ここからは、世帯年収650万円で借りられる住宅ローンの総額や、マイカーローン、賃貸物件の家賃相場について解説していきます。


ゆとりあるライフプランを立てるための参考にしてみてください。

年収650万の住宅ローンの借り入れ上限額は約6000万円以上

年収650万の場合、住宅ローンはいくらまで組めるのでしょうか。


住宅ローンの借入限度額を決めるには「返済負担率」が大きく関係しています。


返済負担率とは、毎月の収入に対していくらくらいの金額なら返していけるかという目安のことです。


返済負担率は以下の計算式でもとめます。

返済負担率(返済比率)=年間返済額÷年収×100

返済負担率は「いくら」と最初から決まっているわけではなく、

ひとりひとりの収入によって変動します。


たとえば、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」の基準では、

世帯年収400万円以上の返済負担率は35%以下となっています。


なので、世帯年収600万円の場合でも同じく35%となります。


この場合、年間210万円(一か月約17.5万円)までなら返済していける計算となります。


例えば、

  • 金利:1%
  • 期間:35年間
  • 返済方法:元利均等返済

の条件で組むとすれば、ざっくりと上限6,199万円まで借入可能となります。


ただし、住宅ローンの返済だけで毎月17万円以上も背負ってしまうと、その後の生活が苦しくなってしまうでしょう。


家庭ごとに家計は異なるため、あくまで無理なく返済していける額を目安に組むことが大切です。

年収650万のマイカーローンの相場は195万から260万

年収650万の場合、マイカーローンはいくらまで組めるのでしょうか。  


マイカーローンの借入限度額は、金融機関により異なりますが一般的に年収の30~40%が目安とされています。


なので、年収650万のマイカーローンの相場は195~260万円となります。


ここで注意してほしいのが、住宅ローンや教育ローン、カードローンなど、マイカーローンを含むすべてのローンの合計が年収の30%以上である場合、審査に落ちる可能性があるということ。


なお、これまでのローンの返済状況や勤続年数といった情報を加えて審査が行われ、実際の借入れ額が決まります。





年収650万の家賃の相場は約15万円程度

年収650万の場合、家賃の相場はどれくらいなのでしょうか。


家賃の決め方は、一般的に手取りの3分の1が目安とされています。


なので、年収650万の家賃の相場は約15万円程度となります。

年収650万円の子育て事情を解説【子供の学費をちゃんと払える】


先ほど、夫婦二人+子供一人の家計簿をご紹介し、節約を徹底する必要があると言いましたが、年収650万の場合子供の学費をちゃんと払っていけるのか気になるという方も多いと思います。


そこでここからは、年収650万の子育て事情について掘り下げていきたいと思います。


子育てをするうえで特にお金がかかる部分が「学費」です。


進路によって大きく変動しますが、大きな出費となるのが大学の学費です。

公立校よりも私立校のほうが高くなるため、私立校にかかる様々な学費を見ていきましょう。

授業料入学料施設設備費合計
私立大学904,146円249,985円181,902円1,336,033円
私立短期大学703,287円241,836円173,775円1,118,898円
私立高等専門学校700,744円241,860円94,186円1,036,791円

○集計学校数:私立大学581大学、私立短期大学296大学、私立高等専門学校3校

(参考:文部科学省「初年度学生納付金の調査結果概要」


表の通り、私立校にかかる学費は平均的に

  • 入学料:約24万円
  • 授業料:約77万円
  • 施設設備費:約15万円
となっています。

2年目以降の入学料はかかりませんが、他の部分でお金がかかるため最低でも年間で100万円以上の出費が予想できます。

額面年収が650万円の場合、年間の手取り年収は約499~514万円なので100万円は手取りの2割程度ということになります。

仮に住宅ローンなどを抱えていたとしても、生活費を6割以内に抑えれば子供を私立大学に通わせることはそれほど厳しくないと言えます。






年収650万の老後の生活を解説【2000万円の貯金は可能】


年収650万の老後の生活について解説していきます。


上で述べた通り年収650万のメイン層となるのは50代です。


仮に、51歳から定年の65歳まで、15年間毎月10万円を貯金したとします。

100,000(円)×12(ヶ月)×15(年)=18,000,000(円)

この15年間で1,800万円貯まります。


さらに、50歳までに200万円を貯金していれば、実質2,000万円の貯金が可能となるのです。



年収650万円を超えるためにやるべきコト


年収アップをはかるためには

  1. 今いる会社で昇進・昇給する
  2. 年収の高い職業・業界に転職する
  3. 副業する
この3つのうちのどれかに標準を絞り、目指してみましょう。

➀今いる会社で昇進・昇給する

1つ目は今いる会社で昇進または昇給することです。


日本には毎年決まった時期に昇給する「定期昇給」と呼ばれる制度があります。

この制度がある企業に勤めていれば、企業が決めた時期に毎年昇給が実施されます。


昇給にもいくつか種類があるので、ご自身の勤め先がどういった昇給方法を取り入れているのか改めて確認してみてください。

  • 定期昇給:毎年決まった時期に行われる昇給
  • 臨時昇給:臨時で必要性が生じた場合に行われる昇給
  • 自動昇給:年齢や勤続年数に応じて行われる昇給
  • 考課昇給:勤務成績に応じて行われる昇給
  • 普通昇給:能力向上など一般的な理由で行われる昇給
  • 特別昇給:特別な理由に応じて行われる昇給

②年収の高い職業・業界に転職する

2つ目は年収の高い職業・業界に転職することです。


これに関しては、特別な技術や知識などが必要な場合が多く、容易いことではありません。


しかし、苦労をしたぶん若手のころから安定的に稼げる職種が多いことも特徴です。


現職である程度キャリアを積んだのなら、そこで培ったものを活かせる一歩先の仕事に転職してみてはいかがでしょうか。


③副業する

3つ目は副業することです。


副業を認めている会社に勤めている場合、本業に支障の出ない程度ですることをおすすめします。


副業を禁止している会社に勤めている場合は100%バレますので、副業は諦めましょう。



年収650万結婚事情【年収650万の夫を持つ妻は専業主婦になれる?】


年収650万(昇給あり)の夫を持つ妻は、都内で専業主婦になれるのでしょうか。

結婚事情についても、掘り下げていきたいと思います。


妻の理想

  • 都内賃貸マンション暮らし
  • 子供:2人
  • 私立小学校

結論から言うと、この夫婦の今後の生活はかなり厳しいです。

居住地を「都内」に限定してしまうと、共働きでない限り破綻してしまうでしょう。

年収650万の手取り・生活レベル・家賃やローンの相場まとめ

いかがでしたでしょうか。


今回は、年収650万の手取り額や生活レベルについてお伝えしてきました。


また、家賃やローンの相場、年収アップのコツなどについても触れてきました。


この記事のポイントは

  • 額面年収650万は手取り499万~514万だが、配偶者の有無や扶養者の数により変動する
  • 日本全体では年収650万の割合は低く、50代がメイン層となっている
  • 家賃相場は15万程度、住宅ローンの借り入れ上限額は約6000万円以上だが、無理なく返済できる借入額を設定すべき
  • マイカーローンの相場は195万から260万
年収650万の生活は確かに勝ち組であると言えます。

ただし、扶養者の数や今後背負うローンなどによりセカンドライフが圧迫されてしまう危険があるということも念頭に置いておきましょう。

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