独身の子と親で世帯分離をするメリット、デメリット・注意点、独世帯分離をする際の手続き、実際に独身の子と親で世帯分離をした方へのアンケートを紹介します。「親子間で世帯分離をすると、どんなメリット・デメリットがあるのか知りたい」とお思いの方は、ぜひご覧ください。
この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 独身で親子間の世帯分離をするメリットは?
- 親の介護費・医療費が安くなる可能性がある
- 生活実態に合わせて家計管理がしやすくなる
- 独身で親子間の世帯分離をするデメリット・注意点は?
- 国民健康保険料が高くなる可能性がある
- 高額療養費の“世帯合算”ができなくなる
- 会社の扶養手当・家族手当に影響する場合がある
- うちは世帯分離をすべき?迷ったら無料FP相談でシミュレーションが正解
- 【実際どうだった?】親子間の世帯分離についての体験談
- 親と世帯分離した理由を教えてください
- 世帯分離の結果、どんな変化がありましたか?
- 世帯分離して良かった点・後悔した点があれば教えてください
- 独身で親子間の世帯分離をする際の手続き
- 【まとめ】親子間の世帯分離で迷ったら、FPと一緒に確認が安心
独身で親子間の世帯分離をするメリットは?
親と同居している方の中には「世帯分離をしたほうがいいのかな?」と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論、親子の世帯分離で有利になるのは「親の収入が少ないケース」です。ここでは、同居をしている独身の子と親が世帯分離をする場合に想定できるメリットを紹介します。
- 親の介護費・医療費が安くなる可能性がある
- 生活実態に合わせて家計管理がしやすくなる
親の介護費・医療費が安くなる可能性がある
生活実態に合わせて家計管理がしやすくなる
独身の子と収入の少ない親が世帯分離をすると、生活実態に合わせて家計管理がしやすくなる傾向があります。
具体的に想定できるメリットは以下の通りです。
- 親の介護・医療にかかった費用を管理しやくなる
- 自分の生活費との線引きがしやすい
- 将来の金銭管理(後見制度・任意後見など)に備えやすくなる
独身で親子間の世帯分離をするデメリット・注意点は?
世帯分離にはメリットがある一方、健康保険料や高額療養費、会社の手当などに影響が出る可能性も。
以下で、親子が世帯分離することで想定されるデメリットや注意点を紹介します。
- 国民健康保険料が高くなる可能性がある
- 高額療養費の“世帯合算”ができなくなる
- 会社の扶養手当・家族手当に影響する場合がある
国民健康保険料が高くなる可能性がある
親子が世帯分離することで、国民健康保険料が高くなる可能性があります。
そもそも、国民健康保険料は世帯ごとに一律にかかる定額の「平等割」、被保険者1人あたりに均等にかかる「均等割」、前年中の所得金額に応じて決まる「所得割」で構成されています。
親子が世帯分離し2世帯となると平等割も2倍となり、保険料は高くなることに。
一方、親世帯が世帯分離によって住民税非課税世帯となる場合は、所得が低い世帯の保険料を減額する「軽減措置」の対象となり、保険料が安くなる可能性があります。
高額療養費の“世帯合算”ができなくなる
親子が世帯分離することで、高額療養費の“世帯合算”ができなくなります。
世帯合算とは、同世帯の医療費が合算され、一定の上限を超えた額が戻ってくる制度のこと。
世帯分離によって親子それぞれに上限額が設けられることになり、医療費の負担が増える可能性があります。
会社の扶養手当・家族手当に影響する場合がある
親子が世帯分離することで、会社の扶養手当・家族手当に影響する可能性があります。
会社員(特に独身の子)が受けている扶養手当・家族手当は、「同一世帯であること」が条件になっている場合が多いです。
世帯分離をし受給条件をクリアできなくなると、毎月の手当が支給されなくなり、手取りが減ってしまう可能性があります。
うちは世帯分離をすべき?迷ったら無料FP相談でシミュレーションが正解
【実際どうだった?】親子間の世帯分離についての体験談
実際に親子で世帯分離をした方からの体験談を集めました。
※ 口コミ調査方法:ランサーズ
※ 調査期間:2025年11月19日~2025年11月24日
※ 口コミ内容は回答者の主観的な感想や評価です。
- 親と世帯分離した理由を教えてください
- 世帯分離の結果、どんな変化がありましたか?
- 世帯分離して良かった点・後悔した点があれば教えてください
親と世帯分離した理由を教えてください
親と世帯分離した理由で多かったのは「実際に家計を別にしていたから」(47.7%)。
その他「国民健康保険料を最適化したかった」(18.9%)、「親が住民税非課税世帯になる可能性があった」(16.6%)という理由も目立ちました。
世帯分離の結果、どんな変化がありましたか?
世帯分離をした結果「家計管理がしやすくなった」(25.0%)、「国民健康保険料が安くなった」(25.0%)と感じている方が多いようです。
世帯分離して良かった点・後悔した点があれば教えてください
40代男性
家計の線引きができてケンカが減った
同居だと光熱費や食費、税金の負担割合が曖昧でしたが、世帯分離してからは、それぞれの支出がはっきりして家計管理がすごく楽に。お金の話で揉めることがなくなり、親子関係も前より良くなりました。
50代女性
非課税世帯になって給付金が受け取れた
正社員フルタイムで働く私と年金暮らしの父で同居していました。世帯分離後は、収入の少ない父が住民税非課税扱いに。給付金や軽減制度の対象になって、思っていた以上に家計の負担が減りました。
30代女性
手続きが自分で完結できてストレスが減った
以前は親の保険や税金の書類が全部私宛になっており、何かと窓口に行く必要がありました。世帯分離してからは書類が親宛に届くようになったので、親の手続きは親で完結。本当にラクになりました。
世帯分離して良かったことで最も多かったのは「家計管理がしやすくなった」(38.1%)でした。
なかには「医療・介護費の自己負担が下がった」(19.6%)、「親が住民税非課税世帯になった」(15.9%)など家計の負担が軽減された方もいらっしゃるようです。
60代女性
国保が高くなり、世帯分離した意味がなかった
私の年金とパート収入が多く、世帯分離しても国保の金額がほとんど変わりませんでした。むしろ負担が増えたので、無理に分けなくてもよかったのかも…と少し後悔しています。
30代男性
扶養手当がなくなり結果的に損をした
世帯分離したことで会社の扶養手当の対象外になり、気づいたら毎月の手取りが減っていました。親の国保は安くなったものの、トータルでマイナスに。会社の制度を事前に調べなかったことを後悔しています。
60代男性
世帯分離後に病気が見つかり将来が不安に
世帯分離後に自分の病気が見つかり、今後治療が続く可能性があります。世帯分離したことで高額療養費の“世帯合算”が使えなくなると知り、いざという時の負担が増えるのではと不安が残りました。
世帯分離して後悔したことで多かったのは「思ったほど家計メリットが出なかった」(28.0%)、「国民健康保険料が高くなった」(23.4%)でした。
独身で親子間の世帯分離をする際の手続き
- 世帯主をどちらにするか決める
- 市区町村の窓口で「世帯分離をしたい」旨を申し出る
- 世帯変更届を提出する
- 住民票が2つの世帯として登録される
- 保険・税金の再計算が行われる
- 国民健康保険・介護保険の窓口で保険料の再計算手続きをする
- 必要に応じて、勤務先にも報告する
- 本人確認書類
- マイナンバーカード
- 国民健康保険資格証明書(マイナ保険証を利用していない場合)
- 介護保険被保険者証
- 印鑑
【まとめ】親子間の世帯分離で迷ったら、FPと一緒に確認が安心
本記事では、独身の子と親で世帯分離をするメリット、デメリット・注意点、独世帯分離をする際の手続き、実際に独身の子と親で世帯分離をした方へのアンケート結果を紹介しました。
<結論>
独身の子と親が世帯分離をした方がいいかどうかは、収入や医療費・控除の利用状況によって異なります。
「国民健康保険料が下がりそうだから」「介護費を抑えられそうだから」と安易に世帯分離をしてしまうと、後に思わぬ落とし穴にはまる可能性も。
実際に手続きをする前に社会保険や税金、家計管理に精通したFPと一緒に、世帯分離前後の家計を綿密にシミュレーションしておくのがおすすめです。
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