▼この記事を読んでほしい人
- 老後資金が本当に必要なのか疑問に感じている人
- 老後資金をこれまで貯めてこなかった人
- 老後資金は必要ないと思っている人
- 老後資金がない場合の老後の生活について知りたい人
内容をまとめると
- 老後資金は必要ないという意見もある
- 今後の社会情勢を考えれば、老後資金は貯めておくべき
- 最悪の状況を考えれば2000万円程度貯める必要がある
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老後資金について不安を持っている方は非常に多いですが、本当に老後資金は必要なのでしょうか。老後2000万円問題などが一時期問題となり世間を賑わせたのも記憶に新しいですが、実際には老後資金が必要ない人もいます。正しい知識を身につけ老後に備えていきましょう!
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 老後資金が必要ない場合もある
- ケース①収入が多い
- ケース②支出が少ない
- 老後2000万円問題は大ウソ?!
- 2000万円の算出方法
- 支出内訳の詳細
- 2020年のデータで計算すると55万円
- 重要なのは個人で老後資金について考えること
- 年金のみで老後の生活を送った場合の生活イメージ
- 【夫婦・持ち家の場合】
- 【独身・持ち家の場合】
- 【夫婦・賃貸の場合】
- 【独身・賃貸の場合】
- 老後資金を貯めた方がいい理由
- 理由①社会情勢の変化が読めないから
- 理由②生活レベルを変えることは困難だから
- 理由③突然の出費に備える必要があるから
- 老後資金の効果的な貯め方2選を紹介
- ①つみたてNISAの利用
- ②iDeCoの利用
- まとめ:老後資金は必要ないかもしれないが貯めた方が安心
老後資金が必要ない場合もある
「老後への備えをしておかないと、将来年金だけでは生活できません」という主張に聞き飽きた人はいませんか?
「私は老後なんかより今を楽しみたいんだ!」と考えている人もいるでしょう。実は、老後資金が必要どうかは人によって大きく異なり、必要ない人もいます。
老後資金が必要ない場合を2つ紹介します。
- 収入が多いので老後の家計が赤字にならない
- 支出が少ないので年金が少なくても生活できる
ケース①収入が多い
老後資金が足りないという主張は、夫婦の年金給付額の平均を月約21万円と算出していることから生まれています。どちらか一方だけが会社員・公務員で、もう一方は専業主婦/夫の場合です。
そのため、会社員・公務員で40年間共働きすれば収入が多くなり、ほとんど老後資金を用意しておかなくても十分生活できます。
仮に、共働き夫婦で40年間働けば、双方の収入にもよりますが月24万円~30万円程度の年金が給付されます。この金額なら、老後の平均生活費約26万円のほとんどを賄うことができ、年金給付額によっては生活費の不足は発生しません。
ケース②支出が少ない
仮に収入が少なくても、その分支出が少なければ老後資金は必要ありません。
平均生活費月26万円は、あくまで夫婦の平均的な生活費です。娯楽費なども含んでいますので、徹底的に食費や娯楽費を切り詰め、持ち家で毎月の負担も少なくすれば月20万円程度で済ませることは可能です。
生活費が月20万円で済むなら、平均的な年金受給額月21万円でも足ります。
老後2000万円問題は大ウソ?!
老後資金が必要だという主張をする人は、老後2000万円問題を根拠にします。一方で、老後2000万円問題自体がウソだという主張もあります。
ここでは、老後2000万円問題とその真偽について解説します。
- 2000万円の根拠
- 支出の中身について
- 2020年のデータで算出するとほとんど老後資金は必要ない
2000万円の算出方法
老後2000万円問題の根拠は、2017年に金融庁から発表された報告書にあります。平均的な老齢夫婦の生活費と年金給付額が、下記の通り毎月約5万円不足しています。
- 平均収入:20万9198円
- 平均支出:26万3718円
支出内訳の詳細
ただし、この平均支出にはおかしな点があります。その他消費支出に5万4028円もかかっています。
おそらく旅行などを想定していると思われますが、そもそも毎月旅行に行くでしょうか?2020年3月以降コロナが国内でも広まって2年近く経ち、旅行が好きだった人でも回数は大きく減ったはずです。
単純にその他消費支出を5万円削減すれば、老後資金の不足は毎月4000円程度に激減します。30年生活しても144万円の不足で済みます。
2020年のデータで計算すると55万円
また、老後2000万円問題は2017年のデータから算出しています。2020年の家計調査を元に計算すると、全く違った数値が出ます。
- 平均収入:25万7763円
- 平均支出:25万9304円
重要なのは個人で老後資金について考えること
重要なのは、個人で自分の老後資金について考えることです。「平均で食費が6万円かかるから6万円用意しないといけない」ではなく、「本当に6万円必要なのか」と自分の生活様式に照らし合わせて、本当に必要な資金を具体的に算出しましょう。
「老後2000万円問題と言われているから2000万円貯めなきゃ。でもそんなに貯められるわけがない。もう無理。」などと思考停止するのは間違っています。
まずは、自分の今の収支を把握しましょう。特に支出の把握は、老後だけでなく家計管理として必ず必要になる場面が出てくるので、今のうちからやっておくのがおすすめです。
その上で、老後の生活をどうしていくか考えてください。
- 今と同じくらいの支出で暮らす
- 今より少ない支出で慎ましく暮らす
- 今より多い支出で贅沢に暮らす
年金のみで老後の生活を送った場合の生活イメージ
仮に年金のみで老後の生活を送る場合の生活イメージをご紹介します。夫婦か独身か、持ち家か賃貸かの4つに分けて解説するので、自分の将来イメージに最も近い場合を参考にしてください。
- 夫婦で持ち家
- 独身で持ち家
- 夫婦で賃貸
- 独身で賃貸
【夫婦・持ち家の場合】
夫婦で持ち家の場合、共働きか片方が専業主婦かによって異なります。共働きなら毎月の生活費についてはほとんど不足額は発生せず、一時的な支出のみです。
片方が専業主婦の場合は、月5万円前後不足するため、30年で1800万円となり、一時的な支出も加えれば約2000万円になります。
ここに介護費用も加われば、2000万円では不足する場合もあります。
【独身・持ち家の場合】
独身で持ち家の場合、もう少し老後資金は少なく済みます。
- 平均生活費:約14万円
- 平均年金支給額:約11万円
【夫婦・賃貸の場合】
夫婦で賃貸の場合は、毎月の家賃を考慮しなければいけません。今回は、賃貸住宅について下記条件で計算します。
- 埼玉県内の1LDK物件で月6万円(埼玉県郊外)
- 30年間居住
【独身・賃貸の場合】
独身で賃貸の場合、賃貸住宅について下記条件で計算します。
- 埼玉県内の1LDK物件で月5万円(埼玉県郊外)
- 30年間居住
老後資金を貯めた方がいい理由
老後資金が必要ないなどという話をしましたが、一般的には貯めておいたほうがいいです。老後は何が起こるかわかりませんし、毎月の生活費さえ賄えればよいという話でもありません。
ここでは、老後資金を貯めたほうがよい理由を3つ解説します。
- 社会の変化が読めない
- 生活レベルを下げるのは難しい
- 突然の出費に対応しなければいけない
理由①社会情勢の変化が読めないから
日本は少子高齢化が進み、社会情勢の変化が読めません。年金受給額はさらに引き下げられる可能性があるだけでなく、受給開始年齢も70歳以降に後ろ倒しされる可能性も否定できません。
すでに年功序列の崩壊が始まっているほか、退職金は確実に減少しています。全く老後資金を備えていなかった場合、想定外の変化が起きれば対応できなくなります。
楽観的な想定をするより、ある程度悲観的な想定をした上で備えるほうが無難です。
理由②生活レベルを変えることは困難だから
「老後で年金が少ないなら、それに合わせて生活レベルを下げればいいじゃないか」という考え方をする人もいますが、甘いです。
生活レベルは上げるのは簡単で、下げるのは非常に難しいです。そもそも、そんなに簡単に生活費を下げられるならば、生活費補填のために借金する人はいないはず。
実際は、カードローンなどの借金の大半は生活費の補填です。ましてや、定年まで老後資金を一切貯めずに自由気ままに生活していた人が、いきなり年金だけで暮らすような徹底した節約生活ができるでしょうか。
ほぼ100%無理だと思います。
現役世代のうちから収支を把握し、老後の生活も賄えるような状況にしておくことは大切です。
理由③突然の出費に備える必要があるから
毎月の老後の生活費だけ工面できればいいわけではありません。
- 住宅の修繕費
- 介護費用
- 病気
老後資金の効果的な貯め方2選を紹介
老後資金は、高収入の人なら貯金だけで貯められるかもしれませんが、一般的な収入以下で貯めるのは難しいです。
国の制度を活用し、運用で貯めていくことで、低収入でも貯めやすくなります。効果的な貯め方を2つ紹介します。
- つみたてNISA
- iDeCo
①つみたてNISAの利用
つみたてNISAは、少額投資非課税制度のことです。
毎年40万円を上限として20年間積み立てることができ、合計800万円から生じた投資による利益が非課税になります。
本来、投資による利益は利子配当所得となり20.315%課税されますが、これが一切かからないのは大きいです。100万円の利益があれば約20万円分の税金がかかりません。
また、金融庁が購入できる商品を厳選しており、日本で販売されている4000本以上の投資信託やETFのうち、200本程度に絞られています。
長期投資に合う商品ばかりなので、初心者でも安心して選べます。
②iDeCoの利用
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、私的年金制度です。
毎月1.2万円~6.8万円の上限額が定められており、会社員・公務員・自営業者によって細かく決められています。
つみたてNISAと同様に運用益が非課税になるほか、毎月の掛金に所得控除が受けられたり、受取時に一時金として受け取ることで退職所得控除を受けることができます。
60歳まで引き出せないペナルティがありますが、その分節税メリットが大きい制度です。
まとめ:老後資金は必要ないかもしれないが貯めた方が安心
ここまで、老後資金について解説しました。
- 老後資金は要らないという見方もあるが、一般的には貯めておくべき
- 仮に持ち家でも、最悪の想定をすれば2000万円程度は必要
- 今後の社会情勢や国の制度は改悪される可能性もある
- 家計相談
- 住宅ローンに関する相談
- 保険の見直し