内容をまとめると
- 役員借入金の清算方法は「暦年贈与」「DESの活用」「債権放棄・債務免除」があるが、基本的に都度返済したり、役員報酬を調整したりして債務を減らす必要がある。
- 会社の清算方法には「特別清算」と「破産」の2種類がある。
- しかし、清算前に発生する大きなリスクとして、「経営者や役員の死亡時に発生する相続税」が多額になるので、債務超過となる前に「法人保険」でリスク対策をしておくべき
- 経営者や役員の独断でリスク対策を進めると、誤った判断をしてしまう可能性があるので、「丸紅グループが運営するマネーキャリア」のような法人保険に特化した無料相談サービスを使う企業も増えている。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
【前提】精算と清算の違いとは
- 精算:「経費を精算する」など、発生した金額に対して正確に計算をすること
- 清算:資金の貸借を整理して、過去の関係性を解消すること
会社の解散前に役員借入金を含む借入金を清算する方法とは
すぐに返済できる役員借入金は都度清算する
役員借入金であっても、すぐに返済できる役員借入金は都度清算しておく必要があります。
銀行からの借入金(事業融資)とは異なり、審査や借入金振り込みまでの期間が短い点が役員借入金のメリットです。そのため、経営者自身や役員から法人へ貸付しやすく、気づいたときにはすぐの返済が難しいほど多額になってしまうケースもあるのです。
また、役員借入金は返済期限や利息が任意で設定できるので、返済を後回しにされがちです。したがって、役員借入金として借り入れる際には、常に残高をチェックしつつ、都度返済する意識が大切です。
役員報酬を下げて返済する
下げた分の役員報酬のうち、経営者や役員の貸付金の回収に充てられれば、法人と経営者・役員の負担を増やすことなく回収できます。
ただし、役員報酬の減額は「役員の地位の変動」もしくは「事業年度開始3ヶ月以内」に決められています。そのため、「一時的な資金繰りのため」「会社の業績が悪く当該年度が赤字になってしまったため」だけの理由では役員報酬の減額が認められない点に注意しましょう。
暦年贈与をする
暦年贈与(1月1日から12月31日の1年間の贈与が基礎控除分の110万円以下の場合は、贈与税がかからない仕組み)を活用して、役員借入金を清算するのも方法のひとつです。
役員借入金を借り入れている役員が多い場合では、受贈者ごとに暦年贈与が適用されます。仮に役員が2人の場合は1年間で合計220万円以下であれば贈与税がかかりません。
ほかにも、たとえば50歳から70歳まで暦年贈与をした場合は2,200万円分が、非課税贈与となります。
とくに、後継者が直系の親族などに確定しているケースや、受贈者の年齢が若いケースで用いられる手法です。
DESを実施する
DES(デット・エクイティ・スワップ:債務の株式化)を実施して、借入金を清算する方法もあります。
DESとは経営者や役員が持つ債権を株式に振り替え、法人が持つ債務を清算しつつ、資本金を増加させることを指します。振り替えた分は資本金となるので、銀行からの融資を受けやすくなったり、キャッシュフローを改善できたりする点がメリットです。
しかし、法人住民税の均等割額の負担が増加したり、経営者や役員側では、債権の元本補償が無くなるリスクがあったりする点がデメリットです。また、DESは財務状態が悪く債務超過の状態から脱却するために実施されるケースが多いので、実施は慎重に検討しなければなりません。
そのため、マネーキャリアのような、無料で何度でもプロのファイナンシャルプランナーへ相談できるサービスを活用し、役員借入金をはじめとした事業リスク対策を進める経営者の方も多いのです。
関連記事:DESとは?役員借入金はDESで自己資本比率を高めるべきかも解説
債権放棄・債務免除をする
債権放棄・債務免除をしても役員借入金の清算ができます。
債権放棄や債務免除では、「法人(債務者)」と「経営者や役員(債権者)」での双方の合意がなければ成立しません。また、債権放棄をしたことの証拠として、内容証明付きの「債権放棄通知書」や、取締役会の議事録が必要になります。
一方で、債権放棄や債務免除が成立した際に、法人側では債務免除益(債務の免除によって発生した利益)に対して法人税が課税されます。
上記ケースでは、繰越欠損金と相殺ができるものの、債務免除益が繰越欠損金の範囲内である必要があります。
関連記事:【すぐわかる】役員借入金の債権放棄・債務免除とは?
代物弁済をする
代物弁済とは、「法人」と「経営者・役員」双方合意のもと、現金以外の別の資産で弁済をすることを指します。
一方、代物弁済をする時期が、退職前と退職後では異なります。退職前では毎月の報酬が決まっている経営者、および役員に対して代物弁済をした際に、弁済した資産価額が報酬を上回った分は課税対象になり損金算入ができません。
退職後に代物弁済をした場合では、役員借入金を上回る価額の資産で弁済すると、上回った分の差額は税務上「退職金」としての扱いとなります。そのため、損金算入ができるうえに、課税にならない可能性があるのです。
したがって、「いつ代物弁済をするか」が重要になるので注意しましょう。
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会社そのものを清算する方法とは
以下では、債務が残っている会社そのものを清算することになった場合に、選択できる2つの方法を紹介します。
本来であれば、会社の解散・清算となってしまう事態とならないようにすべきですが、万が一の事態にも備えておく必要があるのです。
特別清算をする
特別清算とは「会社法」にもとづいて、債務超過の会社を清算するために実施する手続きを指します。
原則として「債権者と株主の同意」が必要になるので、債権者への返済が可能であればスムーズに清算手続きを進められる可能性があります。
また、協定によって手続きを進める方法と、債権者と和解して手続きを進める2種類がありますが、いずれの場合でも債権者の3分の2以上の同意が必要になる点に注意しましょう。
一方、合同会社や特例有限会社、個人事業主は法律上特別清算ができないので、清算する場合は破産手続きを進めることになります。
破産をする
破産とは「破産法」にもとづいて、会社を清算する手続きを指します。
特別清算と異なり、債務者自身で申し立てできる点や、債権者の同意が不要な点が特別清算と異なります。一方、破産管財人(破産者の財産を管理・処分できる権利がある人)に「否認権」があるので、破産者がおこなう私的整理に対して、その効力を否定できるのです。
破産は裁判所の力を借りつつ、強制的に会社を清算する手法です。そのため、役員借入金がある場合には債務免除になるケースが多いです。
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代表者が死亡した場合の役員借入金の相続に関して
役員借入金は会社にとってはプラスの財産になるので、貸し付けている経営者や役員が死亡した場合、貸付金に対して相続税が発生します。
そのため、貸付金を相続した人は相続税の支払い義務が発生します。さらに、赤字であるだけや資金繰りが悪いだけでは、相続税の法的効力は無くならないので、多額の相続税の対策が必要となるのです。
役員借入金を億単位で借り入れていた場合、金額によっては相続税が数千万円にもおよぶことがあります。上記リスクに対応するためにも、マネーキャリアのような無料相談サービスを使って、リスク対策をする会社も増えているのです。
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【無料】事業リスクへの対策がすぐにわかる方法とは
以下では、無料で事業リスクへの対策が簡単にわかる方法をご紹介します。
役員借入金を清算するにはさまざまな方法がありましたが、基本的に返済できるうちに、都度解消しておくことが大切です。しかし、役員借入金の特性上、返済期限や利息は任意で設定できるので、返済が後になりがちです。
そのため、会社の財務状況が悪い状態になってしまったときには、返済できないほどに膨らんでしまううえ、経営者や役員が万が一亡くなってしまった場合は多額の相続税問題が発生してしまうのです。
上記のようなリスクへ対応するには、生命保険を活用すると、万が一へのリスク準備が可能です。しかし、事業形態によって最適な保険は異なるので、独断で判断するのは困難です。
したがって、何度でも無料でプロのファイナンシャルプランナーへ相談できる、マネーキャリアの利用が必須です。
丸紅グループが運営するマネーキャリアでは、将来の事業リスクに対し、自社の状況を総合的にヒアリングをしたうえで、法人保険の提案を中心にどのようにリスクに備えるべきかの提案が受けられます。
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法人保険の活用事例集
役員借入金の清算方法やリスク対策まとめ
ここまで、役員借入金の清算方法6選や万が一会社を清算することになった場合の方法、リスク対策までを紹介しました。
役員借入金の清算方法は「暦年贈与」「DESの活用」「債権放棄・債務免除」などがありましたが、基本的に返済できる金額であれば都度返済したり、役員報酬を調整したりして債務を減らしていく必要があります。
また、会社の清算方法には「特別清算」と「破産」の2種類がありましたが、清算前に発生する大きなリスクとして、「経営者や役員の死亡時に発生する相続税」も無視できません。
そこで、債務超過とならないように多くの会社では、マネーキャリアのような無料で何度でも相談できるサービスを活用し、リスク対策を確実に遂行しているのです。
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