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通院の際のタクシー代は医療費控除の対象となるのでしょうか。この記事では、通院の際のタクシー代が医療費控除の対象となるかについて解説しています。また、付き添いの人や、コロナを理由にタクシーを利用した場合のタクシー代についても説明しているので、ぜひお読みください。

この記事の目次

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通院のタクシー代は医療費控除の対象になる?



年間の医療費が1世帯あたり10万円を越した場合に申告できる医療費控除


医療費控除をすることで税金が安くなるため、医療費がかかった年は確定申告で医療費控除の申請をしている方も多いかと思います。


その際使用するのが、受診した医療機関や薬局の領収書です。


しかし、病院の領収書以外にも取っておいた方がいい領収書があります。


それは通院に使ったタクシー代の領収書です。


基本的にタクシー代は医療費控除の対象外ですが、対象となる場合があるのをご存知ですか?


もし控除の対象を知っていれば、漏れなく申請することでお金が多く戻ってくる可能性もあります。


そこで今回の記事では、通院にかかるタクシー代が医療費控除の対象かについて

  1. 医療費控除の対象となる交通費の定義とは?
  2. こんな場合がタクシー代も医療費控除の対象になる
  3. 医療費控除の申請方法を紹介!(e-tax、郵送)
  4. コロナを理由にタクシーを使ったら医療費控除の対象?
以上のことを中心に説明します。


この記事を読んでいただけたら、医療費控除の対象や申請方法について詳しくなれるかも!


ぜひ最後までご覧ください。


マネーキャリアでは、他にも医療費控除など保険全般に関する記事を掲載していますので、お悩みの方はほかの記事も参考にしてください。

タクシー代は特別な場合を除き医療費控除の対象外

タクシー代は特別な場合を除き、基本的に医療費控除の対象外になります。


例えば、妊婦健診のため通院時タクシーを使った場合、これは控除の対象外です。


里帰り出産をするために、実家に戻る際かかった料金についても控除の対象外となります。


また、公共交通機関での通院が可能にも関わらず、楽をしたいからなどの理由からタクシーを利用した際のタクシー代も控除の対象外となります。


では、特別な場合とはどんな場合なのか知りたいですよね。


国税庁のホームページを見ると、所得税法施行令第207条に医療費控除の対象となる交通費の定義が記されています。


それによると、①「病院、診療所、老人保健施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価のうち、病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」と、②「医師等による診療等を受けるための通院費のうち、その診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要なものに限る」と記されています。(所得税法施行令第207条、所得税基本通達73-3)。


要するに、高額でない常識の範囲内の金額で、通院のために公共交通機関(電車やバス)の利用が難しくタクシーを利用せざるを得ない場合は医療費控除の対象となります。

タクシー代が医療費控除の対象となる場合は?

タクシーを利用せざるを得ない場合とはどのような場合なのでしょうか。

法律の文章を読んだだけでは判断が難しいですよね。

具体的にタクシー代が医療費控除の対象となる場合には、以下の2つが考えられます。
  • 本人の様態が急を要する場合
  • 公共交通機関が利用できない場合
ここでは、これらの場合について詳しく解説していきます。

①様態が急を要する場合

妊婦が突然の陣痛で、出産のために病院へ向かう際タクシーを利用した場合。


これは医療費控除の対象になります。


通常の妊婦健診では、通院にかかった公共交通機関の料金は控除対象ですが、タクシー代は控除の対象外です。


しかし陣痛のように、急を要する場合はタクシーを利用したとしても控除の対象となります。


陣痛が来た時は辛くて領収書をもらう事ができないかもしれませんが、後日受け取れる可能性が高いので確認してみてください。


最近は、陣痛タクシーという事前登録システムがタクシー会社ごとにあるため、事前登録をすることで陣痛時のタクシー代を後払いにすることもできます。


なお補足ですが、事態が急を要する場合に利用したタクシーで高速道路を使用した際の高速料金も医療費控除の対象となります。



②公共交通機関が利用できない場合

足腰が弱く歩行困難で公共交通機関を使うことができない高齢者や、病状悪化のため公共交通機関を利用できずに通院時タクシーを利用する場合も医療費控除の対象となります。


また、公共交通機関が利用できない深夜帯などに急を要する受診の場合も、その時利用したタクシー代は医療費控除の対象となります。


どの場合も、タクシーを使わないと通院することができないというのがポイントです。



付き添いの人のタクシー代は原則として医療費控除の対象外

ここまでは通院する本人がタクシーを利用した場合位医療費控除の対象になるのか、について解説してきました。


では、通院時に付き添いしてくれる人のタクシー代は医療費控除の対象なのでしょうか?


残念ながら、付き添いの人のタクシー代は原則として控除の対象外です。


ですが、症状や年齢により1人では通院することが難しい人に付き添う場合のみ控除の対象

なります。


例えば、

  • こどもの通院に母親が付き添う場合
  • 高齢のため1人では通院することが難しく親の通院に付き添う場合

これらにかかるタクシー代は医療費控除の対象です。


しかし、

  • 1人で通院できなくはないけど、心配だから付き添った
  • 入院中の子供や親に見舞いへ行くためにタクシーを使った

こちらは控除の対象外となります。


線引きが難しく感じますが、通院に必要なタクシー利用のみが医療費控除の対象だと考えるとわかりやすいかと思います。

タクシー代の領収書は忘れずに受け取ろう

知ってる方も多いとは思いますが、2017年から医療費控除の申告方法が大きく変わりました。


医療費控除の申告で使う領収書を税務署に提出する必要がなくなった代わりに、医療費控除の明細書を記載する方式になりました。


また、確定申告後5年間は申告時に明記した領収書を保管しておくことが義務付けられています


後日税務署から提出を求められる場合もゼロではないため、申告が終わったからといって領収書を捨てないよう注意しましょう。


もし領収書をもらい忘れた、無くしてしまったなどがあれば次の対応を検討してください。

  1. タクシー会社に領収書の再発行が可能であるか確認する
  2. クレジットカードで支払った場合、利用明細が領収書代わりになる
  3. ICカードや電子マネーの利用履歴を領収書代わりとして保存する

医療費控除の申告方法を紹介!

ここまでは医療費控除の対象となるタクシー利用や、その際の領収書が必要だということを解説してきました。


次に、医療費控除の申告方法についてお伝えしていきます。


現在、申告方法は2つあります。

  1. e-taxを利用してパソコンやスマートフォンから申告
  2. 必要書類を税務署へ郵送して申告

大まかにどちらも申告方法は同じですが、e-taxの場合は申請書類を印刷し郵送するという手間が省けます(ただ、控えを手元に印刷しておくとなお良しです)。


補足ですが、会社員の方で年末調整が終わっており医療費控除のみを申告する場合(還付申告)は、自営業者などが確定申告を提出する期間より早く申告が可能な場合がほとんどです。


確定申告の期間より早めに申告することで、ネット上でも郵送の場合でも通常より早く還付金が手に入るので早めの申告をオススメします。



①e-Taxを利用してパソコンやスマホで申告をする

e-taxとは、所得税などの税金の申告や法定調書の提出などをインターネットを通じて実施できるオンラインサービスの総称です。


以前は確定申告は税務署で行うことが多く、確定申告の時期になると大変混雑し待ち時間が長くなることも当たり前でした。


ですがe-taxを利用することで、税務署へ必要書類を提出しに行く手間が省けます。


その待ち時間がなくなることで、昨今だと新型コロナウイルスに対する予防行動にもなりますね。


ではまず、e-taxを利用したことがない人向けに解説していきます。


e-taxを利用し、申告するまでの流れは以下の通りです。

  1. 利用者識別番号を取得
  2. 手続きをするソフト・コーナーを選択
  3. 申告データを作成し、送信
  4. 送信結果を確認

まず①利用者識別番号の取得についてですが、e-taxを利用する場合は16桁の利用者識別番号の取得が必要です。


取得方法は簡単で、e-taxのホームページを開き、「e-taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」から開始届出書を作成・送信することで利用者識別番号を取得できます。

他には、マイナンバーカードと連携させて利用者識別番号を取得する方法と、税務署へ直接赴き対面で職員による本人確認を経て取得する方法があります。

次に②の手続きをするソフト・コーナーを選ぶについてですが、こちらは個人での申請の場合はe-taxソフトということろをクリックしてもらえれば問題ありません。(法人での申請では細かくソフト・コーナーが別れているようですが、今回はその説明は省略します)

e-taxソフトをクリック後、③申告データを作成し、送信の作業へ移ります。

所得控除の種類に医療費控除があるので、そこで入力するをクリックすると「医療費控除を適応する」と「セルフメディケーション税制を適応する」とでます。

ここでは「医療費控除を適応する」を選択して下さい。(セルフメディケーション税制については今回の内容とは関係がないため説明は省略します。知りたい方は厚労省のホームページに詳細が載っていますので参照してみてください。)

その後医療費を入力する画面に移ると思いますが、入力方法の選択ができます。

自分が1番入力しやすいもので明細書を作成しましょう。

タクシーを利用した人と領収書に記載されている金額を入力していきます。(付き添いの人の分の入力もできます)

流れに沿って入力が完了すると、最終確認画面が出てくるので、入力漏れがないかを確認後送信して下さい。

送信が完了すると、送信結果を確認する画面が出てきます。

その際、提出した内容が記載されている控えの画面が出るので、ぜひ控えは印刷して保管しておいてください。

以上がe-taxでの申請方法です。

医療費控除の明細書にタクシー代を記入する方法については、後に詳しく解説しますのでぜひこのままご覧ください。

②必要書類を所轄税務署に郵送して医療費控除の申告をする

e-taxの利用ではなく必要書類を郵送し医療費控除を申告する場合、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーにて申告書を作成することができます。



そこで作成した申告書を印刷し郵送することで、医療費控除の申告ができます。


提出する申告書を印刷すると、郵送時に入れ忘れがないようチェックシートも一緒に印刷されるので、チェック内容に沿って必要書類を確認し郵送しましょう。


郵送時はできれば追跡可能な簡易書類等で郵送するのがベストです。

医療費控除の明細書にタクシー代を記入する方法を紹介!

医療費控除の明細書にタクシー代を記入する方法についてですが、大まかな流れは前述した通りです。


ですが、毎回の通院時のタクシー代を入力するのはとても大変です。


ネットで申告する場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーにある医療費集計フォームを利用しましょう。


この医療費集計フォームに今まで利用したタクシー代を入力・保存しておくと、医療費控除の入力画面でデータ読み込み操作を行うことで入力内容を反映させることができます。


医療を受けた人ごとに、病院や薬局別に通院にかかった交通費を入力して下さい。


その際、入力場所を間違えないように注意して下さい。


医療費集計フォームでのタクシー代の入力場所は、「その他の医療費」欄に入力します。


手書きの場合は、医療を受けた人ごとに病院や薬局別に通院にかかった交通費を事前に取りまとめておき、「その他の医療費」の□欄にチェックを入れ金額を明記して下さい。


記載・入力方法がわかりにくいという方は、国税庁のホームページの確定申告書等作成コーナーによくある質問があります。


その質問コーナーに、病院に行くための通院費の入力方法について記載があるので参考にしてみましょう。

自家用車の駐車代やガソリン代も医療費控除の対象外

通院に必要とされるタクシー利用については医療費控除の対象と説明しました。


ですが、通院に必要だからと言って自家用車の駐車代やガゾリン代は医療費控除の対象外となります。


何が違うのかというと、「他者から受けたサービスに関して支払いをした場合」というところがポイントです。


バスや電車であれば、運転手が行うサービス(労働)に対して支出をしたことになります。


これは他者が行ったサービスのため、控除の対象となります。


一方で、自家用車を利用しての駐車代やガソリン代は自身が購入や利用したことによる対価となり、これは医療費控除の対象外となります。


線引きが難しいところではありますが、判断に困った際には税務署に確認してみましょう。

コラム:コロナを理由にタクシー代は医療費控除の対象できる?

突如現れた新型コロナウイルス感染症。


新型コロナウイルス感染拡大の影響により、私たちの生活は大きく変わりました。


未知のウイルスに感染することは、どんな人であれ怖いことです。


ましてやそれが通院している、いわば持病を抱えている人なら尚更感染したくないと思います。


予防の観点から世間では3密を避ける働きかけが当たり前になっており、国民一人一人の意識も変化してきています。


それは普段の生活だけでなく、通院時の交通手段にも関わってきます。


3密を避けるためにタクシーを利用する人も増えています。


では、コロナを理由に通院時タクシー利用した場合は医療費控除の対象となるのでしょうか。



①コロナの疑いがある場合のタクシー代は医療費控除の対象

新型コロナウイルスに感染した疑いがある場合、病院へ受診する際に利用したタクシー代は医療費控除の対象となります。


コロナ感染している可能性がある以上、ほかの人に感染させてしまうリスクがあります。


そのため、感染予防の観点から通院するのにタクシー利用は必要だと判断されます。


よって控除の対象となることがほとんどです。


ただ、コロナ関連でのタクシー利用に関してはまだ線引きが難しいところもあるのも事実です。


不安や不明点がある場合は税務署に確認しましょう。

②コロナの感染防止のためのタクシー代は対象外

コロナに罹りたくない、と自主的な感染予防のために利用したタクシー代は医療費控除の対象外となります。


一見コロナを理由とした自主的な3密回避によるタクシー利用は控除の対象になりそうですが、実際は対象外となる場合がほとんどです。


理由としては急を要していないこと、公共交通機関を利用して通院ができるにも関わらずタクシーを利用したという点が対象外と判断されるためです。


自分がコロナに感染している可能性があったり、濃厚接触者でない限りは控除の対象外となります。

まとめ:タクシー代は特別な場合を除いて医療費控除の対象外

タクシー代が医療費控除の対象となるかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • タクシー代は特別な場合を除き医療費控除の対象外!
  • 医療費控除の対象・対象外となるタクシー代とその具体例
  • タクシー代の医療費控除申告方法

でした。


通院時にかかるタクシーなどの交通費は、積み重なると大きな金額になります


医療費控除の対象になる場合を想定して、タクシーを利用した際は領収書を忘れずに取っておきましょう。


マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい医療費控除などについて記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。