毎年5〜6月になると会社から受け取る「住民税決定通知書」はもう確認しましたか?自営業やフリーランスの方は市町村から郵送で自宅に届きます。その年にいくら住民税を納めるのかが記載されているだけでなく、前年の所得(収入)や節税のポイントが記載されています。ふるさと納税や住宅ローン控除、iDeCoを取り組んでいるかたは必ずチェックしておきましょう。こちらのページでは「住民税決定通知書」で見るべきポイントをまとめてみました。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
そもそも住民税決定通知書とは?
住民税決定通知書とは前年の所得をもとに算出し決定した住民税の税額を通知する書類で、「今年1年間、この金額を住民税としてお給料から天引きします、もしくは通知書で支払いをお願いします」というお知らせになります。
住民税とは「市町村税」と「道府県民税」を合わせた税金で、毎年1月1日時点で住民票がある都道府県・市町村に対して納める税金のことです。
会社員の場合は毎月の給与から住民税が天引きされますが、自営業やフリーランスの方は、納付書を使って、住民税を支払う必要があります。
住民税決定通知書で確認したい3つのポイント
住民税決定通知書は6つに分かれて記載されています。
1つ目は「所得控除」の部分をみていきましょう
「給与所得」から差し引かれる所得控除が記載されるところであり、 基礎控除や配偶者控除等など自身が受けている所得控除が載っています。
人によって控除の内容が異なります。 年末調整で申告した控除内容に漏れがないかチェックしましょう。
- 生命保険料控除・地震保険料→生命保険料控除
- iDeCo→小規模企業共済等掛金
- 病院・出産費用→医療費控除
- 税法上の扶養→配偶者(特別)控除等
2つ目は「摘要欄」の部分をみていきましょう
ここでふるさと納税のチェックができます。
ワンストップ特例の場合は 記載の市税と道府県民税の合計金額が「寄付額ー2000円」になっていれば、 正しく処理されていることがわかります。 数円程度誤差があることもありますが、大きく金額に相違なければ問題ありません。
確定申告の場合は ①所得税率をチェック※ ②所得税からの控除額=(納税額ー2000円)×所得税の税率×1.021 ③住民税からの控除額=適要欄の市民税+県民税 →2と3の合計額が「寄付額ー2,000円」に合致していれば、正しく処理されています。
3つ目は「税額」の部分についてみていきましょう
こちらでは6月以降に納める住民税が確認できます。
ふるさと納税、住宅ローンを利用した方は④の金額からさらに税金を差し引く税額控除ができます。 控除を受けた残りの金額が最終的な住民税の所得割による金額(所得割額⑥)です。
また均等割は2023年まで基本的には道府県民税・都民税が1500円、市町村民税・特別区民税が3500円です。(※一部地域では多少異なります)
もし手元になかったら?
会社勤めの人の場合、会社が本人に代わって住民税を納めてくれる「特別徴収」になります。 会社に住民税決定通知書が送られ、その後に会社から従業員に手渡しのため、手元に無い場合は勤務先に問い合わせてみましょう。
フリーランスや個人事業主の場合には、自身で住民税の納付手続きを行わなくてはならない 「普通徴収」になります。5〜6月に通知書が届いていない場合、自治体の税務課に確認してみましょう。
住民税決定通知書は住宅ローンの利用の審査の際に金融機関から提出を求められる可能性があるので、手元に用意をしておきましょう。
絶対押さえておきたい税金の対策
会社員でもできる節税対策
医療費控除やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すると所得控除ができます。
iDeCoは自分で作る年金のことで、積立した掛金が全額所得控除の対象になります。掛金は60歳まで原則引き出すことができませんが、節税しながらしっかり老後のお金を増やせるのが魅力です。
またふるさと納税を活用すると税額控除の対象です。ふるさと納税とは好きな自治体に納税(寄付)することで、自己負担の2000円を引いた金額が住民税と所得税の税金控除となります。さらにその自治体から返礼品として特産品や日用品をもらえる制度です。家計の節約にも活かすことができます。
会社員でもできる節税は下記になります
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- ふるさと納税
- 医療費控除
- 青色申告制度
- 生命保険料控除・地震保険料控除